2018年6月定例会 庄子春治議員の一般質問

 
質問項目 (クリックするとジャンプします)
1、市長の政治姿勢について
 米朝首脳会談に対する市長の所見。
 非核平和宣言自治体の長としてメッセージを
2、ごみ処理広域化について
 候補地一本化について
 循環型社会形成推進地域計画について
 広域化について
 
3、食育と学校給食について
 食育の位置づけと第三次計画の内容
 子どもに対する「食育」について
 学校給食について
4、中央卸売市場について
 改正市場法への見解と市の対応
 市場活性化プランの取り組み

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 質問  答弁
1、市長の政治姿勢について

米朝首脳会談に対する市長の所見

≪庄子春治≫米朝首脳会談に対する評価と非核平和宣言自治体の役割について伺います。
6月12日に、アメリカのトランプ大統領と北朝鮮の金正恩国務委員長が、シンガポールで米朝首脳会談を行いました。両首脳が署名した共同声明では、金委員長が「朝鮮半島の完全な非核化への強固で揺るぎない決意」を表明し、トランプ大統領は「北朝鮮に対する安全の保証の提供」を約束し、米朝両国が「平和と繁栄を望む両国民の願いに従って新しい米朝関係を樹立」し、「朝鮮半島に永続的で安定した平和体制を構築」することを宣言しました。

 長年にわたって厳しく敵対してきた米国と北朝鮮が、初の首脳会談を行い、朝鮮半島の非核化と平和体制構築をすすめ、両国関係を敵対から友好へと転換させるために努力することで合意したことは歓迎すべきことではないでしょうか。

 一部には「完全かつ検証可能で不可逆的な非核化」との文言はない。北朝鮮政策に携わってきた日本政府関係者からは「非核化が骨抜きになる」「ゼロ回答だ」と落胆する声もあるとの報道もありますが、今回の米朝首脳会談で合意した非核化と平和体制構築目標の達成には、今後も首脳会談を含め交渉を継続し、共同声明の合意を速やかに具体化し、誠実に履行するための真剣で持続的な努力が必要であるのであって、そのプロセスを開始したことに大きな意義があるのではないでしょうか。
市長の御所見を伺います。

 この到達に立って考えるとき、この目標達成の努力は、米朝両国の努力とともに、国際社会の協調と、それを後押しする運動、平和を求め、核兵器のない世界を求める諸国民の世論と運動が不可欠ではないでしょうか。
日本政府においては、これまでの「圧力一辺倒」「軍事的対抗」姿勢を転換し、自ら日朝間にある、核・ミサイル、拉致、過去の清算などの諸懸案を包括的に解決し、国交正常化のための努力をはかり、開始された平和のプロセスを促進する役割を果たすことが求められているのではないでしょうか。

 また、核抑止力論を克服し、核廃絶・核兵器禁止条約に署名・批准することが求められているのではないでしょうか。憲法9条は変えるのではなく、9条を生かした平和の外交に進むべきではないでしょうか。

 非核平和宣言自治体の長として、こうしたメッセージを発信してほしいと思いますがいかがでしょうか。
《市長答弁》
 庄子春治議員の質問にお答え申し上げます。
 はじめに、米朝首脳会談に対する所見でありますが、史上初めてとなる米朝首脳会談が行われ、朝鮮半島の完全非核化に向けて共同声明が出されたことは、非核平和都市宣言を行っている本市にとりましても、歓迎すべきものと受けとめております。
 今後、合意内容を具体化し、朝鮮半島の持続的で安定した平和体制の構築に向けた取組などが確実に履行されることが肝要であると存じますが、今回の合意は、核兵器のない世界の実現に向けた大きな第一歩として、大変意義のあるものと存じております。
 次に、非核平和宣言自治体の長として非核平和のメッセージを発信するべきではないかについてでありますが、今回の米朝首脳会談による合意を、日朝間にある諸懸案の包括的な解決につなげるため、政府においては、現行憲法における平和主義の原則に基づき、国際社会と協調し、平和的解決が図られるよう真剣に努力すべきものと存じており、本市といたしましては、日本非核宣言自治体協議会及び平和首長会議を構成する一員として、関係する自治体等とも連携しながら核兵器のない平和な世界の実現を訴えてまいりたいと存じます。








 2、ごみ処理広域化について

 候補地一本化について

 平成29年度中としていた、新施設整備候補地決定について、先送りしました。その要因として候補地における住民への説明や、現クリーンセンターに係る覚書に基づく協議など候補地の周辺住民の理解を深めるために時間を要する。地域振興施策を通じたまちづくりをさらに具体的に検討していく必要があるため、さらに時間を要するからということです。
 同時に、30年度の前半には決定したいという意向も表明されています。
 そこであらためて伺います。
①今後の各候補地の地域住民や関係者の意見等の意見を今後どのように聞き、賛否などの判断をどのように下していくのか伺がいます。
②判断基準に、「整備の確実性」が挙げられていますが、各候補地域ごとに、どのような課題があって、どの取り組むのか、伺います。
③整備運営上の諸条件として、造成、建設、収集運搬の費用、送電線等のインフラ整備に関する費用などが挙げられています。それぞれの候補地ごとにどのような経費見通しなのか、具体的な項目ごとにどう見込まれているのか伺います。昨年度中に候補地一本化を図るとしていますから、当然、その試算は出来ていなければなりませんので、お示しください。
④判断にあたっては「定量的基準によってではなく、総合的な評価によって整備予定地を選定する」ということですが、どのようなことでしょうか。とにかく決めれば、いくらお金がかかってもいいということでしょうか。


























 循環型社会形成推進機地域計画について
 
 私たちは、市の広域化計画は、循環型社会形成基本法の考え方に逆行している。と指摘してきました。
ごみ減量・資源化にどう取り組み、ごみをどう集めるのかという計画がなく、初めに500tの燃やす炉ありきは、循環型社会形成基本法の基本原則から外れているのではないか、ごみ減量・資源化の推進は、行政の確固とした立場と住民との協力によってこそ可能であり、広域化は行政の責任も、住民の関心も薄れさせ、ごみ減量に逆行する と指摘してきました。
 市は、そのことはこれから検討するなどと答えてきました。
 昨年度の事業で取り組んだ「循環型社会形成推進地域計画」の策定事業によって、その私たちの疑問・指摘に答えが出たのではないかと期待して質問します。

①計画案では、ごみの排出量をどのように見込んだのでしょうか。一人一日当たりで、現状と目標値はどうでしょうか。
②リサイクル率は、どう計画したのでしょうか。平成27年度の全国平均は20.4%です。全国の市町村のトップは鹿児島県大崎町の83.2%です。人口10万以上50万人未満の都市では、岡山県倉敷市が51.6%、50万人以上の大都市では、千葉市では32.6%でそれぞれトップです。
さて、県央ブロックではどのような計画ですか。
③分別収集の統一は、どのように図られる計画ですか。3月議会の予算委員会では、「盛岡市の例に・・」ということについて部長は「都南、旧盛岡、玉山地区含めた盛岡市の例だ」などとお答えになりましたが、どのようになりましたか。

 広域化のそもそもについて 

改めて伺います。 既にお示しいただいていたこともあろうかとは思いますが、いくつか伺います。

①広域化で共同処理する範囲はどこまでですか。資源物のリサイクル事業はどのようになるのでしょうか。「粗大ごみ」などはどのようになるのか。焼却灰も含めた最終処分はどうなるのか。
②昨年度の事務方の協議会である部会において、葛巻町にも中継施設を整備した場合のことが話し合われているようですが、中継施設は3ケ所というのが基本計画だったように記憶していますが、どういうことでしょうか。

 


《環境部長答弁》
 ごみ処理広域化に係る各候補地の意見等をどのように聞き、賛否などを判断するのかについてでありますが、住民説明会を通じ、ごみ焼却施設の整備や熱エネルギーを利活用した地域振興、それを活かした将来のまちづくりなどについて丁寧に説明しながら、地域の皆様とくりかえし対話を重ねる中で、より具体的な内容について一緒に考えていくことができる状況に至ったときが、当該整備についてのご理解が深まったことになるものと考えている
ものであります。
 次に、整備の確実性における、各候補地ごとの課題と、取組についてでありますが、「盛岡南インターチェンジ付近」については、地権者や農業関係者から反対の御意見が寄せられていること、「都南工業団地付近」については、地形的な面から、他の候補地と比較し、大規模な土地造成等を行う必要があることなどが課題となっております。
 また、「盛岡南インターチェンジ付近」については、反対の御意見もある中、ごみ焼却施設の整備や熱エネルギーを利活用した地域振興について、区画整理跡地土地利用と併せて、当該地域から要望のあった土淵地域全体の「均衡あるまちづくり」の中で進めていく必要があること、「盛岡市クリーンセンター敷地」については、覚書に基づく協議を優先することとしておりますが、施設整備に反対する決議をしている町内会・自治会があり、協議を進めることができない状況となっていることが課題となっております。
 このような候補地ごとの課題を踏まえ、整備予定地1か所を選定する際の総合評価項目である「整備の確実性」の判断材料とすることができるよう、関係者との調整に努めてまいりたいと存じます。
 次に、候補地ごとの経費見通しについてでありますが、焼却施設や中継施設の建設費、維持管理費など、各候補地に共通する経費についてはお示しすることはできますが、地域振興策についての地域の皆様との協議や、土地の造成やインフラの整備についての候補地ごとの状況を踏まえ、それぞれ内容を具体化していく必要があり、また、用地取得についても地域振興策を含めた整備内容に併せて面積を決定していく必要があることから、引き続き、内容を精査しながら、候補地ごとの経費の算定を進めていかなければならない状況でありますことから、現時点でお示しするのは難しいものと存じます。
 次に、総合的な評価で整備予定地を選定することについてでありますが、この方法は全国におけるごみ焼却施設の整備や岩手県産業廃棄物最終処分場の整備に係る候補地選定の手法として採用されており、これらの例を参考とし、選定項目や要素を点数化した定量的基準によってではなく、地域住民や関係者の意見、整備の確実性、費用の面も含めた整備運営上の諸条件などを総合的に評価し、「県央ブロックごみ・し尿処理広域化推進協議会」において、決定する予定としているものであります。
 

 次に、循環型社会形成推進地域計画案におけるごみの排出量の見込みについてでありますが、まずこの計画は、「循環型社会形成推進交付金制度」に基づき市町村等が、おおむね5年間において3R推進のための目標と、それを実現させるために必要な施策を定める計画であり、この計画案における1人1日あたりの家庭ごみ排出量は、604グラムとなっております。目標年度である平成35年度までに資源を除く可燃、不燃ごみなどについては、7%の減量とし、資源については現状維持とし、合わせて5.5%の減量を見込み、1人1日あたりの家庭ごみの排出量を569グラムとしているものであります。
 次に、リサイクル率の計画についてでありますが、平成28年度から35年度までにおいて、ごみの排出量の減少に併せて、資源の量も減少する傾向でありますことから、平成28年度に17.7%であったリサイクル率を、平成35年度計画値については、18.1%として設定しているものであります。
 次に、分別収集の統一についてでありますが、基本構想では、「収集運搬については、中間処理施設の整備と整合性を図りながら、将来的に収集運搬の統一化について検討する。ただし、当面は既存体制を維持する。分別区分については、できるところから統一化を図るため、収集運搬全般の考え方の中で整理してさらに検討を行う。」としております。現在、資源化促進の観点から分別品目をどのように整理していくかなどの検討をしているところであり、引き続き、8市町村のそれぞれの分別収集の経緯や地域の実情を踏まえ、検討を重ねてまいりたいと存じます。
 



 次に、広域化で共同処理する範囲についてでありますが、「県央ブロックごみ・し尿処理広域化基本構想」においては、平成41年度からごみの焼却処理を共同で行うこととしており、焼却以外の処理や最終処分については、当面、既存施設を活用しながら、徐々に集約化を図り、将来的に広域化を目指すとしております。
 今後は、資源化処理や粗大ごみなどの処理、最終処分など、8市町村において集約化等による最適な方法を検討してまいりたいと存じます。
 次に、基本計画における中継施設についてでありますが、基本構想では、各市町村からのごみの収集運搬を効率的に行うため、八幡平市清掃センター、岩手・玉山清掃事業所、盛岡・紫波地区環境施設組合清掃センターの3ヶ所に中継施設を設置することを想定しておりますが、8市町村の焼却施設の中で、最もごみの排出量が少ない葛巻町の既存焼却施設を、小規模な積替施設として活用することについて提案があり、中継施設の設置場所や設置数と併せて、検討を行っているものであります。
 3、食育と学校給食について

食育の位置づけと第三次計画の内容

 食育基本法は2005年(平成17年)6月、13年前に公布された比較的新しい法律です。その目的は「食育に関する施策を総合的、計画的に推進し、現在及び将来にわたる健康で文化的な国民の生活と豊かで活力ある社会の実現に寄与する」とあります。

 食育は、生きるうえでの基本であり、健康な食生活が「健康長寿」の源となっていることを考え合わせれば、案外自治体の施策にとってはその位置づけは比較的高いのではないかと思います。


市民の健康長寿に資する食育、知育・徳育・体育の基礎としての食育について、市長はどのようにご認識され、施策の中でどのような位置にお考えになっているかまず伺います。
 
 ①第2次計画までの到達と成果、課題をどう具体化したでしょうか。第3次計画における目標と新しい取り組みについてどのように具体化されたでしょうか。
国の2016年度から2020年度までの第三次計画では、5つの重点課題を規定しております。

 ア、若い世代を中心にした食育の推進 イ、多様な暮らしに対応する食育の推進 ハ、健康寿命の延伸につながる食育 ニ、食の循環や環境を意識した食育の推進 ホ 食文化の継承に向けた食育の推進 が掲げられています。これらがどう具体化されたでしょうか

②農水省が5月29日に公表した平成30年版食育白書では、特集として多様な暮らしに対応した食育をあげ、特に「孤食」と食の偏りに関係があると、現状を分析し、「孤食」となる要因に働き世代の長時間労働やひとり親世帯、一人暮らし高齢者の状況を上げ、これに対応する取り組みとして、高齢者が食卓を囲むサロン、子ども食堂を普及する取り組みが紹介されています。

 市としても、「食育」の分野からもこれらの取り組みを位置づけて推進指標に入れてはどうかと思いますがいかがでしょうか

子どもに対する「食育」について

 白書では、朝ごはんの摂取と学力調査の正答率との関係が示されています。毎日朝ごはんを食べる子どもと全く食べない子どもでは、教科ごとに15ポイントから20ポイント近く正答率が差があるということも示されています。食育は、知育・徳育・体育の基礎となるものだと位置づけられていることの証左と理解しました。

①教育長は、子どもの「食育」の重要性と、学校における「食育」について、どのように認識されているのか、市教育委員会はどう位置付け、取り組んでいるのか伺います。

②白書では、朝食を食べないことがある小中学生の割合は、小学校6年生で13.1%、中学校3年生で17.3%となっています。盛岡市の実態はどうでしょうか。朝食と学力との関係について、市では調査がありますでしょうか。

③朝食をとらない(取れない)子どもたちはどうしてそうなのか。基本的には家庭の責任ですが、ひとり親世帯など親の働く条件などよって子どもの孤食が避けられない、朝食の取れないという状況におかれているとみるほうが現状にあっているのではないか。市が県立大学と調査した「ひとり親家庭の子どもの実態調査」などでもそのことは明らかではないかと思いますが、教育長のご認識はいかがでしょうか。

④学校給食の位置づけを食育の観点からどのように位置づけていますか。学校における「食育」は確かに給食だけではありませんが、実際の食事を通じて、「食育」の重要な中身である、食についての意識向上、信頼できる情報による判断基準、心身の健康を増進する健全な食生活、自然への恩恵に感謝し、かかわる人々の活動に支えられていることへの感謝の念を育む・・・学校給食こそ、その「食育」の中心ではないでしょうか。教育長の御所見を伺います。













学校給食について


⑤盛岡市の学校給食について具体的にいくつか伺います。
中学校給食についてです。旧市内の選択性弁当方式は、その食育という点からも見直すべきではないですか。計画が全校に普及する前に中断している。これだけでもこの計画が破たんしていると言えるのではないですか。

喫食率の低さも問題です。平成29年度の喫食率で、一番低い学校はどこですか、何パーセントですか。2割にも届かない利用率はなぜですか。それをどう評価していますか。喫食率がこの程度で、果たして税金の使い方として適正だとお考えですか。
中学校給食は直ちに見直すべきです、国や県の分類では選択制ランチボックスは「完全給食」の範疇には入っていないものを「主食とおかずが入っているから」「完全給食」という市教育員会の考えは改めるべきではないですか。文字通りの「完全給食」にどう切り替えるかすぐに検討をすべきではないでしょうか。伺います。

 学校給食における食育の典型例として今治市の例があります。今治市では2005年に「食料の安全性と安定供給体制を確立する都市宣言」を行い条例化し、学校給食にもそれを具体化しました。今治市の学校給食は、まさに「宣言」や条例で示された、地産池消や食育、などの理念の実践を追求するものとなっていました。以前は一か所の大型給食センターで24校21,000食が作られていましたが、1983年から順次自校調理場方式に切り替えたとのこのことです。

 旧市内小学校の自校方式についても、守るべきではないでしょうか。
都南給食センターを、盛岡市給食センターとして更新する計画については、どう地産地消を図るのかとともに、経営主体も直営を基本に検討するよう求めますがいかがですか。

 学校給食の「地元産材利用」について、国の指標は「食材数」ですが、市の指標は「重量」比となっているようですが、その違いはなんでしょうか。国と同じ指標にした場合、市の数値はどう変わるでしょうか。

③学校における食育推進の上で、栄養教諭の配置はどのようになっているのでしょうか。
《市長答弁》
 次に、食育についてでありますが、食育は生涯にわたって心もからだも健康で質の高い生活を送るために重要な取組と認識しており、「食育で進めるもりおかの豊かな暮らしと健康づくり」を目標に掲げ、「第三次盛岡市食育推進計画」を策定したところであり、市民の健康を守るうえで、「もりおか健康21プラン」と並ぶ重要な取組と存じております。
 次に、第二次計画の成果と課題についてでありますが、第二次計画では、10の指標を定めて14項目で進行管理を行い、達成が4項目、改善が4項目、改善無しが6項目という結果であり、それぞれについて今後の課題と取組を整理し、指標の見直しを検討し、第三次計画に反映させたところであります。
 次に、国の計画で掲げる五つの重点課題についてでありますが、第三次計画では、食育を推進する目的を市民に分かりやすく示すため「健康」、「教育」、「食の循環」の三つの視点から整理いたしましたが、国・県の計画と同じ方向を向いて推進していくものであります。
 次に、「孤食」についてでありますが、食育白書でも生活が多様化する中で、様々な人と食事を共にすることにより、食を通じたコミュニケーションを図る機会を持つことは重要とされており、当市といたしましても、白書と同様に孤食の状況について調査することとし、その結果を食育推進協議会において情報共有し、協議会に参画いただいている団体の取組の参考にしていただくなど、食育の推進につなげてまいりたいと存じます。


















《教育長答弁》
 初めに、子どもの「食育」の重要性と、学校における「食育」についての認識でありますが、子どもの食育は、様々な経験を通して食に関する知識や、食を選択する力を習得し、健全な食生活を実践することができるようにするものであり、子どもたちが、豊かな人間性を育み、生きる力を身につけていく上で、重要であると存じております。学校における食育は、食事の重要性の理解や、心身の成長、健康の保持増進の上で、望ましい栄養や食事のとり方を理解させること、などを目標として、家庭・地域と連携して推進するものと認識しております。
 次に、教育委員会は、「食育」をどう位置づけ、取り組んでいるのか、についてでありますが、学校における食育は、学校給食を含め、学校教育全体を通して推進することが重要であると捉えております。このことから、学校に、栄養教諭や栄養士を配置し、その専門性を生かした指導計画の立案、発達段階に応じた取組、学校給食への地場産品の活用など、食育が、効果的に推進されるよう、取り組んでいるところであります。
 次に、朝食を食べないことがある盛岡市の小中学生の割合についてでありますが、平成29年度の全国学力学習状況調査の、児童生徒質問紙による調査結果では、「朝食を毎日食べていますか」の質問に対し、「どちらかといえば食べている」、「あまり食べていない」、「全く食べていない」の3つを合わせた、「朝食を食べないことがある」と回答した児童生徒の割合は、小学校6年生は、9.7%、中学校3年生は、13.2%であり、全国の割合より低い状況にあります。
 次に、朝食と学力の関係についてでありますが、29年度の全国学力学習状況調査の結果では、「毎日朝食を食べる」と回答した児童生徒と、「朝食を全く食べていない」と回答した児童生徒の平均正答率を比較すると、全国と同様に、教科によって15ポイントから21ポイントの差が見られるものであります。
 次に、朝食をとっていない子どもたちの状況についてでありますが、保護者が、早朝や夜間に勤務していることなどにより、朝食の準備ができなかったり、子どもが、空腹感を感じないために朝食をとらなかったりする、ことがあると捉えております。子どもに、望ましい食習慣を身につけさせることは、子どもの成長にとって何よりも重要でありますので、家庭と連携しながら、食生活の改善が図られるよう取り組んでまいりたいと存じます。
 次に、学校給食の位置づけについての所見でありますが、学校における食育は、各学校で作成している全体計画に基づき、各教科、総合的な学習の時間、特別活動等の学校教育全体を通して行われております。その中で、学校給食は、食事のマナー、健康によい食事のとり方、食に関わる人への感謝の気持ちを持つことなどを指導する、実践的な場であり、「生きた教材」としての役割を担っているものと存じております。

《教育長答弁》
 旧市内の選択制給食方式の見直しについてでありますが、市教育委員会では、選択制給食方式においても、毎月、「献立表」のほか、「給食だより」や「食育だより」を、対象校の全生徒及び全家庭に配布して、食生活の改善や食育の推進に係る啓発を行っているほか、栄養士が学校を訪問し、食に関する指導を行うなど、ランチボックス給食を生きた教材としながら、生徒の食や食習慣についての理解が深まるよう、指導に取り組んでいるところであります。
 しかしながら、ランチボックス給食の提供予定校のうち、3校が未実施となっていることについては、憂慮すべき状況であると認識しており、今後、全員喫食による方式も含め、中学校給食の在り方について検討してまいりたいと存じます。
 次に、平成29年度の喫食率についてでありますが、喫食率が最も低かった学校は、河南中学校で18.2%であります。その理由でありますが、29年度に実施した保護者アンケートによりますと、中学校以外の家族の弁当も作っている家庭の割合が高い結果が出ており、そうしたことも影響しているのではないかと存じております。
 なお、市教育委員会といたしましては、弁当持参を希望する生徒や、食物アレルギー等による食事制限のある生徒に配慮して、選択制給食方式を採用したことから、喫食率の目標値を設定していないところでありますが、ランチボックス給食の提供にあたりましては、より利用しやすいものとなるよう、引き続き献立の工夫などに取り組んでまいりたいと存じます。
 次に、ランチボックス給食と「完全給食」の定義についてでありますが、学校給食法施行規則第1条第2項において、「完全給食」とは、給食内容が「パン又は米飯、ミルク及びおかず」である給食と定義されており、ランチボックス給食は、この定義に当てはまることから、「完全給食」であると捉えているところであります。
 あお、国では、毎年行っている給食実施調査において、学校給食が行われている学校毎の実施方式を「完全給食」「捕食給食」「ミルク給食」のいずれかに分類しており、この調査では、選択制給食方式が実施されている学校で、ランチボックス給食の利用者が半数を超える場合は「完全給食」に分類されるものであります。
 いずれにいたしましても、今後の中学校給食の実施方法については、現在の選択制給食方式のほか、全員喫食による方式も含め、実施方法を検討してまいりたいと存じます。
 次に、旧市内の小学校の自校方式調理場についてでありますが、平成25年に策定した「盛岡市立小中学校学校給食基本方針」においては、調理場施設の整備は、「共同調理場を中心とした供給体制を構築する」こととしており、単独調理場の改築については、「現在の敷地内において支障なく建設することが可能である場合に、建設費及びその後の運営にかかる経費が過大なものとならないように行うこと。」と示されておりますことから、この方針に沿って整備を進めてまいりたいと存じます。
 次に、(仮称)盛岡学校給食センターについての地産地消の取組についてでありますが、現在の都南学校給食センターでは、「盛岡市学校給食用品等調達基準」に基づき、盛岡市産と県内産の食材を優先的に選定しているほか、地元生産者の協力による計画栽培の実施などで、地産地消に積極的に努めているところであり、(仮称)盛岡学校給食センターにおいても、引き続き同様の取組を行ってまいりたいと存じます。
 次に、(仮称)盛岡学校給食センターの経営主体についてでありますが、同センターの整備運営にあたりましては、平成28年度に実施いたしましたPFI導入可能性調査の結果に基づき、経費的効果や事業者に対する監視体制、リスクの分散化などの効果を踏まえ、PFI方式を事業方法としておりますことから、民間事業者による運営を予定しているものであります。
 次に、学校給食の「地場産材利用」に関する指標の「食材数」と「重量比」との違いについてでありますが、市の「重量比」の数値は、県が2年に1回行っている「県産農林水産物の利用状況調査」において、県内全ての学校給食調理場を対象に「重量比」の調査を行っていることから、これにより集計したものであります。一方、国の「食材数」の数値は、文部科学省が「学校給食栄養報告」において、毎年、全国の約400から500の調理場を抽出調査し、集計したものであります。なお、「食材数」の市全体の数値は、把握していないところであります。
 次に、学校における食育推進の上での栄養教諭の配置についてでありますが、栄養教諭は、学校給食をはじめ、各教科等における食に関する指導の中心的な役割を担っており、高い専門性を生かした指導をすることを目的に配置され、国の基準に基づき単独調理場28施設に14名、共同調理場2施設に4名が配置されております。また、栄養教諭が配置されていない単独調理場14施設には、市独自に栄養士を配置し、食に関する指導を行っているところであります。
 4、卸売市場について伺います

改正市場法への見解と、市の対応

 国は、市場法改正案が今国会で成立しました。
改正は、これまでの7章83条の条文を6章19条にきり切り刻み、事実上「新法」と言っても過言ではない内容に変えています。
その内容は ①中央卸売市場開設を「認可」から「認定」制にし、民間に開放する、②これまでの卸売市場が果たしてきた、公共的で公正な流通制度を支えてきた各種の規制を、「受託拒否の禁止」と「差別的取扱い禁止」を除いてすべて廃止してしまうことです。
第三者販売と直荷引きの原則禁止、商物一致の原則適用などを廃止し「必要に応じて開設者が設定」するということです。

第三者販売が認められれば、大手が良いものを買占め、入手できるのは残り物。小さな業者はほしいものが買えなくなる、という懸念が生じます。また、卸の第三者販売は、事実上の産地と大手スーパーとの直接取引になることから、大手スーパーの戦略(特売日)などに合わせた買いたたきなども懸念されることが指摘されます。
 本日の日本農業新聞に、食品製造業者が、取引先のスーパーなど小売店から不当な買いたたきを強いられている実態が浮き彫りになった、要求件数は減ったが、要求を受けた場合、応じるとした業者49%と約半数に及んでいるというのです。これが、青果物の取引にも及んでくるということです。

公正な価格形成の上で、その基準となっているのが市場による「セリ」です。東京大田市場の青果物経営戦略では、「大田市場での決定価格は、日本全国の指標として参照され」「他の卸売市場では、価格形成が困難な商品であっても、その蓄積されたノウハウで価格をつけることが可能になっている」と指摘し、「その機能をより一層強化していく」とセリによる公正な価格形成が生鮮食品の取引価格の基準として重要な役割を果たしている音を明らかにしています。

 卸売市場がこれまで果たしてきた役割は、その公正な価格形成の言う役割に加え、代金決済機能、全国から多種多様な生鮮食品を集荷し、販売する機能を発揮し、大小をとわず生産者と消費者をつなぎ、天候に左右される様々な条件の下でも、価格が上下することがあっても安定して生鮮食品を提供してきたという、確立してきた流通の機能があるのです。だからこそ「市場外流通」が増えたといっても、国内産の青果物の七割以上が市場流通となっている所以です。
今回の市場法改正は、その機能を根こそぎ壊してしまって、外国や大手の流通業者に売り渡すものです。

 産地市場でもある当市場にとって、この「改正」は、バラ色なのか、開設者としての見識がとわれます。市長の御所見と、市としてはどのように対応するおつもりなのか伺います。

市場活性化プランの取り組み

 最後に、市場活性化ビジョンの取り組みについて、29年度の総括と、30年度の取り組みの方向性について伺います。
《市長答弁》
 次に卸売市場法改正にかかる所見についてでありますが、現在の卸売市場法は、公的な卸売市場整備を進めるために大正12年に制定された中央卸売市場法を原型とし、昭和46年に制定されたもので、その後、時代の変遷とともに部分的な改正を重ねてまいりました。生鮮食料品は鮮度が低下しやすく、生産量が天候の影響を大きく受けるという特殊性をもっておりますが、卸売市場は、生産者と小売店などとの間に立ち、集荷・分荷機能、価格形成機能、代金決済機能などを発揮し、公正かつ迅速な取引を実現することにより、消費生活の安定と、日本の豊かな食文化を支えてきた、優れた流通システムであると認識しております。
 今回の改正は、卸売市場の開設を認可制から認定制に改めて民間にも開放し、取引規制も大幅に緩和して卸売市場ごとの判断に任せるというものですが、災害時の対応を含め、これまで卸売市場が果たしてきた公共的な役割が後退しないか、卸売業者と仲卸業者の役割分担により担保されるべき、公正かつ適正な価格形成機能が損なわれないか、などの懸念があるものと存じております。
 次に、市としての今後の対応についてでありますが、農林水産省によりますと、改正卸売市場法成立後、平成30年の秋には、法改正に伴う政省令や「卸売市場に関する基本方針」を公表し、32年6月頃から施行する見込みと伺っております。当市場の業務規定の改正も必要となりますことから、場内関係者や市場運営協議会などの意見をよく伺いながら、適切に対応していかなければなりませんが、「市場活性化ビジョン2017」に掲げた基本戦略を念頭に、近在の生産者にとっての出荷先として、また、地元小売店や加工業者、飲食店などの身近な仕入先として、中央卸売市場の役割や機能を維持・強化していく方向性を共有しながら対応してまいりたいと存じます。

























《中央卸売市場長答弁》
 「市場活性化ビジョン2017」の取組の平成29年度の総括についてでありますが、取扱高の実績では、青果部は、約196億円で、目標達成率98%となりました。年度初めは生育が順調で入荷量が増加したものの、7月以降は高温・干ばつの後、長雨や低温・日照不足になるなど、天候不順による品質低下も見られ、概ね単価安で推移したところです。11月に入ると台風や長雨の影響と、その後の低温続きによる生育不良で入荷減となり、年末からは品薄による大幅な単価高となったところであります。
 水産物部は、約132億円で、目標達成率88%、さんま、秋さけ、いかなどの主要魚種の不漁、高値疲れによる消費の低迷、更にはアニサキスの風評も影響したところであります。
 また、具体的な取組の実績としましては、卸売業者と仲卸業者が連携し、出荷見込みや作柄を確認するため、産地訪問を継続実施し、集荷・販売力の強化を図ったこと、場内共用部分と開設者使用箇所の照明をLED化し経費の削減を図ったこと、場内業者・開設者が一体となり、「市場体感ツアー」、「市場まつり」及び「卸売市場開放デー」を開催し、市場の魅力や情報の発信を行ったところであります。
 33ある取組項目の評価としましては、取組の初年度ではありましたが、継続して実施するものもあり、10項目が「おおむね達成」という結果となったところであります。
 次に、30年度の取組の方向性についてでありますが、青果部において卸売業者と仲卸業者が協働し、小売店向けパッケージ事業の拡大に向けた施設整備に取り組むほか、水産仲卸売場通路及び配送センターの照明のLED化の実施、50周年記念事業としてグレードアップして取り組む市場まつりなどにより、「市場活性化ビジョン2017」の基本戦略である「集荷・販売力の強化」、「市場経営力の強化」及び「市場の役割・魅力の発信と食育