2015年12月定例会 庄子春治議員の一般質問

 
質問項目 (クリックするとジャンプします)
市長の政治姿勢について
 ▼戦争法への見解
 ▼国民連合政府提案への見解
 ▼沖縄辺野古基地建設問題
来年度予算編成方針について
 ▼中期財政見通し
 ▼28年度予算編成方針
 
指定管理制度について
 ▼新庄墓園の事態の教訓
 ▼指定管理者への自治法上の調査
 ▼指定管理団体の雇用問題
≪再質問≫
 ▼指定管理団体への調査について 
 ▼町内会補助金について

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 質問  答弁
≪庄子春治≫最初に市長の政治姿勢について伺います。

 安保法制という名の戦争法が、安倍政権・自公両党などによって強行成立以来、2カ月余が経過しました。この法律をそのままにしていいのかが鋭く問われています。
この法律は「集団的自衛権行使は憲法上できない」という歴代自民党内閣でも確立されてきた憲法解釈を変更するとともに、自衛隊の海外での武力行使・戦闘行動を解禁する仕掛けを幾重にも張り巡らせた法律です。
これは、この法律の内容そのものが憲法9条に違反するとともに、解釈によって憲法の規定を踏み越え、国会議員の「多数」をもってこうした法律を強行するというやり方も憲法99条の「国務大臣、国会議員、裁判官その他の公務員は、この憲法を尊重し擁護する義務を負ふ」という憲法遵守義務にも違反しているのではないでしょうか。
憲法を遵守し擁護する義務を負った政府が、その憲法解釈を変えて法律を作るということになれば、これは明らかに立憲主義の否定です。それは、民主政治と相反する「独裁政治」への道ではないでしょうか。
谷藤市長は、この安保法の内容及び、その成立へのやり方について、憲法上の疑義をお持ちにはなりませんでしょうか。憲法違反だという認識はあるでしょうか伺います。

 憲法98条は「この憲法は、国の最高法規であつて、その条規に反する法律、命令、詔勅及び国務に関するその他の行為の全部又は一部は、その効力を有しない」と定めているのです。この法律は、憲法9条の「条規」に明らかに反しており「効力を有しない」のです。

 同時に、この法律の存在が、国民の命を守るどころか、海外で殺し殺される危険をまし、国民の命を危険にさらす現実的な危険が増しているのです。
 
 その一つ、アフリカ・南スーダンの国連平和維持活動(PKO)に派遣している陸上自衛隊の武器使用基準を緩和し、来年5月の部隊交代に合わせて任務に「駆けつけ警護」を追加する方針を固めた。という報道です。
私は、法律強行後、盛岡市内の元自衛官、自衛官の方の親のかた複数の方のお話を伺いました。元自衛官のかたは「後輩を戦地に送る法律だ。許されない」と話され、自衛官をもつ母親の方は「春先には来年アフリカに派遣されるかもしれないと言っていたが、今は何も言ってくれない。心配が募る」と、また別の親の方は「自衛官の家族と話をすると特に祖父母から『どうなるか心配だ』という声がでる。」と話していました。

 自衛隊員が海外で殺し殺される戦闘行動に参加させられる危険が迫っているのではないでしょうか。
そのとき、政府は、自衛官の、防衛出動による殉職に対する弔慰金の最高額を6千万円から9千万円に引き上げる計画だというのです。「戦死者がでる」ことを想定し、自衛隊員の命をお金で買おうとでもいうのでしょうか。
自衛隊員の家族の不安に答えるのは、お金ではなく、「海外で武力行使は行わない」というこれまでの憲法9条の枠内に戻ることではないでしょうか。
私は6月議会でも指摘しましたが、谷藤市長が激励して送り出した自衛隊員の若者から戦死者を出してはならない、そのためにもこの法律の廃止が必要ではないでしょうか。市長の御所見を伺います。

 もう一つの危険が、同法によってISに空爆を行う米軍などへの兵たん支援が可能になったことです。安倍晋三首相は、6月5日の参議院安保法制特別委員会での答弁で「要件を満たせば、法理論としては適用されることはありうる」と答えました。
日本が米国から空爆支援を要請されたら、「法律がない」と言って拒否することはできなくなります。
どんな理由であれ、罪のない人々を無差別に殺すテロは許せません。同時に、戦争でテロはなくせない、というのが、米国同時多発テロ以降の14年間の教訓です。イラク戦争の当事者であるブレア元英首相は「イラク戦争がISの台頭につながった」と認めています。過去の教訓に照らすなら、ISへの空爆強化は混乱に拍車をかけ、悪循環を広げるのは必至です。そしてその道に日本がさらに進んだら、日本がテロの対象になる危険が増すのは必至です。

 その危険について谷藤市長の認識はどうでしょうか。戦争とテロとの悪循環についてどのように認識しているでしょうか。戦争法発動によってISへの空爆を行う米軍への「後方支援」=兵站が法的に可能になっていることについてどのように認識されているでしょうか伺います。

 日本共産党の志位和夫委員長は、9月19日、この法律成立直後に「戦争廃止の国民連合政府の呼びかけ」を発表しました。立憲主義は民主政治の根幹です。それを取り戻すのはあらゆる政策課題に優先するものであり、その大義のもとに政党・団体・個人が協力して戦争法を廃止する政府を作ろう、そのためにその一致点での国政選挙での選挙協力を、と呼びかけたのものです。これは、国民の間にある「戦争法はあのままにしては置けない」・・「野党は協力を」というという世論の中から生まれたものです。谷藤市長も政治家の一人として、この呼びかけについてどのような認識をお持ちか伺います。

 安倍政権の政治のもと「地方自治」も危うくなっています。沖縄の辺野古への新基地建設を巡って、翁長知事が辺野古沿岸部への米軍新基地建設のための公有水面埋め立てついての前知事の許可を取り消したことについて、沖縄防衛局が行政不服審査法を悪用してその効力を執行停止させるとともに、行政代執行へ提訴したのです。
現行の行政不服審査法は、行政処分につき固有の資格において相手方となった場合には、行政主体・行政機関が当該行政処分の審査請求をすることを予定していないのであり、今回の沖縄防衛局による申し立ては適法性に欠けるものです。しかも、沖縄防衛局は、「一般私人と同様の立場」で審査請求人・執行停止申立人になり、他方では、国土交通大臣が審査庁として執行停止を行ったのです。「何人も、自己の事件の裁判官になることはできない」という、公正な裁判を担保する大原則にもとる、違法行為以外の何ものでもないのではありませんか。政府のこうしたやり方は国民の権利救済制度である行政不服審査制度を乱用するものではないでしょうか。市長は、このような行政不服審査が法の趣旨からいって適法だとお考えですか。伺います。

 さらに、「行政代執行」への手続きは「国と自治体との関係は対等」という地方自治の原則を投げ捨てるものです。「新基地建設ノー」の沖縄の民意は名護市長選、沖縄県知事選、そして昨年12月の衆議院選挙ではっきりと示されているのです。その民意を無視し、新基地建設を強行しようとする政府の強権的なやり方に対して、翁長知事は12月2日、福岡高裁那覇支部で開かれた辺野古代執行訴訟の第1回口頭弁論で、「この裁判で問われているのは、単に公有水面埋立法に基づく承認取り消しの是非だけではありません。戦後70年を経たにもかかわらず、国土面積のわずか0・6%しかない沖縄県に、73・8%もの米軍専用施設を集中させ続け、今また22世紀まで利用可能な基地建設が強行されようとしています。日本には、本当に地方自治や民主主義は存在するのでしょうか。沖縄県にのみ負担を強いる今の日米安保体制は正常といえるのでしょうか、国民の皆さますべてに問いかけたいと思います。」と述べられました。
地方自治体の長として谷藤市長は、この訴えについてどのような御所見をお持ちでしょうか。伺います。


≪谷藤市長≫庄子春治議員の御質問にお答え申し上げます。

 はじめに、安保法の内容及びその成立への認識についてでありますが、政府は、合憲であるとの立場をとっておりますが、国会審議におきまして、憲法学者が集団的自衛権の行使が憲法に違反する声があったことは、重く受け止めるべきものと考えております。
また、法律成立直後の行われた世論調査で「国会での審議が尽くされたとは思わない」との回答が8割近くに上ったことは、成立の過程に対する国民の意識が現われたものと認識しております。

 このようなことから、法律は可決されたものの国民の理解が十分に得られているとは言い難い状況にあり、政府において、今後も引き続き、国民に対して丁寧な説明がなされる必要があると存じております。

 

















 次に、自衛隊員から戦死者をださないためにも、法律の廃止が必要ではないかについてでありますが、自衛隊の活動領域や任務の拡大に伴う自衛隊員のリスクが大きくなることが懸念されますことから、政府の責任において、自衛隊員の安全確保については、万全の対策が講じられる必要があるものと存じております。

 




















 次に、法律によってテロの対象となる危険が増すことや、戦争とテロとの悪循環は、多くの指摘がされているところであり、これまでわが国が戦後の国際社会の中で築いてきた平和国家としての信頼や実績を踏まえ、国際社会とも協調して、平和主義の原則を持しながら、戦争によらない国債社会の平和が実現できるよう、貢献していくことが求められているものと存じております。
次に、ISへの空爆を行う米軍への「後方支援」が法的に可能になっていることへの認識についてでありますが、国際テロ対策については、これまでも政府において国際社会と協力しながら対処していきたいところでありますが、自衛隊の後方支援については、十分な国民的議論と国民世論の支持を得て、慎重に判断されるべきものと存じております。











 次に、国民連合政府の呼びかけについてでありますが、これまでにない国政上の新しい動きであると認識しており、主権者である国民一人ひとりが、国政選挙の場において、判断していくものと存じております。








 次に、辺野古への新基地建設をめぐっての行政不服審査が適法か、についてでありますが、沖縄県との見解が相反するものとなっており、沖縄県では国を相手として提訴する方針であるとの報道がありますことから、今後司法の場において、判断が示されていくものと考えておりまます。
次に、辺野古 代執行 訴訟における翁長知事の訴えに対する所見についてでありますが、沖縄県における米軍基地の集中の問題につきましては、国家安全保障上の問題でもありますので、様々な視点から、また、多くの国民の意見を踏まえながら国政の場で議論されているものと存じておりますが、 沖縄の皆さまの負担が軽減されることを心から願っているものであります。

≪庄子春治≫ 次に来年度の予算編成方針について伺います。
 最初に、その基本となる「中期財政見通し」について伺います。

 先日示された平成28年度から32年度までの「中期財政見通し」では、歳入不足によって、財政調整基金が5カ年間で102億円から38億円まで減少するというグラフが示されました。
 これを拝見して、平成15年度に「このままいったら財政再建団体に転落する」として、「行革」に突入した当時を思い出しました。当時と今回の見通しについて、その共通点と違いはあるのか、伺います。
歳入では、市税は「ほぼ横ばい」と推定しています。アベノミクスの「地方創生」「景気回復」が市税収入増収に見込めないのはなぜか伺います。
 国による「税制改正」の影響があるのではないか。個人には増税しながら、大企業には減税という税制改正があるのではないか。さらに来年度政府は法人税の減税を行おうとしている。こうした税制改正の地方財政への影響はどのように見込んでいるのか伺います。

 地方交付税は、この5年間漸減し20億円も削減される見通しの根拠は何か。合併特例による加算が来年度から段階的に削減されることになります。一方で「合併特例債」の発行を行ってきたが、「返済の7割を交付税で見る」と言っても、総額が減らされたのでは意味をなさないのではないか。さらに、「臨時財政対策債」です。この返還についても「交付税で見る」はずですが、これも総額を減らされては意味をなさないのではないか。この交付税についての見解を伺います。

 歳出では、人件費の減、公債費の増、普通建設事業の減を見込んでいますが、これらの根拠をお示しください。
まとめとして、財政調整基金は最終年度で32億円まで減少するという見通しについてですが、10月議会の総務常任員会の審議の中で財政調整基金のあり方について一定の基準を設けることについて検討する必要があることが議論されました。どのように検討されているのか。伺います。





















 さて、10月22日付財政部長名の「平成28年度予算編成方針」は、「現時点で歳入歳出の差引による総計で約20億円の大幅な収支不足が見込まれている」とした、大変厳しいものに見受けられます。
新しい総合計画の推進、戦略プロジェクトに基づく予算の重点化に対応するためとして、従来の施策別予算配分方式において生じている様々な課題の段階的な解消に向け、財政課による予算査定方式を導入するとしていますが、解消すべき課題とは何か、「財政課による予算査定」を導入する根拠は何か伺います。





 今回部局別に「予算上限額」を設けたということです。総合計画事業、戦略プロジェクト、社会保障関連事業を推進するため、「一般経費」においては一般財源で前年度当初予算の92%を上限とするとしています。

 92%の根拠はどのようなものでしょうか。










 総合計画事業、3つの戦略プロジェクトについては、それぞれどのような事業を予定し、予算配分を考えているのでしょうか。具体的にお示しください。




具体的な事務事業について伺います。

 


















 広域連携協約の締結議案が今議会に提案されています。具体的に事業として何が始まるのか、その財源はどうなのか伺います。





















 市民協働についてです。市は、地区担当員制度をなくす、総合補助金化に移行する・・ということを来年度から始めようとしています。
地区担当員報酬の予算も町内会への補助金に回すということですが、そうならない町内会もあるのではないですか。それでは結局、「町内会への支援」を名目に、地区担当員制度をなくし、町内会にさらに仕事を増やすことにならないか、という懸念を払しょくできません。どのように対処されるのか、伺います。


















 普通建設事業費が来年度10億円も減少する見通し(中期財政見通し)ですが、具体的な見通しおお示しください。
 


既に住民に約束している土地区画整事業や生活環境整備事業などはどのような見通しなのか伺います。

≪藤澤財政部長≫ 中期財政見通しについて、平成15年度当時と今回の共通点と違いはあるのかについてでありますが、共通点としては対象期間の5年間で地方交付税収入が減少することであり、相違点は15年度の見通しでは当時の財政運営を継続した場合には財政再建団体に転落するとして、財源不足解消方策として職員数、公共事業、事務事業等の削減などにより5年間で約271億円の歳出抑制が必要であったことであると存じます。

 次に、市税の収入見込みについてでありますが、アベノミクスの地方創生では人口の減少に歯止めをかける各種の取組が進められているほか、景気回復政策では給与の引き上げに取り組む企業もみられるなど、一定の効果に伴う税の増収額がどの程度となるか推計することは困難であるため、現段階では横ばいと見込んでおります。

次に、税制改正の影響についてでありますが、27年度の税制改正による28年度屁の影響については、個人住民税では、ふるさと納税控除限度額の引き下げによる約1千万円の減少、軽自動車税の税率の引上げによる約6千万円の増加、法人市民税では、平成26年度の法人市民税の税率の引き下げ及び27年度の法人税率の引き下げによる約5億3千万円の減少を見込んでおります。
また、28年度の税制改正については明らかにされておりませんが、現在、国では法人実効税率を20%台に引き下げるとして検討されておりますことから、今後の動向について注視してまいりたいと存じます。

 次に、地方交付税が27年度の現状から32年度までの間20億円削減される見通しの根拠についてでありますが、普通交付税が約12億7千万円、特別交付税が約7億5千万円それぞれ減額すると推計しております。普通交付税におきましては合併算定替の縮減による減額、及び消費税率の改正により基準財政収入額が増加することによる影響で交付額の減額を見込みましたし、特別交付税におきましては、地方交付税総額の6パーセントから4パーセントに割合が変更されることになっていたため減額を見込んだものでございます。
また、合併特例債及び臨時財政対策債償還額が増加するため、見通しを作成した期間では基準財政需要額公債費としては約9億6千万円、全体では約8億円増加しますが、基準財政収入額が約16億6千万円増加しますので差し引きの普通交付税としては減額を見込んだものでございます。
次に、人件費の減、公債費の増、普通建設事業の減を見込んだ根拠でありますが、人件費につきましては主に退職予定職員数が減少することから退職手当の減額を、公債費につきまいては主に臨時財政対策債、償還費の増額を見込んでおりますし、普通建設事業費は28年度までのアイスリンク整備や総合アリーナ整備等の終了後は、公共施設長寿命化計画事業も含めて一定のフレームの中で調整を図ることとし見込んだものでございます。
財政調整基金のあり方についてどのように検討しているかについてでありますが、一定の基準につきましては、他都市の事例は少なく、検討中でございますが、基本的には災害や不測の追加財政需要、減収影響への備えとして標準財政規模の1割程度は最低限確保する必要があるものと存じます。

 次に、従来の予算編成における解消すべき課題と財政課による予算査定を導入する根拠についてでありますが、本市では17年度から行政評価を活用した「施策別予算配分方式」を導入する根拠についでありますが、本市では17年度から行政評価を活用した「施策別予算配分方式」導入し、成果を重 来年度の予算編成方針について視したマネジメントサイクルの定着化が図られたものと存じておりますものの、義務的経費の増大などにより重点施策に優先的に配分する一般財源の確保が困難となり、効果的に機能しにくくなってきたことから、新しい総合計画実施計画において施策横断的に「戦略プロジェクト」を創設したことに伴い予算編成方法を見直すこととし、事業費の総点検を行い、適正な事業経費の予算化を図るため、財政課による査定方式としたものでございます。

 次に、予算編成方針で示した「一般経費の要求は前年度当初予算の一般財源の92パーセントを上限とする」とした根拠についてでありますが、28年度に見込まれる歳入総額から、人権費、扶助費及び公債費の義務的経費、光熱水費などの固定経費、総合計画主要事業費、戦略プロジェクト事業費を差引いた額を一般経費として算出したものでございます。



≪東堂市長公室長≫
 総合計画事業と戦略プロジェクトについてでありますが、総合計画の事業につきましては、平成27年度に予算配分した主要事業158事業の継続を基本としながら、新たに着手する新市建設計画事業や公共施設保有最適化・長寿命化長期計画事業のほか、事務事業事前評価において、実施と評価した事業などを中心に、総合計画の主要事業に位置付けてまいりたいと存じます。

 戦略プロジェクトの事業につきましては、子育て応援プロジェクトでは、妊娠期から子育て期までの切れ目のない相談支援体制の充実や、小学生の医療費助成の拡大に取り組むことなどの検討を進めております。

 きらり盛岡おでんせプロジェクトでは、MICE誘致推進事業や北海道新幹線開業関連事業を継続するとともに、今後増加が期待される外国人観光客への対応として、観光用ホームページの多言語化や観光案内版の外国語表記など、外国人観光客の受け入れ態勢の整備につながる事業について検討を行っております。

 いわて国体おもてなしプロジェクトでは、国体本番を控え、実行委員会補助金の拡充とともに、国体会場となる施設の整備や改修、国体ボランティアの募集、盛岡の食材プロモーション事業における生産者と飲食関係者とのマッチングなど、引き続き国体開催に向けた事業の充実について検討を行っております。

 次に、連携協約に係る連携事業の内容についてでありますが、現在、広域各市町担当部署との協議により、平成28年3月に策定を予定している「連携中枢都市圏ビジョン」に位置付ける連携事業の絞り込みを行っているところであります。
具体的な連携事業につきましては、実施することにより「事業効果が一層高まる」あるいは「経費の削減が見込まれる」などの観点から検討しているものであり、28年度からの実施事業としては、既存の連携事業のほか、国際大会事前キャンプやスポーツ関連イベント等の誘致を図る「スポーツツーリズム推進事業」と、事業対象を本市から広域圏全体に拡充する「配偶者暴力相談支援センター広域連携事業」を想定しているところであります。
また、計画期間内に検討を行う事業としては、再生可能エネルギーを利用して発電した電力を広域圏内で消費する「再生可能エネルギーの利用促進事業」や、農業生産者と商工業者・飲食店関係者を対象としたマッチングのためのセミナー開催等を行う「食産業連携強化事業」などを想定しているところであります。
次に、連携事業の財源についてでありますが、都市圏形成のメリットの一つである国からの財政措置の詳細が現時点で示されていないことから、28年度については一部の事業を除き、これまで盛岡広域首長懇談会において取り組んできた既存の連携事業を基本とした枠組を想定しているところであり、新規・拡充事業については29年度以降に実施できるよう、引き続き、経費負担を含めた広域各市町村との協議を進めてまいりたいと存じます。

≪細川市民部長≫ 協働推進奨励金への移行に係る町内会・自治会の懸念への対処についてでありますが、協働推進奨励金は、いわゆるメニュー型の補助金・謝礼金を一本化することによる町内会・自治会における使途の自由度であり、併せて、平成27年度をもって廃止した制度であり、併せて、平成27年度をもって廃止いたします地区担当員報酬の総額を変えずに再配分することを制度設計上の基本としたところでございます。
これまで、町内会連合会などへの説明のほか、市内6箇所で説明会を開催し、212団体へ説明したほか、ご要望により10箇所以上の町内会等へ出向いて説明してまいりましたが、奨励金制度の創設により、事務負担の軽減と使途の自由度の向上が図られることにつきましては、概ねご賛同を賜ったところでありますが、一方で、従前の地区担当員報酬と比較して、減額にならないようにとの多くのご意見をいただきました。
これを受けまして、さらに見直しを行い、激変緩和の措置として現在の地区担当員の実質報酬額と同額を確保したところでございます。
なお、町内会の仕事をさらに増やすことにならないかとのご心配につきましても、市から依頼する回覧物やポスターをできるだけ地域での日常生活に影響やポスターをできるだけ地域での日常生活に影響のある情報に限定するなど、引き続き、町内会等の事務負担の軽減に努めてまいりたいと存じます。

≪藤澤財政部長≫ 普通建設事業費が来年度10億円減少する具体的な見通しについてでありますが、国体関連事業であるアイスリンク整備事業費12億円や盛岡駅西口バス乗り場整備事業費1億円等の終了により減少するものと見込んだところでございます。

≪藤島都市整備部長≫ 土地区画整理事業や生活環境整備事業の来年度の見通しについてでありますが、総合計画実施計画の確実な執行に向け、厳しい財政状況ではありますが、できる限りの予算確保に努め、土地区画整理事業及び生活環境整備事業の推進に取組んでまいります。
 
≪庄子春治≫ 指定管理制度について伺います。
 新庄墓園の指定管理から直営への移行については、私も含めて度重なる問題点の指摘があったにもかかわらず、市は調査もできずに解決を先延ばしにしてしまった、その経過と教訓をどうとらえて今後の改善に結び付けるのか、伺います。


































 指定管理団体に対して、その適正な運営を図るために地方自治法上、市が調査を行うことができる規定がありますが、その活用の事例があるか、あるとすればどのような事例か伺います。





 さて、10月議会で市の施設を指定管理している外郭団体の職員の状況をお聞きし、なんと85.5%の方が「非正規」の雇用であったということに私は驚きました。しかも「非正規」の672人中実に398人が「3年以上」継続して働いています。5年以上、10年以上がそのうち200人もいらっしゃる。そのような方は既にその施設運営に不可欠な方ではないか。正規雇用にするべきです。改めてそのための対策を市は取るべきではないでしょうか。

 合わせて、その「非正規」雇用の方は毎年の雇用契約更新で働き続けられるかという不安もあります。労働契約法の改正では、その19条で過去の最高裁の判例で示されて確立された「雇止め」無効のルールが条文化されました。
 例えば、労働者において有期雇用契約満了時において当該有期雇用契約が更新されるものと期待されることについて合理的な理由があると認められ場合、使用者が雇止めをすることが「客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められないとき」は、雇止めは認められないというものです。
 指定管理団体において、そのような「雇止め」が起こることのないよう、市は指定管理団体に指導を徹底する必要があるのではないか。その他の労働法制を徹底し、法令違反などに問われることがないようにするべきではないですか。伺います。
≪東堂市長公室長≫ 新庄墓園の指定管理から直営への移行に係る教訓についてでありますが、新庄墓園につきましては、問題点の指摘を受け、指定管理者に事情聴取等を行い、実態の解明に努めたところですが、管理運営の実態について、市として十分な把握ができていなかったことや、その把握に時間を要したことに課題があったものと受け止めております。

 また、改善についてでありますが、担当課によるモニタリング定期的な業務報告の徹底などにより指定管理の実態の把握に努めているところでありますが、今後におきましても、指定管理者と緊密に連携しながら、改善に向け取り組んでまいりたいと存じます。

≪熊谷保健福祉部長≫新庄墓園の指定管理から直営への移行の経過についてでありますが、平成18年度より住民サービスの向上と経費の節減を目的として、新庄墓園・青山墓園に指定管理者制度を導入いたしました
新庄墓園・青山墓園への指定管理者制度導入にあたり、墓園では指定管理者によるあっせんや個人情報の目的外使用の可能性が予測されたため、当初より協定において、「墓石の設置に際し特定の墓石業者の紹介などの公平性を損ねる行為をしてはならない。」と規定いたしましたほか、平成19年3月議会において議員から指定管理業務の公平性の確保についての指摘を受けましたことから、平成21年度の再指定の際に、指定管理業者以外の目的を持って墓地使用者との接触を禁止する条項を追加しましたが、結果として協定による規定では墓石のあっせん等を防止することはできなかったところであります。
平成25年11月30日をもって指定を取り消し、以後、市直営による管理を行いながら管理方法について検討してきたところであります。
検討の結果、直営管理と比較し経費節減効果が見込めないことや、墓石のあっせん等を完全に防止することは極めて困難であること、直営管理に対する利用者アンケートの結果などを踏まえ、直営管理に見直そうとするものであります。

≪東堂市長公室長≫指定管理者団体に対する地方自治法の規定に基づく調査の事例についてでありますが、地方自治法第244条の2第10項の規定に基づく実地調査については、これまで3件あり、平成22年度に新事業創出支援センターの当時の指定管理者が、岩手県の助成金を不正受給したとの報道を受けて実施した調査と、新庄墓園についてであります。その他の1件につきましては、現在調査を実施しているところであります。

 次に、市の施設を指定管理している外郭団体の職員の正規雇用化に向けての対策についてでありますが、外郭団体を含む指定管理者制度導入施設の職員の雇用については、指定管理者である団体の実情に応じて判断されるべきものと存じておりますが、労働契約法の改正の趣旨を踏まえ、法の趣旨についてさらに周知を図ってまいりたいと存じます。

 
 次に、「雇止め」に係る市の指定管理団体に対する指導についてでありますが、本年5月に開催した指定管理者連絡会議におきまして、岩手労働局の担当者を招き改正労働契約法について研修を実施し、法改正の趣旨等について周知を図ったところであります。
 なお、平成25年4月1日を基準日とする雇用期間が5年を超える雇用契約の非正規職員につきましては、労働契約法の改正の趣旨を踏まえ、一部の指定管理者におきましては、既に有期雇用から無期雇用への転換が図られるなどの動きも見られるところであります。
 次に、指定管理団体に対するその他の労働法制の徹底についてでありますが、「雇用・労働条件の確保について」の項目につきましては、指定管理者募集の申請の際と、モニタリングにおける指定管理者からの、聞き取り調査、また、労働条件調査などにおいて、指定管理者の取組状況について定期的に確認を行っているところであります。
再質問

 ①指定管理団体への調査について

≪庄子≫ 指定管理に関して2件の調査が行われ、もう一件が調査中とのことです。指定管理制度が導入されて久しく、市でも数多くの施設をゆだねている中で、いわゆる地方自治法に基づく調査は3件。この調査は、どのような場合に行われるのか、伺いたい。あわせて、現在調査中の事案については、もう少し詳しく、どういうことで調査になっているのか、なぜ、自治法上の「調査」となったのか、合わせてお願いします。

≪東堂市長公室長≫お答え申し上げます。地方自治法第244条の2第10項に基づく調査につきましては、指定管理者の管理する公の施設の管理の適正を期するために指定管理者に対して管理運営に係る業務や経理について報告を求めたり実地調査を行いその結果に基づいて指示するということでございます。
 今調査中の事案につきましては、事務局の体制、施設の運営、利用者へのサービスについて支障が生じる恐れがあるということで、自治法に基づく調査を行っていると、とらえているところでございます。

≪庄子≫どのような懸念があって調査になったのか。もう少し詳しくお願いします。

≪東堂市長公室長≫先ほど申し上げた通り、事務局の体制ということで、基本協定に照らして、職員体制についてそのような懸念がされるということから調査をしているということでございます。

≪庄子≫私の知る範囲では、その調査対象となっているところは、市が100%出資した公社です。職員に対するパワハラがあったということで、事務局長が理事会において解任されるという事態になったということですが、事実ですか。
 上司がパワハラによって職員を精神的に追い詰めるということは絶対許されないことです。同時に、理事会がその上司の責任を問うには、それなりの根拠と調査の上でなければ、一方的になってしまい、行き過ぎた処分は逆にその上司に対する人権侵害にさえなる危険があるのではないか。
 私は先の10月議会総務常任委員会で、「職員からパワハラの訴えがあったら、その上司をすぐ首にするか」と市の対応を尋ねました。その際職員課長は「その訴えについて、調査して事実確認を行い、改善の努力をしてそのうえで必要な処分について検討する」というようなお答えだったというように記憶しています。
 今回、この法人において何が根拠となって「解任」に至ったのか。理事会はどのような調査を行い、どのような事実認定をして「解任」に至ったのか。市が把握していればお知らせください。

≪東堂市長公室長≫ お答え申し上げます。その指定管理者団体において事務局長が解任されたということは事実ということでございます。根拠とかということでございますが、理事会では正確な根拠は示されなかったと伺っておりますが、市の調査については継続するべきで、さらに聞き取りも行うということでありましたので、今市において調査を継続しているという状況でございます。

≪庄子≫当該職員に対する解職通知には、その理由がパワハラにあるときちんと書かれているという風に私はお聞きしています。私は、これは、さっきも言ったように、もし、それなりの調査と根拠の上で(なされた解任で)なければ一方的になってしまい、行き過ぎた処分は逆にその上司に対する人権侵害にさえなる危険があるのではないか、という懸念を申し上げました。
私が「一方的な解任ではないか」と疑念を持つ根拠があります。
 それは、この、事務局長の解任に関連して、そこで働いている嘱託・臨時の従業員から市長あてに2度にわたって「嘆願書」が出ていることですが、「嘆願書」が2度にわたって出ているのは事実ですか。そこにはどのようなこと書いて訴えがされていますか。

≪東堂市長公室長≫ 嘆願書が提出されているということにつきましてはその通りだということでございまして、内容といたしましては、「事務局長の解任について反対する」という旨の嘆願書という風に受け止めているところでございます。

≪庄子≫繰り返しお尋ねしますが、解任に至るにあたって理事会はどのような調査を行い、その調査が公平に行われたということについて私は疑義があるのですけれども、理事会がどのような調査を行って解任したかということを知っていますか。理事会がどのような調査を行ったか、そのことについて把握していますか。

≪東堂市長公室長≫そのことも含めまして現在市におきましても、いろいろ聞き取り等を行って調査をしているということでございます。

≪庄子≫結局、この事態が施設運営にいろいろ影響がありうるということで市が調査に乗り出した、ということですよね。私は、さらに申し上げますと、一緒に働いていた職員の方々が、圧倒的職員の方々が、事務局長の解任に反対していると、いうことは、理事会の決定と現場で働いている人たちの見方が全く逆だということだと思うのです。
 公の施設は市民のための施設であります。そこで働いている人たちは、市民にサービスを提供する方々であります。その現場で働いている方々が、理事会と全く別の見方をしているということ自体、私は、事態の全体の把握のもとにこの処理が行われたのかという点では、いささか、というよりは、大きな疑問があるわけですよ。
 それでは、なぜ現場で働いている方々が、この理事会の決定に対して疑義を唱えていらっしゃるか。それは、一緒に働いてきた事務局長の仕事ぶりを評価している。全く逆なんですね。
 そういう点からいっても、私は、理事会が事実を調査し、客観的で公平な解明のもとに、責任の所在を明確にして事態の解決や処分を行うという点で不十分さが残っていたのではないか、という風に思います。
 そして、なぜ嘱託・臨時の職員の方がそのように言っているかというと、長年、この職場における様々な業務運営上の問題点を感じ、その業務運営上の問題点を正してきたのが事務局長だと、もしここでこの事務局長が解任されれば、長年のそういう問題点が、解決されるどころか、以前のような状況に逆戻りするのが一番不安だと、このように訴えている。嘆願書がこのように訴える、その根拠について市は把握していますか。こういう訴えがあるということについてどのように理解していますか。

≪東堂市長公室長≫嘆願書の内容につきましては、そのようなことも書かれているということも認識してございまして、繰り返しになりますが、その事実確認が大事であろうと考えておりますので、現在調査を進めているというような状況でございます。

≪庄子≫実は、この法人には市から理事も派遣されているわけです。市から派遣されている職員も理事の一人なんですね。にもかかわらず、あとから疑義が出るような、調査をしなければならないような理事会の決定に至るまでの間に、市が適正な調査や指導ができなかったのか。ということが問われるわけです。それとも、その法人は市の指導を受け入れなかったのか。無視したのか、という疑念さえ出てくる。
 100%市出資の法人は「私企業」ではないのです。市民の共有財産なわけです。それが、市からの指導や助言も全く聞く耳持たずというようなことが、仮にもあってはならない、と思いますが、なぜ、市から理事が派遣されているにも関わらず、あとからこういう調査をしなければならない決定が出るのか。しかも、理事会側の見方と、現場で実際に市民に対してサービスを提供して一所懸命働いている従業員の方々と全く別の見方をするような事態がなぜ起きたのか、ということが私は大問題だと思います。この件についてはいかがですか。

≪東堂市長公室長≫ その法人につきましては市の職員も理事として参画してございますので、理事会においてですね、理事としての立場で意見も申し上げているという風に伺っているというところでございます。指定管理をお願いしている団体でございますので、先ほど申し上げました通り、地方自治法におきましては、実地調査等を行って適正な管理を行うために必要な指示等も行うということでありますので、それにのっとって市として対応するべきものというように考えているところであります。

≪庄子≫私は、理事会が、「パワハラ」のようなことがあるような職場であってはならないと、このようにお考えになったということは理解できます。
しかし、そのパワハラの事実そのものの調査がはたしてどうなされたのか、ということからいっても、私は公平性に欠ける部分があるのではないかと。さらには、公社運営全体にかかわる問題もはらんでいる。ここでは触れませんが、聞くに堪えないようなお話もずいぶん出てくるわけです。そういう問題をただそうとしていたという風に従業員の方々は見て、継続が必要だと訴えていらっしゃる。そのことの事実はここではあれです(控えます)けれども、それらも含めて配慮する必要がある。
そういう点からいえば、理事会の決定には、私は再検討すべき事柄があるのではないか、という風に思うのです。
市としては、継続中の調査を早急に完了させて、その調査も踏まえて理事会とよく話し合って、指導する必要があるのではないでしょうか。さっきも申しあげましたように、この公社は、市の公の施設を管理するために設立された市が100%出資している団体です。決して個人商店じゃないのです。市の指導や助言を拒否することは絶対ありえない団体のはずです。ですから、よく話し合って、必要な指導助言もして、正すべきは正すと、こういうことをやらないと、市民にサービスを提供する施設の運営としては問題を残すという風に思います。  
そういった点で、市として責任を持った対応をしていただきたいと思いますが、これは、担当の部長というよりは、担当の副市長いかがですか。

≪佐藤副市長≫指定管理の問題ですので、私のほうからお答えを申し上げたいと存じます。
いずれ何度か出ましたように「調査中」であります。議員がおっしゃいますような「真逆」のお話がよく出てきていることでありますけれども、嘆願書が2度にわたって出たのも事実であります。従いまして、私どもは、個々人の御都合もありますので調査は完了しておりませんが、早急に調査を完了させまして事実を把握いたしまして、不適切なことがあればしっかり指導してまいりたいと思います。

≪庄子≫これは非常に重要な問題です。責任を持った対応をしていただきたいと思います。

②町内会補助金について

≪庄子≫
 市民部長さんにお聞きします。先ほどの御答弁では、いろいろ意見もあったので減額にならないようにする、ということだったのですけれども、結局「まず来年は心配するな」と、こういうことでしょうか。

≪細川市民部長≫はい、何というか、私ども最初は「全体として減額にしないように」と、いうことで留意してまいりましたが、そのうえで個別の町内会・自治会に置きましても、26年度と比較して実質的に減額にならないように制度を作ることとしておりますので、そのようにご理解いただければと思います。