2017年9月定例会 鈴木礼子議員の一般質問

 
質問項目 (クリックするとジャンプします)
1、ごみ処理広域化計画は「覚書」違反。撤回を!
 ①「覚書違反」への反発をどう受け止める
 ②「覚書違反」の広域化は撤回を
2、総務省勧告(長寿命化)とも矛盾する広域化計画
 ①焼却施設長寿命化をなぜ検討しないか
 ②「3施設長寿命化」の計画骨子をなぜ変更?
 ③交付金は6施設でも可ではないか
 ④総務省勧告の方向で、広域化撤回を 
3、待機児童解消について
 ①盛岡市の現状、見込み違いはなぜ?
 ②どう見直すか
 ③計画見直し~保護者の願いに沿って
 ④保育士確保対策
 ⑤放課後児童居場所対策
   全体計画の見直し、設置基準 指導員確保
 ⑥児童センター児童クラブ室の時間延長  

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 質問  答弁
ごみ処理広域化計画の撤回について

≪鈴木礼子≫県央ブロックのごみ焼却施設の整備候補地4カ所が選定されたことを受け、整備候補地の一つの現クリーンセンター周辺地域では、7月24日から松園地域(3か所)、桜台地域、庄が畑地域でそれぞれ説明会が開催されました。

 私はこれら全ての会場に参加しましたが、以下、説明会での地域の声を紹介しつつ市の対応について質問します。

 松園地域、上米内地域の全町内会・自治会は、現クリーンセンターの施設整備にあって、市と「覚書」を交わしている地区であり、今年度の町内会総会の総意として東松園2・3丁目町内会は「覚書」の遵守を求める決議、北松園町内会は広域化計画の撤回を求める決議を挙げています。また、庄が畑町内会は昨年5月に3市5町のごみ処理施設を現クリーンセンター敷地内に誘致することのないようにとの陳情書を谷藤市長あてに提出しています。
 これら地域の事情をどのように考慮したのか、なぜ、現クリーンセンター隣接地が候補地に選ばれたのかなど関心が広がる中での説明会開催となりました。それぞれの会場は、参加者が40人から60人を超え、北松園地域では会場に入りきれず会場設定に問題を残しました。

 特に、説明会で奇異に思ったことは、広域化については市環境部担当職員が推進協議会事務局長及びスタッフとして行い、「覚書」については市として対応するとの説明だったことです。推進協議会の立場というが、責任の所在、不都合なことは協議会で決めたことと責任を回避しやり過ごすのかと疑念が生じたことです。

 松園会場では、主催が盛岡市ではなく広域化推進協議会としたことへの疑問が出され「推進協議会としての説明は納得できない」「推進協議会は当事者能力があるのか」「市長が説明すべきではないのか」との厳しい意見が出されました。

「覚書」違反への反発をどう受け止める

 市の説明は、分散立地とした「覚書」とは方向性が異なるが、現施設の老朽化と人口減少のもとで推進協議会として広域化を進めてきた。「覚書」は計画の段階から住民参加での協議を求めているが、基本計画策定時なのか、いつからなのか定めていない。「覚書」では疑義が生じたときは地域と協議して決めるとあり、今後、町内会・自治協議会と協議すると述べ、「覚書」を都合のいいように解釈し違反はしていないとことさら強調する内容でした。
 各会場からは共通して、計画を決定してからでは協議にはならない。計画の段階から住民と先に話し合うことが方針だとの意見が続出し、北松園会場では、広域化は「覚書」の分散立地に反している。計画策定時からの協議がない中で説明は受け入れられない。「覚書」遵守が難しい場合は協議するとなっており、市が「覚書」に違反していない、というのであれば協議はできないなど強い抗議のもと、菅原環境部長は「覚書」に沿っての協議が守られていないことは確かにあると発言し「覚書」違反を認めざるを得ませんでした。
 北松園会場は、説明に入ることができず、あらためて広域化方針と「覚書」について議論するとして、分散立地までさかのぼって、関係住民全員を対象にオープンで協議すること。窓口を松園地区自治協議会としましたが、その後の対応はどのように進展していますか。

 桜台会場では、市は「覚書」遵守の義務があり、候補地選定の前提は一極集中で4カ所選定した時点で「覚書」違反であること。一方的に「覚書」を破棄するのであればクリーンセンターの運転断念もありうる。また、当時「覚書」に署名したという方は、「覚書」は住民が二つに割れての苦渋の選択だった。将来の住民に委ねるとあるが更新する場合と限定したもので全く別の話だ。苦渋の選択は何だったのか、と説明に入れる状況ではありませんでした。

 庄が畑会場では、50年以上も盛岡市のごみ捨て場にされてきた経緯もあり予定候補地の一つに選んだことへの怒りに満ちたものとなりました。

 昨年5月に町内会の総意として陳情書を提出しており、説明を受けることは候補地を受け入れることになる。住民と行政の間には継続性の担保、責任がある。「覚書」は桑島元市長と結んだもの。簡単に反故にするのかとの強い憤りの中で、説明はもとより今後についても協議する必要はない。と市当局への不信をあらわにしたものとなりました。

 5会場とも共通の認識は、一極集中の広域化は「覚書」に違反しており、「覚書」違反を明確に認め、一極集中の広域化は撤回すべきとの確固たるものでした。市長はこれら5会場の説明会についてどのように受け止めておられるのか。「覚書」違反を認めるべきではありませんか。いかがでしょうか。

 各会場では、現クリーンセンター隣地ではなく誘致を希望するところへ整備すべきだとの意見や災害時対応、ごみ減量問題、周辺地域への環境・健康への負荷の増大、交通渋滞などへの疑問が出され、広域化計画がいかい無謀な計画であるのかを問い、見直しを求めるものでした。
中には、環境省に直接問い合わせ、東北6県の取り組みを聞き取り調査し実態を示しながら、広域化計画がいかに時代遅れの計画であるかを明らかにした貴重な意見も出されました。

 説明会資料の余熱施設ゆぴあすの記載については、住民との対立を自ら助長するようなもので脅しとも取られかねない心ないもので、これらについても意見が続出しました。
 熱源にかかわらず松園団地はもとより多くの市民が利用する施設でもあり二者択一ではなく存続すべきとの意見が出て、菅原環境部長は運営については協議したいと答えざるをえませんでした。

 庄が畑会場では、現クリーンセンターの余熱利用について、当時、地元は農業振興策として温熱活用の声があったが、クリーンセンター完成後はバッサリ切られた。焼却施設整備で地域の活性化というが、庄が畑地域はバスの本数が減らされ若い人はいなくなったと活性化とは程遠い現状を訴えながら、絵に描いた餅で説得させるようなことだと切り捨てました。

 これら5会場での説明会は、当局のすり替え論議と責任回避、「覚書」に対する住民無視の進め方などかつての経験に学ぼうとしない対応への批判と抗議であったと受け止めています。

 5会場とも共通の認識は、一極集中の広域化は「覚書」に違反していること。市は「覚書」違反を明確に認め、一極集中の広域化は撤回すべきとの確固たるものであったと思います。

 市長は、これら説明会の内容と結果をどのように受け止めておられますか。「覚書」違反を認めて広域化計画は撤回し見直しすべきではありませんか。いかがでしょうか。











































≪谷藤市長≫
 県央ブロックごみ処理施設整備に係る住民説明会の内容と結果についてでありますが、平成29年7月7日から8月9日まで、4か所の整備候補地に対して、第1回目の説明会を10会場で行ったところですが、候補地のひとつである「盛岡市クリーンセンター敷地」周辺の松園地区及び上米内地区で開催した説明会では、平成9年に交わした「覚書」の協議を優先させること、広域化に反対であることなどのご意見を頂いたほか、平成29年8月9日の住民説明会では、現クリーンセンター敷地への施設整備は受け入れ難く、覚書の協議も応じられないなど、地域住民の皆様の率直なご意見を頂いたところであり、今後の整備予定地1か所の決定に当たり、慎重に判断する必要があるものと存じております。


≪菅原環境部長≫ 覚書の協議の窓口を松園地区自治協議会としたがその後の対応はどのように進展しているか、についてでありますが、松園地区で開催した住民説明会等でのご意見を踏まえ、平成29年8月2日付けで、松園地区自治協議会に対し、覚書に基づく協議の申し入れをいたしましたが、現時点で具体の協議には至っていないところであります

 覚書につきましては、松園地区、上米内地区それぞれの町内会。自治会と同じ内容で締結しているものでありますが、上米内地区で開催した8月9日の住民説明会で、覚書の協議には応じられない旨のご意見を頂いたところであります

 松園地区自治協議会への今後の対応といたしましては、上米内地区で開催した住民説明会の状況などを説明した上で、協議の進め方を含めて相談してまいりたいと存じます

≪谷藤市長≫「覚書」違反を認めて広域化計画は撤回し見直すべきではないか、についてでありますが、ごみ処理の広域化は「覚書」に定める「分散型立地」とは方向性が異なっておりますが、「疑義が生じたとき方向性が異なっておりますが、「疑義が生じたとき又は覚書の内容により難い事情が生じたときは協議して定める」との規定に基づき、対応していく必要があるものと存じます
また、盛岡広域8市町において、3R(スリーアール)の推進により循環型社会の形成を目指すとともに、既存のごみ焼却施設の老朽化対策に併せて、効率的なごみ処理や環境負荷の低減に取り組むため、ごみ処理広域化を進める必要があると考えているものであります






2、総務省による一般廃棄物処理施設の勧告とも矛盾する広域化計画

≪鈴木礼子≫ 昨年3月1日総務省は、ごみ焼却施設の効果的・効率的な整備維持管理の促進を図るとして、一般廃棄物の現状と動向、処理施設の広域化・集約化の取組状況、維持管理状況を調査し、その結果をとりまとめて必要な改善措置について環境省に勧告しています。
 背景には、①全国的にごみ焼却施設の老朽化が進み更新時期を迎えるなかで、国および地方公共団体の厳しい財政状況もあり施設の長寿命化の推進と ②広域化によるダイオキシン類の削減目的が達成されたこと ③廃掃法基本方針の改定(で廃棄物の発生抑制、再利用等で廃棄物の減量促進)など社会情勢が大きく変わり、広域化・集約化の推進目的が変化しているとしています。
長寿命化推進では、環境省としてもストックマネジメントの手法導入にむけて都道府県に対して平成21年10月付で「一般廃棄物処理施設の長寿命化の促進について」の通知を行い積極的な支援を要請しています。

(1)長寿命の検討はしたか、公共施設保有最適化計画になぜ入れなかったのか

 市は、これらの背景のもとで現クリーンセンターの長寿命化についてどのような検討をされたのでしょうか。

 現クリーンセンターが市公共施設保有最適化・長寿命化計画での該当施設に位置付けられなかったのはなぜなのか。 
 








(2)「既存3施設の長寿命化」の計画案がなぜ変更された

 ふりかってみますと、平成24年度の広域化推進協議会では、既存の3施設(現クリーンセンター、雫石滝沢環境組合、盛岡・紫波地区環境施設組合)の長寿命化を図り有効に活用し、段階的に1カ所集約に移行するとの方針を示し、新設と長寿命化による工事費比較を行っています。

 1カ所集約新設による建設費は264億円、3施設長寿命化は165・5億円と試算し、ライフサイクルコストでは3施設長寿命化の方が1カ所集約新設の85%に抑えられるとの試算を行っています。

 総務省指摘の長寿命化方針とも一致できる内容だと納得しましたが、この方針がなぜ大きく変更されたのか。経過についてお示しください。

3)国の交付金要項、6施設でも可ではないか

 その際、広域化しなければ交付金がでないとした県の指導がいかにいい加減なものであったのかも指摘しておきたいと思います。

 平成17年4月に通知した環境省の交付要綱(循環型社会形成推進交付金要綱、交付対象要件人口5万人以上または面積400k以上㎡を有する市町村)では、総務省はほとんどの市町村が単独で交付金が受けられる状況だと指摘しています。

 仮に、県央ブロック内の6施設を更新する場合はどうなりますか。全て交付金が受けられるのではありませんか。なぜ広域化しなければ交付金が出ないとしたのか。なぜ、今回の説明会で1カ所集約施設のみだけ交付金がついたコスト比較資料としたのか、説明いただきたいと思います。

4)総務省勧告を受け止め、広域化撤回を

 また、広域化の推進目的が変化しているという点では、総務省は調査結果(調査対象14都道府県)から、広域化の余地はあるとしつつも
①建設候補地決定で地元との調整が困難・難航している②廃止となったごみ処理施設の解体費用の確保が困難で未解体になっている 
③広域化によるごみ収集・運搬費用等の維持管理費の増大
④災害発生時に対応できないなどのリスクが想定されるなど広域化・集約化の推進に慎重な意見があったとし、これらに対して環境省自体が明確な整理ができていないと指摘しています。

 広域化は、人口減少に伴いごみ排出量が減少する中で、コスト削減とした広域化推進について改めて問題・課題を整理すること。その際、施設の長寿命化・延命化や災害対策に配慮することと勧告しています。
 
 市長は、総務省によるこれら勧告についてどのような認識をお持ちでしょうか。
市が、今、強引に進めようとしている広域化計画は、まさに総務省が危惧している内容そのものではありませんか。総務省の勧告を真摯に受け止め広域化計画の撤回、見直しへと舵を切るべきではありませんか。






















≪谷藤市長≫
 現クリーンセンターの長寿命化の検討についてでありますが、平成13年度に施設の保全と延命化に関して、「長期改修計画」を策定し、毎年度見直ししながら運用しており、この計画に基づいて必要な改修を行い、設備機器の機能を適正に維持し、安全かつ安定したごみ焼却を行うこととしているものであります
 また、同施設が「市公共施設保有最適化・長寿命化計画」での該当施設に入っていないことについてでありますが、平成27年2月に策定した「盛岡市公共施設等総合管理計画」では、庁舎、公民館、体育施設などは、「一般の市保有建築物」として「最適化・長寿命化計画」策定の対象とされておりますが、クリーンセンターについては、その施設の性質上「一般の市保有建築物」と同様に取り扱うのではなく、個別計画に委ねることとされたものであり、平成29年3月に、「クリーンセンター建築設備改修計画」を策定したところであります

 次に、総務省指摘の長寿命化方針とも一致できる内容が大きく変更された経過についてでありますが、平成24年度に「骨子」を策定した時点では、既存6施設の延命化の時期は明らかではありませんでしたが、「骨子」策定後の検討過程であり、平成40年度まで既存6施設の延命化が可能であり、3施設長寿命化後の更新時期には新たな施設の建設が想定されることから、平成26年2月の協議会において、既存6施設を平成40年度まで延命化し、平成41年度に1施設に集約する方法も含めて、検討していくこととしたものであります







 
 6施設の更新に当たり、広域化し、1か所に集約した場合のみ交付金がつくのか、についてでありますが、基本構想では、今後建設を予定しているごみ焼却施設について、複数のケースを想定し、検討を行った結果、1施設集約の場合が経費が最も低い、また、県央ブロック全体の環境負荷が最も小さいことから、既存6施設を1施設に集約することとしたものであり、この方向性は、岩手県のごみ処理広域化計画に沿った内容であることから、交付金の対象となるものと存じております
なお、住民説明会資料についても、この構想に沿って調整しているものであります








 次に、総務省の勧告に対する認識と、勧告を真摯に受け止め広域化計画の撤回と見直しに舵を切るべきではないか、についてでありますが、総務省の勧告は、「広域化・集約化」を推進していくための課題などを整理した上で、考え方や推進方策等について、地方公共団体に示す必要があること等を環境省に対して勧告したものと認識しております
基本構想は、県央ブロックの将来予測や廃棄物処理の課題、今後の方向性などを取りまとめ、広域化を目指すこととしたものであり、引き続き、この構想に基づき、ごみ処理広域化に取り組んでまいりたいと存じます

3 待機児童対策について

≪鈴木礼子≫ 国は、29年度末までの待機児童解消を事実上断念し、新たに「子育て安心プラン」として待機児ゼロを32年度まで3年先送りしました。
0~2歳児の子どもをもつ母親の就業率が急速に高まり、少子化にもかかわらず保育需要が拡大し続け、今後、更に増えることが予想される中で、国の待機児童対策がこれら社会構造の変化に対応できなかったことを証明したのではないでしょうか。このたびの待機児ゼロ先送りについて市長のご所見をお聞かせください。










 盛岡市の待機児童・空き待ち児童の現状は
 
 盛岡市は、今年度4月1日時、待機児童0となりましたが、その実、空き待ち児童いわゆる隠れ待機児童が266人という深刻な実態も浮きぼりになりました。
 まず、直近の待機児童及び空き待ち児童の実態についてお知らせください。平成29年度から5カ年計画で待機児童の解消をめざした「盛岡市子ども・子育て支援事業計画」(以下事業計画)では、3才以上児は量の見込みが定員数を上回るが、幼稚園希望者も相当程度あるので幼稚園の利用で不足は生じないとしました。また、3才未満児は定員増と定員弾力化で平成29年度以降は必要とされる量の見込みが確保されるとのことでしたが、現状と大きくかい離しているのではありませんか。

なぜ、「量の見込み」不足が起きたのか

 2号認定(保育を必要とする3才以上児)及び3号認定(保育を必要とする3才未満児)における支給認定者数と量の見込みの見通しはどうだったのか。
 特に、0歳時、1~2歳児の支給認定者(児)数と量の見込みとのかい離状況はどうですか。なぜ量の見込み不足が起きたのか。どのように総括されていますか。

 事業計画の達成状況や評価は、「子ども・子育て会議」において年度ごとに実施状況を公表し対策を行うこととしていますが、子育て会議ではどのような検討が行われ対策が取られたのか。お知らせください。


《谷藤市長》 国が待機児童解消を先送りしたことについてでありますが、国におきましては、平成25年度から29年度末までに、50万人の保育の受け皿を確保する「待機児童解消加速化プラン」を策定し、待機児童の解消を図ってまいりましたが、この間「一億総活躍社会」や「すべての女性が輝く社会づくり」などの施策により、女性の活躍促進の結果、女性の就業率が向上しております
また、今後におきましても、女性の就業率の上昇に伴い、保育を必要とする子どもの増加を見込み、すべての人が無理なく仕事と育児を両立できるよう、新たな「子育て安心プラン」を策定し、32年度末までに、待機児童の解消を図ることとしたと認識しております

 本市におきましても、保育定員の拡大を図っておりますが、保育を必要とする子どもが年々増加している状況でありますので、現在、「盛岡市子ども・子育て支援計画」を見直しており、保育を希望する量の見込みを適切に把握し、更なる待機児童解消対策を講じ、年間を通じて待機児童を早期に解消できるよう、全力で組んでまいりたいと存じます

《志賀子ども未来部長》 待機児童及び空き待ち児童の実態についてでありますが、平成29年7月1日現在、国の定義に基づく「待機児童」は65人「特定の保育所の空きを待っている児童」などは、257人となっております










 次に、子ども・子育て支援事業計画における支給認定者数と量の見込み及び、かい離状況についてでありますが、平成28年4月1日現在における2号認定子どもの量の見込みにつきましては、4352人であり、計画期間を通して提供体制に不足が生じるものの、提供体制の確保が見込める1号認定子どもと併せて対応することとしておりましたが、それに対し、実際に保育を必要とする児童数は4748人で、かい離率は、109.1%となっております
また、3号認定子どもの量の見込みにつきましては、0歳児で819人、1から2歳児で2280人あり、認定こども園の普及や保育所の新設などにより、提供体制の確保を進めることしておりましたが、それに対し、実際に保育を必要とする児童数は、0歳児が1436人で、かい離率は175.3%、1から2歳児が2485人であり、かい離率は109.0%となっております

 見込みと実績がかい離した要因といたしましては、計画策定に当たり、平成25年に子育て世帯を対象としたニーズ調査を実施し、量の見込みを算定したものでありますが、その後の社会情勢の変化等を背景に、女性の就業率の上昇に伴い、働きながら子育てを希望する女性が、調査時の想定を超えて増加してきていることが影響しているものと認識しております

 次に、子ども・子育て会議における検討状況についてでありますが、平成29年3月に開催した会議において、教育・保育の量の見込みと実績に一定程度のかい離が認められることを報告し、計画の中間年である29年度に必要な見直しを行うことについて、了承をいただいているところであります。
② 事業計画の見直しにあたって
 
 昨年12月9日、総務省は、事業計画が地域の実情にあっているのか。小規模保育事業の卒園後の受け皿となる連携施設の確保が十分かどうかを指摘し、潜在的な需要を含めた「量の見込みの算出」と実態に即した「確保方策」の設定を行うよう勧告しています。(子育て支援に関する行政評価・監視―子どもの預かり施設を中心としてー〈結果に基づく勧告〉)

 また、これらを受けて内閣府は、今年1月27日付で「市町村子ども・子育て支援事業計画等に関する中間年の見直しのための考え方について」(以下手引き)を送付し、認定区分ごとの量と見込みに大きなかい離がある場合は、中間年を目安として計画の見直しを行うこととしましたが、市の実態と合わせ、かい離が大きい0才児、1~2才児の量の確保などどのような検討がなされていますか。事業計画の見直しの手順と方法、現在の進行状況についてお知らせください。

 厚労省は、認可保育所に入れず止む無く他の施設に入所した場合や育児休業中などは待機児と認めず、実態を反映していないとの批判が続出する中で、一昨年、いわゆる隠れ待機児童(当市は空き待ち児童)が6万208人いることを初めて公表しました。
 今年度の厚労省発表は、4月時の待機児童は2万6081人で、全回同時期より2528人増の3年連続増加となっているとのことです。

 また、厚労省が待機児から外している「自治体独自の施設入所」「特定の保育所希望」「4月1日時点で求職活動休止」「認可保育所をめざす認可外施設に入所」していることを理由に待機児のカウントに入れない、いわゆる隠れ待機児童は1870人増の6万9224人とのことです。
当市の場合は今年度4月1日時の隠れ待機児童は、求職活動休止が9人。保護者の私的な理由で待機(特定の保育所を希望)が257人の計266人に上っています。

 事業計画の見直しにあたっては、これら空き待ち児童も含めた確保対策が緊急の課題になっていますが、どのように解決を図るのでしょうか。

 その他、障がい児受け入れ枠の確保、きょうだい同一施設利用に配慮することなど事業計画見直しの検討課題とすべきですが、いかがですか。


  保護者の願いに沿った保育施設の整備を

 保育を求める保護者の願いは、居住地の近くで、子どもにとってよい環境・条件が整い就学前まで預けることができ、公が責任を負う施設への入所を希望しています。
 受け皿さえ増えればいいということではなく、これら基本的な事項を前提に子どもの権利を最優先にした保育施設の整備が求められています。
 「手引き」は、保育の受け皿の拡大として自治体が関与しない企業主導型保育施設の地域枠の拡充や幼稚園での2歳児の受け入れや預かり保育の推進をあげていますが、公的な責任、保育の質などの面からは疑問です。

 ※末子3才未満児世帯共働き率が平成9年25・2%から平成28年41・5%に、0~2才児の保育利用率は平成18年28・9%から平成28年46・6%に急増している)

 共働きが当たり前になり、早晩、0~2才児保育が多数派になることが予想される中、小規模模保育等の拡充では連携施設問題など3才の壁問題が深刻化するばかりです。王道は認可保育所の増設での対応であり、民間任せではなく公立保育所での本気の0~1歳児保育の拡充こそ急ぐべきではありませんか。対策についてお知らせください。













④ 保育士不足への対応

 待機児童対策のもう一方の課題は、保育士の確保が困難を極めていることです。今年度から保育士処遇改善がスタートしていますが、賃金格差解消がどの程度改善されているのでしょうか。また保育士不足の実態と確保策についてどのような検討がされていますか。

《志賀子ども未来部長》 計画の見直しの手順と方法、現在の進行状況についてでありますが、国が示した見直し作業の手引きに基づき、実績値を踏まえながら、人口の再推計を行うとともに、女性就業率の上昇も加味しながら、教育・保育の量の見込みの再算定を行い、確保方策を再検討することとしており、現在、これらの取りまとめ作業を進めているところであります。

 今後、再算定した量の見込み及び確保方策などについて、子ども・子育て会議から意見を聴取しながら、今年度末を目途に成案化を図ってまいりたいと存じます

 
















 次に、空き待ち児童を含めた確保方策についてでありますが、教育・保育の量の見込みを再算定するに当たっては、希望した保育所に入所できずに入所を保留している児童数も含めて算定を行い、確保方策を検討することとしており、また、この過程において、障がい児の受入れや、きょうだいの同一施設の入所につきましても、併せて検討してまいりたいと存じます

 









 次に、公立保育所における0歳児から1歳児保育の拡充についてでありますが、現在、公立保育所は、「盛岡市立保育所民営化計画」に基づき民営化を進めており、新たな保育所の設置による受け入れは難しいと存じますが、既存施設の保育室の面積や保育士の配置などの基準を遵守しながら、定員の弾力化を進め、利用児童数を増やしてまいりたいと存じます

 










次に、計画の見直しの手順と方法、現在の進行状況についてでありますが、国が示した見直し作業の手引きに基づき、実績値を踏まえながら、人口の再推計を行うとともに、女性就業率の上昇も加味しながら、教育・保育の量の見込みの再算定を行い、確保方策を再検討することとしており、現在、これらの取りまとめ作業を進めているところであります
今後、再算定した量の見込み及び確保方策などについて、子ども・子育て会議から意見を聴取しながら、今年度末を目途に成案化を図ってまいりたいと存じます

次に、空き待ち児童を含めた確保方策についてでありますが、教育・保育の量の見込みを再算定するに当たっては、希望した保育所に入所できずに入所を保留している児童数も含めて算定を行い、確保方策を検討することとしており、また、この過程において、障がい児の受入れや、きょうだいの同一施設の入所につきましても、併せて検討してまいりたいと存じます


 次に、保育士の処遇改善についてでありますが、現在、各園の処遇改善の申請を受け付け、内容を確認しているところであり、今後、早急に処遇改善の状況を把握し、適切に対応してまいりたいと存じます
 また、保育士不足の実態と確保策についてでありますが、29年7月に実施した「保育士確保策検討に係る調査」において、公立保育所・私立保育所、認定こども園、地域型保育事業の全86施設のうち37施設において、保育士が59人不足していると回答があったところです
また、29年度から保育士確保対策として、奨学金返還支援補助制度を実施し、8月末現在で100人に活用していただいておりますが、その内容を検証するとともに、保育関係者から意見を伺いながら、更なる確保策を検討してまいりたいと存じます
⑤ 放課後の子どもの居場所について

 放課後児童クラブは、子ども・子育て支援新制度により公の責任が明確化され、条例制定で最低基準が確保されるなど環境が大きく改善されたことは周知の通りです。
 市としても、父母会運営によるクラブの整備費用への市単独による補助や児童センター児童厚生員の配置基準の見直しなどの努力は多とするものです。
しかし、放課後の子どもの居場所についての事業計画は、実態把握、量の見込みなど非常に不十分な内容であり、党市議団としても見直し・改善を求めてきました。

 昨年6月議会の庄子議員の質問に対して、当時の村上保健福祉部長は小学校就学児童14506人中、留守家庭児童が56%で、児童センター利用児童1973人、放課後児童クラブ利用児童1362人、自宅で過ごす児童が3372人となっている実態を明らかにし、放課後に居場所が必要な全ての児童を視野に入れた対策に取り組む必要があると答えられました。

 全ての留守家庭児童に安全・安心な放課後を保障する立場から事業計画の見直しが喫緊の課題になっているのではないでしょうか。検討内容、見通しについてお知らせください。(中間年である今年度の見直しの是非も含めて)

 また、現時点での放課後児童クラブの待機児童と対応策、設置基準に満たない施設の改善と課題、特にこずかた学童クラブについてはどのような検討をされていますか。

 合わせて指導員の確保が困難になっていますが、これらへの対策についてもお示しください。



















 ⑥児童センター児童クラブ室の利用時間延長について

 市内10カ所の児童センターに設置されている児童クラブ室は、開所時間が働く保護者の実態に即し午後6時から7時までと理解していますが、実態はどうでしょうか。
北松園児童センター児童クラブ室は、5月1日現在登録児童数132名で子どもたちの放課後の安全・安心確保のための施設として歓迎されています。
しかし、開所時間が午後6時までで郊外の団地までの退勤時間を考慮すると6時までの迎えは困難を極め、開所時間の延長を求める声が切実です。
「小1の壁」解消の一環としてせめて午後7時まで延長すべきと思いますが、いかがですか。
《志賀子ども未来部長》次に、放課後の子どもの居場所づくりの事業計画の見直しについてでありますが、平成27年3月に策定した「盛岡市子ども・子育て支援事業計画」における放課後児童クラブの利用人員の必要な量の見込みは、平成26年度の実績に、23年度から25年度までの登録児童数の伸び率を乗じて推計したものになっており、計画の見直しにあたっては、最新の利用実績を基に、利用できなかった児童数も加味しながら、適切に量を見込んでまいりたいと存じます

 
















 次に、放課後児童クラブの待機児童数と対応策についてでありますが、クラブの利用申し込みをし、利用できず待機している児童は29年5月1日現在、21人となっております。今後におきましては、該当するクラブから利用実態をお聴きしながら、クラブの分割や施設の拡張など、多くの児童を受け入れる方策を検討して参りたいと存じます
 次に、設置基準を満たしていない放課後児童クラブの改善についてありますが、該当するクラブでは、施設整備等に経費が発生することやクラブが希望する移設の条件などの課題があることから、活用できる国の補助制度等、必要な情報をご案内しながらまいりたいと存じます
 
 また、こずかた学童クラブへの対応についてでありますが、クラブからは、施設の老朽化が進んでいるものの、児童の卒業や進級に伴い、今後2年間で、登録児童数が減少する見込みであり、新入学児童の動向等を見極めつつ、移転を含め、対応について慎重に検討していると伺っておりますことから、今後とも丁寧に相談に応じながら、必要な支援をしてまいりたいと存じます

次に、放課後児童支援員の確保策についてでありますが、国の処遇改善策を周知するとともに、各クラブの実態を把握し、関係者からのご意見も伺いながら、確保に向けた支援に努めてまいりたいと存じます

次に、児童センターの児童クラブ室の利用延長についてでありますが、登録している保護者の方々や関係者にご意見を伺いながら、地域の実情や施設の管理体制などを含めて、検討してまいりたいと存じます