質問 |
答弁 |
≪鈴木礼子≫最初にごみ処理広域化計画について伺います。
過日の市議会全員協議会で県央ブロックごみ処理施設整備予定地選定の進捗状況について説明がありました。盛岡南インターチェンジ付近とクリーンセンター敷地の2候補地について周辺町内、関係者の多くが施設整備に反対の意向を示しており、協議・調整を進めることが難しい。今後は、都南工業団地付近と盛岡インター付近の2候補地を選定に向けて優先的に継続協議する。
選定時期は31年度3月の推進協議会で決定するとのことです。
残り2か所を中心に取り組みたいとは、盛岡南インターチェンジ付近とクリーンセンター敷地はすでに候補地の選択肢から外れるということなのでしょうか。
クリーンセンター敷地については、基本構想が示された当初から「覚書」を無視した対応だと指摘してきましたが、今日の協議・調整が難しいとした結果についてはどのように総括されているのか。「覚書」を遵守するとはどういうことなのかあらためて伺いたい。
また、盛岡南インターチェンジ付近については、検討委員会の検討過程で候補地から除外された所です。再度候補地に入れた客観的な根拠も示されず、地元からの要望があったからと候補地に入れたのです。
13回もの有識者による検討そのものが問われかねないことであり、このような対応がいかに無謀であったかを如実に示したのではありませんか。いかがですか。
1カ所への絞り込みにあたっても、31年3月に予定される推進協議会で決定すると言いながら、事務方が、今後は2か所に絞り込んで対応するということ自体、組織としての推進協議会の権威も地に落ち、無責任な「盛岡市のお手並み拝見」の域から一歩出ないということを証明しているのではありませんか。いかがですか。
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【環境部長答弁】
盛岡南インターチェンジ付近とクリーンセンター敷地は候補地の選択肢から外れるのか、についてでありますが、「盛岡南インターチェンジ付近」及び「盛岡市クリーンセンター敷地」については、地域住民や関係者からの施設整備に反対する御意見が寄せられていることや、覚書に基づく協議の状況などから、住民説明会等を開催することが難しいと判断し、「都南工業団地付近」及び「盛岡インターチェンジ付近」の2つの候補地を、整備予定地選定に向けて、地域住民や関係者との協議を「優先的に継続実施する候補地」としたものであり、今後、「県央ブロックごみ・し尿処理広域化推進協議会」において「地域住民や関係者の意見」その他の評価項目を総合的に判断し、4候補地から整備予定地1か所を選定することとしているものであります。
次に、覚書の協議・調整が難しいとした結果をどう総括しているのか、についてでありますが、整備予定地の選定に当り、住民説明会を開催し、地域の皆様と協議しようとしましたが、覚書の協議に入れない状況となり、覚書に対する認識の違いが大きかったものと存じます。
次に、覚書を遵守するということはどういうことかについてでありますが、覚書は、現クリーンセンターの平成10年4月の稼動に当り、施設周辺の町内会や自治会との間で、公害防止協定の締結や、施設の更新に際しての原則的な考え方などについて合意した事項を記載し、実施してきたものであります。
ごみ処理の広域化は「覚書」に定める「分散型立地」とは方向性が異なっておりますが、「この覚書に疑義が生じたとき、又は覚書の内容により難い事情が生じたときは、協議して定めるものとする。」との規定に基づき、今後も対応していく必要があるものと存じます。
次に、「盛岡インターチェンジ付近」を整備候補地に入れたことは、無謀であったのではないか、についてでありますが、平成29年3月の「ごみ処理施設整備候補地検討委員会」からの報告書において、「今後、施設誘致の要望があった場合には、検討委員会が選定した、除外要件や立地回避要件、評価項目に基づき、協議会において取り扱いの判断をされるよう要望する。」との意見が付され、平成29年4月に盛岡商工会議所都南地域運営協議会から誘致に関する要望書が提出されたことから、広域化推進協議会において協議し、候補地として取り扱うこととしたものであります。
次に、事務方が2か所に絞り込んで対応すること自体、盛岡市のお手並み拝見の域から一歩出ないことの証明ではないか、についてでありますが、平成30年7月末に各市町等の担当課長に、整備候補地4か所の状況と今後の進め方を説明し、8月6日から10日にかけて、協議会を構成する市町の市町長を訪問し、「都南工業団地付近」及び「盛岡インターチェンジ付近」を「優先的に継続協議する整備候補地」とすること等について、了承を得ているものであります。
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次に県央ブロック循環型社会形成推進地域計画(以下「地域計画」)について伺います。
今年の3月に「廃棄物処理法」の「基本的な方針」に沿って作成され、交付金交付の前提となる「地域計画」が提示されました。
基本方針は、3R推進にむけてごみ減量化や資源化を図り、循環型社会に向けた廃棄物処理システムをめざすとしました。
事業計画は、31~35年度までを目標年度とする一次計画とし、
ごみ焼却施設は、市内に日量500t規模の整備と中継施設を八幡平地区(日量35トン)、葛巻・岩手地区(日量17トン)、紫波・矢巾地区(日量63t)の3か所の現清掃事業所敷地内に整備。総事業費275億28百万円、うち高効率ごみ発電施設整備費(焼却処理施設)が総事業費の9割を占める252億4千万円とし、交付対象事業費225億28百万円としています。財源内訳は、交付金40%、残りは事業債・一般財源を充てるとしています。
循環型社会形成推進基本法は、ごみ処理の優先順位を ①発生抑制 ②再使用 ③再正利用のいわゆる3Rの推進 ④熱回収 ⑤適正処分としており、何よりも先に、発生抑制、減量・資源化をすすめ、その結果として焼却施設の規模が決定されると理解しています。「地域計画は」は、減量・資源化目標は35年度までの1次計画のみで、残り7年間の計画は示されず、焼却施設の規模だけは日量500tと決めており、何のための3R推進なのか矛盾するのではありませんか。
この間、当局は、広域化は、ブロック内の先進的な取り組みを拡大実施し、ブロック全体のごみの減量化やリサイクルの推進につながるとくりかえしてきました。ごみ減量が進むというのであれば、焼却施設の規模にどのように反映されたのか、なぜ、減量・資源化計画が1次計画だけなのか説明をいただきたい。
また、ブロック内の先進的な取り組みを拡大実施するという点では具体的にどのような配慮がされたのでしょうか。
1次計画の減量・資源化目標は、家庭ごみの分別では盛岡市の基準に整理されており、減量目標は(資源ごみを除く)、岩手県・盛岡市の減量目標を超え、第3次、第4次循環型社会形成推進計画の過大な目標が設定されているのではないでしょうか。ただし資源化率は現状維持となっています。
過大な減量目標を設定しながら、市のごみ減量の実績は微減か現状維持状態で、盛岡市の分別基準では期待するほどの減量効果は見込めないというのがこの間の実態ではなかったのか。紫波・矢巾・都南地区や葛巻地区の生ごみの分別など先進的な取り組みを後退させ、ごみ減量が大きく進むということについて納得のいく説明を求めます。
焼却処理は事務組合が行い、減量・資源化は市町がするとした処理事業の分離が、減量・資源化が進むのか根拠をお示しください。本来のごみ処理の効率的・効果的な対応とは矛盾するのではありませんか。
この間、党市議団は3市5町のごみ処理について、それぞれの地域の経済的・文化的な背景のもと地域の個性があること。これらを無視する広域化はごみ減量に逆行すると指摘してきましたが「地域計画
は、まさに交付金目あての計画としか写りませんが、いかがかですか。
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【環境部長答弁】
次に、「地域計画」では広域化でごみ減量が進むというのであれば、焼却施設の規模にどう反映したのか、についてでありますが、現在8市町において内容の検討を進めている「地域計画」(案)においては、焼却施設の規模を500トンとしておりますが、これは平成27年1月に策定した「基本構想」と同じ規模としているものであり、今後、「ごみ処理基本計画」や「地域計画」の検討において、ごみ減量や資源化の目標、施策等と併せて、施設の規模についても精査していく予定としております。
次に、なぜ減量・資源化目標が1次計画だけなのか理由を示せ、についてでありますが、「地域計画」は、国の作成マニュアルにおいて、計画期間を原則として5年間として計画を定めるとされていることを踏まえ、第1次の計画として、まずは5年間における減量・資源化の目標や施策について定めようとするものであります。
次に、ブロック内の先進的な取組を拡大実施することに具体的にどのような配慮をしたのか、についてでありますが、循環型社会の推進に向けて、8市町が共同で取り組む施策の検討において、本市において小売業者や市民団体と締結している「容器包装廃棄物削減への取組に関する協定」を他の市町に拡大し、容器包装物の分別・資源化行動を促進していくことや、ごみの適正処理に関するチラシやパンフレットなどの周知啓発物を全域で活用していくことなどを掲げているものであります。
次に、1次計画の減量・資源化目標の設定は過大ではないか、についてでありますが、「地域計画」(案)では、平成35年度の「資源を除く家庭ごみ1人1日当りの排出量」について、平成28年度から平成35年までの7年間で「7%」減少させる目標としており、各市町の一般廃棄物処理計画において、おおむね10年間で10%減量化する目標としていることから設定しているものであり、各市町の目標と整合が図られているものと存じております。
次に、広域化は、生ごみ資源化の取組を後退させ、ごみ減量が大きく進むとしているが、非現実的な対応ではないか、についてでありますが、各市町の担当課長で構成する「部会」で、生ごみの資源化の手法などについて、検討してまいります。
次に、ごみ処理事業の分離でごみ減量・資源化が進むとする根拠についてでありますが、現在策定を進めている「地域計画」や、新たに設立する一部事務組合において策定する「ごみ処理基本計画」に基づき、8市町が共同で、ごみ減量に関する周知啓発、資源化の拡大、3Rの推進に関する施策に取り組むことにより、圏域における減量・資源化を推進してまいりたいと存じます。
次に、地域計画は交付金目あての計画ではないか、についてでありますが、地域計画は、「循環型社会形成推進交付金制度」に基づき市町村等が、おおむね5年間において3R推進のための目標と、それを実現するために必要な施策を定める計画であり、この計画に位置付けられた施設の整備に対し、交付金が交付される制度であると理解しております。
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次に事業系ごみ減量について伺います。
市ごみ減量資源再生利用推進会議で、29年度の一般廃棄物の排出状況が報告されました。ごみ減量では、家庭ごみ、事業系ごみとも減量目標はクリアーしたものの微減にとどまる内容ですが、どのように総括されていますか。
また、29年6月から取り組んだ地区ごとのごみの量や分別の状況がまとめられましたが、これらの評価と今後のごみ減量にどのように反映されるのか。伺います。
ごみ減量では、事業系ごみの減量・資源化の具体化が重要な課題になっていますが、先ごろ盛岡・紫波地区環境施設組合が行った仙台市の事業系ごみの減量についての視察・研修に参加する機会をいただきました。
仙台市は、平成17年4月から事業系の再生可能な紙類は、清掃工場への搬入を禁止し、その効果は平成16年度の事業系ごみ量181、993tが17年度には164、851tに減少する、9・4%もの減量効果となったものです。
搬入禁止都同時に、市内4カ所に無料で紙類を持ち込める回収庫の設置(市の事業)や焼却場には専任職員を配置して内容物検査をスタートさせました。
内容物検査は、当初の人海戦術から「展開検査装置を導入し、機械化による効率化を図り、検査結果をもとに排出事業者への立ち入り指導を徹底しています。
また、29年度4月の組織改正で「事業ごみ減量課を新設。32年度までに27年度比で約2万トン減量の122、000t以下の排出目標に向けて新たな展開をしています。
当市でも、分別してもストックするスペースがないなどの課題がありますが、仙台市は、古紙回収業者や古紙問屋等の協力を得て、事業系紙類回収ステーションを市内18カ所に設置。共同資源回収庫設置費補助制度を創設し、ビル等のフロアでの回収を共同で行うことを条件に整備費用等への助成(上限20万円)を行っています。
家庭ごみと同様に「事業系ごみの分け方・出し方」パンフレットの事業者への送付をはじめ、事業ごみの出前講座の実施などきめ細かな啓発などごみ減量への徹底した施策を展開しています。
当市の事業系ごみの減量目標は、38年度までに27年度実績比で10%の約4300tの減量ですが、取り組みいかん(次第)では大幅な減量が可能になるのではありませんか。
先進地の例を参考にしつつ、よりスピード感をもって具体の施策を展開し、減量効果を上げるよう求めますが、いかがですか。仙台市の施策への所見も合わせてお聞かせ下さい。
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【環境部長答弁】
次に、平成29年度の家庭ごみ及び事業系ごみの排出量の総括についてでありますが、平成29年度から38年度までの10年間を計画期間とする「盛岡市一般廃棄物処理基本計画」において、平成38年度までに「資源を除く家庭ごみの1人1日当たり排出量」及び「事業系ごみ排出量」を平成27年度実績比で10%減量することを目標としております。
平成29年度の「資源を除く1人1日当たり家庭ごみ排出量」は、479グラムであり、28年度実績の488グラムから9グラム、1.9%減少しており、地域におけるごみ減量に関する取組による減量化は着実に進んでおりますが、「事業系ごみ排出量」4万2,340トンは、28年度実績の4万2,481トンから141トン、0.3%の減少と、横ばいの状況となっているため、引き続き基本計画に掲げる減量目標の達成に向けて、事業者に対する周知啓発や、資源化が可能な古紙等の搬入規制など、事業系ごみの減量に関する施策に重点的に取り組む必要があるものと存じております。
次に、地区ごとのごみの量や分別の状況についての評価と、今後のごみ減量にどのように反映されるのかについてでありますが、平成29年6月から平成30年3月までの実績を集約し分析したところ、借家・単身世帯が多い地区、商業地域を含む地区、農地が多い地区などにおいて、特徴的な傾向が表れており、今後も継続して情報を蓄積していくことにより、ごみ減量のための施策を展開することに活用できるものと評価しております。
今後、各地区で開かれる懇談会や地域住民との意見交換の場において、分析結果を話し合うことなどを通じ、各地区の特性に対応したごみ減量資源再利用の取組の推進に生かしてまいりたいと存じております。
【市長答弁】
事業系ごみ減量の施策の展開についてでありますが、「盛岡市一般廃棄物処理基本計画」及び「盛岡市ごみ減量化行動計画」における重点施策のひとつとして、「資源化可能な事業系古紙の焼却施設への搬入規制」により、事業系ごみの減量・資源化を図ることとし、実施に向けて検討を進めてきたところであります。
事業系古紙の搬入規制については、実施した自治体への調査から、古紙の施設への搬入を制限するとともに、資源化ルートに誘導させる仕組みの構築、内容物検査体制の強化、啓発物の作成による周知も併せて実施することにより、減量効果があるものと把握しております。
次に、仙台市の施策への所見でありますが、平成17年度に古紙の搬入規制と市内4ヶ所の回収庫への誘導により、平成16年度と比較し、9.4%の減量効果があった事例として捉えております。
先進地の例から見ても事業系古紙の搬入規制が事業系ごみの減量に効果があるものと存じており、現在、本市においては、無料で紙類を持ち込める回収庫の設置について、古紙回収業者と協議するとともに、内容物検査体制の強化、事業者用の詳細な分別冊子の作成などの検討を進めているところであり、平成32年度を目処に、実施できるよう努めてまいりたいと存じます。
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次に学校給食について伺います。
中学校給食・・ランチボックスの総括と対策
先の6月議会で「盛岡市の中学校給食の格差是正を求める決議」が全会一致で採択されました。
平成4年、旧都南村との合併を機に学校給食の格差解消が大きな問題となり、平成7年に設置された市議会都市化農業・学校給食対策特別委員会が、平成9年3月に未実施中学校への完全給食の実施を求める報告書を提出して以来、21余が経過しています。
報告書提出から11年後の平成20年に市内初のランチボックス給食が黒石野中で実施されましたが、保護者等からは「経費節減が先に立つ安上がりの学校給食でいいのか、教育の場にふさわしい学校給食」をとの声が上がったのは当然のことです。
その後の経過は周知のとおり、業者が見つからない、喫食率が伸びず、生徒には不評等々、市教委は6月議会の庄子議員への答弁で「全員喫食による方式を含め中学校給食のあり方を検討する」との方針変更せざるを得ない事態になったのです。
当時の中学生が今や保護者になっているほどの長い時間を要し、スピード感をもって対応すべきとの市民の声に一日も早く答えていただきたいと思います。
市教委は、有識者の皆さんから意見を聞くとして学校給食懇話会を設置しましたが、ランチボックス給食の総括はどのようにされたのでしょうか。ランチボックス給食導入の基本的な考え方の一つに、教育長は常々「選択制給食は自己管理能力を養う効果が期待される」旨発言されましたが、この点ではどうですか。
「学校給食を教材」とする食育推進でもランチボックス給食が真に効果があったのかどうか。喫食率が30%を下回り文科省のいう完全給食の定義から外れているにもかかわらず完全給食だとする根拠も、市民を納得させ得るものではありません。
また、ランチボックス給食は税金の使い方としても不公平感があると指摘してきまましたが、給食形態による経費比較では1食あたりの市費負担分が最も高いのがランチボックス給食(喫食率が低いためか)です。
食べない生徒には恩恵がないこと。家計の事情で給食を真に必要とする生徒に等しく貢献できないなど重大な問題をかかえているのではありませんか。選択制給食について真摯に総括してこそ、求められる学校給食像が導きだれるのではないでしょうか、いかがですか。
このたび、市教委は、学校給食懇話会を設置し、学校給食のあり方について広く有識者の意見を聞くとしましたが、今、必要なことなのかと疑問を持ちます。既に第一次計画の選択制給食が頓挫していることを重く受け止め、今期の計画期間内にどう対処するのかが問われているのではありませんか。市長部局も含め緊急の対策を講じるべきではありませんか。市長のご所見を伺います。
次に給食懇話会の非公開について伺います。
学校給食懇話会の傍聴を希望した市民から、その冒頭に非公開になったことで市教委の対応に疑問が寄せられています。市の審議会等は、公開指針で明確な理由がない限り原則公開であり、なぜ非公開にしたのか理由をお示しください。
会議開催の周知(第6条)では、仮に非公開にする場合でも事前にその理由を公表し、市民に情報を伝えることとしていますが、この点はどうだったのでしょうか。
この度の非公開は、「公開指針」とは相いれないものであり、どのような判断で今回の対応となったのか、今後の対応についても合わせてお示しください。
また、会議が非公開の場合でも会議資料・会議録の公開が求められていますが、これらについても極めて不十分な対応となっているのではありませんか。
いかがですか。
次に旧市内小学校単独調理について伺います。
旧市内単独調理場は、民間間業者による調査で21施設が学校敷地内での増設が可能とのことでしたが、その後の市教委の実地調査では、21施設のうち9施設が増設困難とのことです。具体的な調査内容・結果、9施設の学校名も合わせてお知らせください。
次に給食費の無償化についてです。
29年度の学校給食費の未納実態は、小学校で未納率0・15%、45世帯58件で未納額110万93円です。中学校では0・61%、49世帯50件で未納額91万9千68円ということです。
未納率が、他の公共料金に比べて低い水準にあるのは、収納方法にもよりますが、子どもにかかる教育費は無理をしてでも優先的に払っているのではと考えられます。
給食費未納問題は、保護者のモラルの問題としてとらえられがちですが、今日の子どもの貧困問題から見ても、子どもの貧困のSOSと受け止めるべきではないでしょうか。未納の要因についてはどのように把握されていますか。
この間、党市議団は学校給食費の無償化について質問、提案してきましたが、無償化問題は「食格差
の解消という立場からも全国的に議論が深まっています。
給食のない夏休みに体重が減る子がいる。給食のない中学校では弁当の持参日数が少ない生徒ほど朝食欠食頻度が高い傾向にあるとの調査報告もある中で、学校給食は格差を埋める大きな役割を果たしています。
子どもの貧困対策大綱は、学校をプラットホームとする総合的な支援を求めており、学校給食は子どもの食のセーフティネット・社会保障として位置付けて費用はすべての子どもが等しく利益を得ることができる無償化にすることが求められていますが、市長のご所見をお聞かせください。実現に向けて一歩を踏み出していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
この項最後に給食費の会計制度について伺います。
給食費の会計には私会計と公会計がありますが、当市の納入方法と管理についてお知らせください。
地区集金といって、保護者(PTA)が集金し学校に届けるか、振り込む方法を採っている学校もあると聞きます。地区集金では学校管理者が「地区集金を止めると未納が増える」などと実施している実態も漏れ伝わっていますが、実態はどうでしょうか。
給食費について1校あたり年間どれ位(平均で可)のお金を管理しているのでしょうか。私会計による集金は、不祥事の発生や透明性、公平性に問題があることも指摘されています。また、地区集金ではプライバシーの問題もあります。徴収管理が教職員の負担になっていることも憂慮されます。
文科省は、働き方改革の一環として公会計化の導入を図っていますが、当市としても一刻も早く公会計への切り替えを図るべきと考えますが、いかがですか。
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【市長答弁】
次に、中学校給食への緊急対策についての所見でありますが、本市といたしましては、総合計画に位置付けた(仮称)盛岡学校給食センターの早期の建設はもちろんのこと、老朽化が進んだその他の施設の改修等や6月議会で御決議をいただいた中学校給食への対応につきましても、現在、全庁挙げて、最優先事項として取り組んでいるところであります。
【教育部長答弁】 選択制給食における総括についてでありますが、これまでの、給食自由選択方式の実施状況をみますと、この方式の導入により、「献立表」と、献立を解説する「給食だより」が、すべての生徒に配布され、これらを基に各家庭において、ランチボックス給食と弁当のどちらにするかなど、親子で話し合う機会が生まれており、食に関する自己管理能力を養うことにつながっているものと存じております。
また、「食育だより」や、栄養士による食に関する指導により、望ましい食生活に対する関心を高めているものと存じております。
しかし、現在、受託できる事業者がいないことにより、給食自由選択方式が3校で導入できない状況となっていることが、大きな課題でありますことから、学校給食懇話会において、中学校給食の在り方について、現状や将来について様々な御意見をいただきながら、全員喫食による方式も含め検討を進めているところであります。
最終的な総括は、懇話会における意見や、アンケート結果を踏まえて行ってまいりたいと存じます。
【教育部長答弁】 学校給食懇話会を非公開とした理由と今後の対応についてでありますが、第1回の懇話会において、「公開することにより、自由な発言が妨げられるおそれがある」との判断がなされたことから、非公開となったものであり、会議の公開、非公開については、会議の中で諮る旨を事前に周知していたものであります。
しかし、懇話会の公開又は非公開の決定に当たり、市の「審議会等の会議の公開に関する指針」についての説明が不十分であったと存じており、次回の懇話会におきましては、会議は、原則公開であることや、非公開とする場合の事由など、市の指針の趣旨及び内容について十分説明をした上で、改めて委員の皆様に御検討を頂きたいと存じております。
次に、会議資料や会議録の公開についてでありますが、懇話会の会議資料や会議録については、「審議会等の会議の公開に関する指針」に基づき、公開することとなります。
【教育部長答弁】次に、単独調理場に関する実地調査の具体的な内容とその結果についてでありますが、委託による調査結果を基に、各調理場における、建物状況や食材の搬入経路、学校施設整備や道路、隣接敷地との位置関係などについて、現地を調査した結果、厨川、山岸、大慈寺、米内、北厨川、緑が丘、大新、松園、高松の9校の小学校において、調理場の増築が困難であることが明らかになったところであります。
【市長答弁】 次に、給食の無償化についての所見でありますが、現在、経済的に困難な児童生徒の保護者に対しましては、生活保護や就学援助制度により、給食費の支援を行っており、今後におきましても、適切に支援を行ってまいりたいと存じます。
【教育部長答弁】
次に、学校給食の未納についてでありますが、経済的な理由などにより、未納となっているものと存じております。
次に、給食費の会計における、納入方法と管理についてでありますが、当市の給食会計は、私会計となっており、児童生徒や保護者による学校への持参、口座振込みや口座引き落とし、保護者が集金して学校に納付するなどの方法が取られております。
【教育部長答弁】保護者から納付された給食費は、単独調理場方式では各学校で管理し、センター方式では、各学校で一旦取りまとめた後、各センターの運営委員会事務局で集約し、管理しています。また、給食自由選択方式では、中学校給食運営協議会事務局で管理しております。
次に、地区集金の実態についてでありますが、直近5年間で保護者による集金をやめた学校が無いため、徴収方法の変更による影響については、把握できないものであります。
次に、学校で管理している1校当たりの給食費の年額についてでありますが、単独調理場と学校給食センターの対象校51校の平成29年度の実績を見ますと、1校当たりの給食費の年額は、約1,614万円となっております。
次に、公会計への切替えについてでありますが、公会計は、学校での事務負担の軽減や、会計の透明性が図られるなどのメリットがありますが、学校ごとに異なる献立や給食費の取扱い、会計処理システムの構築など、様々な検討課題が想定されるところであります。
現在、国において学校給食会計における公会計化のガイドラインの策定作業が進められておりますことから、今後、これらの動きを注視してまいりたいと存じます。
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次に保育料無償化について伺います。
31年度10月から消費税率10%に引き上げられると、幼児教育無償化(以下「無償化」)がスタートします。経済財政運営と改革の基本方針2018(「骨太方針」)が閣議決定されたことを受け、無償化の対象と内容が公表されました。
無償化は歓迎するところですが様々な意見があるのも事実です。1つは財源を消費税にしていること。社会保障の財源と消費税をリンクさせたところに大きな問題があります。2つは保育料が応能負担であり、無償化ではより所得が高い世帯程恩恵が大きくなることです。3つは待機児童の解消や保育士の処遇改善など無償化以外にも取り組む課題があるという意見です。4つは認可外施設を無償化の対象にすると認可外施設の固定化がすすみ、保育環境の改善が遅れるのではないのかとの意見などです。
様々な議論がある中で急がなければならない課題として、無償化により市町に財源が生まれるということです。保育料は国が上限額を決めていますが、市町は国の上限額が生活実態に比べて高いため軽減策を講じています。
市の保育料の軽減率は34%ですが、その分は市が単独負担をしており、保育料無償化によりこの分が不要になります。
消費税引き上げが実施されれば31年10月以降の市独自の保育料軽減額が不要になり、次年度以降の予算でも同様の対応となります。保育料の無償化でどの程度の財源が生み出されるのでしょうか。これらの財源は引き続き子育て支援施策に活用されるべきですが、どのような検討がされているのか伺います。
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【子ども未来部長答弁】
保育料の無償化によって生み出される財源についてでありますが、平成30年8月分の利用児童のうち直接徴収している保育料分では、0歳から2歳までの住民税非課税世帯の保育料の軽減額は、13万9千円、3歳以上は、4,499万4千円、合計では、4,513万3千円となり、無償化の実施が予定されている31年10月から32年3月までの合計では、2億7千万円余、年間にすれば、5億4千万円余と試算しているところであります。
次に、生み出される財源の活用についてでありますが、本市におきましては、「みんなが支える子ども・子育て安心プロジェクト」を総合計画の戦略プロジェクトに位置付けておりますので、生み出される財源を活用し、若い世代や子育て世代が希望を持って子どもを生み育て、盛岡に住み続けたいと思っていただけるように、施策の充実を図ってまいりたいと存じます。
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次に学童保育なかよしクラブ施設について伺います。
学童保育なかよしクラブは、松園小学校学区の放課後対策として団地内では最も早く設置された父母会が共同で運営する学童保育施設です。現在は松小の余裕教室を活用し38名の児童が在籍しています。
余裕教室といっても、児童が急増した時期に応急措置として増築したプレハブ教室(2教室)を活用したもので、現在は、老朽化で床下の杭や柱の腐食がすすみ、いつ倒壊してもおかしくない危険な状態で、保護者等から安全な施設の確保を求める切実な要望がだされています。
実態についてはどのように把握されていますか。また、どのような対策を検討していますか。急ぐべきは、危険な施設であるとの認識に立ち安全を確保することです。
松小は、児童数が大幅に減少し余裕教室が増えているのではありませんか。現に東昇降口は利用されず閉鎖されたままですが、緊急措置として昇降口に続く余裕教室を活用できないのでしょうか。教育委員会としても真剣な対応を求めるものですが、いかがでしょうか。
また、松小は大規模改修が予定されており、長寿命化による松園児童センターの機能移転が同時進行で検討され、31年度には基本構想をまとめる予定です。
学童保育クラブへの対応では6月議会で、藤澤子ども未来部長は放課後児童クラブについても連携して協議するとの答弁でした。将来的には松小大規模改修に合わせ放課後児童クラブの整備について検討すべきと考えますが、いかがですか。
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【教育部長答弁】
次に、松園小学校の余裕教室の状況についてでありますが、松園小学校は、児童数が減少しており、余裕教室は、平成30年度時点において、14教室となっております。
市教育委員会といたしましては、今後、余裕教室の活用方法について関係部署と協議することとしております。
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最後に岩脇緑が丘市営住宅について伺います。
岩脇緑が丘市営住宅は、築48(1970年建設)の14棟84戸の住宅です。
30年4月1日現在、入居戸数49戸、空き家戸数35戸、入居率は58・3%で4割が空き家となっており、空き家の増加で入居者の高齢化が進む中、住環境の悪化など憂慮する声が寄せられています。
空き家が増えている理由及び入居募集は行っていないと聞きますが、なぜ募集しないのか合わせてご説明下さい。
空き家問題が社会問題化し、市も積極的な施策を展開している中、足元の市営住宅の生活環境を悪化させている現状について、新規入居者を迎えるなど改善策を緊急に行うべきではありませんか。
老朽化による痛みも深刻で補修の要望が多く、対応が遅いとの苦情です。実態を把握し迅速な対応を求めるものです。
長寿命化計画では建て替えということですが見通しについてお知らせください。
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【建設部長答弁】
市営岩脇緑が丘住宅において空き家となった住戸を募集しない理由についてでありますが、この団地は平成25年2月に策定した盛岡市市営住宅長寿命化計画では修繕対応としておりますが、検討途中の2次判定で建替候補となっており、入居者の移転の可能性もあることから、今後の活用手法の方向性が定まるまでの間、入居者募集を控えており、空き家が多くなっているものであります。
また、入居募集の実態につきましては、平成24年度以降、退去による空き住戸の入居募集は行っていないものであります。
次に、新規入居者を迎える対応についてでありますが、議員ご指摘のとおり、空き家が増えることによる問題も発生しますことから、現在の空き住戸内の状況を確認の上、入居可能となる空き家を選定し、募集を行うことを検討してまいります。
次に、補修要望への迅速な対応についてでありますが、入居者からの修繕等の依頼があった場合には、速やかに対応するよう努めてまいります。
次に、今後の建替え等の見通しについてでありますが、盛岡市市営住宅長寿命化計画では、市営岩脇緑が丘住宅は、最終の3次判定において、近接する県営の岩脇緑が丘団地の建替計画の進行状況に応じて当該住宅も建替計画を検討することとしていることから、県の動向を踏まえ、市営住宅長寿命化計画の見直しの際に、改めて活用方法を検討してまいりたいと存じます。
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