2016年12月定例会 髙橋和夫議員の一般質問

 
質問項目 (クリックするとジャンプします)
鳥インフルエンザについて
ラジオメディカルセンターについて
 旧玉山村と結んだ公害防止協定について
 廃棄核種の変更に関する盛岡市への説明
 新しい核種の搬入計画について
 
新市建設計画について
  道の駅
  啄木記念館・歴史民俗資料館
  渋民運動公園
老人に優しい盛岡市にするための対策について

「議会報告」トップへ      市議団トップへ
 質問  答弁
≪髙橋和夫≫最初に鳥インフルエンザについて質問します。
 先月11月23日、盛岡市の高松の池で死亡した状態で発見されたオオハクチョウは、北海道大学での検査の結果、原因は「高病原性鳥インフルエンザウイルス(H5N6亜型)」によるものと発表されました。
マスメディアの報道によれば、鳥インフルエンザは全国的に広まっており、鳥インフルエンザに感染したとみられるニワトリなどは殺処分も進められております。
すでに環境省は回収地点の周辺半径10キロを野鳥監視重点地域に指定しました。しかし考えてみれば、10キロは車で10分程度の距離であり、周辺10キロという基準は狭すぎないでしょうか。
玉山地域には北上川、松川のほか沼や池があり、秋になればカモやハクチョウなどが飛来してきます。そしてそこには220万羽を超える養鶏場をはじめ数軒の養鶏場があります。
これらの養鶏場などに対する事前の対策はどのように行われていますか。
もう一つは、鳥インフルエンザのウイルス検査が北海道大学までもっていかなければならないということ自体が時代にマッチしていないのではないでしょうか。
岩手大学農学部でなぜできないのか。 また、県の家畜保健所でなぜできないのか。
国なり県に対応を求めるべきではないでしょうか。
また、盛岡市は産学官連携を進めてきていますが、岩手大学農学部に支援をして検査体制を強化することを考えるべきではないかと思いますがいかがでしょうか。
≪谷藤市長≫ ≪市長答弁≫
高橋和夫議員のご質問にお答え申し上げます。
はじめに、岩手大学農学部や県の家畜保健衛生所でなぜ鳥インフルエンザの確定検査ができないのかについてでありますが、今回の事案では11月23日に高松の池で死亡したハクチョウが発見され、県の職員が回収のうえ、即日、岩手県中央家畜保管衛生所で簡易検査した結果陽性であったことから、確定検査の為、死亡個体の検査試料を環境省の指示により北海道大学に同月24日に送り、同月28日にH5N6亜型の鳥インフルエンザウイルスが検出されたものであります。
確定検査は発育鶏卵にウイルスを接種して培養して「ウイルスの型」や「病原菌」を決める「ウイルス分離検査」と言われるもので、検査結果が出るまでに1週間程度を要し、国内では、北海道大学のほか鳥取大学、つくば市の動物衛生研究所の3箇所が確定検査機関として環境省から指定されているものです。
次に、岩手大学農学部に支援して鳥インフルエンザの検査体制を強化することを考えるべきではないかについてでありますが、岩手大学農学部での検査につきましては、検査技術や設備等の課題もあると考えられることから、同大学との産学官連携の中で情報収集してまいります。

≪環境部長答弁≫ 野鳥監視重点地域の周辺10キロという基準は狭いのではないかについてでありますが、環境省のマニュアルによれば、ハクチョウ等の野鳥で高病原性鳥インフルエンザの発生が認められた段階、又は死亡野鳥の簡易検査の結果陽性となり発生が見込まれた段階で、当該死亡野鳥が回収された場所を中心とする半径10kmを環境省が野鳥監視重点区域に指定することとされております。なお、10kmは渡り鳥の一般的な行動距離を基に設定したものと伺っております。この10㎞は目安であり、地形等を考慮して適宜拡大、縮小することとされており、今回の11月23日の事案では、範囲を拡大して御所湖も野鳥監視重点区一揆において野鳥の異常を監視することとなりますが、仮に最初の発生地以外の池や沼等で発生した場合は、更にその周辺10㎞が野鳥監視重点区域に指定され、監視区域が拡大されることになっております。
≪玉山総合事務所長答弁≫ 玉山地域の養鶏所などに対する事前対策についてですが、100羽以上の養鶏所につきましては、岩手県家畜保健衛生所において、鶏舎やその周辺の消毒の徹底や、野生動物からの病原体の侵入阻止対策を強化するなどの指導が行われたところでございます。
100羽未満の飼養者につきましては、個別に電話による状況確認及び防疫体制の指導を2回行っており、併せて文書による注意喚起を行ったところでございます
一方、地域住民に対しましては、玉山地域全域の無線放送を活用し、12月1日から、正午と午後5時の2回、野鳥が集まる場所には近づかないことなどの周知徹底を図るとともに、大規模養鶏場がある生出地区の3自治会長あてに、地域での集会等がある場合には、更に注意喚起いただくよう文書で依頼したほか、本日玉山地域全戸を対象に注意喚起チラシを配布することとしております。
今後とも、岩手県とも連携しながら必要な措置を講じて参りたいと存じます。


≪髙橋和夫≫ 次に、滝沢市にある社団法人日本アイソトープ協会のラジオメディカルセンターについて質問します。
 滝沢村が昭和62年に企業誘致した社団法人日本アイソトープ協会のラジオメディカルセンターは、旧玉山村と50センチほどの川幅の境界に建設され、当時玉山村議会でも玉山村に何の相談もなく ①風下であること ② 水の流れの下流にあること などが問題となりました。そして日本アイソトープ協会と交渉を重ね、玉山村は日本アイソトープ協会と昭和63年2月29日に公害防止協定を結んできた経緯があります。

 当時の廃棄核種は19種でした。
 ところが、最近になって、日本アイソトープ協会は、滝沢市に対して廃棄核種の追加を申し出ているとのことであります。

 調べてみますと、日本アイソトープ協会は、これまで4度も滝沢村と覚書を交わし、廃棄核種を増やしてきたことが分かりました。今回の提案で5回目の追加で27核種になります。

 平成 3年 4月15日 4核種(炭素、窒素、酸素、フッ素)⇒平成27・4・2廃止
 平成18年 3月31日 1核種(フッ素)
 平成19年12月10日 1核種(ストロンチュウム)
 平成20年 3月 7日 1核種(イットリウム)
 そして今回平成28年、今回の提案(ラジウム)です。

 ところが、旧玉山村(現盛岡市)に対して今回も含めて5回、滝沢市からも日本アイソトープ協会からも何の連絡もありません。完全無視であります。
 昭和63年2月29日に玉山村が締結した公害防止協定は何のためだったのでしょうか。

 玉山地域住民、そして盛岡市民を無視する滝沢市と日本アイソトープ協会の態度は許されないことであります。
滝沢村、今の滝沢市は、これまで ① このラジオメディカルセンター誘致の際も、② 玉山地域の生出地区に株式会社NIPPO(旧日本鋪道)の産廃施設誘致計画の際も、③ 今回のラジオメディカルセンターへ核種追加の問題も、影響が出るとすれば盛岡市であるのに何の相談もないというのは言語道断で看過できません。

 盛岡市は滝沢市と平成28年1月15日、連携協約書を締結しています。 
 その中の第3条別表(3)のア 生活機能の強化に係る政策分野の中の環境分野には「圏域全体でのごみ減量や資源化の推進等、環境に関する機能の強化に取り組む」とあり、盛岡市の役割は「宣言の趣旨に沿い、滝沢市と連携して環境に関する機能の強化にとりくむ」とあり、滝沢市の役割も「盛岡市と連携して環境に関する機能の強化に取り組む」とあります。
 この連携協約書はどのような意味を持つのか伺いたい。そして守られない連携協約書は廃止すべきではないか。
 自治体にはそれぞれ自治権があり、それは尊重しなければなりませんが、隣の事柄でこちらが迷惑するのは大変迷惑千万なことであります。
 
 万一のことを考えて締結した公害防止協定を無断で変更することは許せないことであり、当事者に知らせないとは言語道断であります。 公害防止協定の見直しと厳格な覚書の締結が必要であります。
 廃棄物搬入は昭和62年7月9日から行われており、搬入からすでに29年経過しております。 処理をした廃棄物を保管する貯蔵庫はどの程度廃棄物が保管されているか明確にしていただきたい。
 そして ① 貯蔵庫に保管されている廃棄物は最終的に何処に持っていくのか。
② 半減期を過ぎ、一定の期間を過ぎた廃棄物は一般ごみとして滝沢市の焼却炉で焼却処分しているのかについても確認いただきたい。
≪玉山総合事務所所長≫  次に公害防止協定締結の意図についてでありますが、ラジオメディカルセンターが玉山地域に隣接していることから、事業活動に伴う環境放射能の安全を確保し、地域住民の健康の保護と生活環境の保全を図ることを目的として、放射線量等の測定や報告に係る「環境放射能の安全確保に関する協定書」を締結したものであります。

 次に、連携協約の意味についてでありますが、この協約は、地方自治法の規定や連携中枢都市圏推進構想に基づき、連携中枢都市である盛岡市と、経済・生活圏が密接に関する滝沢市などの近隣市町と、それぞれ締結したものであり、相互に連携して取り組むことにより、盛岡市広域圏における「経済成長のけん引」や「高次都市機能の集積・強化」、「生活関連機能サービスの向上」を図ることを目的としており、公害防止協定と連携協約とは、それぞれ趣旨が異なるものですが、今般の事案におきましても、より一層、滝沢市との連携を図ってまいりたいと存じます。
 
 次に、処理済の廃棄物保管貯蔵庫の状況についてでありますが、日本アイソトープ協会にお聞きしたところ、事業所開設時から処理された全てが保管されており、9月末現在、ドラム缶8,126本となっております。
次に、貯蔵保管されている廃棄物の最終処理については、国が検討している段階と聞いております。

 次に、一定の期間を過ぎた廃棄物についてでありますが、一般ごみとして滝沢市で焼却処分するものではなく、医療法等に基づき、日本アイソトープ協会芽記念滝沢研究所で処理され、保管されるものであります。

≪髙橋和夫≫ 次に盛岡市新市建設計画について質問します。

 玉山村と盛岡市が合併して10年が経過しましたが、計画変更もあってまだ完成していないものもあります。

 住民の皆さんからは「玉山歴史民俗資料館・啄木記念館整備事業」と「道の駅設置事業」がどうなっているのかさっぱり見えてこないという声が聞こえてきます。

 また、渋民運動公園整備事業についても「何度か説明会が開かれたが最終的にどのようになったのかわからないうちに工事が始まっている」という声も聞こえてきます。
担当者は一生懸命後力されていることとは思いますが、地域住民との意思疎通がなければ、その努力は評価されません。これらの問題について具体的に報告をするよう求めます。

≪玉山総合事務所長答弁≫ 道の駅設置事業についてでありますが、昨年度までは「農業関係者や商工業関係者等との意見交換会」や「アンケート」等を行うとともに、「外部有識者等による整備方針検討会」及び「庁内関係部署による検討会」を設置し「道の駅の基本構想」の検討を進めていきたいところであります。
今年度は、業務委託により、道の駅への導入する機能の検討や施設配置案等を含めた「基本計画」の作成を行っており、現在、地域住民や農業関係者、商業団体等を対象として「ヒアチング」や「ワークショップ」を実施しているところであります。「基本構想」がまとまった段階で広く住民に周知してまいりたいと存じます。

≪教育部長答弁≫ 玉山歴史民俗資料館・石川啄木記念館整備事業についてでありますが、平成26年度に建設方針検討会を設置し、地元の住民や有識者から、意見を伺いながら、27年度に、「玉山歴史民俗資料館・石川啄木記念館建設方針」を取りまとめたところであります。
28年度は、施設に導入する機能の検討や施設配置案等を含めた「基本計画」の策定に向けて取り組んでおりますが、「基本計画」の策定に当たりましては、地元の方々の意見を伺うとともに、策定後には、市民の皆様に公表してまいりたいと存じます。

≪市民部長答弁≫ 渋民運動公園整備事業の内容について、地域住民へ具体的な報告をするべきではないかについてでありますが、本事業を進めるに当たりましては、地域の自治会や利用団体の代表者を対象とした「渋民運動公園整備事業計画意見交換会」を平成24年1月以降、合計6回開催し、陸上競技場や野球場、総合体育館、相撲場等の整備内容についってご意見やご要望をお聞きしながら整備案をまとめ、平成26年7月30日に開催されました第54回盛岡市玉山区地域協議会において報告を行い、ご了承いただいたものでございます。

 渋民運動公園整備事業は、平成27年度から2箇年の事業であり、平成27年度に、陸上競技会グラウンド整備や芝生広場設置に伴うテニスコートの廃止を行い、工事完了後の平成27年12月18日には、平成28年度の整備内容や工事スケジュール等について、地域の自治会や各団体の代表者を対象とした説明会を開催いたしました。

 また、渋民運動公園整備事業のうちB&G海洋センタープールの改修につきましては、上屋鉄骨部分の錆の浸食が予想以上であったため、別途耐力度調査が必要となったことなどの理由により、平成28年度の改修工事を見送ることとなりましたが、平成28年2月18日に開催されました第64回盛岡市玉山区地域協議会におきましてご報告し、その際、平成29年度の市民の利用に影響が出ないように対応してほしいとのご意見をいただきましたことから、平成29年度当初予算におきまして措置されるよう事務を進めているところでございます。

 今後も必要の都度、地域に対する情報提供を行い、事業の円滑な運営に努めてまいりたいと存じております。
≪髙橋和夫≫最後に議会の最高齢者であります私から高齢者を代表して「老人に優しい盛岡市にするための対策」について質問します。

 最近の高齢者を取り巻く状況は非常に厳しいものがあります。

 来年29年度から順次実行することを予定している医療・介護の負担増と給付減の問題があります。
医療については医療費負担に上限を設ける高額療養費制度で70歳以上の負担を引き上げ、75歳以上の後期高齢者医療制度の保険料軽減措置の段階的廃止などを方針としています。これらの減免措置は、高齢者の経済的負担を少しでも軽減して、受診の機会を保障するとして設けられた経緯があります。

 高額療養費制度は、医療機関の窓口で支払う医療費が大きく膨らんだ場合、年齢や所ものにならない」ようにするためです。
 現在は、70歳以上で月上限4万4400円。外来上限1万2000円を上限するなど特例処置もあります。
ところが70歳以上の4万4400円から1万3200円アップの5万7600円にすることや、住民税非課税の外来上限を、現在の8000円から7000アップの最大1万5000円にしようとしています。療養病床入所の65歳以上の人は住居費が50円アップの370円、月額1万1100円になる予定です。
 75歳以上の後期医療保険の保険料を最大9割軽減している特例軽減を廃止し、75歳になる人は来年度(29年度)から保険料が2倍になるなど最大10倍になると心配されております。

 高齢者がただ一つ頼りにしているのが年金です。 年金が目減りする中で、負担の激増はたえられないものです。 今でさえも病院に行くのを我慢している人が居るのに、こんなことが続けば自殺者が増えるなど地域社会が崩壊してしまいます。

 今でも深刻な格差と貧困を現在の年金ルールは、物価が上がれば年金額は最低でも据え置かれ、減額にはなりませんが、新ルールが適用になると ① 物価が上がっても賃金が下がれば年金は引き下げになり、 ② 物価よりも賃金が下がれば賃金に合わせて年金は下がります。

 このようなことになれば、高齢者のくらしは行き詰まり、今でも深刻な格差と貧困をさらに広げることになります。高齢者のくらしが厳しくなれば購買力が落ち、消費を減らすこととなり、経済を冷え込ませ現役世代の賃金や雇用にもマイナスに作用します。

 介護保険利用料は当初から1割でしたが、昨年8月から一定以上の所得があれば2割に引き上げられました。
そして2年後の平成30年度からは、現役並みの所得があれば3割負担になる計画です。
昨年8月から2割負担になって、生活が成り立たないと施設退所を検討する人が増えてきています。 そうかといって自宅で介護することは現実難しいのが現状です。
いま、老老介護とかいろいろ言われておりますが、少子化のため夫の両親・妻の両親と、夫婦で4人の親をみなければならない人もあります。

 今定例会で、盛岡市部等設置条例の一部改正で「子ども未来部」が提案されております。私は、これと同時に高齢者に対する対策も早急に確立する必要があると考えます。
 高齢者には時間がありません。速やかな対策を求めて質問を終わります。 
≪谷藤市長≫ 次に、高齢者に対する対策を確立することについてでありますが、少子高齢化の振興により、認知症高齢者やひとり暮らし高齢者、高齢者のみの世帯が増加している状況の中で、市といたしましては、寝たきりや認知症の予防対策に取り組むとともに、配食サービスや見守りによる安否確認、サロンの設置などの生活支援サービスの提供のほか、高齢者の就労支援や地域活動への参加の促進を図るなど、高齢者福祉の充実に取り組んでいるところであります。

 また、社会保障制度につきましては、全国市長会を通じて、本年11月に、「子育て支援、医療、介護等の社会保障の充実を推進し、持続可能な社会保障制度を構築するため、所要の安定財源を確実に確保すること」について決議し、国に対して要請したところであります。
いずれにいたしましても、高齢者福祉の充実につきましては、地域の人々がお互いに協力しあいながら、高齢者がいつまでも健康で生きがいを持って過ごすことのできる、心の通い合う長寿社会を目指すことが重要であると認識しており、今後とも、高齢者が住み慣れた地域で安全に、安心して暮らし続けることができるまちづくりを積極的に進めてまいりたいと存じます。