2016年3月定例会 庄子春治議員の代表質問

 
質問項目 (クリックするとジャンプします)
28年度に向かう基本姿勢
  憲法に対する見解
  閣僚・政治家の問題発言
  市民生活の現状と消費税増税
  介護・医療・労働改悪への見解
東日本大震災5年。市の支援について
子ども若者支援について
  医療費・予防接種対象拡大について
  子育て包括支援センター
  子ども子育て支援制度1年の総括
  学童クラブと放課後児童クラブ  
  子ども未来基金について
ギャンブル依存症対策について
TPPと農林業振興について
  TPPの影響
  林業支援・・木質バイオマスの普及
中小企業振興条例について 
●雇用対策
  緊急雇用対策事業の効果
  コールセンター事業の不適正支出の返還
除雪対策について
ごみ処理広域化について
  環境負荷について
  覚書の遵守について
  大型化とごみ減量について
自治体経営について
  市民の意見を聴くべき
  指定管理団体の雇用問題
  公契約条例
  100%出資法人の事務局長解雇事件
  市立病院の経営改善
  コンプライアンスの徹底
教育委員長あいさつについて
  35人学級
  いじめ対策
  学校司書の配置
  学校給食について 

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 質問  答弁
≪庄子春治≫市長並びに教育委員長あいさつについて、日本共産党盛岡市議団を代表して質問します。

まず、市長に伺います
 市長は、今年をどのような年になるとお考えなのでしょうか。戦後70周年の昨年に続く今年はまさに日本の戦後史でも特筆されるような重大な課題に直面しているのではないでしょうか。
 安倍政権は、昨年9月に圧倒的な国民が憲法違反と指摘する安保法制を強行しました。それに続き今度は、国会で「7割の学者が自衛隊が違憲だと指摘している。憲法9条を変える必要がある」などと述べました。
自衛隊そのものについては、政府・自民党も「自衛のための実力組織であり憲法違反ではない」としてきたのです。今大問題になっているのは、自衛隊そのものの違憲性ではなく、その自衛隊を、安保法制によってPKO部隊に「駆けつけ警護」で武器使用を拡大させ、集団的自衛権行使、後方支援という名目の兵站で、米軍と一緒に軍事行動を行わせようとするそのことの違憲性が問われているのです。そしてそれを強行したのが安倍政権なのです。
安倍政権の姿は、解釈改憲を強行しそれに合わせて明文改憲を主張する。というものす。

 ここには日本国憲法を巡って二つの重大な問題があると思います。

 一つは、公務員に課せられた憲法尊重義務を踏みにじることであり、「立憲主義」の乱暴な否定です。
もう一つは、その攻撃の対象になっているのが、日本国憲法の「恒久平和主義」であり「基本的人権」です。安倍首相自身が国会で憲法9条を繰り返し攻撃したことに加え、「放送の公平性」を理由に、「電波停止を命じる可能性」を表明した高市早苗総務大臣の発言は、憲法21条の「表現の自由」を踏みにじるものです。
 いまこうした暴走に対して、戦争法廃止、立憲主義取り戻せと広範な市民が立ち上がっています。5野党が国政選挙での協力を行うことで合意するなど力を合わせてそれをストップさせようとしています。
 憲法尊重義務を負っている「公務員」の一人として、市長はどちらの立場に立つのでしょうか。市長の御所見を伺います。
 
 丸川環境大臣の「(除染基準)1ミリシーベルトは科学的根拠ない」などの発言や、参議院議員憲法調の場での丸山議員の「日本がアメリカの51番目の州に」「米国の大統領は黒人・奴隷」発言などの問題発言が繰り返されています。政治の劣化ともいうべき現状ではないでしょうか。市長の感想をお聞かせください。


 市長は、地域経済や市民生活についてどう把握しているでしょうか。あいさつで市長は、国が「一億総活躍社会」の実現めざし、「GDP600兆円」「希望出生率1・8」「介護離職ゼロ」の目標を掲げ、地方創生の本格的展開を目指すとしていると述べましたが、果たして安倍政権の政治でできるのか? アベノミクスで「景気回復」どころかGDPは消費税8%増税以降マイナスです。実質賃金は4年連続減り続け、年金も手取りで減らされ続けているのです。この市民の生活実態について市長はどのように把握していますか? こうしたもとで、来年4月からの消費税10%への増税は何をもたらすのか。市民のくらしも経済もさらにどん底に追いやることになるのではないですか。消費税増税はやめるべきではないでしょうか。



 「介護離職ゼロ」をうたう一方、政府予算案では社会保障費を削減し、介護報酬の引き下げに続きさらに診療報酬の引き下げです。介護報酬引き下げは介護事業者の事業を圧迫し、介護現場の人手不足をもたらしているのではありませんか。盛岡市内の介護事業者への影響はどうか、伺います。診療報酬改定で、盛岡市立病院では、どのような影響を受けるか、伺います。

 「希望出生率1・8」などというのであるならば、若者が家庭を持ち子どもが持てる社会にすることではないですか。安倍政権の政治は、「雇用が増えた」と言っても、増えたのは非正規労働者です。非正規雇用を拡大する労働法制の規制緩和をやめるべきではないですか。ご意見を伺います。

≪谷藤市長≫庄子春治議員の御質問にお答え申し上げます。
 
 はじめに、日本国憲法をめぐる問題に対する立場についてでありますが、安全保障関連法が成立した後においても国政の場や国民の間で多様な議論や動きがありますが、全ての公務員には、日本国憲法を尊重し、擁護する義務が課せられておりますことから、行政に携わる者として、常に、国民主権や基本的人権の尊重、平和主義の3つの普遍の柱を持つ日本国憲法に基づいて、職務を遂行していくことが求められているものと存じております。

 































 次に、国会議員の問題発言に対する所感についてでありますが、一部の閣僚や国家議員による、誤解を招く発言や人権を侵害する発言が相次いでいることは、誠に残念であると存じており、政治家は、選挙で選ばれているという自覚を持ち、自分たちの発言には、責任と影響力があることを肝に銘じていかなければならないものと存じております。

 次に、市民の生活実態についてでありますが、盛岡財務事務所が公表している平成28年1月の岩手県内経済情勢報告によりますと、生産活動は弱含んでおり、個人消費は一部に弱さがみられるものの回復しつつあり、雇用情勢は引き続き改善していることから、「県内経済は、一部に弱さがみられるものの、緩やかに回復しつつある」としておりますが、実質賃金が低迷していることなどから、市民生活においては、厳しさも残っているものと存じております。
次に、消費税増税の廃止についてでありますが、消費税10%への引上げは、今後ますます増加が予想される社会保障等の経費に安定的に充当する財源として、必要なものと存じておりますが、国民生活に与える影響が大きいことから、引上げについては、低所得者への配慮など、政府において適切に判断がなされるべきものと存じます。

 次に、介護報酬引き下げによる市内の介護事業者への影響についてでありますが、平成27年7月に市内の介護サービス事業所を対象に行った実態調査によりますと、27年4月の介護報酬改定による報酬単価の減額のため、収入が減少したと回答のあった事業所は82%、その対応として職員の削減を行った事業所は6%となっており、今後の動向を注視する必要があるものと存じます。
また、全国市長会より国に対して、27年4月の介護報酬改定に関し、質の高い介護サービスを継続して確保するため、必要な措置を講じるとともに、平成30年4月の次期介護報酬の改定に当たっては、地域やサービスの実態に即した報酬単価とするなど、適切な報酬の評価・設定を行うよう、提言したところであります。市といたしましては、適切な介護報酬につきましては、機会を捉えて引き続き国に要望してまいりたいと存じます。

 次に、診療報酬改定引き下げの市立病院への影響についてでありますが、プラスの要因となる主な項目としては、平成26年11月から運営しております地域包括ケア病棟や、勤務医の負担軽減を推進するための医師事務作業補助体制、運動器リハビリテーションなどの診療報酬の充実が期待できるものと存じております。
一方包括となっている短期滞在手術料の対象となる手術が拡大されますことは、マイナスの影響と考えておりますが、診療報酬全体としては、マイナスの厳しい改定となる中で、前回の改定と比較いたしますと大きな影響とはならないものと存じております
今後とも、中央社会保険医療協議会の答申の内容の把握とその影響の分析を行った上で、健全な病院経営に資するよう対応してまいりたいと存じます。

 次に、労働法制の規制緩和についてでありますが、若者が安心して働くことのできる労働環境となるような法制制度を整備すべきと考えており、国が「希望出生率1.8」の実現に向けた緊急対策として、若者の円滑な就職支援や非正規雇用労働者の正社員転換・待遇改善の推進などを行い、若者の雇用の安定化と所得向上に取り組む方向性を示しておりますことから、今後、国の動向を注視してまいりたいと存じます。
≪庄子春治≫東日本大震災から5年を経過しようとしています。
 市内への避難生活を送っている方々の実態、悩み要望は? 支援はどうか、県内の復興の現状について県市長会長としてどう把握し、市の役割をどう果たすつもりか伺います。
≪谷藤市長≫ 次に、県内の復興の現状について県市長会長としてどう把握し、市の役割をどう果たすかについてでありますが、復興の現状につきましては、岩手県市長会議の場等において、沿岸被災地市の市長から直後、お聞きしているところであります。

 発災から5年を迎え、この間、被災地では、地域の方々や、市町村、県、国、などが一体となり復旧・復興に向けて懸命に取り組まれてきたところであり、災害公営住宅や復興道路、湾口防波堤など基幹部分の整備は着実に進んでいるものと存じております。

 しかしながら、長期に避難されている方々の心のケアやコミュニティ形成、風評被害の払拭などによる観光復興や販路拡大に向けた取組強化、企業立地による雇用創出など、いまだ取り組むべき課題も多いものと存じております。

 本市においては、約1,300人の方々が避難されており、平成27年9月に実施したアンケート調査では、住宅再建への目途がなかなか立たないこと、高齢化が進んだこと等により、健康や経済の面での不安が大きくなってきているものと認識しております。
こうしたことから、今後におきましても、「もりおか復興支援センター」による生活再建に向けた支援や「しぇあハート村」の学生寮、沿岸市町村への職員派遣などを継続し、被災された方々が、復興の歩みをさらに実感することができるよう、国や県、復興支援団体などと連携を図りながら、県都として引き続き支援を行ってまいりたいと存じます。 
≪庄子春治≫8年度の施策について、「いきいきと暮らすまちづくり」に関して伺います。

まず、「子ども子育て、若者への支援について」です。子育て支援は、市の戦略プロジェクト事業にも位置づけられ、そこでも触れられておりますので合わせて伺います。

(1)28年度、子どもの医療費助成対象を小学生の通院費まで拡大し、就学前までの医療費の現物給付化、インフルエンザ予防接種の補助を小学生まで拡大したことなど、前向きな対応になったことは大いに評価すするものです。医療費、予防接種の助成対象、現物給付化の対象拡大など今後の更なる改善への決意と見通しについて改めて伺います。









(2)妊娠期からの子育て期までの総合的相談をワンストップで行う「子育て世代包括支援センター」の設置をするとのことです。大いに期待しますが、どのようなコンセプトのもとで、どのような体制・スタッフで行うのでしょうか。市長は「全ての子ども・若者の活躍支援や困難を有する子ども・若者の自立支援」を謳われています。
子どもの育つ過程で直面する「困難」にはどのようなものがあるととらえていますか。子どもの心身の成長過程の「困難」とその要因も多様化しているのではないか。また、乳幼児期には乳幼児期の、学童期には学童期の、そして思春期にも思春期の、それぞれの年代で「困難」とその現れ方があるのではないでしょうか。今回の「包括支援センター」はそのうち、どの部分に光を当てるのでしょうか。「包括」「ワンストップ」を掲げるのであれば、その多様化にかみ合った支援の体制を構築にさらに進む必要ではないでしょうか。

 12月議会で神部議員が紹介した岐阜市の「子ども・若者総合支援センター」を大いに学び研究し、そこに進んでいただきたいのです。そこでは、0才から成人前まで、子ども・若者に関するあらゆる悩み・不安に対応しています。8つの係をおき、乳幼児の発達相談・発達支援、在宅乳幼児のための親子教室、児童虐待の防止、非行・いじめの相談、不登校に関する相談、生活・学習・集団適応支援、子ども・若者自立支援教室、発達障がいの相談・支援、など年齢に応じた相談と支援を行っており、教員資格、保育士、保健師、臨床心理士、学校心理士、精神保健心理士、社会福祉士などの専門資格を持った103人のスタッフです。週1回小児科医が診察する「エール岐阜診察室」を設置し、同じく週一回の精神科医師の定期診察日も設けているほか、臨床心理士5人が常駐し、カウンセリングを行う体制を整えているのです。文字通り、子ども若者にワンストップで支援しているのです。「子育て・教育立市ぎふ」を掲げた市長の公約があったということです。ぜひ、研究し、盛岡市でもそこに進んでほしいと思います。いかがでしょうか

(3)子ども子育て支援新制度スタートから2年目となります。1年目の総括と2年目の課題と対策はどうか。待機児童の解消の見通しはどうでしょうか。





















(4)放課後児童クラブへの支援、放課後の居場所づくりについて述べられました。児童クラブについては、市が条例で定めた設置基準の「経過措置」については、期限を明確にすべきではないでしょうか。法律自体も5年で検証するとなっており、少なくとも5年間で経過措置を終わらせる市のロードマップを作るべきです。その際に、国が用意したメニューを余さず活用し、施設整備、指導員の処遇改善(一単位当たり最低一人は常勤者に)をきちんとさせる必要があると思いますがいかがでしょうか。

 このことに関して、私は、盛岡市の児童センターの運営に関しても、子ども子育て支援制度の趣旨を踏まえて、従来の延長ではなく見直しをすべきではないかと考えるものです。

 なぜ、子ども子育て支援制度で放課後児童クラブ事業の設置基準を設け、施設整備や指導員の研修や待遇改善のための財源も確保したのか。それは、保育における「小1ギャップ」をなくすためです。行政が責任をもってクラブ運営の質の確保をするということではないでしょうか。市も条例で定めた「一単位40人」「一人あたりの面積1・6平方メートル」などの基準は、放課後児童クラブという事業の最低基準ではありますが、児童センターという施設でも事実上、放課後児童クラブと同等の事業を行っているのではないか。日常的にセンター利用する児童の多くは、保育における「小1ギャップ」を埋める場としているのではないでしょうか。ところが、そこには「一単位40人」という基準もない。何人の児童が利用しても児童厚生員の配置は基本的に2人。一定人数が増えれば「加配」ということにとどまっているのです。

 具体例をあげます。見前児童センターでは、登録児童が2月1日現在で272人。2月までの利用人数は昨年度同時期と比較して2176人増で一日平均利用児童は86人です。ここでは児童厚生員が2人しかおらず、児童に目が届かない。10月議会の私の質問に対して部長は、まず児童厚生員の増員を急ぎたいと答えました。しかし、その内容は時間勤務のパートさんを「加配」するにとどまるということです。

 見前児童センターを利用している児童の状況を見れば、市の放課後クラブの設置基準に照せば、2単位以上で児童厚生員が4人から5人いてもおかしくないのです。現状から1人増員でもまだ足りない状態なのに、その期待には届かず、せめて「4時間」という現場の要望にも届かないというではりませんか。これで、子ども子育て支援制度がめざす、学童期の放課後の生活の質の確保が図られるでしょうか。「児童センターは関係ない」ということになってはいませんか。改善を図るべきだと考えますがいかがでしょうか。

 見前児童センターの問題はもう一つあるのです。一つのセンターに見前南小と見前小の二つの小学校の児童が利用しているということです。登録児童272人のうち、見前小からは、106人の登録となっているのです。早急な分離・見前小学校区への設置がいそがれますが、いかがでしょうか。


(5)「子ども未来基金」を創設されます。さまざまな活動団体への支援を行うことは大いに結構です。そのことでさらに輪が広がることを期待するものです。この基金が支援する対象事業の選定基準をどのように定めようとしているのでしょうか。「子ども」の対象年齢については、どうお考えですか。私は、乳幼児から学童期をはじめ児童福祉法に言うところの「児童」を対象にすべきだと考えますが、いかがでしょう。
≪谷藤市長≫子どもの医療費助成金制度についてでありますが、中学校までの対象拡大の実施時期につきましては、平成28年度から実施する小学生の通院までの拡充による実績を見極めながら、平成29年度以降のできるだけ早期の実現を目指してまいりたいと存じます。
 次に、予防接種の助成対象の拡大についてでありますが、現在、国において、乳幼児を対象とした「B型肝炎ワクチン」の定期接種への追加が予定されているところでもありますので、国の動向を注視しながら、限られた予算の中で、実施の優先順位を考えてまいりたいと存じます。
次に、現物支給化の対象拡大についてでありますが、本市といたしましては、子育て世代の方々の負担軽減を図る上で、極めて有効な施策であると認識しておりますことから、国民健康保険療養費等国庫負担金の減額などの課題はありますものの、引き続き、県内市長村と連携を図りながら、県に要請してまいりたいと存じます。
なお、子どもの医療費の無料化につきましては、本来、全国どの市町村に住んでいても格差のないように国の責任において制度化するべきものと存じておりますことから、全国市長会などを通じて要望を行ってきたところでありますが、国民健康保険療養費等国庫負担金の減額の廃止と併せ、引き続き要望を行ってまいりたいと存じます。

 次に、「(仮称)子育て世代包括支援センター」のコンセプトや体制についてでありますが、妊娠・出産・子育て期に関する負担や不安、孤立感を軽減し、安心して子どもを産み育てられる環境づくりを目指しており、保健師・助産師・社会福祉士の専門職5名で、来所相談や訪問相談を行うとともに保健所はもとより医療機関や児童相談所などと連携して支援を行ってまいります。
次に、子どもの育つ過程で直面する「困難」についてでありますが、乳幼児期は子育てや子どもの成長等の悩み、学童期には学校や友達等の悩みと、子どもの成長過程における困難はその年代で様々あると思われます。
「(仮称)子育て世代包括支援センター」では、妊娠・出産・子育て期における様々な不安や悩みを保健師等の専門職がお話しをお聴きし、支援が必要な妊産婦やその子どもに対して、個別にケアプランを作成し、どのような支援が必要か、ケア会議等でその人や家族に合った支援を検討することとしております。また、生活環境や経済面の悩みにつきましても、社会福祉士がコーディネーター役を担い、関係機関と連携を図りながら支援を行うこととしております。

 次に、岐阜市の「子ども・若者総合支援センター」の取組についてでありますが、多種多様な専門職を位置し、専門施設における相談体制の構築など、市としても大変参考になるものと存じております。
現時点では、専用の施設を構えての事業展開は想定しておらないところでありますが、今回開設する「(仮称)子育て世代包括支援センター」において、乳幼児期だけでなく、子ども・子育て全般の悩みや不安を解決できるよう、関係機関と連携を図り、ネットワークを密にしながら、子ども・子育て全般の悩みや不安を解決できるよう、関係機関と連携を図り、ネットワークを密にしながら、子ども・子育て支援を充実させてまいりたいと存じます。



 次に、子ども・子育て支援新制度の1年目の総括についてでありますが、「盛岡市子ども・子育て支援事業計画」において、「あふれる子どもの笑顔と育てる喜び、支えるみんなのあったかな手」を基本理念に掲げ、各般の施策を推進して取り組んできたところであります。新制度で導入された幼保連携型認定こども園や地域型保育事業の導入による3歳未満児の入所定員の拡大、育児の孤立化の防止、児童虐待の発生予防にも役立つ取組としての乳児家庭全戸訪問の拡大、ワーク・ライフ・バランスの理解に向けた事業を実施するなど、成果があったものと存じております。
 また、2年目の課題といたしましては、妊娠・出産・子育てに関する負担や不安、孤立感を軽減し、安心して子どもを産み育てられる環境をつくることが急務とされていることから、「(仮称)子育て世代包括支援センター」の開設に取り組んでまいります。また、社会全体で子ども・子育てを支える環境の醸成を図るための「子ども未来基金」を活用した事業展開や寄附の受け入れに取り組んでまいります。
 次に、待機児童の解消の見通しについてでありますが、私立保育所を中心に、児童受け入れの協力を働き掛けているところであり、28年4月の待機児童解消に向けて、調整を進めているところであります。

 次に、放課後児童クラブの設置基準の「経過措置」についてでありますが、市は、条例で、当分の間、設備の基準や集団の規模の基準を適用しないことと規定しておりますが、「盛岡市子ども・子育て支援事業計画」において、計画期間内に基準を満たすことができるよう支援に努めることとしておりますことから、基準に合致していないクラブの関係者からどのような支援が必要か話を伺い、計画的期間内である平成31年度までに、基準に合致できるよう計画的に支援してまいりたいと存じます。
また、放課後児童支援員につきましては、支援員は子どもの遊びや諸活動を通じて、一人一人の子どもの生活を支え、発達を促す役割を持ちますことから、常勤が好ましいと存じており、各クラブに対し、常勤支援員の体制をとるよう働き掛けたいと存じます。
次に、児童センターの児童厚生員についてでありますが、児童センターは地域の児童健全育成の拠点であり、児童厚生員の役割が重要であると認識しておりますことから、利用実態を踏まえ、議員ご指摘の見前児童センターなど利用児童数の多い施設には、児童厚生員の配置を配慮し、安全・安心な放課後の居場所づくりを進めてまいりたいと存じます。

 





























 次に、見前小学校区への児童センターの設置についてでありますが、「盛岡市公共施設保有化最適化・長寿命化中期計画(案)」において、見前小学校は、児童センターとの複合化の可能性を検証し、可能な場合は、見前小学校に児童センターを設置することとしており、29年度に基本構想を策定することとしておりますことから、基本構想に基づき、進めてまいりたいと存じます。

 次に、「子ども未来基金」についてでありますが、対象事業の選定基準は、30万市民による子育て応援につながるような視点で、考えてまいりたいと存じますが、具体的な選定基準につきましては、子ども・子育て支援団体等、広く意見をお聞きしながら、考えてまいりたいと存じます。
また、「子ども」の対象年齢は、「児童福祉法」や「子ども・子育て支援法」において、18歳までとなっておりますことから、同様に18歳までを対象と考えております。
≪庄子春治≫ 健康づくり・医療の充実に関連して伺います。

 2014年8月、成人の依存症を調査した厚生労働省の研究班は、ギャンブル依存症の有病率が4・8%であると発表しました。536万人のギャンブル依存症者がいると言明したのです。日本のそれは、カジノ解禁の米国1・6%、香港1・8%、韓国0・8%と比較して3~6倍ということです。その要因は、全国にパチンコ・スロット店が散らばり、コンビニの数ほどある。世界のギャンブル機器の6割が日本にあり、自治体も公営ギャンブル施設を持ちそれを奨励しているなど、事実上野放し状態にあると専門家は指摘しています。
作家で精神科医の帚木(ははきぎ)蓬生(ほうせい)氏によると、患者の病態や治療の面で病的ギャンブル依存症はアルコール依存症と瓜二つだということで、どちらも離脱症状と耐性があるということであり、治療面でもその基本は自助グループ参加であり、薬物療法などは補助的な役割を果たすに過ぎないということです。
ギャンブル依存症はアルコール依存症の約4倍強。有病率4・8%をそのまま盛岡市に当てはめれば14000人以上となるのです。ギャンブル依存はそれが要因となって多重債務、家庭崩壊、犯罪など様々な悲劇を生み出しています。対策が必要ではないか。
盛岡市内におけるギャンブル依存症の状況について調査はあるのでしょうか。市は相談窓口を設置する必要があるのではないか。
お聞きすると、仙台には専門の医療機関があるが岩手県内にはないということですが、市立病院でのその窓口を設けられないでしょうか。ご見解を伺います。
 ≪谷藤市長≫次に、盛岡市内におけるギャンブル依存症の状況に関する調査についてでありますが、市独自での調査は行っておりませんが、消費生活センターにおける多重債務や借金の相談のうち、ギャンブル依存に要因があると思われる事例は、26年度で8件、27年度2月現在で18件となっており、増加傾向にあります。
次に、相談窓口の設置につきましては、多重債務者の生活再建については、消費者救済資金貸付事業を諸費者信用生活協同組合とともに実施しており、当該信用生協内にあります「NPO法人いわて生活者サポートセンター」において、ギャンブル依存症の方々の生活支援の相談窓口を設置しているところであります。
また、精神科治療を目的にした場合は、保健所の「こころの相談窓口」となりますが、これまでのところ、ギャンブル依存症について、精神科治療を目的とした相談はありません。
次にギャンブル依存症の窓口を市立病院に設けられないかについてでありますが、相談や治療に当たっては、専門の治療プログラムの下、専門医や看護師をはじめ、臨床心理士、作業療法士などの医療従事者や、精神保健福祉士などのソーシャルワーカーで構成する多職種による専門チームが、支援に当たることが必要となりますが、現状では専門的なスタッフが少なく、マンパワーの面からチームの編成は困難でありますことから、市立病院への窓口の設置は、難しいものと存じます。

 ≪庄子春治≫人が集い活力を生むまちづくりについて伺います
 農林業の振興について、市長は「TPP関連政策大綱に基づく各施策の有効活用」といわれました。しかし、国の「関連政策大綱」は、TPPの影響そのものを過小評価したものではないですか。
市長は、国のこの政策大綱が、本当にTPPによって生ずる農林業への影響を正確に評価した上のものとお考えでしょうか。伺います。
TPPは撤退すべきではないか。市長の御所見を伺います。





 木材利用と木質バイオマス利活用については、公共施設における活用がどの程度進んでいるのか。昨年の議会で私は、市に設置した機関の役割を公共施設への導入にとどめず、市全体の施策として発展させるような体制にと指摘しましたが、どのように検討されているか、伺います。





















 中小企業振興条例についはどのように検討しているのでしょうか。

 ≪谷藤市長≫次に、国のTPPの農林業への影響の評価についてでありますが、国の試算にあたっては、生産額は減少するものの、国内対策により所得が確保され、生産量が維持されることを前提としているものであり、県においては実際の影響額はこれよりも大きくなるものと想定していると伺っているところであり、市においても同様の認識であります。
 次に、TPPからの撤退についてでありますが、市といたしましては、従前から行ってまいりました県内最大の消費地という地域特性を最大限に活かした農業振興策を基本としながら、国のTPP関連対策を有効に活用し、担い手の育成強化と産地としての収益向上に努めるとともに、農林漁業者の懸念と不安を払拭し、TPPが真に経済再生や地方創生に直結するものとなるよう、引き続き岩手県市長会等を通じて、国に要望してまいりたいと存じます。

 次に、公共施設における木材利用や木質バイオマスの利活用についてでありますが、過去5年間におきまして、木造により整備した施設は土淵児童センター等19施設、内装の木質化は向中野小学校等6施設となっております。
木質バイオマスにつきましては、保育園、地区活動センター等にペレットストーブ等28台、区界高原少年自然の家及びユートランド姫神に木質バイオマスボイラーを3台設置しているところであります。
 次に、木質バイオマスを市全体の施策にするための取組についてでありますが、平成26年度に木質バイオマスエネルギーの利用促進に向け、庁内の関係部署職員によるワーキンググループを設置し、27年度に提言書という形でとりまとめを行いました。提言書では、地球温暖化対策や林業振興の観点から、市域における木質燃料の利用量の増加及び資源、エネルギーの地産地消の推進を基本方針としその実現のため、公共施設への導入推進、市民・事業者向けの啓発強化、市産材利用の拡大などについて、全庁的に統一的、計画的な推進方針を定めたアクションプランを策定することや、市民、事業者、学識経験者などによる関係者会議を設置し、意見交換、当該アクションプランの進捗管理などを行うことについて提案しております。
今後も市域の木質バイオマス利用の推進が図られよう努めてまいりたいと存じます。

 次に、中小企業振興条例の検討状況についてでありますが、市では、条例制定においては、市内事業者による共通認識の醸成が重要であると認識のもと、岩手県中小企業家同友会などと意見交換を行ってきたところであります。
 地域経済の活性化には、地場中小企業の成長が不可欠でありますことから、現在、岩手県が策定中である条例に基づく中小企業振興基本計画の内容も踏まえ、引き続き、盛岡商工会議所や関係団体との意見交換を継続し、さらに議論を深めてまいりたいと存じます。
≪庄子春治≫雇用対策について伺います。市がこの間実施してきた「緊急雇用対策事業」についてどのように評価しているでしょうか。この事業によってその後の雇用継続につながったものはあるでしょうか。

 







 震災等緊急雇用事業で、(株)盛岡コールセンターに委託して行ったBPO人材育成事業において、補助金の不適正支出があったとして調査した結果が示されました。
盛岡市のその額は442万7025円。その内訳は ①出張先での業務に係る人件費210万969円 ②福利厚生物に係るリース料241万6056円とのことです。返還を求められてますが、どのように対応するつもりでしょうか。3月追加補正に返還予算を計上するとのことですがどうですか。
この件につき、市は昨年11月26日付で、盛岡コールセンターを引き継いだ(株)Kimlandにその委託料を返還するよう請求したとのことですが、その債権回収の見込みはあるのでしょうか。盛岡コールセンターも含む、DIOジャパン関連子会社が受託し事業において厚労省が認定した不適正支出は、全国11県、19市町村に及び、その総額は4億554万円余りとなっており、総事業費の11%に及ぶものです。それとは別に、会計検査院が、「過大なリース料」と指摘し、本来は「不適正」支出に組み込まれなければならなかった「リース」料が、全国で6億円余りが指摘されています。盛岡市の過大リース料として指摘されたした額は1億3千684万5千円。厚労省自体がこの問題を見過ごしたことから「不適正」に組み込まれなかったというものではないですか。合わせて1億4千127万2千円、委託料実績3億6705万5千円の実に38.5%におよびます。
 盛岡の事業で実に1億4千万円もの国民の税金が食い物にされたのです。この企業誘致の際には、市長も満面の笑みで握手をし、委託終了後の事業の継続、100名の雇用確保などとされていたものが1年半も持たなかった。震災復興財源を食い物にされたという事件だったのではないか。返還にあたってはその責任を市民にはっきり示して行うべきではないでしょうか。御所見を伺います。
 
≪谷藤市長≫次に、緊急雇用創出事業の評価についてでありますが、この事業は、短期の雇用・就業機会を創出・提供し、又は短期の雇用機会を提供した上で地域のニーズに応じて人材育成を行うものであり、本市におきましては、平成20年度の制度創生から27年度までの8年間で、延べ397事業を実施し、延べ2,695人の雇用を創出したところであり、有効な制度であったと評価しているところであります。
また、雇用継続の状況についてでありますが、全てを把握しておりませんが、緊急雇用創出事業の中で、事業の継続を前提とした13事業においては、22人が継続雇用されております。

 次に、県補助金の返還についてでありますが、市は、株式会社盛岡コールセンターの法人格を継承している株式会社Kimland(キムランド)に対し、会計検査院から指摘のあった不適正支出額と同額の委託料返還請求を行っており、また、県からは平成27年度内に不適正支出額の全額を返還するよう求められておりますことから、3月補正予算として提案したいと存じております。
次に、Kimland(キムランド)から債権回収の見込みについてでありますが、現在、Kimland(キムランド)の代理人弁護士と協議を行っているところであり、早期回収に向け、引き続き対応してまいります。
次に、会計検査院の指摘に係る責任についてでありますが、今回の責任は、第一義的には、盛岡コールセンター及びDIO(ディオ)ジャパンのあるものと存じておりますが、会計検査院の報告において、厚生労働省、県、市それぞれの責任が指摘されており、私といたしましても、会計検査院の指摘を真摯に受け止め、補助事業の適正な執行に努めていくことが市民に対する責務であると存じております。



 
≪庄子春治≫ 除排雪対策について伺います。この冬私のところに、つつじが丘の80歳代の男性から、「雪かきをするがその後に除雪車が来て道の両側に圧雪となった塊を残していく」「せめて玄関に面した部分だけでも雪の塊を残さないようにすることはできないか」という声が寄せられました。同じような訴えは、湯沢団地の障がいをお持ちの方の世帯の方からもありました。高齢者や障がいをお持ちの方の「悲鳴」のような声です。これに対して市は「市民協働」だ、「ボランティアだ」と言いますが、それが可能な地域もあれば、地域の高齢化などによって難しい場合もあるのです。市として新しい仕組みを考えられないか。検討を願いたいのですが、いかがでしょうか。
≪谷藤市長≫次に、除排雪対策についてでありますが、除排雪につきましては、公共交通における確実性の確保、及び安全な交通ネットワークの確保を重点として、市民生活の安定を図ることを目的に、バス路線等の幹線は午前6時の完了を、地区の幹線は午前7時の完了をめざすと共に、順次、除排雪指定路線の除雪に取り組んでおり、迅速な完了のため道路の両側に雪を寄せる除雪を基本としているところであります
間口除雪につきましては、個々の方々や地域の方々にご協力をお願いしているところでありますが、高齢の方や障害をお持ちの方で、除雪が困難なご家庭につきましては、職員除雪隊を派遣しており、除雪の際には間口についても対応しているところであります。
新しい仕組みにつきましては、今後、高齢者が多い地域の町内会等をモデル的に選定し、委託業者を交えて、地域の状況を踏まえた対策について、ご相談をしながら研究してまいりたいと存じております。

 
≪庄子春治≫未来につなぐまちづくりに関し、ごみ処理の広域化について伺います。
市が進める広域化については、これまでも様々な議論を展開してきました。

 最大の根拠となった「コスト」論では、その前提条件が恣意的であり、何よりも国の交付金が広域化でなければ使えないとしたことは全国の実績や北部事務組合の解散に至る経過の中でその誤りが明らかになったこと ②一か所に集中し、大型化することが、設置地域に重大な環境負荷を与えることです。市の試算でも現クリーンセンター稼働後の15年間で周辺に1000㌧を超える有害物質が降り注いでいることが明らかとなったのです。市長は、今回の大型化によって、この2倍もの規模の有害物質が施設の周辺に降り注いでもよしとするお考えですか。伺います。
 このことは、市と周辺町内会等が結んだ「覚書」で次期計画では「分散型」を確認した根拠の一つではないですか。大型化そのものが分散型という覚書にもとるものです。担当部長は、議会で用地選定の過程で現クリーンセンターが候補地になったらゼロから説明するなどと答え、「覚書」を無視する、開き直りとさえ聞こえる答弁をしていますが、それは市長の考えを代弁したものでしょうか。市長も「覚書」は結果として守られないことになっても仕方がないというお考えでしょうか。お聞かせください。
市長は、循環型社会の形成を図るために、家庭ごみの分別収集の徹底や資源集団回収、容器包装廃棄物の削減に取り組むと述べましたが、「廃棄物処理の広域化」は循環型社会形成につながるとお思いでしょうか。
担当部長は、昨年6月議会で大型化しても資源化は進むと、沿岸南部の資源化率が、平成23年度25・0%、から25年度32.3%へと、年々上昇していることを紹介しました。
 問題は、「資源」の中身です。沿岸南部と同じく「溶融炉」を使っているのが盛岡紫波環境施設組合です。両方の「資源」の内容を分析すると、スラグ・メタルの量で大きな違いがあるのです。頂いている資料によれば沿岸南部では、平成26年度のゴミ処理層搬入量に対して燃やした後に出る溶融スラグ・メタルの比率は12.4%ですが、盛岡紫波環境施設組合のそれは6.2%なのです。スラグとは、廃棄物を燃焼させその灰を高温で溶融させてできるものです。分けないで燃やしたほうがスラグの比率が高くなる。分別して燃やすごみを減らせばスラグの量も減るというものです。資源化率が高くなったということが即ごみ減量・資源化につながらないのです。県央8市町の中でも、「資源化率」でほぼ同じ紫波町と滝沢市でも、一人一日当たりの家庭ごみの量は、平成24年度実績で紫波町が516gに管内で最少に対して、滝沢市は682gで2番目となっている。
めざすべきは、燃やしてスラグを大量に生成することではなくて、分別の徹底による減量と資源化ではないでしょうか。市長はどちらを目指しますか。大型化が果たしてそれに資するとお考えですか。お考えをお聞かせください。
広域化計画については、これらについて今一度立ち止まって検討すべきです。市長の御所見を伺います。
 
 ≪谷藤市長≫次に、ごみ処理広域化に係る焼却施設からの有害物質の排出量についてでありますが、現クリーンセンター稼働後における有害物質の排出量は、施設周辺住民と締結した公害防止協定に定める排出基準値を下回るものであり、当該協定を適正に運用するための連絡協議・監視機関として設置した「公害防止対策協議会」及び「公害監視委員会」におきましても。これまで適正な管理が行われていることを確認していただいております。
今後、新たな施設の建設に当たっては、施設規模が大きくなることが見込まれますが、環境基準や有害物質の対策について関係住民の皆様と協議し、最新の知見に基づく技術を導入し、国内でも最高レベルのものを目指してまいります。
次に、現クリーンセンターの覚書についてでありますが、この覚書は、現クリーンセンターの稼働に先立ち平成9年4月に市と施設周辺自治会との間で交わしたものですが、ほぼ同時に国から広域化を推進する方針が示され、県においても広域化計画が策定されたところであります。
現クリーンセンターの建設当時は、ごみの排出量が増加しておりましたが、現在は、人口減少やごみ焼却量の減少、ごみ焼却時に発生する熱エネルギーの活用等、社会情勢が変化している中で、ごみ処理の効率化と環境負荷の低減を目指して県央ブロックのごみ焼却施設を1つに集約する「県央ブロックごみ・し尿処理広域化基本構想」を平成26年度に策定したところであります。
しかしながら、現クリーンセンターの覚書には「分散立地型を原則とし」と明記されており、この点については、県央ブロックの広域化基本構想と方向性が異なっておりますので、覚書締結の趣旨を尊重して、今後とも、関係住民の方々と協議してまいりたいと存じます。

 次に、ごみ処理広域化に関しての分別の徹底によるごみの減量と資源化についてでありますが、溶解炉による廃棄物の焼却で発生する溶解スラグについても資源化物のひとつではありますが、県央ブロック内のごみの減量と資源化については、ブロック内の構成市町が、分別収集の徹底や資源集団回収の推進、容器包装廃棄物の削減と資源化などに積極的に取り組むよう住民に働き掛けて実施していく必要があるものと存じます。
今後、ごみ処理広域化の検討におきましては、焼却炉の方式の検討等を行うことになりますが、ごみの減量、資源化に推進につきましては、新施設の規模にかかわらず、関係市町の中で、より水準の高い分別区分に統一するよう調整を図ることにより、ブロック内のごみの減量、資源化が強化されるよう協議してまいりたいと存じます。
次に、ごみ処理広域化の検討についてでありますが県央ブロックのごみ処理広域化は、既存のごみ焼却施設の老朽化に併せて、ブロック全体の環境負荷や経済性、少子高齢化に伴う人口減少を勘案し、ごみ焼却施設を1施設に集約する広域化を進めているものであり、今後とも関係市町と連携を図りながら、関連する事務を執り進めてまいりたいと存じます。


 ≪庄子春治≫自治体経営について伺います。
市長は、市民参画・協働によるまちづくりを謳っています。その一歩は市民の声を聴くことではないですか。
 その際には、自分に反対の意見にも耳を傾ける必要があるのではありませんか。ごみ処理広域化計画について市長あての陳情を提出して直接市長に手渡したいとする住民団体になぜ会おうとしないのですか。会って受け取ったらどうですか。

 良質で安定的な公共サービスを提供するため指定管理制度の適切な運用を図ると語られました。適切な運用とはどのようなことでしょうか。市が出資する団体で、市の指定管理業務に従事する職員の実に85.5%が非正規雇用という実態が明らかになりました。良好なサービスの提供を妨げることになるのではないでしょうか。ぜひ是正していくべきです。御所見を伺います。






 また、100%市の出資する法人における事務局長の解任事案について、どのように対処されたのか伺います。
公共工事及び市の委託事業で働く人に対する賃金水準の確保のために、「公契約条例」を制定すべきです。御所見を伺います。

 















 市立病院の経営改善
は進んでいるのでしょうか。27年度の見通しと28年度の改善計画はどうか伺います。

 











職員の不祥事が相次いでいますが、コンプライアンスの徹底は本当に重要だと思います。今般、ある部署において、職員の「兼業」に関する地方公務員法の制限規定の遵守があいまいになっていた事例を見受けましたが、こうした隙が大きな問題への発展につながりかねないのです。ぜひ市長先頭に努力していただきたいのですが、いかがですか。
 ≪谷藤市長≫ 次に、ごみ処理広域化に係る住民団体への対応についてでありますが、日程調整の関係でお会いする機会の無いままとなっておりますが、市民参画や協働によるまちづくりを進める上で、市民参画や協働によるまちづくりを進める上で、市民の声を聞くことが重要でありますことから、様々な機会を通じて市民ニーズの把握に努めてまいりたいと存じます。


 次に、指定管理者制度の適切な運用についてでありますが、指定管理者制度の導入に当たりましては、公の施設の設置目的を効果的に達成するための手段として適切なのか、指定管理者の選定に当たりましては、価格競争のみによらず、公共サービスの水準を確保する上で最も適切なサービスの提供者を選定しているのかや、指定管理者の候補者においては、労働法令の遵守や雇用・労働条件への配慮がなされているかなどの観点について留意するとともに、指定期間中においては、市が仕様書で定める管理運営について、市及び指定管理者がそれぞれの立場において確認し、適時適切に改善を図ることが適切な運用につながるものであると存じております。

 次に、市が出資する団体における指定管理業務に従事する職員の雇用についてでありますが、出資等団体を含む指定管理者制度導入施設の職員の雇用については、指定管理者である団体の実情に応じて判断されるべきものと存じますが、労働契約法の改正の趣旨を踏まえ、法の趣旨について更に周知を図ってまいりたいと存じます。
なお、一部の指定管理者におきましては、既に有期雇用から無期雇用への転換が図られるなどの動きも見られるほか、平成28年4月から同様の内容で任期の制限の変更を予定する団体もあるところであります。
次に、市が100%出捐する法人における事務局長解任事案への対応についてでありますが、平成28年2月に、本事案に係る地方自治法第244条の2第10項の規定に基づく市の調査結果を当該法人の理事会に報告したところであります。
調査結果においては、解任の妥当性や責任の所在などについて反省すべき点を指摘したところでありますが、この報告を受けた同日の理事会では、事務局長の解任を取り消すとともに、執行体制の刷新を図ったと伺っております。

次に、市立病院の経営改善についてでありますが、平成19年度から現在の加藤病院事業管理者を先頭に、経営改善計画を推進してまいりましたが、平成27年度決算においては、20年ぶりの収支均衡の達成を見込んでいるところであります。
また、第3次経営改善計画の2年目となります平成28年度におきましては、最重要課題として取り組んでおります医師確保において、循環器内科の常勤医師1名。神経精神科の常勤医師1名の新規採用が見込まれておりますとともに、人工透析の導入による診療の充実や、地域包括ケア病棟の適切な運用を進め、医業収益の確保に努めることにより、引き続き収支均衡を図り、健全な病院経営を目指してまいります。

次に、コンプライアンスの徹底についてでありますが、地方公務員法に定め営利企業等の従事制限につきましては、兼業について任命権者の許可が必要となる場合もありますことから、他団体の事例を受け、改めて職員に周知を行ったところであります。
この営利企業等の従事制限を含めて地方公務員法に規定する職員の義務につきましては、市民の皆様からの批判や疑念を招くことのないよう、職員一人一人に遵守の徹底を図ってまいります。
 ≪庄子春治≫教育委員長あいさつについて伺います。

 岩手県は今般、35人以下学級を中学校2年生まで拡大するということですが、盛岡市の対応はどうでしょうか。







  「不登校いじめの解消」を重点とすると述べられました。不登校といじめを一つのフレーズにくくりましたがどうしてでしょうか。関連はあるものの、それぞれ要因も様々で個別に考える必要があるのではないでしょうか。






 いじめについては、一昨年の滝沢市、昨年の矢巾町と相次いで子どもが自殺に追い込まれるという痛恨の事件がありました。教育委員会は、この二つの事件からどのようなことを教訓として受け止め、対応しているのか、伺います。
 この問題でいつも言われるのが子どものメッセージをどう受け止め機敏に対応するか、です。一つのチャレンジとして、昨年12月議会で神部議員が紹介した岐阜市の「子どもホッとカード」の取り組みがあります。先ほど紹介したセンターに窓口をおき、メールアドレスと電話番号が記載されたカードを小中高校生など6万枚作成して配布したのです。「子どもの悩みが直接届く環境作り」として実施したとのことです。
子どもの悩みが直接届く環境づくりの必要性について、どのようにとらえて対応していますか。市長部局とも協力して充実していただきたいのですが、いかがでしょうか。






















 各学校の読書活動の充実へ学校司書を配置する、と述べられましたが、28年度はどのような具体的な計画でしょうか。緊急雇用対策で配置された読書指導員の配置は各学校における読書活動の推進に大きな役割を果たしましたが、この緊急雇用事業がなくなって大幅に縮小されました。全学校への配置に向けて今後どのようにお考えでしょうか。




 学校給食について伺います。都南学校給食センターがいつの間にか名称を盛岡市学校給食センターにかえて、道明地区に建て替える計画が進んでいます。なぜ、道明地区なのでしょう。現在の都南給食センターでは「調理から2時間以内の喫食」ができていないことが問題点です。道明に移ったら、各学校の距離は変わりますが、より遠くなってしまう学校も出てくるのではないでしょうか。都南のセンターと道明の予定地からで各学校の最長距離の学校はそれぞれどこで、それぞれ何キロかお示し下さい。平均距離も合わせてお示しください。
 私の見立てでは、確実に遠くなる学校が出てくる。2時間以内の喫食はより困難になる学校が出てくるのではないですか。いかがですか。
 なぜ道明か。都南地区にはなかったのでしょうか。この地区は、道明地区の土地区画整理事業の見直しの区域に位置し、先日の都市計画審議会で用途変更がなされ、準工業地区が8・5ヘクタール増やされたのです。区画整理事業見直しの理解を得るために、公共施設を配備することが優先され、それに合わせて学校給食センターを持って行ったのではないか。また、将来的な自校方式の小学校給食のセンター化も見越したということかとさえ思うものです。
給食センターのあり方は、あくまでも子どもたちのためにどうあるべきかから検討されるべきであって、区画整理事業の見直しに従属するべきではありません。その経緯を詳しくお知らせいただきたい。

 今年は、啄木生誕130年です。教育委員長は、玉山歴史民俗資料館と石川啄木記念館の基本計画策定に取り組むと述べられました。いい基本計画を策定していただくようお願いして、私の質問を終わります。
 ≪星野教育委員長≫ ご質問にお答えいたします。
初めに、中学校2年生までの35人以下学級についてでありますが、現在、市教育委員会では、県教育委員会の方針に基づき、小学校1年生から4年生及び中学校1年生において、1学級35人以下の少人数学級を実施しております。
 県教育委員会では、平成28年度の中学校2年生においても、35人以下学級を実施するとの方針を示しておりますので、市教育委員会といたしましても、この方針に基づき実施してまいりたいと存じます。

 次に、不登校といじめを一つのフレーズにくくったことについてでありますが、どちらにも生徒指導にかかわる重要な課題であり、解消を図らなければならないもので、まとめて示したものであります。
その対応につきましては、議員ご指摘のとおり、これらは、要因も態様もそれぞれ異なりますので、個別の対策を講じ、その解消に向けて取り組んでいるところであります。

 次に、滝沢市、矢巾町の事件からどのようなことを教訓として受け止め、対応しているのかについてでありますが、この二つの事案から、いじめは、いじめを受けた子どもの教育を受ける権利を侵害し、心身の健全な成長及び人格の形成に重大な影響を与えるだけでなく、生命に重大な危険を生じさせるおそれがあり、子どものサインを早期にとらえ、組織的に対応することの重要性を、改めて認識したところであります。
 盛岡市といたしましても、二つの事案の発生を重く受け止めており、同様の事案が発生しないよう、生命尊重の教育を基本に据え、生活記録ノートやアンケート等に記述されている、子どものささいな悩みも見逃すことなく、いじめの兆候を迅速に把握するよう、各学校を指導しているところであります。
次に、子どもの悩みが直接届く環境づくりの必要性についてでありますが、いじめを受けている子どもは、自らいじめにあっていると、身近な人に相談できないことがあり、そのため、いじめの発見が遅くなり、深刻な事態になる場合があります。子どもがいじめられていることに、できるだけ早く気付き、対応するためにも、議員ご指摘のとおり、子どもの悩みが直接届く環境づくりは、必要であると考えております。
 次に、このことについての、盛岡市としての対応についてでありますが、学校以外に、子どもたちが相談できる場として、市教育委員会では、教育相談室を、市少年センターでは、少年の悩みなどの相談窓口を設置しており、ホームページなどで紹介しております。
また、その他、県教育委員会や県人権擁護委員連合会等が作成した、「子供SOSダイヤル」、「子ども人権110番」等のカードやポスターを各学校や市立公民館、図書館等に配布するなど、関係機関と連携を図りながら、子どもの悩みが直接届く環境づくりに努めているところであります。
今後とも、いじめの早期発見に努めるとともに、いじめを生まない未然防止の取組の徹底等、いじめの解消に取り組んでまいりたいと存じます。

 次に、平成28年度の学校司書の配置計画についてでありますが、学校司書の人数を9人とし、担当する学校を18校とする計画であります。
次に、学校司書の全校配置に向けての考えについてでありますが、学校司書配置を希望する学校は、平成28年1月現在、小学校で37校、中学校で10校と多くの学校から要望が出されており、学校司書の全校配置は、児童生徒の読書活動の充実のため、必要であると考えておりますので、今後も、一人でも多くの学校司書を配置できるよう、鋭意、努力してまいりたいと存じます。

 次に、都南学校給食センターと道明地区の予定地からの距離についてでありますが、都南学校給食センターから最長距離の学校は、羽場小学校で7.3キロメートル、平均は4.1キロメートル、道明地区の予定地から最長距離の学校は、都南東小学校で11.3キロメートル、平均は5.2キロメートルであります。

 なお、距離につきましては、ルート検索ソフトによる2地点間の走行距離で算出したものであります。
次に、2時間以内の喫食についてでありますが、現在の施設では、揚げ物、和え物、汁物などの調理終了時刻を合わせることは、調理設備の面から見て困難でありますが、現行の学校給食衛生管理基準に則って建設する新センターでは、献立ごとに調理ラインが分かれていることから、調理終了時刻を合わせることが可能となりますので、この調理能力や配送に要する時間などを含め、2時間以内の喫食となるよう検討しているところであります。
次に、新センターを道明地区とした経緯についてでありますが、現行の学校給食衛生管理
基準に適合した施設を建設するためには、現在地では敷地が狭いため、現在地以外での用地確保が必要となったものであります。
 用地の選定に当たりましては、敷地面積が十分に確保できること、食材の受け入れなどで利便性のいい場所であること、などを総合的に検討し、平成25年度から、具体的に候補地を選考してきたところであります。
その過程で、道明地区土地区画整理事業見直しの意見交換会において、平成24年度に出された要望に基づき、道明地区で、準工業地域を拡大する計画がある、との情報を得ましたので、26年度の後半に、道明地区を新センターの候補地の一つに加え、改めて、検討をしたところであります。その結果、道明地区が適地であると総合的に判断し、27年8月に策定した「第一次学校給食施設整備実施計画」において、「建設候補地を道明地区とする」としたものであります。

以上、ご質問にお答えいたしました。