2016年12月定例会 鈴木礼子議員の一般質問

 
質問項目 (クリックするとジャンプします)
子どもの貧困問題と対策について
 ▼1人親世帯への経済的支援の重要性
 ▼児童扶養手当と公営住宅家賃
 ▼学童クラブ利用料への支援
 ▼入学準備金(就学援助)の早期支給
 ▼「子ども食堂」への支援
 ▼生活保護窓口の対応の在り方
 ▼実態調査結果とそれに基づく対策
次期一般廃棄物処理基本計画及びごみ減 量行動計画について
 ▼目標未達成の要因は
 ▼次期計画策定スケジュール
 ▼次期計画の減量目標
 ▼次期計画リサイクル率の目標
 ▼家庭ごみ減量への対策・生ごみ処理は
 ▼事業系ごみの減量対策
 ▼ごみ処理有料化について
 ▼循環型社会形成推進地域計画と次期基 
  本計画の減量目標との整合性について

ごみ処理広域化計画について
 ▼志布志市のリサイクル率76%どう見る
 ▼説明会での住民意見への見解
 ▼適地公募への応募状況・今後のスケジュ  ール
公民館等の設備補修について

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 質問  答弁
≪鈴木礼子≫ 子どもの貧困問題と対策について

 子どもの貧困問題は、今議会でも多くの議員が取り上げており、今日の深刻な実態を反映しているものと思っています。
 政府が公表している日本の子どもの貧困率は16・3%(2012年)で6人に1人の子どもが貧困状態ということですが、特に、母子世帯の貧困率は54・6%と深刻です。

 私の周りにも、公営アパートで高校2年生と小学6年生の男の子を育てる単身(母子)世帯の方がいます。一時期、生活保護を受給したこともありましたが、現在は病院給食の調理補助として働き、手取り11万円余と児童扶養手当が主な収入源です。
 ご本には交通事故の後遺症があり、足が少し不自由で日常生活にはマイカーが必需品でもあります。
 仕事は朝6時ころから夜10時頃までの不規則勤務で、生計を支えることで精いっぱいの生活実態となっています。次男は、小学校入学時に学童保育クラブに入所したものの保育料の負担が重く退所していますが、子どもたちの入学、卒業などの成長の節目ごとにお金のやりくりに大変な苦労しながら現在に至っています。
 
 公営住宅の家賃は、昨年度は5130円だったものが、今年度は一気に3倍の15390円に跳ね上がりました。理由は、手取り11万円の収入と児童扶養手当が収入として加算されるために、家賃の収入基準が変更になったためです。家賃は払えきれず滞納になっています。
 11月には、子どもとの時間がとれない生活を変えたいということもあり、仕事を替えたものの収入はわずか半日のパート勤務で手取り5万円弱です。長男はバイト代の幾らかを生活日に入れているというがとても暮らせる状態ではありません。

 来春、次男の中学校入学を控え、先行きに不安を抱え、生活福祉課に生活保護の受給で相談に行ったのですが、窓口で自家用車があることを理由に取り合ってもらえなかったといいます。帰りに生活福祉課の階下にあるフードバンクに寄り、お米やインスタントラーメンなどをいただいてきたとのことですが、生活福祉課の対応の不十分さを含めて困窮する単身世帯(母子)への支援のあり方を考えさせられました。

 その日の暮らしにも困り、困窮している母子世帯への支援が急務の課題になっていますが、市長は、子どもの貧困でもとりわけ深刻な一人親世帯への経済的な支援の重要性についてどのような認識をお持ちでしょうか。ご所見をお聞かせください。
 
 あえて、単身世帯の具体的な生活実態を述べた理由は、この方を通して支援のあり方について、不備や改善点、支援を必要とする人が排除されているのではないのかとの思いからです。

 働き方の問題として母子世帯の8割の方がワーキングプア状態で働かざるを得ない実態があります。また、ワーキングプア率の高い都道府県で子どもの貧困率が高いことも実証されています。ワーキングプアをなくし、あたりまえに働き普通にくらせる社会への改革が急務です。

公営住宅家賃など公共料金については、児童扶養手当が増額されることは歓迎しますが(重要)、現状では公営住宅家賃、国民健康保険料などで相殺されているという問題があります。所得再配分の拡充と同時に逆進性の高い公共料金の解消が急がれますが、実態についてお知らせください。見直しを検討すべきと思いますが、いかがですか。
















学童保育クラブは、より必要な方が保育料の負担が困難で利用できない実態が深刻です。低所得者への保育料の軽減策が急がれますがこの点はいかがですか。








学校入学を目前にして支度が困難な方への支給時期の改善は、3月議会で神部議員が取り上げました。その後、どのような検討をされていますか。






④今一つは「食の保障」です。まともな食事は学校給食だけという子どもたちも増えてきているのではないでしょうか。各地で「子ども食堂」の取り組みが広がっていることに期待していますが、NPO、ボランティア等に頼るだけではなく市としての支援策と今後の対応についてお知らせください。










 生活福祉課の対応については多くの疑問を抱かざるを得ません。親子3人世帯の生活保護費はいくらになりますか。生活保護費よりはるかに少ない収入での生活実態でもあるにも関わらず、親身な相談ができなかったことは不誠実極まりないものです。

 市は、寄り添い型、伴奏型の生活再建支援としてワンストップでの支援体制の強化をめざすとしていますが、あらためて心の通う対応を求めるものですが、ご所見をお聞かせください。








 市が県立大学と共同で「ひとり親世帯の子どもの生活実態調査」を行いましたが、調査結果からは何がどのように具体的になったのでしょうか、伺います。

 調査結果をもとに、総合的な支援対策の策定と思い切った予算もつけて、目標をもった取り組みをしていただきたいと思いますが、今後の対応についてお聞かせください。















 また、新年度からは「子ども未来部」が新設されますが、子どもの貧困対策の強化が図られるよう体制の強化を求めるものですが、いかがですか。
≪谷藤市長≫ 鈴木礼子議員のご質問にお答え申し上げます。

 はじめに、一人親世帯への経済的な支援の重要性についてでありますが、平成26年国民生活基礎調査によりますと、全世帯の平均所得金額は528万円となっているものに対しまして、一人親の多くを占めます母子世帯の平均所得金額は235万円と半分以下となっておりますことから、一人親世帯の多くが経済的に厳しい状況にあるものと存じます。

 親の経済的な問題は、子どもの生活や成長に大きな影響を及ぼしており、学習の機会の喪失や社会とのつながりの希薄化など、将来の様々な可能性を奪うものであり、一人親世帯をはじめとする生活に困窮する世帯の子どもたちが、その生まれ育った環境に左右されることなく、夢と希望を持って成長していけるよう、経済的支援の施策を推進していくことが重要であると認識しております。












































≪建設部長答弁≫公営住宅家賃における、児童扶養手当の取扱いについてでありますが、市営住宅の家賃の決定に当たっては、児童扶養手当を含めない収入額で算定しております。
一方、病気や失職などのため、収入が著しく減少した場合、入居者からの申し出により、家賃を軽減する制度があり、その中で生活保護基準額に満たない収入の方につきましては、最長1年間において、家賃の最低限を、更に割引くことができますが、これについては、児童扶養手当や各種手当などを含めた収入額で軽減率を判定し、家賃を決定することとなっております。
この制度の見直しにつきましては、他都市の状況を把握しながら検討して参りたいと存じます。

≪市民部長答弁≫児童扶養手当が増額されても国民健康保険税で相殺されるのではないかについてでありますが、児童扶養手当は、国民健康保険税の算定に含まれておらず、また、所得の低い世帯に対する軽減措置の判定にも影響を及ぼさないことから、児童扶養手当の増額に伴って国民健康保険税が増額となることはございません

≪保健福祉部長答弁≫ 次に、放課後児童クラブにおける低所得者への保育料の軽減策についてでありますが、現在、ひとり家庭の場合や兄弟入所の場合に対し、35クラブ中29クラブが保育料の軽減を行っており、そのうち1クラブは、低所得者の場合に対し、保育料を減免しております。
 放課後児童クラブは、クラブごとに保育料や減免の金額などを定めており、減免を実施していないクラブもありますことから他都市の例なども調査し研究してまいりたいと存じます。

≪教育部長答弁≫
学校入学を目前にして、支度が困難な方への支給時期の改善についてでありますが、就学援助の前倒し実施につきましては、前年の収入状況を承認根拠としている、現行の承認方法の見直しや、受給者が、入学前に、他市町村に転出した場合の取り扱い、などの課題の解決が、難しい状況でありますが、先行して、実施している自治体の事例などを参考にしながら、引続き検討してまいりたいと存じます。

≪保健福祉部長答弁≫次に、「子ども食堂」に対する市としての支援策と今後の対応についてでありますが、現在市内で定期的に活動している団体は、NPO法人や民生委員などによる2箇所となっており、地域の子どもに無料や低価で温かい食事を提供するとともに、子どもたちが安心して過ごせる居場所としての役割も担っていただいております。
市ではこれまで、子ども食堂開催の周知や、子ども食堂と併せて行われる学制服交換会への学生服等の提供を呼びかけるなど、支援を行ってきたところでございます。
今回、市では、さらに子ども未来基金を活用した市民等の活動への補助として、「子ども食堂」を中心に子どもの居場所づくり事業を行うNPO法人の企画提案を採択し、支援を行うこととしたところであります。

 次に、親子3人世帯の生活保護費についてでありますが、ご質問の世帯を40歳代の母親と高校生、小学校の母子3人世帯と想定いたしますと、冬季加算を加えた最低生活費は、月額で生活扶助188,440円小学生の教育扶助10,277円、高校就学に係る扶助12,270円、このほかに需要に応じ、住宅扶助と医療扶助が加わることとなります。
次に、ワンストップでの支援体制についてでありますが、市では生活困窮者自立支援制度に基づき、内丸分庁舎内に相談者個々のニーズに応じたパーソナルサポートサービスを行い、定期的な連絡で生活状況の把握などを行う「盛岡市くらしの相談支援室」を開設するとともに、生活保護担当課内に「ハローワーク盛岡就労支援コーナー」を設置して、生活保護を含めた生活困窮支援のワンストップ化を図ったおります。
引き続き、相談に来られた方々に寄り添い、連携して対応することにより、相談者の生活状況に配慮した丁寧な支援につなげてまいりたいと存じます。

 次に、「ひとり親世帯の子どもの生活実態調査」の結果と今後の対応についてでありますが、現在、アンケートの単純集計結果の数値が確定したところであり、有効回収数は1,173票、有効回収率は41.1%でございました。
文言など未整理の部分がありますことから、県立大学からは、まだ全体の結果の公表は控えて欲しい旨の要請を受けているところであります。
このアンケートは、児童扶養手当受給資格を持つ母子世帯を対象におこなったものでありますが、単純集計結果をみますと、回答いただいた1,173件につきましては、91.6%の母親が就業しており、平成23年度全国母子世帯調査結果の80.6%を上回っております。
また、勤務の状況につきましては、76.8%の母親が土曜・日曜に勤務を行い、27.9%の母親が朝8時以前の早朝勤務を、57.6%の母親が夕方6時以降の夜間勤務を行うなど、生活のために子どもと過ごす時間が制約されている状況となっております。
今後、県立大学において、専門的な見地から分析を進めることとなっておりますことから、その結果を踏まえ、現状を把握し、必要とされる施策につなげてまいりたいと存じます。
 
 次に、「子ども未来部」の新設による子ども貧困対策の体制についてでありますが、現在、子ども・子育ての支援や青少年の健全育成に関する業務は、保健福祉部や市民部を中心に複数の部署において施策を実施しているところでございます。
平成29年度からは、現在の子ども未来課、子育てあんしん課、子育て世代包括支援センター、健康推進課の母子保健部門、男女共同参画青少年課の青少年部門で構成する「子ども未来部」を設置し、庁内の連携強化を図ることとしております。
子どもの貧困は見えにくく、捉えづらいといわれており、困難を抱える世帯の問題も複雑化・多様化しておりますことから、関係機関との連携は必要不可欠のものと存じており、「子ども未来部」を中心に、関係機関との更なる連携強化を図り、子どもの貧困対策に取り組んでまいりたいと存じます。





≪鈴木礼子≫次期一般廃棄物処理基本計画及びごみ減量行動計画について

 一般廃棄物処理の基本的方向を定める平成29年度から平成38年度を目標年度とする「盛岡市一般廃棄物処理基本計画(以下「基本計画」)と「盛岡市ごみ減量行動計画」(以下「行動計画」)が、来年3月の策定に向け作業が進められています。

 平成17年度から28年度までの現「基本計画」は、ごみの総排出量を平成22年比で18%(20、997t)の削減をめざし、家庭ごみ(資源を除く)では20%、事業系ごみでは30%(12,759t)の削減目標の実現を掲げて施策が展開されてきました。

 しかし、実態は最終年度の28年度、目標達成が不可能ということで大幅な見直しが行われたことは周知のとおりです。

 過日開催された「市ごみ減量資源再利用推進会議」(以下「推進会議」)では、現計画が平成27年度実績値で、総排出量18%削減目標に対して2・4%の削減にとどまっていること。うち、家庭ごみでは1、7%の削減、つまり、一人1日90㌘削減目標に対して11㌘の削減。事業系ごみは0・4%、162tの削減に留まったとの報告です。

 先の3月議会で目標が達成できない要因として、伊藤部長は東日本大震災後の人口増加や経済活動の活性化、消費税増税による駆け込み需要の増加など社会情勢の変化を上げて基本計画の将来予測と差異が生じたからと述べられました。

 社会情勢の変化も理由の一つとしては否めませんが、過日の「推進会議」では、目標未達成について、ごみ減量に直接的な効果を及ぼす事業に集中して取り組むことができなかったとし、「現計画はイメージ的にはすばらしい内容だが実践行動までには至らなかった。成果を図る指標がなかった」などと要因について述べていました。
目標未達成の要因・総括が十分になされてこそ、次期計画が実のあるものになるのではないでしょうか。あらためて、現計画が目標をクリアーできなかったことへの市長の見解をお聞かせください。

 また、「基本計画」「行動計画」の策定作業が当初スケジュールから大幅に遅れていますが、今後の対応・スケジュールについて、計画への市民参加という点ではどのような配慮が検討されているのか。伺います

 いうまでもなく、「基本計画」は、環境基本法に基づき、ごみ処理に伴う環境への影響回避と、循環型社会形成推進基本法で明記された循環型社会の形成と3Rの基本原則を踏まえたもので、具体的には、焼却ごみ量を減らすための具体的な施策やごみ減量のためのリサイクル率をどこまで引き上げるのかなど、その対策が求められているものと理解しています。


 検討段階ではありますが、平成29~38年度を計画年度とする次期「基本計画」では、減量数値目標を中間年度の33年度までに、家庭ごみ(資源を除く)は一人一日あたり5%、25㌘減量。事業系ごみは5%、約2150tの減量を行うとし、最終年の38年度には、家庭ごみ10%、約50㌘の減量に。事業系ごみは、10%約4300tの減量を目標にするとしています。

 そして、中間年度の目標が未達成の時は ①家庭ごみ指定袋・有料化の導入 ②事業系ごみ搬入手数料の引き上げ ③資源集団回収報奨金の増額を検討するということです。中間年(33年度)までに5%、最終年度に10%削減するとした根拠は何か。
 目標達成に向けてごみ減量効果の高い事業、有効なものを厳選し次期計画に反映させるとは具体的にはどのような施策を検討されているのか。
 リサイクル率の目標についてはどのような検討をしていますか。お知らせください。







以下、個別の課題について伺います。

(1)家庭ごみの減量について
特徴的なことは可燃ごみが増加し、資源ごみが大きく減少していることです。このことは分別の不徹底を示しているものでごみ減量への市民の周知・啓発がうまく機能していないということではないでしょうか。次期計画では、家庭ごみの収集をコミュニティー推進地区ごとの収集に切り替えるとのことですが、ごみ減量への周知徹底とごみ減量が具体的に市民生活にメリットとなるような支援施策が必要ではないのか。
 ごみ組成の5割近くを占める生ごみのリサイクルは減量効果が最も大きく対策が急がれていますが、どのような検討をされていますか。







(2) 事業系ごみの対策について
 可燃ごみの4割強を占める事業系ごみ野減量は最重要課題になっています。特に減量効果の大きい古紙の回収では、分別の徹底のために搬入時の検査の強化、受け入れ料金の適正価格の設定が急がれますが、対応についてお知らせください。
生ごみについては、農水省作成による食品廃棄物の実態(2012年度推計)によると、焼却・埋め立て1155万トン中、可食部分が643万トンにも及ぶという結果です。事業系生ごみについても可食品廃棄物を可能な限りなくす取り組み、焼却や埋め立てに回る食品廃棄物を大幅に減らすことが喫緊の課題になっているのではありませんか。
 食品リサイクル法の対象事業者以外の事業者が出す事業系生ごみの多くは、指定回収業者により焼却炉で処理されていると思われますが、実態についてはどのように把握されていますか。これらへの対策についてはどのような検討がされていますか。
 市としても、焼却量の大幅削減、資源化推進の立場から事業者に対して、自らの責任で再生利用を進められるよう対策を急ぐべきではないでしょうか。(排出者責任で再生利用の方向へ誘導を)

 市が直接かかわる学校給食、保育所等からでる生ごみの資源化については、早急に手を打つべきですが、いかがですか。

 事業系ごみのこれら課題解決が図られるならば大幅な減量が可能になります。10年間で10%減量とする目標は再検討の余地があるのではありませんか。いかがですか。








(3)有料化の導入
 次期「基本計画」は、中間年までに減量目標が未達成の場合は家庭ごみの有料化を検討するとしています。有料化でごみ減量が進むのか?という疑問があります。
全国のケースからは、ごみ減量の施策が不十分な場合は、導入時に一時的に効果がでてもすぐリバウンドするという結果も報告されています。
 「ごみを減らさなければお金を出せ」と言わんばかりの脅迫めいた対応は市民には受け入れがたいものです。慎重な対応を求めるものですが、いかがですか。

(4)循環型社会形成推進地域計画と次期基本計画の減量目標の差と整合性について
 ごみ処理広域化計画で策定予定の循環型社会形成推進地域計画(以下「地域計画」)と「基本計画」では減量目標に大きな差がありますが、両計画の整合性についてどのように対処されるのか、お知らせください。
≪谷藤市長≫ 次に、現在の一般廃棄物処理基本計画が目標をクリアできなかったことについてでありますが、現在の目標は、ごみ総排出量が減少を続けていた平成17年度から22年度までの傾向を基に、将来予測を行い定めたものでありますが、計画策定後の平成23年3月に東日本大震災が発生し、その後、人口の増加や経済活動の活性化、景気動向が高水準で推移する等の社会情勢の変化により、22年度まで減少傾向にあったごみ総排出が25年度まで増加傾向に転じたことが大きな原因と存じております。
また、家庭ごみについては、平成24年度から25年度にかけて、北厨川地区で実施したモデル事業の成果を踏まえ、プラスチック製容器包装の増加や可燃ごみの減量に一定の効果があったものの、市民のごみの分別の徹底には、なお、課題が残されているものと認識しております。
事業系ごみについては、業種ごとの実態把握が十分ではなかったために、多様な事業者の実践行動を促すような事業を市として行えなかったことも目標未達成の原因の一つと存じております。
 
























 次に、策定作業の今後の対応・スケジュールと市民参加への配慮についてでありますが、基本計画につきましては、平成28年12月下旬に盛岡市廃棄物対策審議会へ諮問を行い、29年1月にはパブリックコメントの実施を予定しており、3月には審議会からの答申を受けて計画を策定することとしております。
 また、減量化行動計画につきましては、基本計画との整合を図りながら、29年1月のごみ減量資源再利用推進会議において協議することとしております。

 なお、基本計画の策定にあたっては、議会への説明を行うとともに、きれいなまち推進員や町内会長、自治会長の意見も伺いながら進めてまいりたいと存じます。

≪環境部長答弁≫ 次期一般廃棄物処理基本計画において、中間年度までに5パーセント、最終年度に10パーセント削減するとした根拠についてでありますが、本市の実績による推計では、平成23年度から27年度までに実施した新たな分別収集などの施策と同様の減量効果の見込まれる施策を実施した場合、家庭ごみは7.3パーセント、事業系ごみは4.0パーセント減少する試算となっております。市といたしましては、この推計を基本に、県の目標値も考慮し、新たな施策を実施することにより目標値も考慮し、新たな施策を実施することにより目標値を定めたものであります。

 次に、目標達成に向けて次期計画に反映させる具体的な施策についてでありますが、29年6月から実施を予定しております。「家庭ごみの地区別収集に基づく細やかな周知啓発」「資源化可能な古紙の焼却施設への搬入規制」「適正に分別されていない事業系ごみの搬入規制」を中間年度までの重点施策として予定しております。

 次に、リサイクル率の目標の検討についてでありますが、次期基本計画における目標値としては、「1人1日あたり資源を除く家庭ごみの排出量」と「事業系ごみの排出量」の2つを予定しており、リサイクル率については、施策の効果を検証するための管理指標とする予定であり、今後のリサイクル率の見込みは、現在データの分析を行っている段階であります。

 次に、ごみ減量への周知徹底とごみ減量が市民生活にメリットとなる支援施策の必要性についてでありますが、ごみ減量・資源化につきましては、市民の皆様の分別への関心と行動力によるところが大きいものと存じておりますことから、啓発や説明の機会を捉え、具体的な数値や金額を示しながら懇談等を行うことにより、CO2の排出量を削減し、地球環境の保全に貢献することや、最終処分場の延命化に繋がることなどについてご理解いただくことが必要と存じております。

 次に、家庭から出される生ごみのリサイクルについてでありますが、都南地域の家庭から排出される生ごみは、盛岡・紫波地区環境施設組合で堆肥化処理されております。盛岡地域及び玉山地域の家庭から排出される生ごみの処理については、既存の施設には処理能力がないことを確認しておりますが、減量効果が大きいことから、引続き情報収集を行い、資源化の検討を進めてまいりたいと存じます。

 次に、事業系ごみの分別の徹底のための搬入時の検査の強化、受入料金の適正化についてでありますが、搬入時の検査につきましては、現在もクリーンセンター及びリサイクルセンターにおいて、定期的に実施しておりますが、今後は検査体制や検査方法の見直し等の改善を図り、指導の強化に努めてまいりたいと存じます。また、受入料金の適正化については、原価計算に基づく適正な費用負担について検討を進めることとしております。
次に、食品リサイクル法の対象事業者以外の事業者が出す事業系生ごみの実態と対策についてでありますが、会社、事業所等から排出される生ごみにつきましては、その数量を把握できていない状況であります。

 次に、事業者が自らの責任で再生利用を進めるための対策についてでありますが、次期基本計画における中間年度までの重点施策として、「資源化可能な古紙の焼却施設への搬入規制」を予定しており、搬入規制と並行して、資源回収業者の活用へ誘導を図るための周知・啓発に努めてまいりたいと存じます。なお、事業系生ごみにつきましては、排出事業者と処理事業者との需給の要望を一致させることが課題であると存じております。

 次に、市が直接かかわる学校・保育所等から出る生ごみの資源化についてでありますが、都南学校給食センターから排出される生ごみにつきましては、盛岡・紫波地区環境施設組合において堆肥化処理されておりますが、盛岡地域と玉山地域の学校等から排出される生ごみの資源化につきましては、資源化につきましては、資源化処理できる施設がないことから、引き続き情報収集を行い、検討を進めてまいりたい存じます。

 次に、事業系ごみの減量目標10パーセントを見直す余地についてでありますが、次期基本計画では、平成33年度を中間目標年度とし、計画の進捗状況の評価を行い、必要な見直しをすることとしておりますことから、数値目標についても、中間年度の評価と社会情勢等の変化を踏まえて検討してまいりたいと存じます。

 次に、有料化の導入についてでありますが有料化は、ごみの減量や処理費用における負担の公平性が図られなど、有効な方策の一つと捉えておりますが、一方で市民の皆様に新たな経費負担を生じるものと認識しておりますことから、市民の皆様のご協力を賜りながら、引き続きごみの減量と資源再利用を積極的に推進し、中間年度の目標としております。5パーセントの減量を達成できるよう努めてまいりたいと存じます。


 
 次に、循環型社会形成推進地域計画と次期基本計画の減量目標の差と整合性についてでありますが、地域計画を策定する際に参考とすることになる国の循環型社会形成推進基本計画の目標は、資源を除く1人1日あたりの家庭ごみ排出量を、平成12年度を基準年とし、32年度において約25パーセント削減し、500gとすることとされております。同様に、市においても12年度を基準年として25パーセント削減する場合、32年度は447gとなりますが、国の目標である500gを32年度時点で達成できる見込みとなっております。
≪鈴木礼子≫ごみ処理広域化計画について

リサイクル率76%・・志布志市の経験どう見る

 党市議団は、10月に市部門で資源化率日本一の鹿児島県志布志市のごみ行政を視察しました。志布志市は鹿児島県の東部、宮崎県との県境にあり、人口3万6千人余のまちですが、平成26年度の資源化率(リサイクル率)が76・1%で市レベルでは10年連続日本一を達成しています。ちなみに盛岡市は16%です。
 「ごみは資源」と位置付け、27品目の分別・資源化(資源24品目、生ごみ、粗大ごみ)を徹底し、どうしても資源化できないものだけを埋め立て処分しています。
 
 焼却ゼロを選択した最大の理由は、最終処分場があと10年しかもたないという深刻な事態の中で、広域で焼却炉建設の案も出されたが、焼却施設建設は莫大な経費がかかり、大手プラントメーカーに市の税金を持っていかれ、その後の維持管理費もメーカー言いなりにならざるを得ないこと。一方、分別・資源化を徹底することは、資源が循環し地域経済の振興につながり雇用も生まれることや埋め立てるごみが削減され、最終処分場の延命が図られるとして燃やさない選択を選んだとのことです。
結果、最終処分場の30年以上の延命化とごみ処理経費は全国平均の半額(市民一人当たり8、992円)に抑えられて驚くほどの経済効果と処理経費の節約で得た3億円余は、福祉・教育・産業などに予算を回し市民サービスの向上に役立てています。

 分別・資源化が進んだ背景には、行政側の確固とした姿勢・方針があり、徹底した住民参加と協力があったことです。ごみの分別は確かに面倒なことですが、それが環境にも良い、市財政の節約にもなり市民生活にもメリットがあることを市民に伝え「面倒くさいのススメ」として市民に呼びかけ共有しているとのことです。

 時間の制約もあり収集のしくみなど詳しいことは紹介できませんが、人口減少が課題となっている小規模自治体にとって、「志布志市方式」が、最も有利な方法で広域化計画とは対極にあること。何よりもごみ問題の解決は、ごみを出す市民とごみの処理を任されている行政との相互理解・協力が不可欠であるということを学ぶ機会になりました。
 志布志市のごみ行政について市長のご所見をお聞かせください。

松園・上米内の説明会での住民の声をどう受け止める

 さて、9月28・29日、市は県央ブロックごみ・し尿処理広域化基本構想の「進捗状況説明会」が、現クリーンセンター地元地域の上米内・松園地域で開催され、両会場合わせて約120名を超える方が参加されました。
伊藤部長は、説明会開催の経過について、地元町内の要請があったこと。市と地域住民が現クリーンセンター建設の際に締結した「覚書」が、「更新施設の立地場所は、クリーンセンターの所在地に関わらず、将来の住民に委ね関係住民と協議する」となっているから今回の説明会になったと挨拶されました。
市側の説明は、9月までに非公開で建設候補地を60カ所に絞り込んでおり、28年度中に3か所に、29年度に住民の合意を得て決定すること。また、委託コンサルタントによる広域処理のメリットを強調する内容の説明が行われました。

 参加者からは、「覚書」は現クリーンセンターの更新時に ①基本計画策定の段階から関係住民と協議を行う ②計画を策定する際には、分散型立地を原則とする内容であり、松園、上米内両会場とも、参加住民から「説明に納得できない。『覚書』違反だ。広域化計画は撤回すべき」「市の計画には市民参加によるごみ問題の基本である3R(減量、再生、再利用)の具体化に欠けている」「これ以上、一部住民のみに環境負荷を与えるな!」「『覚書』に違反する一施設集約をあくまで進めるというなら、上米内・松園地域は除外すべきだ!」等々厳しい意見が続出しました。
市は、「覚書」の分散立地の原則と一施設集約の基本構想とは異なるという説明に終始しましたが、「覚書」では「更新施設の立地場所は、クリーンセンターの所在地に関わらず、将来の住民に・将来の住民に委ねることとして、基本計画策定の段階から関係住民との協議を行うものとする」となっているものです。
計画策定からの協議については、一方的に反故にし「覚書」と基本構想とは異なる方針だと平然と言ってのける市に対して大きく不信が拡がった説明会になったと受け止めています。

 市長は、このたびの説明会について報告を受けておられると思いますが、地元住民との関係では何が問題だったのか、どのように解決されようとしているのか。ご所見をお聞かせください。

候補地の公募への応募・今後のスケジュール

 次に、当初、予定にはなかった候補地の公募では何件の応募があったのか。応募した土地が候補地として検討されているのか。
 候補地選定検討委員会は、10月に第8回、11月に第9回、第10回が開催予定とのことですが、現在、候補地は何カ所まで絞り込んだのか。すでに現地調査が終わっているのか。その中に現クリーンセンターが候補地として残っているのか否か。今後のスケジュールも含めてお知らせください。
≪谷藤市長≫ 次に、志布志市(しぶしし)のごみ行政についての所見でありますが、志布志市では、埋立処分場の残余年数の問題を解決するため、分別区分を細かくするなど、分別、資源化の取組を徹底することで、高いリサイクル率を維持していると伺っており、住民さんかと協力による3R(スリーアール)の取組という点において、非常に優れた先進事例だと存じております。
一方、同市では、ちり紙や紙おむつなど一般ごみとして排出されたものは、最終処分場で埋立処分していると伺っております。
ごみを直接埋立てることは、伝染病など公衆衛生の問題や処分場の容量確保の課題から、多くの自治体では、焼却処理を経て埋立処分することが一般的になってきております。

 本市も可燃ごみとして区分されたものは、焼却により処理した後、灰等を埋立処分しているところでありますが、焼却処理に当たっては、ごみの削減や資源化の取組を進めながら、焼却量を少なくする努力を引き続き行ってまいりたいと存じます。

 

























 
 次に、松園及び上米内地区への説明会において地元民との関係で何が問題だったかについてでありますが、説明会は、各地区と締結した覚書の趣旨に沿って行ってところですが、市側からのごみ処理広域化の意義や環境面での安全性に関する説明について、参加者との間での議論が深まらなかったこと、覚書に記載されている「分散型立地」と1施設集約という県央ブロックの方向性についての相違点に質疑が集中したことから十分な意見交換を尽くすことができなかったことなどが課題だと考えております。
 今後も、松園及び上米内地区に限らず、改めてごみ処理広域化の意義や必要性を市民に向けて丁寧に説明してまいりたいと存じております。

































 ≪環境部長答弁≫
次に、新しいごみ焼却施設の整備候補地の公募についてでありますが、本年8月から9月に実施した整備候補地に係る情報提供の件数は1件であり、整備候補地として検討しております。
次に、現在の整備候補地の絞込みについてでありますが、ごみ処理施設整備候補地検討委員会において、11月に現地調査を実施しており、現在、整備候補地は9箇所を選定し、この中には、現クリーンセンターの敷地も含まれております。
次に、今後のスケジュールについてでありますが、ごみ処理施設整備候補地検討委員会の開催は、選定作業をより慎重に実施するため、検討委員会を1回増やし、今年度末までに3回開催する予定としており、検討委員会で整備候補地3箇所程度を選定し、平成29年3月に報告書を作成することとしております。
≪鈴木礼子≫公民館等の設備補修について
 松園地区公民館は、地域住民の長年の要望のもとに平成20年7月に市内初の社会教育と学校教育の学社融合施設として開館されました。平成27年度の利用者は24、954人に上っています。また、平成24年8月開館の別館は27年度の利用者は14、436人と利用率では市内で最も高い施設になっているのではないでしょうか。
手探りの中からのスタートでしたが、公民館、関係者の創意工夫のもと、現在では種々の融合事業が取り組まれ、児童・生徒らとともに地域の社会教育施設として広く利活用されていることを誇りに思っています。
 ところが多目的ホールの2か所あるドアが両方とも壊れて使用できない状態がここ2年ほど続いています。(右側26年頃、左側28年10月頃故障)片方は全く開閉ができず、もう一方は片側のドアの開閉だけでストッパーが聞かない状態です。
大勢の人が集まる場所でもあり、万が一の時に大きな事故につながらないとも限りません。また、ホールのドアが明かない状態を放置していること自体が恥ずかしいことではないでしょうか。現状をどのように把握されていますか。早急に対策を講じるべきですが対応について、伺います。

≪教育部長答弁≫ 次に、松園地区公民館多目的ホールのドアの現状についてでありますが、多目的ホールに2箇所ある入口のドアが、それぞれ開閉に支障があり、右側入口のドアにつきましては、利用者の安全確保のために、現在、使用を中止しているところであります。
また、左側入口につきましては、利用者が出入りする際に、ドアストッパーで固定するなど、安全に配慮して使用しております。
次に、その対応についてでありますが、利用者の皆様にご不便をおかけしておりますので、現在、使用を中止している入口を、使用可能にすることを最優先に、平成29年度に修繕ができるよう、予算の確保に努めているところであります。