2017年3月議会に追加提案された3月補正予算に対する日本共産党盛岡市議団の討論を紹介します。討論は神部伸也議員が行いました。(2017年3月14日) |
日本共産党市議団を代表し、以下の意見を付して全議案に賛成します。
まず、議案第33号「平成28年度盛岡市一般会計補正予算(第7号)」について。
二次救急医療等事業費補助金については、今回の補正で特別交付税の制度改正に伴い当初予算から9割が減額されることになりました。国からの交付金が全額負担する制度が改悪されて、地方負担が求められる中で、広域市町が財政的な負担をして規模を縮小しつつも、引き続き事業を続けるという努力は評価します。当市においては、平成27年度からこの事業が実施され、たったの1年で予算規模が大幅に減額されることになり、対象となっていた病院にとっては大きな影響を与えるものです。そもそもこの制度は、地域で必要とされる不採算医療等機能を担う公的病院に対して国が公立病院に準じた特別交付税措置を実施するものであり、地域の医療を守るためには必要なものです。国に対しては従来通りの交付税措置がなされるよう、強く働きかけていただきたい。
職員の時間外勤務の状況については、昨年度に比べて職員全体の時間数で4.6%の減、一人あたりの時間数も5.3%の減少とはなっているものの、昨年4月から今年の1月までで、過労死ラインとされる80時間超の職員が266人、100時間を超える職員が142人となっています。現在の業務量に問題はないのか、業務量に見合う人員体制となっているのか、検証していただくと同時に市としても時間外勤務に上限を設定し、しっかりと遵守するよう求めます。
障がい者福祉施設整備助成事業は、国の平成28年度第二次補正予算を受けて、防犯カメラ等を設置する福祉施設に補助するもので、今回5事業者に補助するとのことです。これは、昨年7月に起きた「相模原殺傷事件」を受けてのものですが、これまで以上に施設の安全対策が求められています。平成29年度については「これからであり、国の制度を注視する」とのことですが、市内施設の安全点検を市としてしっかりと行うとともに、必要な安全対策については、例え国の補助がなくても市独自にでも支援を行うよう求めます。
老人福祉施設整備助成事業で、約1億4千6百万円の減額補正となりました。地域密着型サービス施設等整備において、当初予定していた「小規模多機能型居宅介護」2施設が0施設、認知症デイサービス1施設が0施設、定期巡回・随時対応型訪問介護看護1施設が0施設、看護小規模多機能型居宅介護2施設が0施設となったもので、応募者がなかった等が主な理由となっています。昨年の3月補正でも同様の問題が浮き彫りになり、「平成28年度からの取り組みについて万全を期すよう」要望しましたが、改めて、介護報酬の引き下げと介護士人材不足の問題が、引き続き深刻な影響を及ぼしている実態が明らかになりました。国に対しては、介護報酬削減路線をやめること、介護職員の処遇改善の抜本的対策を図るよう強く求めるとともに、介護保険第7期計画に向けては、しっかりと精査をしながら、必要な施設が整備できるよう取り組んでいただきたい。
ユートランド姫神の改修事業にあたっては、住民及び利用者の声や現場からの意見を反映させて使い勝手のよい施設とするよう尽力していただきたい。
三ツ割、門旧清掃工場跡地から高濃度のダイオキシンが検出されましたが、洞清水団地等周辺への影響が危惧されます。除去作業については万全の対策を講じていただきたい。同時に、旧清掃工場廃止後18年間放置されてきたこと自体が大問題です。清掃工場本体の解体こそ急ぐべきであり、安全確保に尽力していただきたい。
公共交通対策については、路線の存続が第一というのは当然ですが、利用者の声をしっかりと聞いて不便にならないように取り組んでいただきたい。
次に、議案第45号「平成28年度盛岡市病院事業会計補正予算(第2号)」では、平成28年度の決算見込みが約1億5,500万円赤字となる見通しが示されました。平成29年度は新たに医師が3~4名増員されるとのことで、そのご努力に対しては敬意を表します。今回の結果については、よく分析の上、市立病院一丸となって経営改善に向けて引き続きご努力をしていただきたい。
以上です。 |
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