2015年12月定例会 鈴木礼子議員の一般質問

 
質問項目 (クリックするとジャンプします)
市長の政治姿勢について
 ▼TPP「大筋合意」について
 ▼米価暴落対策
ごみ処理広域化計画について
 ▼用地選定と現クリーンセンター「覚書」
空き家対策について
 ▼実態調査結果
 ▼利活用について
 ▼適正管理
学校施設の中長期計画について
 ▼複式学級の解消
 ▼財政優先の学校施設計画でよいか
学校給食について
 ▼都南給食センターの更新について
 ▼単独調理校について
 ▼中学校「ランチボックス」見直しを

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 質問  答弁
≪鈴木礼子≫ 市長の政治姿勢について

TPP について 日米を含む12か国が交渉してきた環太平洋経済連携協定(TPP)は、10月5日「大筋合意」を発表して閉幕しました。政府の発表によれば全輸入品目の95%で関税を撤廃する内容です。

 国会決議で聖域とされた重要5品目(コメ、麦、牛、豚肉、乳製品、甘味資源作物)での完全撤廃も含まれており決議違反であることはあきらかです。

 農林水産物では2328品目中1885品目、約81%で関税を撤廃し、さらにそれにとどまらず農林水産品でこれまで関税を撤廃したことのない834品目の約半分が即時にあるいは一定の期間で撤廃するという驚くべき内容です。
対象品目には小豆、落花生、こんにゃくなどの畑作物、りんご、サクランボウ、ブドウなどの果実、鶏卵、鶏肉などの畜産品、各種合板や建築用木工品などの林産品、ノリ、コンブ、アジ、サバ、ブリなどの水産品など多岐にわたります。

 安い輸入品が増えて国内の農家や地域産業が大打撃を受けることは必至です。しかも、政府は食料自給率を現在の39%から45%に引き上げるとした「基本計画」を決めていたのにもかかわらずこれらにも完全に逆行する内容です。

 また、農業分野だけではなく、食の安全・安心をも脅かし、投資の自由化や知的財産、電子商取引、環境問題など幅広い分野で多国籍企業に有利な経済ルールを作ろうというもので、地域経済、雇用、医療、保険など国民生活に計り知れない重大な影響と国のあり方を大きく変える事態であり到底容認できるもではありません。
安倍首相は「大筋合意」について「例外的に関税を残し、国会決議は守られた」と述べましたが、国会決議違反は明白であり、国益に反する大譲歩が行われたことはあきらかではありませんか。

 市長は、県市長会として県に対して緊急要望を行っていますが、あらためて「大筋合意」に対する市長のお考えをお聞かせください。また、市内地域経済、及び農業への影響等どのように把握されていますか。お示しください。
 政府は、早々に総合対策本部を設置し「国内対策」を具体化しようとの動きですがまさに本末転倒です。閣僚声明では、大筋の成果を公式なものに整えるために「準備を継続する」としましたが、国会決議では「交渉により収集した情報は国会に速やかに報告」し、「国民への十分な情報提供を行い幅広い国民的議論を行うよう措置する」と明記されているもので国会決議に則した対応こそ急ぐべきではありませんか。

 「大筋合意」は最終合意ではありません。協定文書さえできておらず、これから調印・批准を経て発効するまでにまだ多くの手続きがあります。公約違反、秘密主義で農業者、国民をだまし討ちにしたTPPの協定書作成作業から撤退し、調印を中止するよう政府に強く求めるべきではありませんか。
 いかがですか。ご所見を伺います。
≪谷藤市長≫ 鈴木礼子議員の御質問にお答え申し上げます。
はじめに、TPPの「大筋合意」に対する所見についてでありますが、国が、11月25日に決定した「総合的なTPP関連政策大綱」において、農林水産業につきましては、「攻めの体質強化策」として次世代を担う経営感覚に優れた担い手の育成支援や輸出拡大に向けた体制など、農林水産業の成長産業化に必要な対策を集中的に講ずることとされております。
また「重要5品目の経営安定対策」といたしましては、国別枠の輸入量に相当する国産米を国が備蓄米として買い入れることや、牛肉、豚肉の生産者の赤字補填制度の見直しなどの措置を講ずることとされており、これまで岩手県市長会を通じて要望してきたことが、ある程度盛り込まれたものと存じております。
次に,TPPの地域経済への影響についてでありますが、農林水産業をはじめ広範な分野において、国民生活に大きな影響を及ぼすものであり、特にも産業基盤の脆弱な岩手県においては、経済や生活などへの影響が懸念されるものと存じております。
しかしながら、TPPの経済効果や影響の試算は年内に公表されると伺っており、対策についても詳細が明らかになっていないことから、現段階では地域経済に係る影響を具体的に把握することは難しいものと考えておりますが、今後、県の試算などが明らかになった段階で、同様の条件で試算したいと考えております。
次に、TPPの協定書作成作業についてでありますが、国は「総合的なTPP関連政策大綱」においては、「農政新時代」を創造し、生産者の努力が報われる農林水産業を実現するとしております。
市といたしましては、これらの動向を注視するとともに農林漁業者の懸念と不安を払拭し、TPPが真に経済再生や地方創生に直結するものとなるよう、また、持続可能な農林水産業を確立することなどについて、岩手県市長会等を通じて、引き続き国に要望してまいりたいと存じます。
≪鈴木礼子≫ 米価対策について

 雨続きで遅れがちだった今年の米作は全県的には作柄は良好ということです。農家の方からは「農家にエサ米を作らせ主食用のコメを(78、000t)輸入するなんてどう考えてもおかしい。安い輸入品に押されて畜産や酪農がつぶれれば、エサ米の買い手もなくなる」との悲痛な声です。
 27年産米は、全農岩手県本部のJA概算金が、ひとめぼれで10,000円になり、大幅に下落26年産米と比べると一定の回復が見られます。しかし、生産費には全く及ばない水準ではないでしょうか。
加えて26年産米から経営所得安定対策が10アール当たり15,000円から7,500円に半減され、米価変動補てん交付金も事実上廃止となり、稲作農家の経営が圧迫されています。

 大規模農家ほど経営が圧迫されていますが、農家の現状をどのように把握されていますか。昨年度の担い手農家の平均的な15ヘクタール規模、30ヘクタール規模の集落農家の場合について前年と比べて減収はいくらか。農家全体の減収額についてお知らせください。また、減収への市の支援策についてお知らせください。
 
 国産米が暴落しているときに緊急買い入れは行わず、TPPによる輸入増分は買い入れするという農林水産省は一体どこの国の役所かと言いたくなりますが、政府に対して緊急対策も含め「コメの需給と価格の安定」に責任を果たすことを強く求めると同時に価格保障、所得補償を柱とした抜本的な対策を講じるべきではありませんか。いかがですか。

≪谷藤市長≫ 次に、米価対策についてでありますが、コメの需要と価格安定につきましては、国は、無関税輸入枠による輸入量を上回る備蓄米の買上げを行う方向を示しておりますが、このような対策が一時的なものとならないよう、法制化を含む恒久的な対策とすることを岩手県市長会等を通じて国に要望しているところであります。
また、米の価格保障、所得補償とした抜本的な対策につきましては、米価下落の一因である過剰米の市場隔離や、農業に及ぼす影響が大きい米の需要調整を、平成30年産以降も引き続き国が責任をもってコントロールすることなどについて、岩手県市長会を通じて国に要望しているところであります。いずれにいたしましても、農家が明るい展望を持って、持続的に農業に従事できるよう、県及び関係農協とも連携しながら農家に支援に努めてまいりたいと存じます。

≪畑澤農林部長≫ 平成26年産米と25年産米の減収額についてでありますが、26年産米のナラシ対策による補てんが行われましたので、25年産米との比較で試算しますと、減収額は、15ヘクタールの大規模稲作農家では、「ひとめぼれ」、「あきたこまち」など主要4品種平均で約177万円、30ヘクタールの集落営農組織では、約354万円と見込んでおります。
次に、農家全体に減収額についてでありますが、主要4品種の総額で、約6億4,100万円の減収と試算しており、ナラシ対策の効果により、昨年の試算と比較して減収幅が縮減されたものと存じます。また、26年産米の清算金も交付されますと多少ではありますが、減収分が更に緩和されるものと存じます。
次に、市の支援策についてでありますが、経済的な支援を実施する予定はありませんが、再生産の資金繰りに支障をきたさないよう、経営所得安定対策における交付金の年内支払いに向けて、事務を執り進めるとともに、ナラシ対策への加入促進を図ってまいりたいと存じます。


≪鈴木礼子≫ ごみ処理広域化計画について

 市は、この間「基本構想」についての説明会を市内4カ所で開催しましたが、4会場の参加者数と寄せられた意見等についてお知らせください。また、説明会開催での結果をどのように総括されているのか。今後、市民への情報提供などはどのようにされていくのかお知らせください。
 さて、私は、過日、開催された第2回県央ブロックごみ処理施設整備候補地検討委員会を傍聴しましたが、施設整備に必要な面積、施設整備が可能な要件、候補地の評価方法等について協議されました。

 今後、第一次の用地選定についてコンサルタントがピックアップし、それらについて客観的評価を行う第2次選定を行い、検討委員会としては28年10月頃をめどに最終候補地3カ所を絞り込み、12月には報告書を提出する計画です。

 協議の中では、住民合意形成について「客観的な判断が難しくどの部分まで理解を得るのか基準が必要」などの意見が出されましたが、市は最低でも現クリーンセンター周辺の20町内会が締結した「覚書」について、経過と現状につて説明をする必要があったのではないでしょうか。ここでも住民の意思が軽んじられた思いです。
 「覚書」は、基本計画策定の段階から関係住民と協議をすることとし分散型立地を原則とするとしていますが、基本構想策定段階でも一言も触れられず一極集中による計画が強引に進められています。  

 先の10月議会で、伊藤環境部長は、基本構想が1極集中になっていることと「覚書」の分散立地の原則についてその矛盾は認めるとしつつも、現状では松園地域がどういう位置づけにあるかは白紙であり、候補地検討委員会において松園地域が候補地に挙がった時にはゼロから説明をするとの回答です。

 一方、市は、松園地区町内会で組織する松園地区自治協議会(三役)に対し、「覚書」の分散立地条項の削除を求める申し入れを行ったということですが、このことについて現クリーンセンター周辺地域で結成されている「ごみ処理広域化計画の撤回を求める会」が、強い抗議と「覚書」の誠実な履行を求める要請を行いました。
これらの事実関係について説明を求めるものです。
「撤回する会」は、今回の市の対応について、現クリーンセンターを新施設用地として想定していることを示すものであり、明らかに「覚書」を破るもので許すことはできないと断じましたが、周辺住民にとっても市民へも説明つかない矛盾した対応となっているのではありませんか。いかがですか。
 
 ごみ処理広域化計画は、白紙に戻して検討しなおすことを強く求めるものです。

≪伊藤環境部長≫ 県央ブロックごみ・し尿処理広域化基本構想に係る説明会についてですが、本年11月9日から12日にかけて市内4会場で実施し、参加者は合計33名でした。説明会における主な質問や意見としては、建設や運営費のコストの関係では「基本構想のコスト比較において、どのような費用が入っているのか、また、用地費等はなぜ入っていないのか。」との質問が、ごみ減量化の関係では「ごみの減量化や再資源化について、もっと減らす努力のもとにやってほしい。」との意見が、地域との覚書の関係では「今後の周辺住民への説明はどのように行うのか。」との質問等が出されました。
 
 説明会は、市広報やホームページで開催のお知らせをしたものの、参加者は少なかったと存じております。しかし、参加した方々からは、熱心な質問や意見が出され、ごみ処理広域化に関する市民の関心の高さを感じ取ることができましたことから、今後とも、広報や各種懇談会等の機会を捉えて、市民の皆様に、ごみ処理広域化についての情報を提供してまいりたいと存じます。

 次に、整備候補地検討委員会で、覚書について経過と現状を説明する必要があったのではないかについてですが、本年9月及び11月に開催した整備候補地検討委員会は、現在、選定手順、評価項目及び評価基準等の検討を行っている段階であり、検討対象となる、地域において個別に考慮すべき事項については、今後の検討委員会の協議の中で、説明を行っていく必要があるものと存じております。

 次に、松園地区自治協議会に対して、覚書の「分散型立地」の削除を求めたのではないかについてですが、松園地区自治協議会の代表者の方々に対して広域化基本構想の説明を行うとともに、覚書の確認のため相談させていただいたものであります。その際に覚書の「分散型立地」の部分が、本構想に掲げる方向性と合致していないことを説明し、その対応の一つとして該当する部分を削除するという選択肢の可能性につてご意見を伺ったものであり、削除を要請したものではありません。
また、覚書には、新しい施設の立地場所については、現在の所在地にこだわらず協議することになっておりますことから、今後の進め方などを相談することは、矛盾しないものと考えております。
なお、整備候補地については、これから条件を精査しながら協議を進め、整備候補地検討委員会のスケジュールに沿って、段階的に選定してまいります。

≪鈴木礼子≫ 空き家対策について
11月17日開催の総務常任委員会において、盛岡市空き家等対策計画(素案)(以下「対策計画」)が示されました。
 今後、国の財政措置を待ちながら具体化が図られることになりますが、改めて計画の概要について説明をいただきたいと思います。あわせて、空き家等の実態調査の結果についてもお知らせください。

 「対策計画」は、総合計画基本構想の「安心・安全な暮らしの確保」方策のひとつとして位置づけたとのことですが、総合計画では重要な柱の一つに人口減少・少子高齢化の進行を見据えたまちづくりが位置付けられました。また、さきごろ発表された「盛岡市まち・ひと・しごと創生総合戦略」では、人口対策として重点的な施策が取りまとめられましたが、これらとの整合性についてはどのような検討が行われたのでしょうか。

 市の「対策計画」が、空き家特措法に基づいた「安心・安全な暮らしの確保」は当然として、喫緊の課題として若者の定住促進や子育て支援施策に連なる重要な計画としての位置付けが弱いように受け止めますが、いかがですか。
 私は、先の議会で先進的に取り組んでいる松江市の例を紹介しましたが、松江市はご存じのように「空き家を生かした魅力あるまちづくり」と「空き家の利活用をすすめまちなかへの居住促進を図る」施策を一体化させ、市独自の財政支援をはじめとして積極的な施策を展開しています。
 当市の空き家率は、国平均13・5%と比較しても14・4%と高く、更に上昇傾向が続いており対策が急がれていることは周知のとおりです。

 市としても、空き家対策を実のあるものとするためにも体制の強化や窓口の一本化を図りつつ、子育て中の若い人たちの定住促進などの重点地区を設定し目に見える施策の展開が必要ではないでしょうか、いかがですか。
特に、空き家バンク制度のモデル地区でもあった松園地区は、地域協働による地域づくり計画で、空き地・空き家の活用についても位置付けています。
 子育てしやすい環境として評価の高い松園地区を重点地区として位置づけ、施策の推進・強化を図るべきではありませんか。ご所見を伺います。

適正管理について


 この夏に所有者不明の空き家にスズメバチが巣をつくり、住民から撤去の要請がだされました。担当課に対応をお願いしたところ、所有者の確認がなければ作業はできなとのことで巣の撤去には至りませんでした。
市は、所有者(ご夫婦ともすでに死去、親類縁者見当たらず)の確認が取れなかったため、即、危険はないとの判断で「スズメバチの巣あり危険」の標識をつけただけの打つ手なしの対応だったかと思います。
その後、地域の方が工夫を凝らして撤去しましたが、このようなケースについて、今後はどのような手立てが取られ改善が図られるのか、お知らせください。

≪細川市民部長≫ 盛岡市空き家等対策計画の概要につきましては、空き家等対策の推進に関する特別措置法第6条第2項の規定により、空き家等の調査に関する事項、適正な管理の促進に関する事項、空き家及びその跡地の利用の促進に関する事項並びに住民からの相談への対応に関する事項などを定めることとしておりますが、特に、町内会・自治会の協力により実施した空き家等実態調査の結果をもとに、市内の空き家等の現状と課題を分析したうえで、施策の方向性を明らかにするとともに、できるだけ具体的に取組を示してまいりたいと存じております。

 次に、空き家等実態調査についてでありますが、11月14日時点で市内、には空き家が3,093件、空き地が386件あり、このうち、地域で特に困っている「問題のある空き地」は802件、「問題のある空き地」は167件となっております。
地域の実情を把握されている町内会・自治会のご協力により実施したことから、実態に近い結果が出たものと認識しておりますが、現在、職員による現地確認を進めており、全体的なデータの整理を行った上で、今年度中に台帳を整備するとともに、最終結果をまとめることとしております。
次に、「総合計画」や「盛岡市まち・ひと・しごと創生総合戦略」との整合についてでありますが、「総合戦略」は、「総合計画」に掲げられた各般の取り組みのうち、人口対策として、今後5カ年の間に特に重点的に取り組む必要があるものを政策パッケージとして取りまとめたものであり、既に、「総合戦略」の戦略の1つである「安心して子どもを産み育てられる環境整備」の計画事業として「空き家バンク制度の普及」を位置付け、子育て世代の住み替えによる住環境の改善を図ることとしているほか、今後、「対策計画」に基づく、具体的な施策につきましても、同様に「総合戦略」に定める各戦略や各事業との整合を図りながら検討してまいります。
次に、体制の強化や窓口の一本化についてでありますが、当面は、適正管理に関する施策につきましては市民部が、総括的な利活用に関する施策につきましては都市整備部が、さらに、具体的な利活用ご相談等につきましては、所管する部署が連携して対応することとしておりますが、体制の強化や窓口の一本化につきましては、取組を進めながら、引き続き検討してまいりたいと存じます。
次に、所有者が不明又は所有者が亡くなり、相続人が存在しない空き家等について今後はどのように改善が図られるのかについてでありますが、このような空き家等が特定空き家等と認められれば、法律及び条例に基づき、代執行や応急措置を行うこととなりますが、空き家等に該当するかどうかにつきましては、個別に判断されるものと存じております。
なお、所有者が不明又は所有者が亡くなり、相続人が存在しない空き家等への対応が全国的にも問題になっておりますが、本来は、民法の規定により、所有者にない不動産として国庫に帰属するものと存じております。
しかしながら、手続や費用の問題により現実には国庫に帰属させることが難しいと伺っておりますので、国に対して新たな制度の創設を求めることなど、同様の課題を抱える他の自治体とも情報交換しながら、効果的な対策につきまして研究してまいりたいと存じます。

≪藤島都市整備部長≫
「盛岡市空き家等対策計画」の若者の定住促進や子育て支援施策に連なる計画としての位置付けについてでありますが、今後、国が示す「市町村が行う空き家対策計画に基づく対策の適切かつ円滑な実施に要する費用に対する補助や地方交付金税制度の拡充等」の具体的な内容を見ながら、具体の支援事業の検討を行うこととしており、その状況等を踏まえ、ご指摘の内容も踏まえながら、必要に応じ、「対策計画」の見直しを検討してまいります。
次に、定住促進なその重点地区を設定することについてでありますが、空き家等につきましては、全市的な対策が必要と存じており、空き家等バンク制度につきましても、今年度から、対象を市街地化区域全域に拡大して運用しておりますことから、今後の空き家等バンク制度の実績や「対策計画」に基づく具体の対策の実績などを踏まえながら、必要に応じて検討してまいります。
なお、松園地区につきましては、これまでも地域の皆さま方のご協力を頂き、社会実験としての空き家バンク制度に取組んでおりますことから、地域協働による「松園地区地域づくり計画」の『自然・環境分野』の活動計画に空き地・空き家の活用が位置付けられていることも踏まえながら、引き続き地域のご協力をいただき、空き家等の対策を進めてまいります。


≪鈴木礼子≫ 公共施設保有最適化・長寿命化中期計画について(以下「中期計画」)、学校施設に絞って伺います。

 このたび、公共施設の老朽化に伴い多額の更新費用を伴う一方、人口減少で税収の減少が予想される中、人口減少に応じた施設の保有を維持し持続可能な市民サービスの提供を目指すとした「公共施設保有の最適化と長寿命化のための基本方針」のもとに、28年度から37年度までの10年間の「中期計画」が示されました。

 学校施設では、計画年間で維持更新総費用の56・2%の304億5千万円の経費が必要とされ、限られた財源を全ての小中学校の大規模改修に充てることは困難との指摘です。

 「中期計画」は、①複式学級の解消、②全学年が単学級となる小学校10校、中学校2校について適正規模の配置を検討する、③小学校の大規模改修に合わせて児童館・児童センターの機能の受け入れを検討するなど6点について具体的な方向を示しました。
伺いますが、「全学年が単学級となる小中学校の適正規模の配置を検討する」ということは統廃合を進めるということでしょうか。具体的には何を指しているのかお知らせください。

 一方、市教委は、児童・生徒数が減少する中、小中学校適正配置基本方針及び基本計画で、望ましい学校規模を小学校は12学級以上18学級以下、中学校は9学級以上18学級以下とし、適正基準を満たしていない小中学校については、小規模化による教育環境悪化の解消を図る必要があるとして、当面、複式学級の解消を進めています。

 小規模化による教育環境の悪化とは何を根拠にしているのでしょうか。また、複式学級の解消では、進捗状況と今後の計画及び学校が廃止されたことによる影響など、どのように把握されていますか。(地域コミュニティなど)
全学年が単学級となる小規模校は、「中期計画」期間内では何校になるのか、また、「中期計画」で適正規模の配置が検討されるとした小学校10校、中学校2校についてはそれぞれ何を基準に決定されたのかお知らせください。校名も合わせてお示しください。

 複式学級の解消は、小中学校適正配置基本計画に沿って進められていることは承知していますが、適正配置の検討対象となった小学校10校、中学校2校については、どのような基準で、いつどこで決定されたのでしょうか。
特に、米内地区では、これらが計画通りに進むようなことになれば地域から学校施設がなくなるという深刻な状況が生まれるのではありませんか。学校施設は、地域の絆の拠点でもあり文化、震災対策などあらゆる意味で地域コミュニティの核となっている施設です。

 だからこそ、適正配置基本方針策定にあたって適正配置検討委員会が「学校が地域活動の拠点として機能しており保護者、地域の意見を十分聞くこと」との留意事項が記されているのではなかったのか。

 何よりも、市教委が、適正配置基本計画で単学級による小規模校については、その方向すらも示していない中で、財政的に全ての学校の大規模改修は困難という財政的な根拠が優先される対応であっていいのか否か問われています。納得のいく説明を求めます。

 11月12日、松園地区活動センターで「中期計画」の市民説明会が開催されましたが、学校施設については東松園小学校が「適正規模の配置の検討」対象とされたこともあり、参加者からの意見が相次いだとのことです(12月1日発行の松園新聞)。
説明会での内容及び対応についてお知らせください。

≪鷹嘴教育部長≫ 全学年が単学級となる小中学校の適正規模の配置を検討するとは、統廃合を進めるということか、についてでありますが、市教育委員会では、学校の適正配置については、盛岡市小中学校適正配置基本計画に基づき、喫緊の課題である複式学級の解消に取り組んでいるところであり、その後の具体的な計画は定めておらないところであります。

 盛岡市公共施設保有最適化・長寿命化中期計画は、平成28年度から10年の計画期間であることから、期間内に、単学級となる小規模校などについても、検討が必要になるものと想定されましたので、「中期計画」では、「適正規模の配置の検討」と位置付けをしてありますが、学校の統廃合を前提としたものではないものであります。
次に、小規模化による教育環境の悪化とは、何を根拠にしているのか、についてでありますが、文部科学省作成の中央教育審議会資料によりますと、小規模化のデメリットについて、「集団の中で、多様な考え方に触れる機会や学び合いの機会、切磋琢磨する機会が少なくなりやすい。」「運動会などの学校行事や音楽活動等の集団教育活動に制約が生じやすい。」、「部活動の設置が限定され、選択の幅が挟まりやすい」などが挙げられており、これらによるものであります。

 次に、複式学級解消の進捗状況、今後の計画、学校が廃止された影響をどのように把握しているのか、についてでありますが、平成24年11月に策定した盛岡市小中学校適正配置基本計画では、複式学級の解消の対象校として、小学校8校、中学校1校がありました。この内、浅岸小学校、外山小学校及び薮川中学校については、26年3月末に閉校し、川目小学校については、28年3月末の閉校を予定しているところであります。今後は、残る5校について、保護者や地域の方々と協議を進めてまいります。
また、学校が廃止された影響についてでありますが、閉校した地区で行われた、学校とPTA共催による地区懇談会においては、子どもたちが、元気に活躍しているという声が出ておりますが、閉校による影響については、特に、意見等は出されていない、と伺っております。
 なお、新しい環境での子どもたちの状況としては、運動会で大勢の中での応援や、集団演技に感動したり、自分の希望するクラブ活動や委員会活動に積極的に参加したり、応援団リーダーとして活躍したりするなど、いきいきとした活動の様子が伝わってきております。

 次に、「中期計画」期間内における、全学年が単学級となる小規模校は、何校になるのか、についてでありますが、小学校10校、中学校2校であります。

 次に、中期計画で適正規模の配置が検討されるとした小学校10校、中学校2校については、何を基準に決定されたのか、についてでありますが、「中期計画」で、適正規模の配置が検討されるとした小学校は、杜陵小学校、大慈寺小学校、米内小学校、河北小学校、山王小学校、太田小学校、太田東小学校、東松園小学校、羽場小学校、都南東小学校で、中学校は、米内中学校、玉山中学校であります。これらは、現在の住民基本台帳の状況から、推計可能な平成33年度までの児童生徒数を基準として、計画案としたものであります。

 次に、適正配置の検討対象となった学校については、いつどこで決定されたのか、についてでありますが、「中期計画」において検討するとしているのは、先に申し上げましたとおり、「適正規模の配置の検討」であり、小学校10校、中学校2校について、「適正配置基本計画」に取り込む決定をしたものではないものであります。

 次に、市教委が適正配置基本計画で、単学級による小規模校について方向性すら示していない中で、財政的な根拠が優先される対応であっていいのか、についてでありますが、市教育委員会では、適正配置について、喫緊の課題である「複式学級の解消を図ること」を優先して、保護者や地域の方々に、望ましい教育環境のあり方について丁寧な説明を行い、地域全体での合意形成を図りながら取り進めており、施設の課題や、財政的な理由をもって適正配置を推し進めることは、すべきではないものと存じております。

 次に、松園地区活動センター説明会での内容及び対応についてでありますが、学校施設に関しては、「適正規模の配置を検討とあるが、具体的には何を意味するのか。」「適正規模の配置の検討のような表現ではなく、具体的な表現を使って案を住民に提示し、議論を深めた方が良いのでは。」「学校統廃合を進める前に、学区のあり方を検討すべきでは。」、「中学校では生徒数が少なく部活が限られているが、好きな部活に入れるよう、適正規模の学校にしていく必要があるのでは。」といった発言がありました。
 これに対し、「適正規模の配置を検討」することの具体的な意味について、「適正な学校規模を小学校は12から18学級、中学校では9から18学級としているが、現在は、喫緊の課題である複式学級の解消に取り組んでおり、全学年が単学級になる小規模校の対応に関しては具体的な計画は定めていない。今後検討が必要になる」と回答し、その他の発言につきましては、計画を進める上での貴重なご意見として承ったものであります。
≪鈴木礼子≫ 学校給食について
 第一次学校給食施設整備実施計画(以下「実施計画」)について伺います。
「実施計画」は、平成20年に設置された「学校給食検討会」が実施した2年間の調査・検討を踏まえて、22年3月に報告書を提出して以来7年目でようやく具体化されることになりました。

 都南学校給食センターが、32年に供用開始ということを考えると実に10年もの長い時間を費やしましたが、老朽化が進み劣悪な環境のもとにある施設を考えると遅すぎた対応と言わざるを得ません。一日も早い実施を求めるものです。
 市教委が平成24年11月に発表した「立小中学校給食基本方針」が、都南学校給食センターの改築と同時に旧市内小学校の単独調理場を段階的に共同調理場へ移行するとの計画について、多くの学校関係者、保護者、市民、そして議会からも単独調理場の存続を求める意見が出される中、基本方針が修正されたことを受けての「実施計画」でもあります。

 そして、いろいろ含みを持たせつつも旧市内小学校単独調理場については、一括して共同調理場へ移行するとした計画は見直しされたことは周知のとおりです。

 このたび示された「実施計画」は、実施期間を27年度から31年度までの5か年とし ①都南学校給食センターの代替施設となる共同調理場の建設 ②単独調理場の整備・集約化の検討 ③未実施の中学校選択制給食の具体化を進めるとの内容です。

 「実施計画」の最大の課題は、32年度供用開始となる都南学校給食センターの代替施設建設ということですが、なぜか都南学校給食センター建設ではなく(仮称)盛岡学校給食センター建設となっていることです。

 現状通り都南地域の小学校9校と中学校4校が対象ということであれば、都南学校給食センター建設とした方が自然ではないのかと思いますが、何か別に目的があって盛岡学校給食センターとしたのでしょうか。経緯についてお知らせください。

 また、建設候補地として向中野道明地区内を予定していますが、都南地域ではなく旧市内への建設となった理由についてもお示しください。

 道明地区への建設が、議会でも大きな論議となった調理後2時間以内の喫食を遵守することが可能なのかどうかという点です。調理後2時間以内の喫食は衛生管理基準上不可欠かつ重要な問題であり、食数や建設場所については十分な検討が求められていますが、この点ではどのような検討がされたのでしょうか。

 また、新施設は、調理能力1日6、000食を予定しており、現都南学校給食センターの1日5、200食と比べてもかなり多く、将来的には児童生徒数が減少する中で、なぜ、現施設と比較して規模も処理能力も大幅に拡大されているのか。

 あわせて「小中学校適正配置基本計画」「長寿命化方針」等の整合性については、どのような検討をされたのでしょうか。伺います。
 また、整備手法としてはどの手法を選択するか多角的に検討するとし、従来方式、PFI方式、デザインビルド方式について例示し、28年度までに手法を決定するということですが、具体的な進め方についてお示しください。
また、各手法のメリット、デメリットについてお知らせください。

 単独調理場の整備・集約化では、現在の敷地で支障なければ改築を行うが、学校給食衛生管理基準への適合、食物アレルギーへの対応、児童生徒の円滑な学校生活の確保に支障が生じる場合、これらを実施するために過大な財政負担を要する場合は、集約化するとしていますが、単独調理場の存続を求めるものです。
27年度は、学校ごとの個別の実態調査を行っていますが、進捗状況と今後の作業等についてお知らせください。

 教育長は、中学校選択制給食について、ランチボックス給食は完全給食に含まれると明言していますが、その根拠についてお示しください。
現在8校で実施されていますが、喫食率と傾向についてはどうでしょうか。
「将来的には生徒数の推移を見ながら、現行方式の継続やセンター方式への移行など完全給食を実施していくための方法を検討していくとしていますが、都南学校給食センターの代替施設(盛岡学校給食センター)での対応についても検討されているのでしょうか。伺います。

 
 ≪鷹嘴教育部長≫次に、名称を「盛岡学校給食センター」とした理由と経緯についてでありますが、現在の都南学校給食センターは、新たな施設が給食の提供を開始するまでの間、稼働を続ける必要がありますことから、同じ名称を使用することによる、混同を避けることなどを考慮し、仮称として「盛岡学校給食センター」としたものです。
次に、建設候補地を旧市内とした理由についてでありますが、現行の学校給食衛生管理基準に適合した施設を建設するために、必要な敷地面積を確保すること、食材の受け入れなどで利便性のいい場所であること、などを総合的に検討した結果、現在の候補地としたものであります。

 次に、道明地区における、調理後2時間以内の喫食についてでありますが、新しい施設の調理能力や配送に要する時間などを含めて、2時間以内の喫食を前提として検討しております。
次に、現在の施設と比較して、規模や処理能力が拡大する理由についてでありますが、現在の施設が対象としてい想定されていること、単独調理場が給食提供できなくなった場合に支援する機能を持たせることなどから、調理能力を設定したものであります。
次に、「小中学校適正配置基本計画」、「長寿命化方針」との整合性についてでありますが、現在の施設が対象とする学校の児童生徒数の推移や今後の統廃合の見通しについて検討するなど、整合性を図っております。
次に、整備手法の具体的な進め方についてでありますが、盛岡市PFI導入基本方針に基づき、PFI導入可能性調査を行うこととし、平成28年度に業務委託を実施したいと考えております。この調査では、施設整備や運営方法について、実施の可能性や効果とリスクの検証、市場調査による民間事業者の動向の把握等を行う予定であり、調査結果を基に、最も適切と考えられる手法を検討していくこととしております。
次に、各手法のメリット・デメリットについてでありますが、PFI導入可能性調査において、明らかになるものと存じており、次に結果を基に判断してまいります。
次に、単独調理場の整備・集約化についての進捗状況と今後の作業についてでありますが、現在学校給食調理場の設計・施工の実績がある業者に業務を委託し、10月30日から、調査業務を開始、平成27年度末調査報告を受ける予定となっております。
今後の作業につきましては、調査結果を基に、具体の検討に入りたいと考えております。

 次に、ランチボックス給食を完全給食とする根拠についてでありますが、学校給食とは、給食法施行規則第1条第2項において、「完全給食とは、給食内容がパン又は、米飯、ミルク及びおかずである給食をいう。」
と定めており、全員喫食の給食かどうかにかかわるものではないもの、と認識しております。

 次に、現在の喫食率と傾向についてでありますが、平成27年度1学期の喫食率は32.8%であります。
傾向につきましては、喫食率は学校毎にバラつきがあること、また、毎年行っております生徒へのアンケート結果では、給食を選んだ理由が「朝、保護者が忙しいから」が今年・昨年とも第1位で4割程度、給食を選ばなかった理由の第1位が「親や兄弟も弁当だから」、第2位が「保護者が作った弁当が好きだから」で、今年・昨年ともこの理由で5割近くを占めております。

 次に、盛岡学校給食センターでの対応の検討に、ついてでありますが、盛岡市立小中学校学校給食基本方針において、「将来的な生徒数の減少等の社会的情勢や調理施設の供給能力を見極めながら、運営方法の再検証・再検討を行っていくこととする」としておりますことから、(仮称)盛岡学校給食センターからの配食も選択肢の一つとして考えておりますが、今後の状況を見ながら検討してまいります。