2017年12月定例会 議案に対する会派の討論

 
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 2017年12月議会 議案に対する日本共産党盛岡市議団の討論を紹介します。
日本共産党盛岡市議団を代表し、意見を述べます。
 今議会に提案された追加議案も含む議案38件のうち、議案第83号、議案第84号、議案第85号、議案第91号には反対し、その他の議案には意見を付して賛成をいたします。

 初めに、反対する議案について意見を述べます。
 今議会には、マイナンバーにかかわる補正予算や議案が提案されております。マイナンバー制度は、スタートから2年たちましたが、マイナンバーカードの普及率は当市でわずか10.3%となっております。全国でも普及率が10%を切る状況にあることからも、多くの方がこの制度に対して利便性を実感できず、情報の管理や運用に対する不安を抱いているのではないでしょうか。
 また、盛岡市では、約350の事務にマイナンバーの情報が使われ、17のシステム上で管理されているとのことでありますが、これらのシステムを国は毎年度見直しをかけ、修正を行っていくとのことであり、そうであればその都度多額の公金が投入され、地方自治体も負担を強いられることになります。
 そもそもこのマイナンバーは、多分野の個人情報をひもづけして利用できる制度で、事務手続の簡素化などよりも情報漏えいのリスクのほうが格段に高いものとなっております。
 多額の公金を投入し、多くの国民が望んでいないこの制度は、今こそ中止をするべきです。
 以上の立場から、マイナンバーに関する議案4件について反対をいたします。

 その他の議案については、以下の意見を付して賛成をいたします。
 昨年の8月から妊産婦と乳幼児の医療費の給付方式が償還払い方式から現物給付方式に変更になりました。これまで国は医療機関での窓口での支払いをなくす現物給付方式について、過剰受診につながるとして自治体への国民健康保険に対するペナルティーを科してきましたが、当市においては医療給付費がほとんど変わらなかったことが明らかとなりました。県内の自治体では、医療費がふえることを懸念して、小学校までの医療費の現物給付化に消極的な姿勢を示している自治体もあるとのことでありますが、当市の実績を踏まえ、そのような自治体が不安を払拭できるよう働きかけ、足並みをそろえて県に要請できるよう、市として努力をするよう求めます。
 あわせて、当市の子供の医療費助成制度について、来年度から中学校まで実施をするよう求めます。

 今回の補正予算によって、準要保護世帯などの新入学児童生徒学用品費が中学校入学前に支給されることになります。
 さらに、議案質疑の中で小学校入学前の学用品費について、3月末までに事務を見直し、年度内の支給に取り組むと答弁したことは評価をいたします。しかし、ことしの3月、文部科学省は入学準備金について交付要綱を見直し、これまで児童または生徒としてきた入学準備金の交付対象に就学予定者を追加いたしました。このことにより、中学校への入学前のみならず、小学校入学前の時期に支給できることになりました。そのことを踏まえれば、議会の指摘を受けることなく、小学校入学前の分も予算に計上されるべきだったのではないでしょうか。市が貧困問題に積極的に取り組んでいる中で、今後においては準要保護生徒への追加3費目の未実施となっている分について早期に実施し、教育委員会が貧困問題になお一層取り組んでいくよう求めます。

 議案第119号盛岡地区衛生処理組合規約の一部を変更する規約の協議については、実績処理量等に基づいて負担割合を定めるもので、これ自体は可とします。
 来年の4月から収集運搬業者は車両の美装化を求められておりますが、新車への更新で1,200万円から1,400万円、現車両の改装で約600万円の負担が必要となります。市として280万円の補助を行うとのことでありますが、それでも業者の費用負担は重いものとなっております。質疑でさらなる支援について検討するとのことでした。ぜひ3月補正に向けて実現させるよう鋭意検討を求めます。

 議案第97号など、指定管理に関する議案が提出されておりますが、指定管理制度においては、その業務に従事する職員の待遇改善に十分配慮するよう求めます。
 指定管理料の上限設定において、なお一層人件費に対する配慮を行うとともに、市の外郭団体において指定管理業務に従事している職員の84.4%が非正規という状況の抜本的な改善を求めます。
 とりわけ平成30年4月から施行される労働契約法改正の趣旨を踏まえ、有期雇用から期限の定めのない雇用への改善が進むよう求めます。

 その他の意見について述べます。
 来年1月から3月の期間中に日米共同訓練が予定されております。この訓練には、重大事故を繰り返してきたオスプレイが参加する計画となっております。オスプレイは、沖縄米軍普天間基地に配備されてから5年が経過をしたもとで、飛行時間の経過とともに安定するという航空機の一般常識に反し、重大事故率が1.7倍にもなっております。市民の命と安全を守るなら、万全の安全対策を求めるにとどまらず、飛行自体を中止するよう国に強く求めていただきたい。

 最後に、ごみ処理広域化は、ごみ減量に逆行することから、計画を撤回するよう求め、討論といたします。