質問 |
答弁 |
≪髙橋和夫≫最初に、簗川第2地割の汚染牧草処理について質問します。
6月議会で、簗川第2地割で発生し、山谷川目牧野に保管していた放射能汚染牧草を「岩手・玉山環境組合」で焼却処理をすることについて、第8回玉山地域振興会議に報告があった模様であります。
簗川の放射能汚染牧草は本来、廃棄物処理法から盛岡市のクリーンセンターで処理されるべきものであり、「岩手・玉山環境組合」で処理するものではありません。環境部は法律をちゃんと守りなさい。都合の悪いものは玉山で処分させるなどというのは行政のやることではないのではないでしょうか。
県央ブロックごみ処理広域化の場所選定が進む中で、反対運動を意識して、盛岡クリーンセンターで処理せず、「岩手・玉山環境組合」で処理させようとしたのではありませんか。
しかもこの件では、岩手・玉山環境組合周辺の住民に説明会もやっていないのではありませんか。どのような経過で試験焼却することになったのですか。
8月3日、新聞報道があり、住民から私に抗議の電話がありました。
盛岡市長が「岩手・玉山環境組合」の副管理者と言っても、計画にないものを処理させることは「岩手・玉山環境組合」の議会軽視になりませんか。
行政がなんでも勝手にやるなら議会は必要ないのじゃありませんか。
お答えください。
|
《菅原環境部長》 薮川第2地割で発生した汚染牧草を岩手・玉山環境組合で試験焼却することとなった経過についてでありますが、盛岡地域で発生した汚染牧草は、廃棄物処理法や一般廃棄物処理基本計画に基づき、盛岡地域の処理施設で処理することが基本となり、また、国の通知や県のガイドラインにより、新たに牧草の裁断機等の前処理設備を備える必要があるなど、処理体制や環境整備に時間を要することが想定されました
こうした中、山谷川目牧野での保管期間が3年半以上を経過し、腐敗の進行や火災が懸念され、早期の処理の方策を検討してきましたが、平成26年10月から平成29年9月までを期間とし、国の補助事業を活用して裁断機等の前処理設備を備え、岩手町や玉山地域の汚染牧草等を処理している岩手・玉山環境組合において、薮川の汚染牧草45ロール18トンについても併せて焼却処理が可能であることを確認した上で、平成29年7月24日に組合管理者である岩手町長に焼却処理を依頼し、7月28日に承諾を得たものであります
また、平成29年7月12日から13日にかけての、組合焼却施設及び玉山廃棄処分場の周辺地域の各自治会長や盛岡市廃棄物処分場環境保全対策協議会への説明、7月24日の玉山地域振興会議で説明を経て、8月3日に約1トンの汚染牧草を試験焼却し、その後、8月22日に組合焼却施設周辺の地域への住民説明会を開催し、試験焼却の経過や、焼却に合わせて実施した放射能濃度測定結果が基準値を下回っていることなどを報告したものであります
次に、岩手・玉山環境組合の計画にないものを処理させるのは議会軽視ではないか、についてでありますが、薮川の汚染牧草を早期に処理する必要があるとの判断から、関係自治会長への説明、組合管理者との協議等を経て、平成29年9月中の処理の完了を目指してまいりましたが、国との協議の中で補助対象期間の延長が可能であると判断されたことから、平成29年8月24日の盛岡市議会全員協議会での協議を経て、平成29年10月開催の岩手・玉山環境組合議会において、ご協議をいただいた後に、処理を進めてまいりたいと考えているものであります
|
≪髙橋和夫≫次に、玉山地域振興会議の運営について質問します。
盛岡市と玉山村が合併するにあたり、旧玉山村村民の声を市政に反映する手段として玉山区地域協議会が設置され、旧玉山村に関する諸問題解決にあたってきました。 そして合併10年を契機に玉山区地域協議会は玉山地域振興会議へと改組されました。
わたくしは、この地域協議会と地域振興会議は中身的には変化がないものと思っておりました。
ところが運営状況を見ると、諮問事項はほとんどなく、ほとんどが報告事項となっています。
広辞苑によれば、「報告とは与えられた任務の経過や結果について述べること」とあり、「諮問とは意見を訪ね求めること」とあります。
これでは盛岡市の方針が一方的に知らせ告げるだけであり、玉山地域住民の声や意見が市政に届かないのではないでしょうか。
しかも報告事項は当日配布され、予備知識も十分でない中で判断しなければならないことは、私達市議会議員でも困難することであります。
この玉山地域振興会議の在り方について、玉山地域住民の声が生かされるよう再検討する必要があるのではないでしょうか。ご所見を伺います。
|
《谷藤市長》 玉山地域振会議のあり方についてでありますが、合併後、平成18年1月に設置し、平成28年3月までに全65回開催した玉山区地域協議会では、諮問事項が75件25%、報告事項が175件58%、その他、自主的審議事項等が53件17%であります
一方、平成28年4月に設置した玉山地域振興会議は、これまでに8回開催し、諮問事項が7件25%報告事項が15件54%、その他、自主的審議事項が6件21%であります
地域振興会議においては、報告事項におきましても、委員の皆様には十分に協議していただき、案件によっては担当部署において委員の意見を踏まえて再検討をするなど、地域振興会議の意見を反映するよう取り組んでいるところであります
なお、資料の送付につきましては、運営要領により諮問事項、報告事項ともに原則として3日前までに委員へ送付することとしておりますが、担当部署の調整に時間を要し、当日に資料が配布される場合があったものです。いずれにいたしましても、事前に検討いただけるよう、また、玉山地域住民の声が生かされるよう運営に努めてまいります
|
≪髙橋和夫≫次に、農業用水源の確保について質問します。
農林水産省の8月の発表で、平成28年度の食料自給率は、カロリーベースで前年度比1ポイント下落の38%になりました。
昭和40年当時は73%であったものが今や歴代2番目に低い38%です。
各国の食料自給率は、アメリカ130%、ドイツ95%、イギリス63%となっており、日本の38%は先進国の中で最低です。
しかも基礎食料である穀物の自給率は28%にすぎません。人口1億人を超える国で穀物自給率3割を切る国は日本だけです。異常気象で災害が多発し、このままで日本は本当に大丈夫なのか不安を感じます。
安倍内閣は、来年からコメの生産調整をする販売農家に対して、国が10アール当たり7500円の直接支払いをする農家個別保障制度を廃止するとしています。そうなった場合、市内の農家はどのような影響があるとお考えですか。
色々と課題があるでしょうが、農家の経営を守るためには、農家の抱える問題の解決に行政が力を貸すことが必要です。
玉山地域では、若者が新たに農業に就くなど、希望の「点」が出てきております。また、市の計らいで地域おこし協力隊員2名が配置され、指導員として地域発展に協力いただくことになりました。玉山地域の起爆剤になればと期待をしております。
いま、生出地域では、水田を続けるために農業用水不足の問題があります。
水利権や養殖営業など難しい問題もあると思いますが、行政がリーダーシップをとって、関係者が意思統一できることが必要と考えます。
そのご苦労を、関係部署で是非担っていただきたいと思いますがご所見を伺います。
|
《長澤農林部長》
米の直接支払交付金が廃止となった場合の影響についてでありますが、平成28年度におきましては、市内の農家に総額で約1億7千万円が国から交付されており、1農家当たり、平均で約6万9千円となりますことから、廃止となった場合は、農家の収入に影響があるものと存じております。
市といたしましては、これまで岩手県市長会を通じ、国に対し、需要に応じた生産を確保するため、米の需給調整に資する新たな支援策を講じるよう、要望してきたところであり、今後におきましても、需要安定の仕組みづくりを要望してまいりたいと存じます。
《谷藤市長》 次に、生出地域の農業用水不足についてですが、生出地域は、豊富な生出湧水を活用した水田、養殖が盛んに営まれている地域と認識していますが、一方岩手山麓土地改良区の受益から外れる地域では用水不足の状況にあることは市も承知しております
一般的に農業用水につきましては、地元の水利組合のもと、個々の農家が適正に使用、管理するものと認識しておりますが、生出地区には、湧水を活用する複数の水利組合や養殖事業者がありますことから、関係する方々の声を充分にお聞きし対応してまいります
|
≪髙橋和夫≫次に、NTT光回線の整備について質問します。
先日、生出地区まちづくりの会と生出地区企業の懇談会がありました。
この懇談会は、生出地域を活性化させ、企業が活動しやすい地域にすることを
目的に開催されたもので、生出地区3自治会長はじめ11企業が参加しました。出席者はおよそ30名で、今年が第2回目になります。
その中で企業からの要望として、インターネット光回線が整備されていないとの声がありました。今の時代、インターネットが利用できないと企業は進出してきません。盛岡市内で光回線が整備されていない地域はどのくらいあるのでしょうか。
また、今後の整備計画はどのようになっているのか伺います。
|
《柴田総務部長》 NTTの光回線の未整備地域についてでありますが、基幹設備からの距離や見込まれる利用者数などにおいて、採算性を確保することが難しい地域で整備が進んでいないとのことであり、具体的には、旧玉山区の一部、東部の山間地域などに未整備地域があるとのことであります
また、今後の光回線の整備計画についてでありますが、NTT東日本では、光回線サービスのエリア拡大については、個別に寄せられる整備要望について、採算性を精査し、検討しているとのことであります
市では、光回線の整備につきましては、民間通信事業者による整備を基本と考えておりますことから、整備計画は策定していないところでありますが、情報通信技術の進展等を見極めながら対応してまいりたいと存じます。
なお、企業向けの光回線については、NTTの提供エリア外でも、個別に相談に応じている通信事業者があり、サービス提供が可能になる場合もあると伺っているところであります
|
≪髙橋和夫≫最後に公共施設の有効活用について質問します。
公共施設等総合管理計画は平成27年2月に策定されております。そしてこの計画の期間は平成27年度から平成36年度までの10年間となっています。
このことは、すでに3年目に入っているわけで、計画全体から見た場合、まだ計画の緒に就いたばかりかもしれませんが、財政面とか計画の進捗状況とか、一定の方向が見えてきたものと思います。
そういうことから、現状についての状況をお知らせください。
市内の学校を見て回れば、施設改修や改良が必要な場所が見つかり、早期の整備が必要と感ずるわけですが、学校側からは何となくあきらめ感が感じられます。学校施設の整備計画は現在の儘で良いのか、或いは整備計画の見直しがされているのかについてお知らせください。
施設の管理や整備が遅れますと、施設の老朽化が進みますのでご配慮を願いたいと思います。
また、閉校した校舎、体育館など、教育財産から普通財産への切り替えは進んでいるのでしょうか。山村部にあるこのような施設を貸出しして、地域の人が働く場所にするなど、具体的なセールスも必要になってくるでしょう。
こういう場での「地域おこし協力隊員」の活躍にも期待するところであります。
これからの時代は、人工頭脳に負けないアイディアで勝ち抜くことが必要になってきます。私は近隣の自治体で葛巻町が進んでいると感じています。
我が中核市盛岡も、葛巻町に負けない力を持っていると思っています。
全市民に呼び掛けて、アイディアを募集してはいかがでしょうか。
|
《財政部長答弁》
公共施設等総合管理計画の進捗状況についてでありますが、計画は市が保有する建築物系施設や都市基盤系施設など、全ての公共施設等の適切な保有と維持管理に関する基本的な考え方を取りまとめたものであります。また、計画を実行するに当たっての詳細な取り組みについては、各公共施設において策定する個別施設計画にて定めることとしています。
個別施設計画は、平成32年度を目途に、15の施設分野ごとに各施設所管部門において策定することとしており、現在、一般の市有建設物、火葬場、クリーンセンター、橋りょう、公園、上水道、下水道の7分野について策定済みとなっています。
庁舎や学校、公営住宅などの一般の市有建築物につきましては、個別施設計画となる「盛岡市公共施設保有最適化・長寿命化実施計画」において、向こう3年間に実施する事業を、毎年度ローリング方式で定めております。
実施計画に基づく長寿命化工事等に係る進捗状況につきましては、計画初年度である平成28年度では、着手件数で17件、事業費総額は決算ベースで18億5,744万7千円となっており、概ね計画どおり順調に実施されております。また、平成29年度については、着手件数で27件、事業費総額は当初予算ベースで23憶6,480万5千円を予定しており、計画に沿って順調に進捗している状況です。
今後におきましても、公共施設等の適切な保有と維持管理については、個別施設計画の策定等に係る進捗管理等により、着実に取り組んでまいりたいと存じます。
《教育部長答弁》
学校施設の整備計画の見直しについてでありますが、学校施設の整備は、平成28年度から37年度までの10年間を計画期間とする、「盛岡市公共施設保有最適化・長寿命化計画」、及び向こう3年間の実施事業を定める「同行実施計画」に基づいて整備を進めており、当該実施計画は、毎年見直しを行っているところであります。
次に、閉校した学校施設の教育財産から普通財産への切替えについてでありますが、閉校後、速やかに普通財産への用途変更を行っているところであります。
次に、閉校した学校施設活用のアイデア募集についてでありますが、旧学校施設の利活用については、市民からの提案を各部等に照会するなどして検討しているほか、ホームページ上で施設等の情報を掲載し、常時提案を募集しているところであり、今後とも、市長部局と連携しながら、取り組んでまいりたいと存じます。
|