質問 |
答弁 |
1、就学援助制度について
≪神部伸也≫初めに、就学援助制度について質問いたします。
入学準備金支給実績、より早期の支給を
就学援助の「新入学児童生徒学用品費」、いわゆる新入学準備金については、3月議会で補正予算を組んで頂き、小中学生ともに、これまでの7月支給から3月支給へと前倒しし、新入学前支給に改善をしていただきました。岩手県内の各自治体でも改善が進められ、33自治体のうち、入学前支給を実施する自治体は小中学生ともに30自治体となりました。改めて今回の改善に感謝申し上げます。取り組み状況について、対象人数等(前年度との比較)も含めて、お知らせ下さい。特に、小学校の新1年生については、ギリギリの支給となるとのことでしたが、間に合ったでしょうか。お知らせ下さい。
神奈川県大和市では、2017年4月入学の新中学1年生の入学準備金を、入学後の8月支給から、入学前の12月支給に改善したとのことです。「他の友達が中学の制服を注文しているのに、私はまだ・・」という子どもの声を紹介する質問を受けての改善ということです。10月までに認定を受けた小学校6年生が対象です。
さらには、小学校の入学準備金についても、今年(2018年)は3月支給でしたが、来年度(2019年度)入学からは中学校と同時期の2018年12月に支給するとのことです。私立や市外の学校へ入学した場合には返還しなければなりませんが、入学間際の突然の引っ越しや年度が変わって非認定になった場合には、返還する必要はないとのことです。確かに、全国的には多くが3月支給となっている状況ですが、なるべくなら早めに準備してあげたいというのが親の気持ちだと思います。ぜひ更なる改善に向けて取り組んで頂きたいと思いますが、教育長のご所見をお伺い致します。
援助対象者の実態と 生保基準引き下げの影響は
安倍政権の下で、2回目の生活保護基準の引き下げが行われようとしています。前回、2013年度(平成25年度)から3年間かけて段階的に引き下げられました。生活保護基準の引き下げによって、これまで就学援助制度を受けてきた方が対象から外されるのではないかという危惧があります。2013年度からの要保護・準要保護児童生徒数と全児童数に占める割合(小学生、中学生ごと)をお示しいただき、影響があったのかどうかについてお知らせ下さい。また、今回についてはどのようになると想定しているかについてもお伺いします。
対象拡大図る考えはないか
合わせて、子どもの貧困問題に取り組む盛岡市として、就学援助の対象を拡大するお考えはありませんか。九戸村では、生活保護基準の1.5倍まで対象にし、北上市では昨年の4月から1.4倍に引き上げました。盛岡市でも1.5倍まで引き上げるべきと考えますが、ご所見をお伺いします。
クラブ活動費の支給見通し
この間、何度も求めてきた「追加3費目」についてお伺いします。今年の3月議会で、庄子春治議員の代表質問で「クラブ活動費」の導入を求める質問に、教育長は「援助の必要性を十分認識しておりますので、市内中学校の実態調査を行うなどの検討を進めており、早期の支給に向けて取り組んでまいりたい」とお答えになりました。この実態調査について、詳しく説明をして下さい。そして、どのように検討しているのか、いつ頃までに結論を出すのか、具体的にお示し下さい。「PTA会費」「生徒会費」の小学生への拡大も求められているところですが、これらについても合わせてお伺いします。
修学旅行費について
この項の最後に、修学旅行費についてお伺いします。現在、盛岡市では修学旅行費の支給については実施後となっていると伺っています。他の自治体の事例ですが、実施後の支給のために修学旅行への参加をあきらめたというお話しを聞きました。盛岡市ではそのようなことはないと信じたいのですが、当市の実態についてお知らせ下さい。 |
《教育部長答弁》
新入学児童生徒学用品費の取組状況についてでありますが、小学校の新1年生につきましては、平成29年12月下旬から保護者の周知を開始し、市ホームページ及び広報もりおかに掲載したほか、市内保育所、幼稚園及び認定子ども園に対し、ポスターの掲示依頼を行ったものであります。また、30年1月下旬に入学予定者全員に案内文書と申請書を送付し、各小学校の入学説明会で申請書の受付を行ったものであります。
この結果、241名からの申請に対し、184名を認定し、30年3月29日に支給を行ったものであり、29年度入学者より、1名の減となっております。
また、中学校につきましては、29年度に就学援助を認定した小学校6年生233名に対し、30年2月28日に支給を行ったものであり、29年度入学者より、10名の増となっております。
《教育長答弁》、新入学児童生徒学用品費の更なる改善に対する所見でありますが、平成30年度の新入学児童生徒学用品費は、小学校は、30年3月に、中学校は、2月に支給したところであります。
31年度新入学児童生徒への支給に当たっては、周知の方法や申請の時期について検討を行い、より早期の支給となるよう、取り組んでまいりたいと存じます。
《教育部長答弁》次に、要保護・準要保護児童生徒数と全児童生徒数に占める割合についてでありますが、
平成25年度は、小学校が、要保護児童数254名、準要保護児童数1,382名、全児童数に占める割合は10.8%、中学校が、要保護生徒数167名、準要保護生徒数781名、全生徒に占める割合は12.3%であります。
26年度は、小学校が、要保護248名、準要保護1,312名、割合10.5%、中学校が、要保護141名、準要保護797名、割合12.3%、
27年度は、小学校が、要保護233名、準要保護1,305名、割合10.5%、中学校が、要保護134名、準要保護806名、割合12.3%、
28年度は、小学校が、要保護218名、準要保護1,289名、割合10.4%、中学校が、要保護132名、準要保護821名、割合12.6%
29年度は、小学校が、要保護212名、準要保護1,288名、割合10.4%、中学校が、要保護136名、準要保護765名、割合12.2%となっております。
なお、本市の就学援助の認定に当たっては、25年度からの国の生活保護基準の見直しによる影響が及ばないよう、見直し前の基準を適用していることから、影響はなかったものであります。
31年度以降につきましては、国の動向を注視しながら、検討してまいりたいと存じます。
次に、就学援助対象の拡大についてでありますが、国が、平成30年10月から生活保護基準の見直しを予定している状況では、就学援助対象の拡大は、難しいものと考えております。
次に、中学校のクラブ活動費に係る実態調査についてでありますが、現在、生徒が共通に負担すべき額や、所属するクラブごとの活動に要する額について、調査を行っており、平成30年度の早い時期に支給基準をまとめられるよう、努めているところであります。
次に、「PTA会費」「生徒会費」の小学生への拡大についてでありますが、小学校につきましても、順次拡大するよう、取り組んでまいりたいと存じます。
次に、修学旅行費についてでありますが、議員ご指摘の事案の有無について、過去3年分の調査を行ったところ、28年度に中学校で1件あった、との報告を受けたところであります。
修学旅行費の支給については、原則として清算払いとしておりますが、保護者が学校に相談し、支払いが困難な状況が認められる場合は、実施前に概算額を支給できることとしております。今後、このような事案が生じないよう、学校との連携を密にして、取り組んでまいりたいと存じます。
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2、国民健康保険について
これまで各市町村が運営してきた国民健康保険は、4月から新制度へ移行し、保険税額の決定や税の徴収は、引き続き市町村の仕事ですが、国保財政は都道府県が管理するようになりました。都道府県には、各市町村の国保税の算定方式や集め方、医療給付費の水準について指導をし、意見を言う権限が与えられました。今後、都道府県は6年を1期とする「国保運営方針」に沿って、市町村の国保行政のあり方を指導していくことになります。岩手県は、昨年の11月に「国保運営方針」を策定しました。この運営方針は、対象期間を平成30年度から32年度までの3年間とし、3年毎に検証を行い、必要な見直しを行うというもので、盛岡市もこの方針に沿って運営がされていくものと思います。
全国知事会の提案への見解
まず、お伺いしたいのは、「国保の構造問題」の解決を図る本当の改革についてです。昨年の7月に全国知事会は、国保と他の医療保険との「負担格差」を解消し、今後の給付費増大に耐え得る財政基盤をつくるためとして国宛てに以下のような要望を提出しました。①国保への定率国庫負担の引き下げ、②子ども医療費無料化の国の制度の創設、③子どもの均等割の軽減、④障がい者・障がい児、一人親家庭などをふくむ、自治体の医療費無料化の取り組みに対するペナルティの全面中止、などです。これらは、まさに「国保の構造問題」を解決する改革ではないでしょうか。市長のご所見をお伺いします。
これ以上の値上げ避けるべき
負担の限界を超えた保険税について。2月に頂いた全員協議会の資料には、国保財政について、「医療の高度化、高齢化の進展の影響により一人あたりの医療費は伸び続けており、納付金額についても増加していくことが想定される」「25年度末で64,235人だった被保険者数が、29年10月末時点で56,744人と3年半で7,491人、11.7%の減となっており、その影響により、保険税調定額も29年10月末時点で約7億8千万円、12.8%の大幅な減となっていることから、今後も厳しい財政状況が見込まれる」と記載されています。そして、30年度の国保税率について、「激変緩和措置が入っても、2億円超の財源不足となる状況」だが、「市民が安心して医療を受けられる機会を確保することが重要である」とし、国保安定化に向けた方策に積極的に取り組むことや、国保財政調整基金の活用により、平成30年度の「税率改正は行わない」としました。このことは評価したいと思います。私は、「市民が安心して医療を受けられる機会を確保することが重要である」の部分が太線かつ下線で強調していたことに注目します。この立場を堅持して頂きたいと思います。今後、税率改正は、「概ね3年を目途に検討を行うこととする」としていますが、政府答弁でも、新制度導入後も、国保会計への公費繰入は「自治体で判断いただく」というのが公式答弁となっているようですから、あらゆる手段を用いて、これ以上の値上げは行わないよう求めますが、ご見解をお伺いします。
子どもの均等割・第3子以降免除を
全国知事会の要望にもある「③子どもの均等割の軽減」について、盛岡市での取り組みを求めます。
現在、盛岡市の均等割は、医療給付費分で22,000円、後期高齢者支援金分で6,200円、合わせて28,200円となります。私は、平成23年3月議会で、子どもが1人増えると国保税は、当時も今と同じ額ですが28,200円の負担が増える。子どもの均等割減免はできないかと提起をさせていただきました。その時のご回答では、18歳未満の加入者は約6千人で、この分の均等割が約1億7千万円。減免すれば、負担が他の世帯に及ぶので難しい・・とのことでした。しかし、全国では、人口問題が深刻になっている中で、国保税の軽減による子育て支援の取り組みが行われているのです。
例えば、埼玉県ふじみ野市では、今年の4月から18歳未満の子どもが3人以上いる世帯を対象に、第3子以降の均等割を全額免除したそうです。報道によれば、「国保税の減免で多子世帯の金銭面での負担を軽減し、少子化の進行に歯止めをかける一助としたい考え」とのことです。
また、富士宮市では、平成30年度から「多子減免制度」を創設しました。前年の世帯総所得合計額が400万円以下であって、22歳以下の被保険者が3人いる世帯の第3子目以降の均等割を全額免除するもので、全国初の制度とのことです。
私は、子どもに課税すべきではないと考えますが、財政事情もあると思います。全ての子どもをとまでは言いませんが、せめて第3子以降の免除については、検討し実施すべきではないかと考えますが、いかがでしょうか。ご所見をお伺いします。
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《市長答弁》国民健康保険などに関する全国知事会の提案についてでありますが、国保制度は、被保険者の年齢構成が高く、所得に占める保険料負担が重いなど、構造的問題を抱えており、近年、財政の脆弱化が一段と進んだものと認識しております。
この構造的問題を解決し、財政基盤を安定させるため、公費拡充や国保の都道府県化がスタートしたところであります。
全国知事会の提案は、国保の保険者である各自治体の抱える運営上の課題や少子化問題の効果的な解決策ととらえており、私も同様の提言を、全国市長会を通じて行ってきたところであります。
国においては、この地方の声をしっかり受け止め、国民が安心して医療を受けられる機会の確保につなげていただきたいと存じております。
次に、本市の今後の国保税率についてでありますが、本市におきましても、医療の高度化や高齢化の進展により、今後厳しい財政状況が見込まれており、概ね3年を目処に保険税率の検討を行うこととしておりますが、新たに創設された交付金制度である「保険者努力支援制度」等、保険税以外の財源の積極的な確保に取り組むとともに、保有する財政調整基金の活用などにより、市民が安心して医療を受けられる環境づくりに努めてまいりたいと存じます。
《市民部長答弁》
国民健康保険の第3子以降の子どもの均等割課税の免除についてでありますが、現行の制度では、子どもの均等割の減免に対する国や県からの財源補てん等がなく、その負担は他の加入世帯が負う仕組みとなっておりますことから、少子化対策の観点からも、市町村独自の取組によryのではなく、国の社会保障制度改革の中で実施されるよう、引き続き、全国市長会等を通じて要請してまいります。
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3、非核平和の取り組みについて
核無き世界への動き、日本政府の姿勢への見解
昨年の7月7日に、核兵器禁止条約が採択されてから、間もなく1年を迎えよとしています。同年9月20日に各国の署名が開始されましたが、これまでに調印した国は、今年の6月7日にドミニカ共和国が調印して59カ国目となりました。批准した国は10カ国に上っています。50カ国が批准すれば、条約が発効されますが、間違いなく「核兵器禁止条約」は発効されるでしょう。
今年の2月には、多国間軍縮交渉の唯一の常設組織で、日米など65カ国が参加する「ジュネーブ軍縮会議」が、停滞する核軍縮問題などを検討するための補助機関を新たに設置することを決め、約20年ぶりに核軍縮交渉を再開する動きを見せています。また、5月24日には、国連のグテーレス事務総長がジュネーブ大学で演説し、軍縮で国連の取り組みを強める新たな戦略を発表するとともに、核兵器禁止条約については、「行き詰った核軍縮の交渉を打開する動きだ」と評価しました。さらに、6月12日に行われた、史上初の米朝首脳会談では、「朝鮮半島の完全な非核化」などを約束する共同声明にサインがされて、朝鮮半島における永続的な平和体制の構築に向けて努力することが確認されました。
「核兵器禁止条約」という歴史的な国連採択が力になり、この1年にも満たない間に、これだけの「核兵器のない世界」の実現に向けた具体的な動きが起きていることに大きな驚きを感じています。そして、改めて、核の脅威を取り除くのは「核抑止力」ではなく、世論と外交の力であることに確信を持ちました。
谷藤市長も署名された「ヒバクシャ国際署名」は、5百万筆を超え、首長からの署名は1,093筆(6月8日現在)となっています。岩手県では、達増知事と33市町村長全員が署名し、長野県、香川県、鳥取県に続き全首長が署名しました。
こうした「核兵器のない世界」へ向けた一連の動きについて、谷藤市長はどのようにお感じになられるか、ご所見をお伺いします。
昨年の盛岡市議会9月定例会において、「日本政府がすみやかに核兵器禁止条約に署名し、国会が批准することを求める請願」を全会一致で採択し、国へ「核兵器禁止条約の署名・批准を求める意見書」を送付しました。世界で唯一の戦争被爆国として、核廃絶の運動の先頭に立つべき日本として、政府が核兵器禁止条約へサインするかどうかが問われています。
今年の4月23日から5月4日までに、2020年の核不拡散条約(NPT)再検討会議に向けた第2回準備委員会が開催され、核兵器禁止条約が焦点の一つになりました。この場で、河野太郎外相は、「被爆国として核兵器の非人道性を知る我が国は、核廃絶に向け国際社会の取り組みを先導する責務がある」と演説したそうです。しかし、核兵器の非人道性を認めることと、その使用を前提とした「核の傘」に依存することは両立しえないものです。核兵器禁止条約に背いては、世界を先導する責務は果たせません。谷藤市長におきましては、平和首長会議や日本非核宣言自治体協議会などを通じて、非核平和を訴えて来られましたが、引き続き、政府が核兵器禁止条約に署名をするよう声をあげて頂きたいと思いますが、政府の姿勢への所管も含めて、ご所見をお伺いいたします。
中学生広島派遣の充実、若手職員の広島派遣を
「平和首長会議」加盟自治体としての取り組みについてお伺いします。
盛岡市も加盟する「平和首長会議」には、6月1日現在で世界163カ国7,595都市が加盟し、総人口の7分の1に当たる約10億人に及んでいます。日本国内では1,725都市が加盟し、国内加盟率は99.1%にも上っています。
平和首長会議は、2020年を核兵器廃絶の目標年として、「2020(にいまるにいまる)ビジョン」(核兵器廃絶のための緊急行動)を策定し、様々な活動を展開してきました。昨年2017年8月の第9回総会では、平和首長会議行動計画(2017年―2020年)を策定し具体的な取り組みを掲げました。この行動計画に基づいて、盛岡市の取り組みも強化していく必要があるのではないでしょうか。
例えば、「次代を担う若い世代の意識啓発を目指す平和教育の実施」では、「核兵器廃絶をテーマにした平和教育イベントや講演会を実施することにより、将来の平和活動を担う人材の意識啓発を図る」とあります。この点ではどうでしょうか。
また、「広島・長崎への受け入れを組み込んだ、青少年『平和と交流』支援事業等の充実」では、「青少年『平和と交流』支援事業や『広島・長崎講座』等により広島・長崎を訪問する青少年に、被爆の実相について理解を深めてもらうとともに、それぞれの都市で核兵器廃絶に向けて主体的に取り組んでもらえるようにするためのプログラムの充実を図る」としています。盛岡市では、毎年市内6名の中学生を「盛岡市中学生広島平和友好派遣団」として広島に派遣しています。被ばく体験を直接聞き、平和記念資料館見学と合わせて館長を表敬訪問し、広島市の中学生と交流するなど、素晴らしい事業を展開しています。報告書には、活動報告と感想などが直筆で掲載されるなど立派なものとなっています。今年度の計画は、もうすでに立てていると思いますので、2019度、2020年度と派遣人数を増やすとか、盛岡市の若手職員も派遣するとか、2020年に向けて取り組みを強化するべきと考えますがいかがでしょうか。また、中学生が持ち帰った成果は、生徒の負担のない程度に、もっと広く市民に周知する取り組みも必要ではないでしょうか。これまでの成果をどのように受け止めているのかも合わせて、教育長のご所見をお伺いいたします。
(市の若手職員の派遣についても担当課よりご答弁をお願いします。)
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《市長答弁》
次に、「核兵器のない世界」へ向けた一連の動きについてでありますが、平成29年7月に核兵器禁止条約が国連で採択されて以来、各国で署名が広がっていることや、去る6月12日には、史上初めてとなる米朝首脳会談が行われ、朝鮮半島の完全非核化に向けて共同声明が出されたことは、非核平和都市宣言を行っている本市にとっても、歓迎すべきものと受けとめております。
次に、政府が核兵器禁止条約に署名するよう声をあげるべきではないかについてでありますが、政府においては、我が国が核兵器のない世界を目指すという姿勢に変わりはないものの、核兵器禁止条約において核兵器保有国が一カ国も参加していない現状では、核兵器保有国と非核兵器保有国の対立を一層深めてしまうのではないかとの判断から、交渉の参加を控えたと説明されており、慎重に検討した結果であると存じますが、一方では唯一の戦争被爆国である我が国の交渉への不参加を遺憾に思う声もあるものと存じております。
これまで、本市が加盟しております平和首長会議において、平成29年8月23日に政府に対し、条約への参加をはじめ、核兵器保有国と非核兵器保有国の橋渡し役としての行動を起こすなど、実効性のある核兵器禁止条約となるよう力を尽くすことを要請しているところであり、今後も引き続き、平和首長会議及び日本非核宣言自治体協議会などの活動を通じて、広く非核平和を訴えてまいりたいと存じます。
【非核平和の取組について】
・盛岡市中学生広島平和友好派遣団の事業を、派遣人数を増やすなど、2020年度に向けて取組を強化すべきと考えるがいかがか。
・中学生が持ち帰った成果をもっと広く市民に周知する取組も必要と考えるがいかがか。
・これまでの成果をどのように受け止めているのか所見を示せ。
《教育長答弁》
次に、中学生広島平和友好派遣団の事業を強化することについてでありますが、現在、派遣団は、男子生徒3名、女子生徒3名、引率者2名で構成しております。派遣人数を増員した場合、更に多くの中学生に、貴重な体験をさせることができると存じますが、平和記念式典開催時には、国内外から多くの人が集まるため、宿泊施設や、現地での移動手段確保の難しさもありますことから、現時点おいては、現在の派遣団の規模で、対応したいと存じます。
次に、中学生が持ち帰った成果の周知についてでありますが、派遣後、生徒たちは、広島で学んだことや、感じたことをまとめた報告書を作成し、市内の中学校や公民館、図書館などへ配布しております。また、派遣団に参加した生徒は、自分の学校で、報告会や文化祭において、学んだことを発表し、他の生徒や保護者、地域の方々に周知しており、今後とも周知に努めてまいりたいと存じます。
次に、これまでの成果の所見でありますが、本事業は、参加した生徒にとって、被ばく体験者から直接話を聞いたり、平和記念式典へ参加したりすることを通して、戦争の悲惨さや核兵器の恐ろしさ、平和の尊さについて深く考える機会となっております。また、派遣された生徒のみならず、各学校の生徒にとっても、報告会などを通して、平和の尊さについて考える機会となっており、意義のあるものと存じております。
《総務部長答弁》
平和首長会議の策定した行動計画に基づいて、非核平和の取組を強化すべきではないかについてでありますが、これまで本市では、市民の平和意識の啓発のため、被爆にまつわるポスターや資料などを展示した原爆写真パネル展を毎年開催しており、平成29年度からは、さらに児童向けの平和と学びのポスターを展示資料に加えるなど、内容の充実を図っているところであります。
また、平成29年度には、県と岩手県被爆者団体協議会の主催による「被爆体験を語る会」や、次代を担う高校生、大学生などが参加する「トークセッション」、非核平和に関する「DVD上映会」が上田公民館で開催され、本市も後援したところであります。
今後におきましても、市庁舎への非核平和啓発横断幕の掲出や原爆写真パネル展の開催、パネル展用資料の貸出などを引き続き実施するとともに、県や関係団体と連携を図りながら非核平和の取組を強化し、多くの市民に非核平和を訴えてまいりたいと存じます。
次に、本市の若手職員の広島への派遣についてでありますが、現在のところ派遣を予定している事業はありませんが、今後、活用可能な派遣事業につきまして、情報収集してまいりたいと存じます。 |
4、信号機の設置について
県予算の状況、盛岡への実績
信号機設置の要望は、多くの地域から出されているところですが、交通規制に関する事項ということで、所轄は岩手県公安委員会となっており、盛岡市は要望を受けて所轄の警察署へ要望を行っていると認識しています。しかし、現状は、要望したからすぐに設置されるものではなく、地域要望により設置された所でも何十年もかかってやっと付いたという話しをよく聞きます。
そこで、改めてお聞きをしますが、岩手県全体の設置数の中で市町村に配分されているとお聞きしましたが、どのようになっているのでしょうか。ここ数年で年に何基の信号機が設置されているのか、県の予算はどのようになっているのか、そのうち盛岡市に設置されているのは何基なのか、実態について分かればお知らせ下さい。
中には、用途廃止となった箇所の信号機を別の場所に移設しているというお話しも聞きましたが、盛岡市ではどのようになっているでしょうか。また、盛岡市の信号設置の要望件数はどのようになっているでしょうか。要望に対する設置割合も合わせてお示し下さい。地域から要望が出て、実際に設置される基準はどのようになっているかもお知らせ下さい。
ぜひ、県に予算を増やして、必要なところにきちんと信号機が設置されるよう要望して頂きたいと思いますが、いかがでしょうか。ご所見をお伺いします。
市営谷地頭アパート北側交差点への信号機の設置
さて、この間、私からも地域の信号設置要望について一般質問で取り上げさせていただきましたし、毎年の予算要望でも掲げているところですが、具体的に1点お伺いします。
厨川5丁目市営谷地頭アパートの北側(元少年自然の家官舎?)に団地が造成されています。今後、子どものいる世帯が引っ越してくることが予想されます。目の前を通る「市道稲荷町谷地頭線」は、道路が拡幅されて交通量が増加するとともに、スピードを出して走る車が多くなっています。
特に、登校時間帯は、通勤時間帯でもあり、小学生が横断するには大変危険な状況です。横断歩道を設置しただけでは、なかなか停車してもらえないという実態から不十分です。最低でも、通学路の安全を図る上からも手押し式信号が必要だと考えます。是非、県に強く要望して頂きたいと思いますが、市の考えをお聞かせ下さい。
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信号機の設置について】
①岩手県全体の信号機の設置数の中で市町村への配分はどのようになっているのか。
②県全体で、ここ数年で年に何基の信号機が設置されているのか。
③県の予算はどのようになっているのか。
④市内に年に何基の信号機が設置されているのか。
⑤市内で用途廃止となった箇所の信号機を別の場所に移設したことはあるのか。
⑥市内の信号機設置要望に対する設置割合はどうなっているのか。
⑦信号機設置要望に対する設置割合はどうなっているのか。
⑧信号機が設置される基準はどうなっているのか。
⑨県に対し、予算を増やし、必要なところに信号機が設置されるよう要望して頂きたいがいかがか。
⑩市道稲荷町谷地頭線の市営谷地頭アパート北側交差点への手押し式信号機の設置を県に強く要望していただきたいがいかがか。
《市民部長答弁》
次に、岩手県全体の信号機設置の市町村への配分についてでありますが、岩手県警察本部からは設置数を市町村に割り当てる配分ではなく、必要な箇所を判断して設置するものと伺っております。
次に、県全体での信号機の設置数についてでありますが、平成27年度に13基、28年度に12基、29年度に18基が設置されており、県の予算につきましては、信号機の新設、改良や維持費のほか、交通規制標識設置、路面標示など交通安全施設整備費として、総額で7億6千800万円の予算を計上していると伺っております。
また、本市の信号機の設置につきましては、平成27年度、28年度には実績がなく、29年度に2基の信号機が設置されたところであります。
次に、市内における用途廃止の信号機の移設についてでありますが、耐用年数を経過していない信号制御機などの部品を、流用する場合があるものの、信号機全体の移設については、近年において、その実績はないものと警察署から伺っております。
次に、市内の信号機設置の要望件数についてでありますが、平成27年度は24件、28年度は29件、29年度26件となっており、要望に対する設置割合は、設置実績のあった平成29年度が要望に対して約8%となっております。また、設置基準につきましては、自動車等往復交通量などの条件が示されている、警察庁が制定した「信号機設置の指針」を準用しているとのことであります。
次に、県に対する予算や信号機設置の要望についてでありますが、町内会などからの要望は、その都度、所轄の警察署に対し協議しており、信号機設置などの交通規制を協議する警察署単位の交通規制対策協議会を経て岩手県公安委員会で判断されますが、今後におきましても、個別の地域の実情などを伝える過程で、設置につながるよう強く要望してまいりたいと存じます。
次に、市営谷地頭アパート北側交差点横断歩道への手押し式信号機の設置についてでありますが、所轄の盛岡西警察署へお伝えしたところ、ご要望の箇所は横断距離が短く、車両運転者からの視認性が良好であることなどから、緊急な信号設置の必要性は認められないものの、今後、宅地造成に伴う横断需要の増加など交通環境が大きく変化した場合には、信号機設置を含め必要な安全対策を検討したいとのことでありました。
市といたしましては、横断者の安全対策として、信号機設置実現に向け、引き続き要望を行ってまいりたいと存じます。
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