2、議案第117号 国民健康保険費特別会計補正予算について
≪庄子春治≫今回、前年度の繰越金 12億9867万9千円のうち、過年度国庫負担金の清算にともなって4億1892万6千円を国庫へ返還し、残りの8億7975万3千円を基金に積み立てます。
この積立によって、基金残高はどうなるか、改めてお示しください。前回の国保税改定の内容及び、その改定以降の各年度の剰余金、及び、基金残高をお示しください。
≪伊勢谷市民部長≫平成30年度の国保事業の財政調整基金の残高の見込みは、18億8749万円となっている。また、歳計剰余金と国民健康保険財政調整基金の残高についてですが、国保税の改定があった平成22年度以降、22年度は、剰余金が7817万円 基金は当時の残高2億449間年を全額取り崩したため、残高ゼロ。
(以下、下表の通りの説明あり)
盛岡市国民健康保険特別会計決算状況 |
(単位:円) |
年度 |
歳入 |
法定外繰入 |
歳出 |
収支 |
国県償還金 |
基金積立額 |
基金取崩額 |
基金残高 |
30 |
26,810,066,000 |
0 |
26,810,066,000 |
0 |
|
879,835,000 |
216,600,000 |
1,887,492,000 |
29 |
31,734,640,435 |
0 |
30,435,960,318 |
1,298,680,117 |
402,249,000 |
297,491,000 |
|
1,224,257,000 |
28 |
31,454,167,987 |
0 |
31,058,688,303 |
395,479,684 |
98,040,877 |
114,649,000 |
|
926,766,000 |
27 |
32,266,609,603 |
0 |
31,831,938,583 |
434,671,020 |
318,948,758 |
288,309,000 |
|
812,117,000 |
26 |
28,027,374,639 |
380,000,000 |
27,591,953,151 |
435,421,488 |
141,335,492 |
36,232,000 |
|
523,808,000 |
25 |
28,569,265,070 |
380,000,000 |
28,306,610,255 |
262,654,815 |
225,355,794 |
487,576,000 |
|
487,576,000 |
24 |
27,946,699,517 |
380,000,000 |
27,168,336,953 |
778,362,564 |
302,822,996 |
0 |
|
0 |
23 |
26,576,625,413 |
380,000,000 |
26,137,709,982 |
438,915,431 |
203,606,313 |
0 |
|
0 |
22 |
25,217,851,428 |
230,000,000 |
25,139,677,192 |
78,174,236 |
255,877,907 |
0 |
204,492,462 |
0 |
21 |
24,782,404,742 |
0 |
24,776,876,288 |
5,528,454 |
61,764,936 |
305,664 |
|
204,492,462 |
20 |
24,907,386,075 |
0 |
24,240,070,467 |
667,315,608 |
23,356,155 |
571,725 |
|
203,920,737 |
※1)H22年度に税率改正を実施 30年度は見込み |
≪庄子春治≫国保ですが、各年度の状況をご説明いただいたが、平成22年に税率改定をした際に、少し抑えるために一般会計から法定外繰り入れが行われ、その後3億8千万円の繰り入れを26年度まで行われた。27年度以降は、財政状況が好転したことから法定外繰り入れはなくなった。その前後から、剰余金と基金が毎年右肩上がりでカーブが上昇に転じた。29年度については、それまでの約4億程度の剰余金が13億と3倍以上になっている。その要因は何か。
≪伊勢谷市民部長≫ 22年度に税率改定を行ったが、その際に国保運営委員会等の場で議論された。所得割を0.8%引き上げ、均等割りを2000円引き上げたりした。当時の試算では、上げ幅よりもほぼ倍くらいあげなければいけないのではないかと試算していた。市民生活に大きな影響があるということで、一般会計からの繰り入れや基金からの充当で税率の上げ幅を抑えた。
27年度、財政状況が好転したために繰り入れを行わなかったということではない。30年度から国保制度改革があり、3400億円の国費が投入されているが、それを前倒しした形で27年度から各市町村への公費(国費)投入が行われている。それらも加味して、盛岡市でも繰り入れを行わないということで、30年度以降盛岡市の国保財政がかなり悪くなるのではないかと予想されていたので、そのために基金の積み増しを行ってきた。
その中で、基金の積み増しができた理由は、22年度から26年度までは、一般会計からの繰り入れを行っている。また国からの公費拡充が前倒しで行われている、その結果として平成25年度から継続しての基金の積み増しができたものと考えている。
29年度からの繰越金(約13億円)については、29年度で終了した「高額療養費共同事業の清算金」の各市町村への返還とか、国庫の交付金が当初の想定以上に交付されたことがあって、剰余金が大きくなった。30年度以降の国保財政の安定化のために基金に積んで対応しようというものだ。
≪庄子春治≫ 22年度から26年度までの法定外繰り入れは、市として市民お負担を増やさないための英断として大変良い決断だったなと思う。(剰余金が出たのは)国から3400億円の交付金が来たということが要因だということだが、盛岡市には各年度いくらずつ入っていますか。
≪伊勢谷市民部長≫申し訳ございません。数字の持ち合わせがありません。
≪庄子春治≫後で正確にお調べいただきたい。国が3400億円(正確には、27~29年度 1700億円 30年度3400億円)を入れ始めたというのは、全国の知事会、市長会等から、国保の財政的な基盤を強化するために、国として面倒を見るべきだという強い要望の中で、国の説明では、「1世帯当たり5000円」の引き下げは可能だ、と言って交付が始まった。盛岡市に対しても1億5~6千万円という額だと思うが、それを差し引いても、毎年2億程度の黒字が積み増しになっている。その要因をどう見ているか。
≪伊勢谷市民部長≫基金の方のこれまでの積み増しをしてきた。22年度からの繰り入れ、公費拡充を利用して将来のために積み増ししてきたということだ。
あわせまして、市の方で、国保財政の安定化ということで努力をしてきた、国保税の滞納の収納率を上げたり税の公平性を確保するための努力もある。
≪庄子春治≫国の方は1世帯5000円となる。それは引き下げに活用すべきだと主張してきたが積み増しをしてきた。しかし、それを除いても毎年、2億近くの黒字が出ている。ということになると、国保税の、目的税としての性格からいえば、これはある意味とりすぎだ、という風にも言えなくもない剰余金ではないか。国保税は目的税だという性格からいった場合に、そのような見解(とりすぎは戻すべき)は持てないか。
≪伊勢谷市民部長≫国保税が目的税だということはその通りだ。国庫の負担金とか調整交付金など公費で賄われているものを除き国保税で賄われるという原則で実施されている。国保税について『とりすぎではないか』ということについては、例えば基金という切り口からいえば、今年度の3月末で、18億ということになるが、他の中核市においても、29年度の剰余金が全国的にも大きく配分されている状態で、他の中核市においても本市と同等規模の残高になっているところが約3割となっている。様々な自治体において。さらに悪化を招くのではないかといわれている国保財政についての必要な備えをしているということではないか、と考えている。
≪庄子春治≫もう一つ伺いたいが、平成30年度の予算では、財調からの取り崩しが21600万円ほど計上されているが、現時点での見込みとして、今年度の国保会計の状況はどうか。予定通り取り崩しになると考えているか。
≪伊勢谷市民部長≫当初の予算で基金取り崩しを2億1660万円を計上させていただいている。そうすることで収支の均衡を図った予算とした。30年度の国保の状況は、取り崩しをした状態で、堅調に推移している。
その状態で、29年度の剰余金から基金に入れるということだ。
≪庄子春治≫2億1600万は現時点でまだ取り崩していない。これ積み立てると現瞬間では21億円を超える。それはさておき、18億8千万円というのは、一世帯当たりにすると何万円になるか。
≪伊勢谷市民部長≫・・・・・・
≪庄子春治≫私の計算では約5万円になる。国保の税の負担状況というのは、先日の一般質問で鈴木努議員が具体的に指摘したように協会けんぽの水準からみると、2倍の負担になっている。重い負担になっている。しかも国保加入世帯の多くは、比較的所得の低い状況におかれている方が多い。非常に重い。もともと重い負担となっているとき、一世帯当たり5万円もの積み立て置くという状況でいいのか、ということだ。
その点からいえば、一定の軽減のために活用すべきだ。知事会も市長会も、一兆円規模の国庫負担が必要だと訴えている。基本的には国の責任で軽減すべきだという立場である。それはそれとしてやっていただきながらも、盛岡市にある、一世帯5万円という基金、協会けんぽと比べても2倍と高い、重税感のある国保税について、これを積んだまま、『知らん』というわけにはいかないのではないか。財政の推移をみつつも、こうした溜め込み金については、引き下げに活用すべきだと思うがいかがか。
≪伊勢谷市民部長≫現在の国保の構成で検討させていただければ、構成割合が高い高齢者層が順次後期高齢者医療制度に移行しているほか、被用者保険にそのまま残っているという事情もあって、国保の被保険者が非常にへ入り方が大きくなっている。減ってきたなかで、国保財政を運営していかなければ今後いけないという中での公費投入ということになっている。その中で、基金をどのように活用するのが市民のためにいいのか、ということについては、2月の全員協議会でも説明したが、県から盛岡市は大きく上がらないように、激変緩和措置で投入されている、ということで、(負担金が)指定されている。そういう中で、2億円ほどの基金を取り崩して種子均衡を図っている。今後、国保の制度改革がスタートしたばかりであって、今後の不透明感がある。国からどう入ってくるか、見えていない。それらを考えて、今の国保税の水準を維持することに一番力を注ぎたい、今後上げなければならないのか下げることができるのか、その時に基金がどこまで残っているか、2月の段階で「3年をめどに見直し」を検討させてほしいと説明してきた。今現在は、基金を活用しながらなんとか今の水準で維持していくということで考えなければならないと考えている。
≪庄子春治≫今後の不透明感というが、はっきりしているのは、協会けんぽの2倍の重い負担だ。根本解決は「国庫からの1兆円」というのが市長会知事会からの要望であって、そうすべきだ。それはそれとして、引き続き運動することが必要だ。それにしても、今、2倍の負担感の重い国保税について、20億円近くも基金を持ちながら「様子を見る、様子を見る」ということでいいのかということが問われている。負担軽減に資するべきだ。
そこで、一般質問で鈴木努議員が子どもの均等割りについて、軽減した場合どうなるか聞いた。全部なくせば1億1千万円だと答えた、仙台の例では、「3割軽減だ」ということも示した。たとえば、二人目以降をなしにした場合はいくらかかるか、仙台市なみに3割軽減したらどれくらいかかるか、試算すればどうなるか。
≪伊勢谷市民部長≫均等割り部分の子どもに対する軽減措置ということだが、二人目以降の均等割りを全額軽減した場合、約4078万円の減収になる。仙台市なみし、子ども全体の3割にした場合の影響額は3343万円の影響額と考えている。
≪庄子春治≫市長に伺う。先ほども言った、法定外繰り入れを決断した市長の決断は私たちは高く評価した、市民の負担増を、重い国保税の負担増を招かないために、3億8千万円も入れてくれた。
いま、伊勢谷部長がるるご説明がありました。いろいろ今後の不透明感はある。しかし、「均等割り」という「人頭税」のような、しかも子供に対してもかかっている。せめて、子どもの均等割り、せめて仙台並みの3割、あるいは第2子以降ということになれば、3千万円とか4千万円というオーダーなわけだ。
せめてこれくらい 市長、決断できないか。
≪谷藤市長≫議員の指摘する通り、協会けんぽに比べれば2倍と非常に高いということは認識をしているが、平成22年当時の状況の中で、決断はさせていただいた。隣の秋田市等を見れば、一般財政からの繰り入れは一切行わないということでずっと来ている市もある中で、一旦出した市の繰り入れを込みにしても、基金に18億ある。本当は、一般財源に戻してもらいたいが、それはできないルールになっているということもある。将来にわたって国保のこれ以上高くならないような今の水準を維持していくことを最大のテーマとして取り組んでいる。
しかし、議員指摘の通り、将来世代を担う子どもたちの分も非常に負担が重いということもある。どういう形で、将来にわたって安定した国保運営をしつつ、どう工夫できるか、検討させていただきたい。
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