2017年9月定例会 庄子春治議員の一般質問

 
質問項目 (クリックするとジャンプします)
1、ごみ処理広域化について
(1)第一回住民説明会について
(2)説明会における市の説明の問題点について
 ①年間15億円の経費削減というごまかし
 ②環境への影響を過小評価している
 ③南インター付近を候補地にした問題点
 ④そもそも地域振興策のための施設か
 ⑤協議会と市との使い分け
2、災害対策について
 ①北朝鮮のミサイルへの対応
 ②水害時の避難行動、
 ③福祉施設の災害対策計画
 ④防災訓練について
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 質問  答弁
 ≪庄子≫ごみ処理広域化について伺います

1、第一回住民説明会の概要について

 7月~8月、第一回の候補地検討の住民説明会が4カ所の候補地の周辺住民を対象に開かれました。候補地ごとの、それぞれの会場での説明会における住民の疑問、質問、意見などはどのようなものだったのか、主なもの、特徴をお知らせください。

一本化にあたっては「住民合意」が条件だということですが、今回の説明会及びその後の地域住民の様々な動きなどを判断して、それぞれの候補地ごとにこの4カ所における「住民合意」の可能性はどうお考えか。合意を図る上での課題は何か、合わせてお示しください。
≪菅原環境部長≫県央ブロックごみ処理施設整備候補地第1回住民説明会における住民の疑問、質問、意見などについてでありますが、参加された皆様からは、候補地になったことについての経緯や、地域振興策、施設概要、収集運搬車両が集中することによる交通渋滞、ごみ減量・資源化、災害時の対応、排ガスに含まれる有害物質への不安、生活環境への影響などに関するご質問やご意見のほか、整備への反対意見も頂いております
また、現クリーンセンター敷地におきましては、市が平成9年に施設周辺の町内会と交わした「覚書」の協議を優先させること、広域化に反対であることなどのご意見も頂いております
また、現クリーンセンター敷地におきましては、市が平成9年に施設周辺の町内会と交わした「覚書」の協議を優先させること、広域化に反対であることなどのご意見を頂いたほか、8月9日の住民説明会では、現クリーンセンター敷地への施設整備は受け入れ難く、説明は不要であり、覚書の協議に応じられないという内容のご意見もあったところでございます

 次に、それぞれの候補地ごとの「住民合意」の可能性と課題についてでありますが、住民説明会については候補地ごとに2回開催する計画としており、第1回目の住民説明会では、ごみ処理広域化の考え方や候補地の選定過程を中心に説明し、今後予定している第2回目の説明会では、施設概要や地域振興策などについて具体的に説明しながら、「住民合意」の可能性を判断していきたいと考えております
 また、第2回目の説明会では、第1回目の説明会で寄せられた施設整備に対する不安や反対の声に対し、しっかりと説明をし、内容をご理解いただくことが住民合意を図る上での大きな課題であると考えております。 
2、市の説明、住民の疑問への市の回答の問題点について

≪庄子≫ 私は、7月20日と21日に開催された、「南インター」付近の住民説明会を傍聴しました。そこでの市の説明および、住民の質問への回答内容に問題点を感じましたので、以下質問します。

(1)広域化によって、盛岡市で年間15億円も経費削減になるというごまかし

 市は、広域化によって、平成41年から55年度までで盛岡市負担分で年間15・8億円の削減になると説明しました。
 「15億円」の根拠は、「6施設新設」と「一か所集約」の比較です。そこには2重のごまかしがあるのではないですか。
 その一つは、「広域化しなければ交付金が出ない。という前提です。お聞きしますが、国の交付金の基準に「広域化」「大型化」が条件という基準はありますか。お答えください。もう一つは、6か所の現施設を更新することと比較しています。

 ごみ焼却施設の延命化、その他の現実的な方策への真剣な検討がなされていません。平成24年度の協議会「骨子」とのコスト比較はしたのでしょうか。お示し下さい。
 ≪菅原環境部長≫次に、国の交付金の基準に、「広域化」「大型化」が条件という基準はあるか、についてでありますが、循環型社会形成推進交付金交付要綱では、「広域化」「大型化」は交付要件とされておりませんが、同要綱に基づき交付金を受ける場合に策定が必要となる「循環型社会形成推進地域計画」については、「岩手県ごみ処理広域化計画」との整合を図ることとされているものであります。

 次に、平成24年度の協議会「骨子」とのコスト比較についてでありますが、基本構想における1施設集約と平成24年度の協議会「骨子」における3施設長寿命化との具体的なコスト比較は行っておりませんが、「骨子」では3施設長寿命化のデメリットとして、新設の場合より寿命が短いことや、3施設長寿命化後の更新時期には新たな施設の建設が想定されるため、数十年という長期間で見ると、最終的に1施設を新設するより建設費が高くなることを掲げているものであります。









 (2)環境への影響を意図的に過小評価する説明

 ≪庄子≫クリーンセンター周辺のぜんそく被患率について「価の高い学校もあるが、地区平均では市内平均を下回っている」となんら問題ないような説明をしました。「価の高い学校」こそ問題ではありませんか。そのことは無視してよいとお考えですか。
 説明では、焼却施設から排出される有害物質について、「焼却技術の高度化によってガス量が減り」「処理の高度化で有害物質はさらに減少する」としています。

 盛岡市の現クリーンセンターの排出基準は、既に国基準を大幅に超えた厳しい基準となっていますが、「最新技術」でさらにどこまで厳しくするおつもりですか。処理量が2倍になっても、有害物質の総量が「さらに減少する」とは、どのような根拠なのか、数値を示して明らかにして下さい。

 収集運搬車の増加について、説明会資料では、クリーンセンターへの現在の収集運搬車267台に対して、想定は270台としていますが、現在一日平均220t程度の処理をしている施設に対して、450tと2倍の処理量となる施設へ搬入する収集運搬車がたった3台しか増えないということはどういうことか。具体的に示して下さい 
  ≪菅原環境部長≫次に、ぜん息の被患率について「価の高い学校」ほど問題ではないか、についてでありますが、住民説明会の中では、クリーンセンター周辺の学校でぜん息の被患率が高いとの意見があることを受けて、クリーンセンター周辺7校の被患率が、全国平均、県平均及び市平均よりも低い結果になっていることをデータで示したものであり、科学的分析や医学的な知見を加えた調査結果ではありませんが、今後もデータの整理を継続してまいりたいと存じます

 次に、処理量が2倍になっても有害物質の総量がさらに減少する根拠についてでありますが、住民説明会の際には、広域処理に伴い、処理するごみの量が増加する中で、有害物質排出総量の削減に向けて取り組むことをご説明したものであり、「触媒脱硝設備」の導入により、窒素酸化物濃度を低減化するなど、最新の処理技術の導入により、有害物質の排出総量の削減が可能になるものと見込んでいるものであります

 次に、施設に搬入する収集運搬車両台数についてでありますが、基本構想では、平成41年度における広域8市町から発生する1日当たりの可燃ごみの推計量を基に、発生する可燃ごみ全てを7割の積載量でパッカー車に積載し、発生したその日のうちに新焼却施設まで搬入するための必要な車両台数として、各市町から直接搬入される台数は2トンパッカー車が延べ257台、中継施設を経由して大型車両で搬入される台数は10トンパッカー車が延べ13台とし、合わせて延べ270台と試算したものであり、これを平成25年度の盛岡市クリーンセンターへの搬入実績である1日当たりの延べ台数267台と比較して、3台の増としているものであります
なお、一般持ち込みに係る車両につきましては、第1回目の説明会では、収集運搬車両台数の算出には含めておりませんでしたので、第2回目の説明会において訂正し、内容を説明させていただきたいと考えております
 (3)南インター付近を候補地としたことについて

≪庄子≫南インター付近の説明会で出された疑問の中には、農業者の方からの素朴な、率直な疑問が出されました。▼この地域は「優良農地」であり、生産性も高い。地域振興というが農地を失って経済性は下がるのではないか。▼選果場や産直、市場もある。影響は? など、様々な質問が出されました。

 それらに対する市側の回答は、「次回回答する」等と、まともに答えることはできなかったというのが、私の傍聴した強い印象でした。
 その要因は、参加者からの次の意見に集約されているのではないでしょうか。
 それは、▼候補地の絞り込みの中で、「農業振興地域は外す」となった。これに引っかかる地域だ。「誘致の要望があった」からということに、違和感がある。というものです。
伺います。
 ① 補地検討委員会が、なぜ当初入っていたこの地域を検討過程で外したのか。その根拠を具体的にお知らせください。





 ②商工団体からの「誘致」を理由に「復活」させたが、その復活の過程で、当初「外す」とした根拠との整合性を、どう検討したのか? 具体的な検討項目とその検討結果をお示しください。その際、市の農政部門との協議はされたのかも伺います。












③農政部門にお聞きします。市の農業振興ビジョンにおいてこの地域の農業振興をどのように位置づけ、これまでどのような施策を行ってきたのでしょうか。
農業振興を考えた時、優良農地をつぶして建設するごみ焼却施設が「農業振興」にどのように寄与するのでしょうか。農業振興策にそのメニューはありますか。

 市は、説明会で住民の質問に、「通年でのハウス栽培を行い、冬場でも新鮮野菜を提供する施設、加えて産直施設で販売する施設などが提案されている」と答えましたが、それが地域農業振興に対してどれほどの効果をもたらすのか、どのような根拠を以て答えたのですか。お示し下さい。




















 食糧自給率38パーセントという現状の下で、それを打開する農政の転換が必要だと考えます。農業の振興は、大地と自然の恵みを土台にし、農業者の技術・情熱を傾けた豊かな実りを生み出すことにこそ基本があるのではないでしょうか。30年後、50年後、さらに先のこの地域と農業を展望した時、優良農地を守り生かす農業振興こそ本筋ではないでしょうか。市長の御所見を伺います。
  ≪菅原環境部長≫



















①候補地検討委員会が「盛岡南インターチェンジ付近」を検討過程で外した根拠についてでありますが、農業振興地域は農地の有効利用と農業の近代化を総合的に進めることが目的とされている地域であることから、調査対象地が多くあった段階では整備候補地を絞り込む過程の中で浸水想定区域などとともに、調査対象地から除外したものであります

 ②次に、商工団体からの「誘致」を理由に「復活」させたことについてでありますが、平成28年8月に候補地検討委員会の協議結果により、ホームページ等で整備候補地に係る情報を求めた際に、「建築物」や「大規模圃場整備」の要件により、調査対象地からすでに除外されている場所であっても、所有者の承諾が得られるような場所として情報提供があった場合は、整備候補地として検討することとしていたものであり、平成29年4月の盛岡商工会議所都南地域運営協議会からの要望についても、同様の取扱いとしたものであります
 次に、市の農政部門との協議についてでありますが、他の候補地に関する手続と同様に、整備候補地4か所を決定する段階での協議を行っておりませんが、都南地域運営協議会から要望があったことについては農政部門に情報提供をしているものであります

≪長澤農林部長≫
③市の農業振興ビジョンにおいて、この地域の農業振興をどのように位置づけてきたのかについてでありますが、「盛岡農業振興地域整備計画」におきましては、盛岡南インターチェンジ付近の地区は「古くからの水田地帯であり、「ほ場整備」が完了しており、今後とも農地として利用する」と計画に位置付けており、これまで当該地は、県営ほ場整備事業飯岡第一地区として、岩手県が主体となり、昭和63年度から平成8年度までに、269ヘクタールの「ほ場整備」を行っており、生産基盤の整備を実施した地域になっております

 ごみ焼却施設が農業振興にどのように寄与するのかについてでありますが、ごみ焼却施設から発生する余熱を利用する場合、例えば、野菜や花卉、果物などの促成栽培のための温室ハウスなどが考えられますが、このように、地域において有効活用することが農業振興につながる場合もあるのではないかと存じております

 また、農業振興策にそのメニューはあるかについてでありますが、農業振興地域に、ごみ焼却施設を建設するための農林水産省の補助メニューは、現在のところ無いものであります

≪菅原環境部長答≫ 通年でのハウス栽培を行うことで、地域農業振興にどれだけの効果をもたらすのか、についてでありますが、その効果を具体的に試算しているものでありませんが、都南地域運営協議会からの提案内容について、他の自治体においても農業ハウスにごみ焼却に伴う余熱を利用している例があることなどと併せて、住民説明会で説明したものであります

≪谷藤市長≫ 農業振興にかかる所見についてでありますが、農地は、農業生産にとって最も基礎的な資源であることから、優良な農地については、農用地区域として設定するとともに、当該農地を良好な状態で維持・保全し、その有効利用を図ることが重要であると考えます。
また、農地の確保と有効利用は、国土の保全、水質の涵養、自然環境の保全、良好な景観の形成、文化の伝承など、地域で農業生産活動が行われることにより生じる多面的機能の適切な発揮を図る上でも必要であると考えます。このようなことから、農業振興を図ることが必要な地域については、その地域の整備に関し必要な施策を計画的に推進するための措置を講ずることで、農業の健全な発展を図り、国土資源の合理的な利用に寄与することが、農業振興の基本であると存じます

(4) 果たしてごみ焼却施設は「地域振興施設」として誘致合戦を行う施設化か?
 
 ≪庄子≫市は、以前の本会議で「ごみ焼却場を『付加価値施設』に」との質問に対して「地域振興施設になる」と答えています。そこに無理があるのではないですか。新聞報道によれば、南インター付近の候補地に対して飯岡地域では、地域の農業者が「環境問題と農業振興対策協議会」を立ちあげ、優良農地を守る立場で施設設置に反対する意思を示すとしており、9月10日には結成総会と決起大会が開かれるということです。なぜ。このような地域住民を挙げての運動が起こるのか。「地域振興施設」だからと、納得させるおつもりですか、その自信はおありですか。

 ごみ焼却施設はあくまでも廃棄物を処理する施設です。有害物質の排出はゼロではない、収集車の通行も増える。環境への負荷は避けられないのです。だからこそ、可能な限りごみを減らし、燃やす量を減らす、施設規模も小さくするという努力が必要ではないですか。焼却熱のエネルギー回収は「3R」の順番の最後なのです。「地域振興施設」と言ったとたんに、環境への影響を無視・軽視した議論になる。それで住民の理解を得られると思う方がおかしいのではないですか。
 8市町のごみを集めて燃やす施設は、4カ所の候補地とも「地域振興施設」になりえないのではないですか。いかがですか。

(5)「市」と「協議会」の使い分けの無責任

 ≪庄子≫説明会で異常だなと感じたのは、環境部の出席者の肩書でやたらと「協議会」の肩書を強調したことです。しかし、8市町の首長で構成する「協議会」が、どれだけ真面目に検討したのか。はなはだ疑問です。農業振興地域を「復活」させたのは、「協議会」だから、市の農政部門との協議は必要ないということだったのか。

 私はそれぞれの首長さんたちに問いたい。あなたの市町の主要な優良農地の一角をつぶす選択をあなたは責任を以て推進しますか? と。

 あえて言わせてもらえば、盛岡市が決めていただければそれでいい。「お手並み拝見」ということではないですか。他の町にお任せしてひと安心というのが構成8首長の本音であればそれでは3Rなど進まないのではないですか。御所見を伺います。
≪菅原環境部長≫地域住民を挙げての運動が起きている中で、「地域振興施設」として納得させるつもりなのか、についてでありますが、整備候補地周辺の地域の皆様には、地域振興のほか、ごみ焼却施設の必要性、最新技術を導入した焼却施設の特徴などを丁寧に説明し、話し合いを重ねていく必要があるものと存じており、地域の皆様の意向を確認した上で、様々な要素を総合的に判断し、整備予定地1か所を決定してまいりたいと存じております

 次に、4か所の候補地とも「地域振興施設」になりえないのではないか、についてでありますが、「3R」を推進し、ごみ減量、資源再利用を進めることについて、循環型社会の形成を目指す上での重要な共通課題として、8市町が連携し、取り組んでまいりますが、併せて、ごみの焼却処理から生じる熱エネルギーの有効活用を中心とする地域振興策にも取り組んでいく必要があるものと存じているものであります

 











 次に、農業振興地域を復活させたのは、「協議会」だから、市の農政部門との協議は必要ないのか、についてでありますが、最終的な整備予定地1か所の選定を進める過程において、農政部門との協議を行っていく必要があるものと考えているものであります

次に、他の町にお任せしてひと安心というのが構成8首長の本音であれば3Rなど進まないのではないか、についてでありますが、構成8市町において周知啓発に取り組むとともに、県央ブロック内における先進的取組や他都市の事例を共有し、議論を重ねながら、これまで以上に3Rの取組を推進していく必要があるものと存じております
≪2≫災害対策について

①北朝鮮のミサイル発射について

≪庄子≫災害対策について伺います。この7~8月エリアメールがたびたび鳴りました。8月29日早朝に鳴ったのは北朝鮮の弾道ミサイル発射、日本上空を通過というものでした。9月3日に北朝鮮は、昨年9月に続く6回目の核実験を強行し、「ICBM(大陸間弾道ミサイル)搭載の水素爆弾の実験を成功させた」と主張しています。
いまや、住民の生命財産を守る上で、北朝鮮の核・ミサイル開発と軍事挑発が緊急で最大の重要な課題となっています。
 北朝鮮の一連の行動は、世界と地域の平和と安定にとっての重大な脅威であり国連安保理決議、6カ国協議の共同声明、日朝平壌宣言に違反する暴挙です。国際社会が追求している「対話による解決」にも、「核兵器のない世界」を求める世界の大勢に逆らうものであり、この暴挙を糾弾し、抗議するものです。
 最大の危険は、米朝両国の軍事的緊張がエスカレートするもとで、当事者たちの意図にも反して、偶発的な事態や誤算などによって軍事衝突が引き起こされる現実の可能性が生まれ、強まっているということです。万が一にもそうした事態が引き起こされれば、その被害は日本にも深刻な形で及ぶことになります。

 そういう事態を絶対に避けることが求められています。北朝鮮に対して、これ以上の軍事的な挑発を中止することを求めるとともに、現在の危機を打開するために、米朝両国が直接対話に踏み出すことが必要ではないでしょうか。日本政府は「今は対話の時ではない」などとする、対話に否定的な態度を改め、対話による解決に向かうよう役割を果たす必要があるのではないでしょうか。市長の御所見を伺います。 
 ≪谷藤市長≫北朝鮮の軍事的な挑発に対し、日本政府が米朝両国の対話による解決に向かうよう役割を果たす必要があるのではないかについてでありますが、安倍首相は、9月3日の記者会見において関係各国や国際社会との協力をさらに強化し国連安全保障理事会において、北朝鮮への原油や石油製品の輸出禁止・制限を含めた、新たな制裁決議を目指すとしておりますが、9月5日に開催された衆議院外務委員会と参議院外交防衛委員会の閉会中審査では、北朝鮮に更なる圧力をかけるよう政府に求める一方で外交による平和的解決の重要性についても指摘されたところであります
これ以上、北朝鮮の暴挙を許さず、我が国の平和と安全、国民の安全・安心の確保に万全を期すためにも、今後、政府において、制裁の強化と一体に、米朝の対話による解決に向けて、役割を果たすことも必要であると存じております。

②水害対策、社会福祉施設における対策計画

≪庄子≫ 7月23日、8月23日~25日、岩手県内、盛岡市内においても「記録的な降雨」を観測し、河川の増水による氾濫危険などから各種の気象情報・警報が出され、従来の「避難準備情報」、「避難勧告」が出される事態となりました。

 これらの災害の状況と、市から出された避難準備情報、避難勧告、およびその情報に基づく市民の対応などについてどのような状況だったのかお知らせください。

 私は、8月25日未明の簗川流域における避難勧告に基づいて開設された中野小学校と中野地区活動センターの2か所の避難所を午前6時前に訪問しましたが、避難した方はどちらも高齢女性がお一人ずつということでした。
短時間に記録的な降雨による災害は、全国各地で発生しており、盛岡も例外ではないということが明らかになったのではありませんか。その現状からみてこの間の市民の避難行動についてはどのように市は評価しておられるでしょうか。



































≪柴田総務部長≫ 7月23日の大雨災害についてでありますが、床下浸水が7件発生したほか、倒木が6件、道路の法面崩壊・土砂流出が69件などの被害が発生しております。

 避難情報の発令につきましては、7月23日4時50分に、松川の古川橋において「避難判断水位」を超えたことから、5時20分に当該河川流域に対して、また、土砂災害の危険性が高まったことから、11時30分に上米内、川又の一部地域に対して「避難準備・高齢者等避難開始」を発令しております。さらに、15時45分には、河川の増水情報を踏まえ、米内川流域の一部に対して、また、16時30分には、玉山の古舘川流域の一部に対して「避難勧告」を発令しております

 これらの避難情報の発令に伴い、市内12箇所に避難所を開設し、最大で39世帯78名の方々を受け入れたほか、福祉避難所1箇所に2名の方を受け入れていただいたところです

 次に、8月22日の大雨災害についてでありますが、1時間当たりの最大降水量が65ミリと、観測史上最大を記録した薮川地域において、床下浸水が3件発生したほか、玉山地域を中心に道路の法面の崩壊・土砂流出が27件、道路冠水が3件、河川の洗掘等10件などの被害が発生しております
なお、河川の水位状況やパトロール等による監視を行い、避難情報の発令には至りませんでした

 次に、8月24日から25日の大雨災害についてでありますが、床下浸水が3件発生したほか、道路の法面崩壊・土砂流出が54件、水田の冠水などの被害が発生しております
 避難情報の発令につきましては、25日2時20分に松川の古川橋において「氾濫危険水位」を超えたことから、2時25分に当該河川流域に対して「避難勧告」を発令しております。さらに、2時30分には、薮川の葛西橋において、「避難判断水位」を超え、さらに、上昇が見込まれたことから、3時45分に、中野二丁目及び高崩に対して「避難準備・高齢者等避難開始」を発令しております
これらの避難情報の発令に伴い、市内8箇所に避難所を開設し、最大で30世帯62名の方々を受け入れたところであります

 次に、短時間の記録的な降雨による災害の現状からみた市民の避難行動についてでありますが、この度の避難情報の発令に伴う避難の割合は、必ずしも高くないものと認識しております。市は、短時間の記録的な降雨によるリスクも踏まえ、避難の呼びかけを行っているところであり、地域の防災訓練や出前講座を通じ、避難情報の意味や情報伝達の仕組みなどにご理解をいただきながら、早めの避難など適切な行動をとっていただくよう、引き続き周知に努めてまいりたいと存じます。


  ③社会福祉施設の非常災害対策計画

≪庄子≫ 8月24日付の岩手日報に、洪水浸水想定区域内に立地する県内の社会福祉施設547施設のうち、5月末時点で28.2%の施設で水害に対する非常災害対策計画が未策定、または内容が不十分であることが県の調査で分かった、と報じられています。
昨年8月の岩泉のグループホームの悲劇を絶対に繰り返してはなりません。盛岡市内の現状を市は把握しているでしょうか。今後の対応方針を伺います。
≪村上保健福祉部長≫ 洪水浸水想定区域内に立地する市内の社会福祉施設の非常災害対策計画の策定状況についてでありますが、対象となる122施設のうち、平成29年5月末時点で、水害に対する非常災害対策計画が未策定の施設は3施設、計画の内容が不十分である施設は14施設、合わせて17施設、13.9%が改善を要する施設となっております
17施設につきましては、市として、計画の速やかな策定及び不足項目を追加するよう文書による指導を行い、非常災害対策計画の策定方法については、集団指導や実地による指導監査の場において、助言を行っており、現在、県において追跡調査を行っているところであります
市といたしましては、引き続き様々な災害に対応できるよう指導、助言を行ってまいります

 
④防災訓練について

≪庄子≫8月25~26日、岩手県総合防災訓練が行われました。そのうち26日には住民参加の訓練が、盛岡市、紫波町、矢巾町などを会場に行われました。この訓練の成果と課題を市はどのようにとらえているでしょうか。

 関係機関が多数参加しての訓練の実施はそれなりの成果を得たとは思いますが、参加した住民の立場から見ると、多くの課題を残したともいえるのではないでしょうか。今回会場となった見前地区の住民から見ますと、5年前の平成24年に市が行った総合防災訓練との比較がどうしても出てきます。

 参加した町内会・防災隊の中からは、今回の訓練はいささか期待外れだったという声も聴かれます。こうした声を市は把握しているでしょうか。今回の防災訓練をどのように振り返り、今後に生かすおつもりか伺います。

≪谷藤市長≫ 8月26日に行われた岩手県総合防災訓練の成果と課題についてでありますが、地域の自主防災隊、見前南小学校、見前南中学校、盛岡南高等学校、防災関係機関の皆様など、97機関の方々が一体となって各種訓練に取り組んでいただき、各機関が災害時に実施する活動への理解が深められ、「自助・共助・公助」の災害対応における総合力の強化につながったものと存じております。また、県、紫波町、矢巾町及び盛岡地区広域消防組合消防本部との合同開催により、広域避難訓練を実施できたことは、近年の災害の大規模化・広域化に対する自治体間の連携強化が図られたと存じております。
 
 訓練を踏まえた課題についてでありますが、災害における行動力は、訓練を繰り返し行うことによって身に付くものであると存じており、毎年度実施する総合防災訓練はもとより、自主防災組織を中心とする地域の自発的な防災活動を推進することによって、災害時における、更なる対応力の強化を図っていく必要があるものと存じます
次に、参加された方々の声の把握と今後への反映についてでありますが、訓練当日に参加者のアンケート調査を行っており、「普段学ぶことのできないことを知ることができ、とても良い機会だった」など、評価をいただいた一方、「救助する側の訓練にも参加したかった」や「会場が広く、一般参加者への案内がわかりづらかった」など、訓練内容や会場案内に対するご意見をいただいております

 今後におきましては、事前の準備において、地域の皆様のご意見をこれまで以上によく伺い、訓練内容の検討を行うとともに、会場案内についても工夫し、参加された皆様が充実感をもって訓練に参加いただくことで、防災意識の更なる高揚を図ることができるよう、取り組んでまいりたいと存じます