2018年12月定例会 髙橋和夫議員の一般質問

 
質問項目 (クリックするとジャンプします)
1、交通弱者対策の推進状況について
 現状と対策
 福岡市の条例に学べ
2、市内における外国人労働者の状況と実態について
3、夜間中学の必要性について
4、高齢者除雪対策について
  市職員除雪隊の利用状況と周知
  有償ボランティアの育成・助成
5、道の駅について
  関連道路の整備
  地域との協力対策
6、公共施設保有の最適化と長寿命化について

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 日本共産党市議団の髙橋和夫でございます。通告に基づいて質問させていただきます。
質問に入る前に、以前からお願いしておりました市道玉山252号線(市営住宅好摩夏間木第3団地付近)に街路灯設置を頂きありがとうございました。
 時節柄、日暮れが早く、女子小・中・高生徒の帰宅道路に灯りがついたことで、安全面からも地元から感謝の声が寄せられていることをご報告いたします。
 また、株式会社NIPPOが、玉山地域の上水道水源地付近に予定していたアスファルト再生を予定とする産廃施設の計画を、アスファルト市場環境の変化により撤回したとの情報がありました。玉山地域住民の水源の安全が守られたことについて、当局の努力に感謝申し上げます。 
 質問  答弁
 最初に交通弱者対策の推進状況について質問します。
 新聞・テレビ等でよく報道されます高齢者による交通事故は、早期対策が必要だということは誰でも考えていることであります。そしてその対策を求めているわけでありますが、現実問題としてなかなか前に進んでいないのが現状です。
 高齢者はどうしても足腰が弱くなり、物事の判断が遅くなり、意に反して誤った行動をすることなどがあり、物忘れなどその時期が早く訪れるか遅く訪れるかの違いだけで、誰でもが通る道であります。

 このような誰でもが通る道を本人はもとより家族、地域でカバーすることが大切でありますが、そこまで手が届いていないのが現実です。
 特に連れ合いを亡くし一人暮らしになり、市の中心部から遠く離れた地域に住んでいる人は深刻であります。地方に住む高齢者には運転免許証がどうしても必要になります。
 
 高齢者による交通事故が多発していることから、運転免許証返納の話をよく聞きますし、私の周りでも運転免許証を返納した方もあります。
 病院など行きますと、患者輸送バスを利用できない人は来る時も帰る時もタクシーを使っています。少ない年金から診察料、薬代、タクシー代を払わなければならない高齢者は大変です。どうにかして経費を浮かせるには電気量、灯油代、食糧費などを減らすしかないでしょう。
 これでは文化的生活ではありません。

 この様な現状を見るとき、行政は何をやるべきか。
市もいろいろと検討されていると思いますが、その現状と
今後の対策について伺います。


 因みに、福岡県福岡市の「公共交通空白地等及び移動制約者に係る生活交通の確保に関する条例」は、参考に値すると考えますがご所見を伺います。
《谷藤市長答弁》
 交通弱者対策の現状についてでありますが、まずは、公共交通を維持し、空白地帯を増加させないという視点で、既存バス路線が廃止とならないよう地域の方々と懇談を重ねながら、バス事業者への働きかけにより、その維持に取り組んでまいりました。

 交通手段に恵まれない地域においては、患者輸送バスの運行やスクールバスへの混乗などの施策に取り組んできたところでございます。

 また、公共交通の利用においては、「まちなか・おでかけパス」や「玉山地域おでかけきっぷ」により、高齢者への移動支援を行うとともに、一定の障がいのある方にタクシー及びガソリン料金を助成するなど、社会参加の促進を図っております。

 今後の対策につきましては、人口減少や少子高齢化の進展により、公共交通空白地帯における交通弱者の移動手段の確保が課題でありますことから、現在策定作業を進めている地域公共交通網形成計画のなかで、デマンドタクシー等地域の需要に応じた新たな交通サービスの導入など、誰もが利用しやすい地域公共交通網の構築に向け検討してまいります。

 次に、福岡市の「公共交通空白地等及び移動制約者に係る生活交通の確保に関する条例」への所見につきましては、同市の取組は、地域主体の生活交通の確保に向けた新たな取組と存じております。取組内容については、市も支援しながら地域主導型のバス運行を実施するなど、継続的な生活交通をつくりあげる仕組を構築しております。
 本市におきましても、この取組を参考にしながら、地域公共交通網形成計画の具体的な事業化の中で、地
域の需要に応じた移動手段について検討してまいりたいと存じます。

 次に市内における外国人労働者の状況と実態について質問します。

 玉山地域をはじめ盛岡市内には多くの外国人が生活をしております。異文化の外国人と同じ地域で生活することは、市民にとってもプラスになることであり、市役所敷地内に胸像がある新渡戸稲造氏は、海外で大きな働きをしています。

 さて、外国人労働者の問題については、国会で出入国管理法改定案が審議されています。企業が外国人技能実習生を必要とするのは、労働力を必要とする結果ではないでしょうか。

 市内で働く外国人技能実習生は何人いますか。その職種はどのようなものですか。賃金、労働時間など労働基準法は適用になっていますか

 これらが確実に守られないと、結果的に日本人労働者の雇用内容にも影響してきます。国籍を問わず、日本人と同じ条件以上で技能研修されるべきと考えますが、市内で働く外国人労働者の実態についてお知らせください。

 
 《沼田商工観光部長答弁》
 市内で働く外国人技能実習生の人数についてでありますが、岩手県労働局では市町村ごとのデータを公表していないため、盛岡公共職業安定所管内の人数となりますが、平成29年10月末現在、582人となっております。就労している業種につきましては、盛岡公共職業安定所管内の技能実習生の就業先のデータは公表されていないことから、県全体の状況となりますが、製造業が最も多く、次いで建設業、卸・小売業、サービス業、宿泊・飲食サービス業、情報通信業となっております。
 また、技能実習生に対する労働基準法の適用についてでありますが、技能実習生も雇用契約に基づき労働者として働くことから、労働基準法などの関係法令が適用されることとなります。
 次に、外国人労働者の実態についてでありますが、事業主との雇用契約を締結して働いているものとは存じておりますが、個別の労働者の細かな実態までは把握していないところであり、業界全体の会合などの場や個別企業から就労状況等を伺うなどして、情報収集してまいりたいと存じます。

  次に夜間中学校の必要性について質問します。
 今、不登校と言われる小中学生は12万人から13万人常に存在し、そのうち11万人は中学生ということです。
不登校とは年間30日以上欠席している子どもで、このうち年間の登校日数が10日未満の生徒は無登校と言われ、その数は不登校生のうち約1割強の1万人強で、全国に各学年4万人いる不登校生のうち4000人は全く学校に来ていない無登校だということです。
古い数字ですが1990年(平成平成2年)以降、全く学校に来ていない人にも卒業証書を授与することが一般化しています。こういう人たちのことを形式卒業者と呼んでいます。

 過去に経済的理由で、また虐待、偏見、差別などで学校に行けなかった人たちは、1980年代(昭和55年)に中曽根内閣当時、政府が推定した数字は70万人で、全国夜間中学校研究会が推計は百数十万人と言われました。

 夜間中学校は、全国8都府県25自治体31校しかありません。生徒数は31校で約1800人。東北以北は北海道も含めてありません。

 こういう中で、義務教育を終えられなかった人たちに、夜間中学校など学びの場を整備していこうということを国の政策として求める法律ができております。

 それは平成28年12月にできた「義務の段階における普通教育に相当する教育の機会の確保等に関する法律」という恐ろしく長い名称の法律です。略称は「教育機会確保法」です。

 これまで国が放置してきた人たちの学ぶ権利、学習権を保障しようという方向を国が示したことは画期的なことであります。

 この教育機会確保法は、年齢や国籍などにかかわらず教育の機会を保障するという考え方に立っていることが特徴です。

 何らかの理由で不登校になった人や外国人の学びの場として夜間中学校は必要です。学齢を過ぎた人に対して就学援助をしている自治体もあるといいます。
盛岡市は岩手県とタイアップして新たに野球場を作る計画をしています。

 この方式を活用して市と県が協力して夜間中学校を建設しようではありませんか。
地域づくりは人づくりです。昭和の合併の時の玉山村に村立玉山高等学校がありました。当時の時舘村長が「次世代のために教育が必要」と村立高等学校を建てたことは正しいことであったと私は考えております。

 夜間中学校も同じであります。一人の天才よりも多くの市民が一歩前進した方が価値があると思います。市長の英断に期待します。
 《千葉教育長答弁》
 市と県が協力した夜間中学校の建設についての所見でありますが、夜間中学校は建設についての所見でありますが、夜間中学校は、義務教育未修了者や、外国籍の人、また、不登校等で中学校での学習が十分でなかった人への、学びの機会を提供する仕組みとして、重要な役割を果たすものと認識しております。

 平成28年度に、県教育委員会が、「岩手県中学校夜間学級設置に関する検討委員会」を設置し、県内における就学希望の状況等について調査検討したところ、「ニーズの顕在化が見られず、現段階で早急に中学校夜間学級を設置する状況ではない」との結論に至ったと伺っております。

 市教育委員会といたしましては、この様な状況を踏まえ、今後の県の動向や、調査の実施状況等を注視してまいりたいと存じます。

≪再質問 大要≫ 

.調査したがニーズの顕在化がないということだが、どのような調査をしたのか、中身についてお知らせください。
.調査の対象者が、義務教育未修了者は高齢のため、学校に通うというニーズがなく、不登校の生徒については、高校等へ進学しているケースが多く、外国籍の方については、6,000人ほどいるものと把握しているが、希望について把握することが難しい。

.義務教育において、学校に一度も登校しなくても卒業証書を渡すとのことだが、どういうことなのか?
.登校できなくても、担任が家庭に訪問したり、課題を届けたりなどして学習を援助している。そのような状況を鑑みて、総合的に判断している。

.盛岡市内にフリースクールはあるか。
.あるが詳細は今分からないのでお答えできない。
 次に高齢者除雪対策について質問します。
 過日の全員協議会で平成30年度除排雪計画等について説明がありました。

 担当部では毎年、前年の成果を検討し、前年の実績を上回る結果を出していることは評価できるものであります。しかし、その年の天候状況により市民からの多くの要望が寄せられていることも事実であります。

 昨年、平成29年度は2625件の要望があったとされています。この背景には少子高齢化がその大きな原因と考えられます。このことは、今後さらに要望が増えることにもつながっていくものと考えられます。しかし、これは今の除雪機械の性格上、出入り口に除雪の山ができることはやむを得ないものであって、私は以前からロータリー車による大型ダンプとセットした除排雪を行うべきと考えております。しかしこの方法は多額の費用と時間がかかるという欠点もあります。どうしても除雪グレーダや除雪ローダが中心になります。

 毎年問題になるのは、除雪車が民家の前に雪の塊を置いて行くという問題であり、この対策は今の段階では人の力「人力」しかないのではないでしょうか。
市が設置している市職員除雪隊の実績は、平成28年度は実績0。昨年平成29年度は7日であります。本業第一ですが、昨年7日の実績で、何軒除雪したのでしょうか。 
 市民はこの制度を知っているでしょうか。
 もう一つは、健康な人は自宅や近所の除雪に協力するのは当然のことですが、余力のある人は有料ボランティアで協力をいただくことが必要と考えます。そのためには町内会・自治会に有料ボランティア組織の設立に協力していただくことは如何でしょうか。 他市の例で参考になるものがあればお知らせください。
 《南幅建設部長答弁》
 
 市職員除雪隊の平成29年度実績についてでありますが、出動した7日間の実績は、延べ34件であります。
 次に、市職員除雪隊び制度を市民が知っているかについてでありますが、市職員除雪隊については、「広報もりおか」やホームページに掲載してPRを行っておりますが、以前に民生児童委員を通した問い合わせもありましたことから、その後においては、保健福祉部と連携し、毎年、降雪シーズン前の民生児童委員12月定例会長会において、「職員による福祉除雪について」周知しているところでございますし、今後とも周知に努めてまいりたいと存じます。
 次に、町内会・自治体への有料ボランティア組織設立についてでありますが、有料ボランティア組織につきましては、町内会等が設立に関与することを含め、他都市の状況等を情報収集し、研究してまいりたいと存じます。

 次に、他市の例で参考になるものについてでありますが、札幌市社会福祉協議会の有料ボランティア制度による福祉除雪事業や、北上市の自主的な除雪活動に対して市が支援する制度があると伺っております。

≪再質問 大要≫

.1人暮らしの高齢者などを助けられないか、札幌と北上市の例を具体的に
.札幌の場合社会福祉協議会が募集をして、事前登録している。北上市はボランティアに対して市が助成している。

.盛岡にはそういう組織はないのか
.あるがほんの少し。方向性は定めているので前向きに検討してまいりたい。

.歴史文化会館前を清掃している方がいるが、あのような方々に協力を要請できないか。
.それも含めて検討していく。 
次に道の駅について質問します。

 盛岡市道の駅基本計画(案)ができました。国道4号線渋民バイパス計画着手から何年になるでしょうか。この間、社会状況や地域の状況が大きく変わってきました。
 私はこの計画に反対するものではありません。これから長期にこの道の駅を運営するには渋民商店街と直接つながる道路が必要と考えます。

 そうすることで相乗効果があると考えるのですがいかがでしょうか。

 「道の駅」ができただけでは意味がありません。そのことにより地域がどう発展していくのか、そしてそのために地域でどう対処するのか、地域の支援体制はどうなのか、そのために行政はどう支援していくのかがマッチしないと成功しないと考えます。当局の考え方を伺います。

《伊藤玉山総合事務所長答弁》
 国道4号渋民バイパスの計画着手から何年経過したかについてでありますが、昭和61年に事業着手、平成8年に工事着手し、平成27年に全線開通しており、現在、事業着手から32年が経過しております。

 次に、道の駅の長期的な運営に当たり、道の駅と渋民商店街を道路で直結させることで、相乗効果が得られるのではないかについてでありますが、盛岡市道の駅基本計画(案)におきましては、道の駅と石川啄木記念館を結ぶ散策路としての連絡路の整備による誘客促進のほか、地元商店街等への回遊性を高めるソフト事業の展開などについて、民間のアイデアを取り入れながら、具体的に検討することとしております。将来的には、散策路の利用状況や利用者の声等を踏まえながら、道路の必要性を含め、検討してまいりたいと存じます。

 次に、道の駅と地域の関わりについてでありますが、道の駅の整備や運営には、地域住民の支援や参画は欠かせないものであり、地域全体で取り組む必要があるものと存じております。

 道の駅の整備に当たりましては、「食」や「文化」、「眺望」などの地域資源を活用し、雇用創出など地域経済の振興に寄与することや、若者や女性など様々な人々の挑戦を支援し、将来のまちづくりを担う人材の育成を図るほか、地域住民が道の駅の運営に参加できる仕組みなどを検討しているところであります。
 今後におきましても、地域の方々や商工、農業等関係者と連携を密にし、取り組んでまいりたい
と存じます。

最後に公共施設保有の最適化と長寿命化について質問します。

 今、盛岡市は多くの公共施設の改修の時期に来ております。そのために多くの財源が必要となり、住民からすれば住民の声が生かされない中途半端な施設を作られても迷惑だという声もあります。

 例えば好摩就業改善センターについても複合施設でそれぞれの立場で意見が異なることもあります。このような問題は好摩就業改善センタ―に限らず、市内各施設でもあるものと思います。

 この際、公共施設保有の最適化と長寿命化計画の見直しをする考えはありませんか。その方が事業推進に効果的と考えますがいかがでしょうか伺います。
 《谷藤市長答弁》
 公共施設保有の最適化と長寿命化についてでありますが、公共施設の保有最適化・長寿命化は、厳しい財政状況の中、高齢化の進行等による社会保障関係費の更なる増加が見込まれるとともに、人口減少時代の本格的な到来に備え、既存の施設の集約化や複合化を進め、維持管理経費の縮減を図りつつ、大規模改修等により維持する施設の長寿命化を図ることを目的としたものであります。
 この計画は、保有施設の総量縮減や維持管理に係る経費の削減を行うことで、将来世代に大きな負担を強いることなく、財政負担の軽減・平準化を図りながら、持続可能な市民サービスの提供を目指すものでありますことから、この趣旨を地域や利用者の皆様にご理解をいただくことが必要であると存じております。

 従いまして、計画の実施に当たりましては、その趣旨を堅持しつつ、十分に地域や利用者の皆様のご意向をお聴きすることで、整備手法の改善を図るなど、向こう3年間の取組を定めた実施計画に反映させながら、より効果的な施設整備を実施することで、計画の着実な推進取り組んでまいりたいと存じます。