2015年12月定例会 神部伸也議員の一般質問

 
質問項目 (クリックするとジャンプします)
「核兵器のない世界」をめざす取り組みについて
 ▼核兵器禁止条約交渉国連決議の評価
 ▼反対した日本政府の態度について
介護保険について
 ▼国の介護保険制度改定への見解
 ▼総合支援事業の内容と単価は
子育て支援について
 ▼医療費助成制度
 ▼インフルエンザ予防接種補助
自転車の交通安全対策について
 ▼マナー向上対策
 ▼ハード面の対策
厨川駅西口地域のバス網整備について
UIJターンの取り組みについて
 

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 質問  答弁
≪神部伸也≫

「核兵器のない世界」をめざす取り組みについて

 まず、「核兵器のない世界」をめざす取り組みについてお伺いします。

 今年の10月27日に、国連総会第1委員会(「軍縮・国際安全保障問題」を所管する委員会)で、「核兵器禁止条約について交渉する国連の会議を、来年に召集するとした決議案」が、賛成123ヶ国、反対38ヶ国、棄権16ヶ国と圧倒的多数で採択されました。核保有5ヶ国のうち、アメリカ、イギリス、フランス、ロシアが反対し、中国は棄権しました。他にも、韓国、オーストラリア、インド、パキスタン、イスラエルなどが反対・棄権しました。北朝鮮は「賛成」したようです。決議案は、オーストリアが主導して最終的には57ヶ国が共同提案者になったとのことであります。
これによって来年の3月と6~7月の2会期に渡り、ニューヨークで市民社会も参加して交渉が行われます。「核兵器禁止条約」に、仮に最初は核保有国が参加しなかったとしても、国連加盟国の多数が参加して条約が締結されれば、核兵器は人類史上初めて「違法化」されることになります。そうなれば、核保有国は、法的拘束は受けなくても、政治的・道義的な拘束を受けることになります。まさに、世界は核兵器廃絶に向けて新しい段階に入ることになるのではないでしょうか。

 私が政治の世界に足を踏み入れるきっかけになったのが、核兵器廃絶の運動、平和を求める運動です。その思いに至ったのは、広島で原爆資料館を見学し、特にも被爆した遺品を目の当たりにしたこと、そして被爆者の方から直接に被爆体験の話しをお聞きしたことでした。被爆者の方々が様々な困難を乗り越えて命を削って国際社会に核兵器の非人道性と廃絶を訴え続けてきたこと、市民レベルでも署名運動など様々な行動が展開されてきたこと、広島や長崎の首長をはじめ盛岡市の谷藤市長も参加する「平和首長会議」が世界レベルで組織され運動してきたこと、などなど様々な粘り強い運動が、国際社会を大きく動かしてきたのです。まさに、今回採択された国連の委員会決議は、国際社会が核兵器禁止に向けて大きく動き出した「歴史的な一歩」であり、私は大いに歓迎するとともに、さらに頑張らなければと決意を新たにしたところです。この問題の帰趨を決めるのは、世界の世論と運動です。

 今回の国際社会の歴史的到達を谷藤市長はどのように受け止めているでしょうか。また、これまでの盛岡市の核兵器廃絶に向けた取り組みを振り返り、今後どう展開していくのか。「平和首長会議」に名を連ねる市長として、核兵器廃絶の世論をどのように発信していくのか。それらのお考えについてお伺い致します。

 言うまでもなく、日本は世界で唯一の戦争被爆国です。唯一の被爆国だからこそ、核兵器の非人道性を、核兵器の廃絶を最も強く主張してきました。ところが許せないのは日本政府の態度です。昨年の国連総会で、「核兵器禁止の法的措置を検討する作業部会を設置する」決議案に「棄権」をしましたが、今回の決議案に対しては「反対」に転じたのです。アメリカが同盟国に対して決議案への反対を求め、その圧力に屈したもので、唯一の被爆国の政府にあるまじき行為ではないでしょうか。日本の被爆者とその家族の願いにも反するもので断じて許されるものではありません。どうお感じになりますか。「非核平和都市宣言」自治体の首長であり、「平和首長会議」に名を連ねる市長として政府に抗議すべきではありませんか。ご所見をお伺いいたします。

≪谷藤市長≫ 神部伸也議員のご質問にお答え申し上げます
 はじめに、「核兵器禁止に係る国連の決議案」についてでありますが、本市は、市民の総意として非核平和都市宣言を行っており、世界の恒久平和に向けて、あらゆる国の核兵器の廃絶を強く希求しているところであります。今回の決議案も「核兵器のない世界」の実現に向けた第一歩として、心から歓迎するものであります
次に、これまでの市の核兵器に向けた取組と今後の展開、発信についてでありますが、市といたしましては、昭和59年に非核平和都市宣言を行って以来、非核平和都市宣言事業を実施し、非核平和に対する市民意識の高揚に努めてきたところであります。今後におきましても、こうした取組を継続するとともに、平和首長会議を構成する一員として、関係する自治体等とも連携して、核兵器のない平和な世界の実現を、市民の皆様とともに訴えてまいりたいと存じます。

 次に、この決議案に反対した日本政府への抗議についてでありますが、平和首長会議及び市が加盟している日本非核宣言自治体協議会から、内閣総理大臣をはじめとした政府に対し、この決議案に反対したことについて遺憾の意を表すとともに、唯一の被爆国として、「核兵器のない世界」の実現に向けてリーダーシップを発揮していただくよう要請をしたところであり、今後におきましても平和首長会議及び日本非核宣言自治体協議会と連携して、広く非核平和を訴えてまいりたいと存じます。

≪神部伸也≫介護保険について

 8月議会で鈴木努議員が指摘した「要介護1・2の生活援助の保険外し」や「車いすなど福祉用具レンタル料の原則自己負担」は、国民の厳しい批判の高まりを受けて今回は見送りとなりました。

 しかし、11月25日の厚生労働省の社会保障審議会介護保険部会で示された素案は、2018年度からの介護保険改定のたたき台となるものですが、「現役並み所得」(一人暮らし高齢者で、年金収入のみで383万以上)の方の利用料負担を3割に引き上げるという内容が示されました。介護保険制度発足以来、15年間ずっと1割負担だったものを、昨年の8月に一定以上の所得者(一人暮らし高齢者で、年金収入のみで280万円以上)の方の利用料負担を2割に引き上げたばかりであり、断じて許されるものではありません。どこまで痛みを押し付けるというのでしょうか。こんなことやられたら市民生活は行き詰まります。撤回するよう国に強く求めて頂きたいのですが、市長の考えをお聞かせ下さい。

 いよいよ来年4月から、要支援1・2の訪問介護と通所介護が、市が行う「総合事業」に移行されます。この間の質問では「サービスを必要とする要支援の方に、現行の介護予防の訪問介護及び通所介護に相当するサービスに移行していただくことを基本に」するとの答弁を頂いておりますが、事業内容についてはまとまったのでしょうか。その内容についてお知らせ下さい。

 専門職以外の生活支援の担い手の確保、利用できるサービスの選択肢を広げることが必要ということで、「住民主体のサービス」も協議・検討するとしてきましたが、状況についてお知らせ下さい。

 総合事業のサービス単価については、「サービスの提供に影響がでることのないよう、サービス事業者の声を聞くなどして報酬額の検討をすすめる」としていますが、最終的にどのようになるのでしょうか。サービス事業者への説明はどのようになるでしょうか。
市民への周知は、予定通り年明けとなるのでしょうか。また、どういう形での説明になるのか、改めてお知らせ願います。
≪谷藤市長≫ 介護保険の利用料負担についてでありますが、現在、厚生労働省の諮問機関であります、社会保障審議会において、介護保険料の上昇を可能な限り抑えつつ、制度の持続可能性を高め、高齢者世代における世代内の負担の公平化を図っていく観点から、高齢者世代のうち現役並みの所得を有する方について、医療保険と同様に、利用者負担を3割に引き上げることについて、議論が進んでいるものと存じております。
このことにつきましては、利用が長期間になるという介護特有の事情や、利用者がサービスの利用を控え、その利用控えが、より重度の要介護認定を誘発する懸念等の課題が想定されますことから、多様な意見を踏まえた丁寧で慎重な議論が行われる必要があるものと存じております。







≪保健福祉部長≫ 平成29年4月から、市が行う総合事業の内容についてでありますが、介護予防の訪問介護・通所介護を現行相当の基準・内容によるサービスに移行することを基本とし、それに加えて多様なサービスとして、老人クラブによる住民主体のサービスの提供のほか、生活機能を改善するための身体の機能向上や栄養改善等のプログラムによる短期集中型の介護予防サービスを検討しているところであります。
また、サービス提供に当たっての介護予防ケアマネジメントの実施と、年齢や心身の状況によって分け隔てることなく、地域の実情に応じた効果的・効率的な介護予防の取組を推進するため、65歳以上の全高齢者を対象とした一般介護予防事業の実施を予定しているところであります。
次に、住民主体のサービスの協議・検討状況についてでありますが、現在、地域を限定して、先行モデル的な取組を実施することについて、市と市老人クラブ連合会、並びに地域包括支援センターが協議を進めているところであります。
次に、総合事業サービス単価と事業者への説明についてでありますが、、現行の介護予防の訪問介護・通所介護に相当するサービスにつきましては、国が決める単価を上限額として、市町村がサービス単価を定めることとされておりますが、本市におきましては、利用者の状況に応じた柔軟なサービス利用につなげるため、国が定めた1回当たりの上限額をサービス単価とするという考え方で検討を進めているところであります。
また、事業者への説明につきましては、9月に文書で、サービス単価に関する市の考え方も含めた事業で、サービス単価に関する市の考え方も含めた事業の概要をお知らせしているほか、今月20日に、説明会を開催することとしております。
次に、市民への周知についてでありますが、総合事業のチラシ等を作成し2月に開催するケアマネジャー向け研修会において、ケアマネジャーから現在の利用者へ説明していただくことを依頼する予定としております。
また、市のホームページを活用した周知を行うほか、広報もりおかには3月15日号に掲載を予定しております。 
≪神部伸也≫子育て支援について

次に、子育て支援についてお伺いします。

子どもの医療費助成制度

11月18日に開催された厚生労働省の第100回社会保障審議会医療保険部会で、子どもの医療費助成に係る国保の減額調整措置、いわゆるペナルティーに関する見直しの議論が行われ、年内に結論を出すとのことです。その前日に、「子ども医療費無料制度を国に求める全国ネットワーク」が、「ペナルティーやめて!子ども医療費無料を国の制度で!」を掲げて国会内集会を行い、①中学卒業までをめざし、当面、就学前まで国の医療費無料制度を早期に創設すること、②子ども医療費助成制度を現物給付した市町村の国保の国庫補助金の削減を廃止すること―を求める署名4万2千人分を国会議員に手渡し、これまでの分も合わせれば8万人分に上るとのことです。また、8年ぶりに厚生労働大臣への要請が実現したとのことで、塩崎厚生労働大臣は、「子どもの医療費を何とかしてほしいというお母さん方の願いは理解している。中学3年生までの無料化は8千億円という試算もした。ペナルティーについては自治体からの声も届いており、年末に向け見直しも含めて議論を詰めていきたい」と話したとのことです。しかし、厚生労働省が11月30日に同部会に示した「とりまとめ案」は、見直し対象を未就学児までに限定というもので、お母さん方の願い、自治体の声とは程遠いものとなりました。ペナルティーは対象を限定せず廃止にするよう声を上げるべきです。市長のご所見をお伺いします。
今年の4月から、小学生の医療費助成が「入院」に加え「通院」も対象となりました。これまでの給付実績(受給資格者数も)と決算見込み、予算額に対してどうなのかも含めてお知らせ下さい。日本共産党市議団は、医療費助成制度の中学校卒業までの拡大を求めていますが、谷藤市長は今任期初めの定例会で「平成28年度から実施する小学生の通院までの拡充による所要額を精査し、財源確保の努力をしたうえで平成29年度以降の出来るだけ早期の実現を目指す」と答えています。来年いよいよ、その初年度を迎えるわけですが、中学校卒業までの拡大について、検討状況と実現の見通しについてお聞かせ願います。

インフルエンザ予防接種

 例年、季節性インフルエンザの流行は、12月末から始まり1月以降に大きな流行となるそうですが、今年は11月上旬頃から流行が始まり、11月半ばには学級閉鎖の措置をとる学校も出てきて、盛岡となん支援学校では学校閉鎖になるなど、既に14校で休業措置がとられています。そうした中で、今年度から幼児インフルエンザ予防接種補助の対象が小学校6年生まで拡大されたことは、本当に助かります。接種1回につき1,000円を補助し、1年度1人2回まで補助が受けられるという内容です。市のホームページでも「予防接種を受けることにより、インフルエンザにかかりにくくなったり、かかっても症状の重症化を防ぐことができると言われています」と記載されています。私は以前にも要望しましたが、受験を迎える中学校3年生や高校3年生への対象を拡大すべきと考えます。それは、言うまでもなく高校受験や大学受験は将来の進路に大きく影響するからです。検討し出来るだけ早く実施して頂きたく要望しますが、いかがでしょうか。
また、盛岡市では、感染症集団発生予防の研修会を毎年実施しているそうですが、研修対象と研修内容、研修がどのように生かされているかなどお知らせ下さい。
≪谷藤市長≫ 次に、子どもの医療費助成に係る国保の減額調整措置の見直し対象を未就学児までとする国の方向性についての所見でありますが、未就学児が減額調整対象から除かれることになれば、我々の主張の一部が認められたという点では評価すべきものと考えますが、これまでの主張どおり、引き続き、全国市長会等を通じて子ども医療費助成の無料化と併せまして国保の減額調整措置の完全撤廃の要望を行ってまいりたいと存じます。
 次に、医療費助成に係る中学校卒業までの対象拡大の見通しについてでありますが、子ども医療費助成の対象拡大は、子育て支援施策として極めて有効な施策の一つであると認識しており、現在、今年度上半期の実績をもとに、年間所要額の推計作業を行っておりますが、確実に事業を実施するためには、通年での実績をもとに所要額を精査する必要がありますことから、引き続き、実績を見極めながら、財源の確保の努力をしたうえで早期の実現を見極めながら、財源の確保の努力をしたうえで早期の実現を目指してまいりたいと存じます。

≪市民部長≫ 平成28年4月から開始した小学生医療費の給付実績と受給資格者数についてでありますが、給付費については、9月診療分までの上半期分で約6千2百万円、受給資格者数つきましては、11月末現在で約9千6百人となっております。
次に、決算見込みについてでありますが、これまでの医療費給付実績をもとに試算いたしますと、当初予算1億5千万円に対し、約1億3千2百万円となります。
しかしながら、申請されている受給資格者は、小学生全体の約3分の2にとどまっており、今後、さらなる周知を行うことにより、受給資格及び給付額の増加が想定されますことから、それらの影響も踏まえた上で、引き続き決算見込み額の推計を行ってまいります。










≪保健福祉部長≫ インフルエンザ予防接種の補助対象者の拡大についてでありますが、補助の対象者につきましては、平成15年度から3歳以上6歳未満の幼児に対し、1回につき1,000円の補助を行い、22年度からは、その対象を0歳から小学校就学前の6歳児までの乳幼児に拡大し、28年度からは、さらに小学校6年生まで拡大したところであります。
市といたしましても、中学生・高校生への対象拡大は、子ども・子育て支援に資するものであると存じておりますが、今後につきましては、定期接種の対象ワクチンの追加も検討されており、国の動向を注視しながら、限られた予算の中で、優先順位を考えてまいりたいと存じます。
次に、感染症集団発生予防研修会についてでありますが、研修対象は、高齢者施設や障がい者施設、保育園、幼稚園、学校、児童センターなど200施設以上の施設職員を対象として、流行時期に合わせて実施しており、28年度は192人に参加いただいております。
研修内容は、インフルエンザや感染性胃腸炎などの感染症対策の講義や嘔吐物処理の演習などを行っており、この研修により、日常実践している取組を振り返り、正しい知識と技術を身につけていただき、より効果的な施設内感染症予防対策に活かしていただいているものであります。
≪神部伸也≫自転車の交通安全対策について

 次に、自転車の交通安全対策についてお伺いします。自転車のマナーの向上については、この間も多くの議員から指摘があり、私も以前に質問させていただきました。しかし、地域でお話をする中で、「自転車のマナーが悪い。歩いていて自転車が怖い」との話を何人かの方から頂き、改めて自転車交通のマナー向上対策の強化を求めたいと思います。
警察庁の統計によると、平成27年中の自転車が当事者となった交通事故は9万8,700件で、交通事故全体の2割を占めているそうです。自転車乗用中に死傷した人のうち、ルール違反があった割合は65.1%で、死亡事故では77.5%でさらに高くなっているそうです。

 盛岡市のホームページでも自転車のルールが掲載され、自転車の安全利用の5原則、すなわち、①車道が原則、歩道は例外、②車道は左側を走行、③歩道は歩行者優先で、車道よりを徐行、④安全ルールを守る、⑤子どもはヘルメットを着用―と、道路交通法によるルールなど、盛岡市内の事故例として「高校生の自転車が、歩行中の男性と衝突。男性は頭を強く打ち死亡。賠償金は数千万円」が記載されていますが、これのページを見る人はほとんどいないと思います。
 
 違反した場合に罰則規定が設けられましたが、このことについては具体的な記載はありませんでした。昨年の12月議会で伊達議員も紹介しておりますが、平成27年の6月1日から「自転車運転者講習制度」がスタートして、危険行為・違反行為を繰り返す自転車運転者に対して、受講が義務づけられました。命令を無視し講習を受けなかった場合は5万円以下の罰金が科されます。盛岡市内で受講した人、あるいは受講せず罰金が科せられた人はいますか。私は、「危険行為・違反行為を繰り返した」という判断を下すのはなかなか難しいのではないかと思います。その判断は誰が下すのでしょうか。それよりも、もっと広く市民に自転車の交通ルールや改正法の中身、罰則規定など周知を図り、マナーを守るよう徹底していくことが大事だと思いますが、いかがですか。

 ハード面でも自転車レーンの設置やカラー化が図られていますが、進捗状況と今後の計画についてお知らせ下さい。
≪市民部長≫自転車運転による危険行為・違反行為を3年以内に2回以上繰り返した際に課せられる自転車運転者講習については、岩手県警察本部によりますと、盛岡市内を始め岩手県内においても受講した人はいないとのことであり、また、受講しなかった場合の罰金についても課せられた人はいないとのことであります。
次に、誰が危険行為、違反行為を繰り返したという判断をくだすのかについてでありますが、岩手県警察本部によりますと、市内・県外に限らず、危険行為、違反行為の履歴は、警察庁で管理し、各都道府県公安委員会がその情報をもとに受講命令等を行うとのことでありました。
次に、市民に対し、自転車の交通ルールの周知やマナーを守るよう徹底することについてでありますが、市のホームページでの啓発のほか、警察、交通安全協会、市が連携し、毎月8日に啓発チラシを配布する街頭指導、大学や高校前での指導などを継続的に行っております。
また、平成26年には滝沢市など近隣4市町と連携し、地区内の全高校生へのチラシ配布、街頭指導を実施いたしました。
今後も、警察など関係機関と連携し、自転車の危険行為に関するルールや罰則などの周知に努めるとともに、マナーの徹底など、さらなる安全利用の啓発に取り組んでまいりたいと存じます。

















≪建設部長≫
 自転車レーンの整備状況についてでありますが、路肩等を利用した自転車通行帯として、国道は約4.0㎞、市道は約3.0㎞を整備しているところであります。
また、今後の計画につきましては、平成28年3月に策定した盛岡市自転車ネットワーク計画においては、効果的、効率的なネットワーク形成が図られよう、自転車利用者の多い路線を優先し、早期、中期、長期の段階的な整備を行うこととしており、国、県、市が一体となって、安心して自転車を利用することができる自転車走行空間の整備を進めることとしているところであります。
 ≪神部伸也≫
厨川駅西口地域のバス網整備について


 次に、厨川駅西口地域のバス網整備についてお伺いします。

 今年の10月1日から、IGR厨川駅西口のバスベイにバス停が設置され、バス運行が始まりました。従来ある路線の「延伸」という形であります。この日は、ちょうどいわて国体の開会式の日であり、その後、みたけ地区では、サッカー、山岳、空手道の各競技が行われたところです。運動公園や県営武道館への交通手段については、私は把握していませんが、鉄道を利用して来場された方もあるのではないかと思いますが、とりあえず間に合った形となったなと思っております。担当課の努力に感謝申し上げたいと思います。これまで何度か質問させて頂いておりますが、当局からは「平成28年度から試験運行」との回答を頂いてきたわけですが、現在のバス運行は「試験運行」でしょうか、それとも「本運行」と理解してよろしいのでしょうか、お伺いします。

 また、過日、「厨川・みたけ地区の皆さまの普段の公共交通利用に関するアンケート調査」が実施されましたが、内容は、おおざっぱに述べると、年代や職種、免許証や自動車の保有、日常の交通手段、IGRの利用などで、全19問と自由記入欄の記載項目となっています。しかし、地域の方から「何のためにやるのか分からない」との声も寄せられています。このアンケート調査の目的と、どう活用するかについてお知らせ下さい。「盛岡市モビリティ・マネジメント実施における調査」とのことですが、具体的に今後の展開をどのように考えているのかについてもお知らせ下さい。

 現在、厨川駅西口の「市道みたけ4号線」の改良工事が行われていますが、旧日本たばこの広大な跡地には、来年の秋には、二十数店舗が出店予定とのことで整備も進められているところです。駐車場もかなりの台数が置けるというお話ですが、問題は交通渋滞です。今でもみたけ地域は、土日や冬季間などに大渋滞を引き起こしています。幸いに地域には、鉄道もバス路線もあります。これらをもっと生かした「公共交通利用促進対策」を真剣に考えるべきではないでしょうか。さらには、来年「みたけ老人福祉センター」がいよいよ開設される予定です。高齢者の活動拠点となるわけですが、循環バスの要望もあります。現在ある路線バスだけでなく、コミュニティーバスなども含めた地域内循環バス網の整備も考えるべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。

 また、国道4号線から元滝沢踏切を通って、厨川5丁目のローソン交差点までの「市道谷地頭線」について道路拡幅整備が行われ、両側に歩道も設置されましたので、小中学生などが安心して通学できる道路となりました。
 今後は、さらに西の方へ、北陵中学校を通って滝沢市につながる市道「市道谷地頭線」及び「市道みたけ四丁目北陵中学校線」についても拡幅予定とのことで先頃住民説明会も行われたところです。
 この市道はバス路線でありますが、狭隘な道路であるために、私もバスとすれ違う時に大変な思いをした時もありました。現在は、この道路を通って滝沢市と盛岡市を結ぶバスは「あすみ野箱清水線」で平日のみ1往復となっていますが、将来的には、厨川駅へのアクセスも含めてバス網が充実・強化されていくものと考えられますが、構想があればお聞かせ願います。
≪建設部長≫ 厨川駅西口のバス運行についてでありますが、計画段階においては、試験運行としていたところでありますが、運行の継続性を高めたいことから、バス事業者と相談し、既設路線の延長として、本運行を行っているものであります。

 次に、厨川・みたけ地区で実施しているアンケート調査の目的と活用方法についてでありますが、モビリティマネジメントとしての全体の調査目的は公共交通利用の潜在需要を把握し、自家用車からの転換意識の高い方に対して、対面調査により、公共交通利用のきっかけを持っていただき、利用を促すことを目的としております。

 また、今回のアンケート調査は、対面調査の前段として、交通利用実態と公共交通利用意識を把握するために実施しているもので、できるだけ純粋な潜在需要を探るため、誘導とならないよう詳しい目的をお知らせしていなかったものであります。

 今後の展開につきましては、アンケート調査結果を踏まえて、今回の調査対象約4,500世帯の中から約500世帯を抽出し、平成29年2月頃までに調査員が直接面談しアンケート等を行うことにより、公共交通利用への自発的な転換を促すモビリティマネジメントを進めてまいります。
次に、鉄道やバス路線を生かした公共交通利用促進策についてでありますが、厨川駅地下自由通路や市道みたけ4号線の整備に伴い、厨川駅西側の地区からのアクセス性が向上あいたことから、「もりおか交通戦略」に基づき、バスと鉄道の結節による公共交通利用促進対策を展開してまいりたいと存じております。
 
 バス事業者においては、市道みたけ4号線の拡幅延伸や周辺の大規模な民間開発の進捗状況をみながら、路線見直しを実施したいと伺っておりますことから、地域内循環バスや滝沢市への直通路線も含め、バス事業者に相談してまいりたいと存じます。

 
 ≪神部伸也≫UIJターンの取り組みについて

 最後に、UIJターンの取り組みについてお伺いします。
UIJターンを応援する組織として「NPO法人ふるさと回帰支援センター」というところがあります。2002年11月に設立され、正式名称は、「特定非営利活動法人100万人のふるさと回帰・循環運動推進・支援センター」と言うそうですが、名称の通り、100万人のふるさと回帰・循環運動として、都市から自然豊かな農山漁村への移住などを応援しているとのことです。地方6団体も後援団体として名を連ねています。
 センター内には専属相談員が29県配置され相談窓口が設けられており、岩手県もあるようです。

 同センターが公表した「移住希望地域ランキング2015」(2016年2月16日発表)は、1位が長野県で昨年は2位でした。以下、2位は山梨県で前年は1位、3位は島根県で昨年の8位から大きくランクアップしています。東北の上位は8位の秋田県で昨年の14位からランクアップで、20位までの発表のようですが、東北の県では他に福島県が16位に入っているくらいで残念ながら岩手県はありませんでした。
 このランキング調査は、同センターが運営する「ふるさと暮らし情報センター」の来場者を対象に、ふるさと暮らしに関するアンケートを毎年、定期的に実施しているもので、回答者は4,359人とのことです。

 島根県が大きくランクアップした要因に、移住者の受け入れ体制の整備・強化があるとのことです。移住相談会では、島根県内の全自治体が参加する移住相談会を実施するなど、県、市町村、定住財団が一体に移住者の受入体制の構築を図ったことが実を結んだとのことです。具体的には、ふるさと島根定住財団による「移住支援情報ポータルサイト(くらしまねっと)」で、職種や勤務地などで検索できる就職情報、子育てや医療情報、移住した人の体験談情報など、移住後の暮らしを想像できるような情報提供を行っているとのことで、島根県内19自治体ごとにカテゴリーされ、各市町村の魅力や制度、イベント情報などが発信されています。
 また、各自治体には、専属の「移住支援コーディネーター」を設置し、空き家のコーディネート、定住相談などにも取り組んでいるとのことです。当然ながら、島根県のホームページにバナーが貼られており、簡単に進むことができます。人口減少・過疎が深刻な地域であるからこそだと思いますが、本腰を入れた取り組みに私は感心しました。
 同センターによると、移住相談件数は、2015年で21,584件にのぼり、昨年の12,430件の1.7倍だそうです。さらに、移住希望者は、20代・30代が45%となっており、Uターン希望者は、14年の25.5%から15年は35.6%となっているとのことです。
 これらの情報は、「Nezas(ネザス)」というメディアサイトで知りましたが、このように指摘しています。少し長いですが引用させていただきます。「これまでの若者世代の移住は、2008年のリーマンショックで都心での仕事をなくしたことや、東日本大震災をきっかけに子育て世代が地方に目を向けるようになったことが背景にありました。しかし、現在は、『自分らしく生きるための場所』として、ポジティブに地方の暮らしを求める若者が増えているといいます。実際に、移住地で起業をしたり、趣味を生かしたりと、活躍の場としてとらえている人は多いようです」とのことです。
 盛岡市としては、UIJターンについてどのように取り組んできたのかお知らせ下さい。また、これまでの取り組みの効果について検証していればお知らせ下さい。地方版総合戦略の中でも検討を進めていると思いますが、もっと移住者の受け入れ体制の整備・強化を図る必要があるのではないでしょうか。先ほど紹介した島根県や、紹介しきれませんがランク20位外から7位と大きくジャンプアップした高知県の取り組みなども参考にしながら改善を図る必要があるのではないかと思います。こうした役割については、県がイニシアチブをとるべき課題でもあるかもしれませんが、岩手県や関係機関と連携しながらUIJターンの取り組みを今以上に充実強化すべきと考えますが、ご所見をお伺いします。
≪市長公室長≫ 本市のUIJターンの取組についてでありますが、現在、移住・定住を希望する方からの問い合わせに対応するため、市長公室企画調整課に総合窓口を設け、ワンストップ体制での情報提供を行っております。
また、移住・定住を希望する方に、本市の情報を提供するため、市ホームページに「住まい・雇用・生活」などの基本情報をまとめて掲載しております。
平成27年度には、「盛岡市移住促進ブック」を作成し、東京都にある「岩手県Uターンセンター」や「移住・交流情報ガーデン」などに配布し、活用を図っておりますほか、本市から首都圏及び宮城県に転出した方を対象とした「UIJターンに関する意識調査」や首都圏に在住し、盛岡に関心のある若者を対象とした「UJIターンに関するワークショップ」を行い、今後の対策を図るための情報収集を行ったところであります。
また、これまで「公益財団法人ふるさといわて定住財団」と岩手県が主催し、東京で開催する「岩手県U・Iターンフェア」に参加し、移住希望者の就職相談に対応しているほか、27年度からは、市内企業と移住希望者とのマッチングを支援する取組を行っているところであります。
次に、これまでの取組に対する効果検証についてでありますが、本市の取組は、ワンストップ窓口やホームページ、首都圏等での関係機関を通じた情報提供に留まっており、相談件数も年間20件程度と十分な取組ではなかったものと存じております。
今後は、岩手県や首都圏で活動を行う「いわて暮らしサポートセンター」や「移住交流情報ガーデン」などの公的団体と連携を強化し、イベントの活用や情報発信などの取組に努めてまいりたいと存じておりますし、シティ・プロモーションの取組や東京事務所を活用した情報発信、また「東京ふるさと会」など盛岡にゆかりのある団体を通じた情報提供など、情報発信機能を強化することや、他都市における空き家を活用した取組事例なども調査しながら、UIJターンの取組を推進してまいりたいと存じます。