質問 |
答弁 |
≪鈴木礼子≫ ごみ処理広域化計画について
松園・桜台・庄ケ畑地域の方が中心になって結成された「ごみ処理広域化計画の撤回を求める会」(世話人代表・佐藤信安氏と熊谷眞夫氏)が、7月21日、市長に対して県央ブロックごみ処理広域化計画の撤回を求める要請を行いました。
要請は、①8市町のごみを盛岡市内1カ所に集約して、日量500tのごみを処理する基本構想の撤回とごみは自区内処理を基本とした計画にすること ②現クリーンセンター建設時に地域住民と取り交わした「覚書」を厳守し、現クリーンセンターに新たな大型処理施設の建設をしないことの2点です。
「会」代表の佐藤信安氏は、広域化した北上市は、国や県がごみ処理の有料化、広域化、効率化を上から目線で押し付けごみ処理への住民参加を疎外している。市が主体となって住民の声を汲み取る枠組みをつくってほしいと要請しました。
応対した伊藤環境部長は、少子高齢化の中で効率的なごみ処理を行うために広域化を選んだ。用地選定はまだ決まっていないが、その過程で現クリーンセンターが候補地となったらゼロから説明すると応えましたが、参加者からは用地が決まってからでは「覚書」の主旨に反するとの強い抗議が出され、市は、「決まったからと上から押しつけるようなまねはいない」との苦し紛れの説明に終始しました。
広域化計画は、基本構想が示されてからわずか5カ月で決定するという市民無視の乱暴なやり方で進められました。私ども党市議団は、毎議会ごとに広域化の問題点を指摘し、経済効率を最大の理由に1施設集約化が先にありきの無謀な計画であり、白紙に戻し検討し直すべきと質してきました。
現在、施設整備候補地検討委員会が開催され、候補地選定業務委託の一般競争入札の公告が行われています。候補地決定までのスケジュールと作業の手順についてお知らせください。
候補地検討委員会が3か所に絞り込み、最終的に広域化推進協議会で決定するということですが、1カ所に絞り込むにあたってどのような評価が行われて決定するのでしょうか、お示しください。
「覚書」は、①計画策定の段階から住民と協議すること ②計画立案の際には分散立地を原則とし複数の立地を行うよう努めるものとするとしており、市は「覚書」は尊重すると繰り返してきました。
しかし、住民との協議どころか市内1カ所に集約すると決めておいて、「覚書」を尊重すると述べること自体、「覚書」を軽んじる矛盾にみちた対応としか言いようがありません。真に「覚書」を尊重するというのであれば、1カ所集中を取りやめるか、現クリーンセンター用地以外に建設するかしか方法はないのではありませんか。
その際、計画には、用地費、基盤整備費、取り付け道路の費用等は一切含まれておらず、現クリーンセンターを想定したコスト試算となっており、別に用地を見つけて建設ということになればコスト論は破たんします。どのような対応をなさるのでしょうか。ご所見をお聞かせください。
さて、現クリーンセンターは稼働から17年目になりました。日本一厳しい公害防止協定のもと日々の排出基準は達成されてはいますが、佐藤信安氏の報告では稼働後15年間では、約2000tの窒素化合物、硫黄酸化物、塩化水素などの有害物質、そして約0・3㌘のダイオキシンが降り注いでいるとのことです。周辺住民の一人として決して気持ちの良いものではありません。市は、この15年間に排出された有害排出物の数値についてどのように承知されていますか。
現クリーンセンターの2倍強のごみを焼却する1カ所集中では、周辺住民への環境や健康への影響は計り知れません。
中国の大気汚染をきっかけに広く知られるようなった微小粒子物質PM2・5は、吸い込むと肺の奥まで入り込み、肺がんや喘息を引き起こすリスクがあることが明らかになっています。
この間、排出源のひとつでもあるごみ焼却炉への対策は、バグフィルターで99・9%捕獲できるとして具体策がとられてきませんでした。全国的にごみ焼却炉周辺児童の喘息罹患率の数値が高く、昨今、厚労省がいうところの99・9%除去できるという見解の見直しが必至となっています。現にアメリカの環境保護庁(EPA)は焼却炉から発生するPM2・5が喘息の原因物質との発表を行っております。
ごみ焼却炉による喘息への影響について、吉田みゆき氏が盛岡市立小学校の喘息罹患率を調査しています。
吉田氏は、平成15~25年の市立小学校の定期健康診断疾病異常調査票を情報開示により市教委から資料提供を行い、各学校の罹患率、罹患率の平均値、市立小学校全体の平均値を求めました。
結果は、市立小学校の喘息罹患率の平均値2・1%に対し、平均値の上位5校が、都南東小学校(7・2%)、手代森小学校(5・9%)。見前小学校(5・8%)、土淵小学校(5・0%)、東松園小学校(4・2%)となったものです。
これら5校のうち土淵小学校が盛岡インターチェンジの傍ということ以外は、すべて焼却炉周辺約2キロ圏内にある小学校です。(都南東小学校は盛岡・紫波地区清掃センター、見前、手代森小学校は岩手県下水道公社汚泥焼却場、東松園小学校は盛岡市クリーンセンター)
市クリーンセンター周辺には、東松園小の他に北松園小、松園小、米内小がありますが、煙突からの排出物の落下地点が1・5~2キロメートルにあること。周辺の風向きが南南西方向に吹く確率が最も高く(クリーンセンターにおける風配図より)、その方角に位置している東松園小学校の数値が高くなっているものと考えられます。
吉田氏は、焼却施設やインターチェンジ付近の車の渋滞地域では、関東では気管支喘息が高い傾向が報告され、PM2・5との関係が指摘されてきた。盛岡市でも同様の傾向が見られ、焼却炉からの排ガスにPM2・5の微小粒子物質が放出されていることが示唆されたと述べておられます。
教育長に伺いますが、定期健康診断疾病異常調査は学校健康保険法に基づき毎年各学校で実施されていると思いますが、調査票は情報開示で提出されたことに間違いありませんか。また、これらの結果についてのご所見をお聞かせください。
現クリーンセンター稼働時にはPM2・5の情報はなく、公害防止協定では有害排出物として規定されておりませんでした。PM2・5の健康への影響の重大性を考えても、公害防止協定に入っていないなどとの責任逃れは通用しません。焼却施設周辺住民にこれ以上の負荷を負わせてはならないとの立場から、発生源への抑制対策が求められているのではありませんか。県との協議も行いつつ焼却施設周辺のPM2・5の測定を実施すべきではありませんか。いかがですか。
更に加えて、一極集中による大型焼却施設となれば周辺住民への環境・健康への影響は計り知れず、焼却施設周辺の住民に甚大な負担を負わせる無謀な計画は撤回以外にありません。市長のご所見をお聞かせください。 |
≪谷藤市長≫
鈴木礼子議員の質問にお答え申し上げます。
はじめに、県央ブロックごみ・し尿処理広域化基本構想の撤回についてでありますが、基本構想では、今後建設を予定するごみ焼却施設について、6施設建替、3施設集約、1施設集約などの複数のケースを想定し、ライフサイクルコスト、ライフサイクルアセスメントを試算し、比較検討を行いました。
検討の結果、1施設集約が経費が最も低く、また、県央ブロック全体の環境負荷が最も小さいことから、ごみ焼却施設について6施設を1施設に集約することとしたものであります。
今後、整備候補地の選定や基本構想を具体的にするための計画の作成にあたりましては、適宜、住民の皆様の疑問や不安等の様々な声に応えるため、作業の透明化を確保するとともに、十分な情報提供や説明を行い、ご理解を得ながら、基本構想に基づく広域化を推進してまいりたいと存じます。
また、新たに建設する施設には、最新の知見に基づく技術を導入し、国内でも最高レベルのものを目指すとともに、環境基準や環境対策については、法令に定める基準をもとに関係住民の皆様と協議し、環境負荷の低減が図られるよう進めてまいります。
≪伊藤環境部長≫
県央ブロックごみ処理施設整備候補地決定までのスケジュールと作業の手順についてですが、本年9月に第1回県央ブロックごみ処理施設整備候補地検討委員会を開催し、整備候補地選定に係るスケジュール等について協議していただきました。その中では、平成27年度は、面積や地形等の条件を定めて候補地の調査を行う地域を選定したうえで、28年度に10数箇所から段階的に候補地を選んでいき、28年度後半に整備候補地3カ所程度を候補地検討委員会として選定する予定としております。また、検討委員会での選定結果については、「県央ブロックごみ・し尿処理広域化推進協議会」に報告していただき、協議会としてこの候補地の中から、最終的に29年度中に1箇所を決定したいと考えております。
次に、整備候補地を1箇所に絞り込むに当たってどのような評価を行い決定するかについてですが、具体的な評価方法等については、検討委員会で今後検討することとなっており、3カ所程度から1カ所に絞り込む際には、環境面や経済性などの諸条件を総合的に勘案していくことになりますが、それにも増して、住民の皆様に候補地選定に係る必要な情報を提供しながら、住民理解を得ることが重要であると考えております。
次に、盛岡市クリーンセンター以外の場所に建設する場合、コスト論が破たんするのではないかについてですが、基本構想では、1施設集約以外でも現在の場所ㇸの建替えが保障されているものではないことから、全てのケースにおいて用地費を除いており、これらの一定の試算ルールに則して、6施設、3施設、1施設のどのケースが有利なのか、施設規模はどうあるべきかなどの基本的な考え方をまとめたものです。
この基本構想をもとに、これから候補地を決めることになりますが、候補地を絞り込む過程や、用地費等を含めて試算することになります。
なお、クリーンセンター周辺住民との覚書については、締結した趣旨に沿って今後とも鋭意協議してまいります。
次に、クリーンセンターで15年間排出された有害物質の数値についてですが、公害防止協定に基づく排ガス濃度の測定は行っておりますが、重量換算に当たり必要となる算定の諸条件の把握が困難であることから、排出物の重量については承知していないところであります。
次に、焼却施設周辺のPM2.5の測定を実施するべきではないかについてですがクリーンセンターの焼却炉から発生した排ガス中に含まれる有害物質は、バグフィルターによって十分に除去されているものと認識しております。また、焼却施設周辺における測定については、現在予定はございません。
≪千葉教育長≫
ご質問にお答えいたします。
初めに調査票の資料提供についてでありますが、平成26年4月に、吉田氏から、定期健康診断疾病異常調査票の情報開示請求があり、同月末に資料提供を行ったものであります。
次に、結果についての所見でありますが、市教育委員会で改めて調査票のデータ確認を行い、ご指摘の5校の数値は、その通りであることを確認しましたが、詳細を把握しておりませんので、このことについて申し上げることはできないものであります。
児童生徒の健康管理については、今後とも、日常の健康観察や定期健康診断の実施等により、適切に行ってまいりたいと存じます。
以上、ご質問にお答えしました。
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≪鈴木礼子≫ 安全安心の放課後対策について
市の人口ビジョンによると、当市の合計特殊出生率1・33が全国中核市47市中38番目に低い水準ということで大変驚いています。これまでも子育て支援施策は市政の重要施策のひとつとして掲げ「子育てしやすいまち」をめざしてきたのに、なぜ低い水準にとどまっているのか。子育て支援施策が、市民意識と大きくかい離した対応だったのではありませんか。どのような総括をされていますか。ご所見をお聞かせください。
今後5年間に、市民の希望出生率1・75の実現めざし「切れ目のない子育て支援」を展開するとの方針ですが、取り組みの本気度が試されているのではないでしょうか。市長のご所見を伺います。
さて、子育て支援施策の中でも遅れているのが放課後児童対策といってもいいでしょう。放課後児童クラブ(学童保育クラブ)、児童センターへの具体的な支援施策が急がれています。
① 放課後児童クラブへの支援について
放課後児童クラブは、働く親をもつ小学生の放課後や長期休業日の生活を保障し、そのことを通じて親の働く権利と家族の生活を守る役割を担っています。
共働き、一人親家庭の増加の中で、仕事と子育てを両立していくうえで安全な放課後の生活を求める願いが一層強まり、学童保育の入所児童が急増している一方で、「公的責任があいまい」「最低基準がない」「財政措置が不十分」など大きく立ち遅れていました。
今年度から「子ども・子育て支援新制度」がスタートし、放課後児童クラブは、国の基準に基づき当市でも基準条例がつくられ、市の実施責任が明確化され、放課後児童クラブへの公的支援がようやく具体化されることになりました。
設備基準は、児童一人につきおおむね1・65㎡以上、集団の規模は1施設おおむね40人以下とされ、5年間の経過措置があるものの基準を満たすための市の支援が義務付けられたことは大きな期待です。
今年度4月現在の放課後児童クラブは32施設、市社会福祉協議会と市社会福祉事業団が指定管理している施設が12施設となっています。
32の放課後児童クラブは、父母会、NPO法人、社会福祉法人、学校法人などがそれぞれ運営しておりますが、このうち利用児童数が41名以上のクラブが4施設、活動スペース1・65㎡未満施設が7クラブあり、これらは父母会が運営するクラブが大部分となっています。
これら基準に満たない施設への対策が急がれると同時に、市の基本姿勢が問われているのではないでしようか。
実は、過日、上田学童保育クラブから上田第2学童保育クラブ新築にあたって市から提示された施設整備費補助金では自己負担が多く、とても対応できないとの切実な声が寄せられました。
現施設は、41名前後の利用児童数ということですが、狭隘で1名あたりの面積はわずか1平方メートルほどです。これまでも、新1年生を受け入れるために退所希望を募ったり、入所規制をしたりしてきたということです。
このままでは来年度の新1年生は一人も受け入れられないという切迫した事情の中で、市に対して施設の改善や第2クラブの新築を要望してきました。
市は、施設の基準を満たし新1年生の受け入れを可能にするために、初のケースとして父母会運営の第2クラブ実現にむけて施設設備費を予算化していますが、具体的な内容についてお示しください。
父母会運営のクラブ施設整備への予算化は評価するものですが、社会福祉法人等が行う国庫補助金と同様の扱いとし、父母会負担を3分の1とした補助内容には疑問があります。その結果、多額の自己負担が発生しているのではありませんか。
放課後児童健全育成事業は、実施主体を市町村と定め、市町村が適切と認めたものに委託等を行うことができるとし、放課後児童クラブ整備費の国庫補助は、補助対象者を中核市、市町村、社会福祉法人、公益社団法人、公益財団法人、特定社団法人としています。
補助基準額は、工事費および工事事務費と24、42万7千円のいずれか低い方の金額としています。法人等が設置する場合は法人負担分が3分の1ですが、法人以外は市が補助対象者となっていることからも、従来から父母会などが運営してきた施設については特別の配慮が求められているのではないでしょうか。
父母会運営のクラブは、子どもの安心・安全の放課後を確保するために公的支援が乏しい中、やむにやまれず父母たちが協同して立ち上げた施設で、父母と指導員との協同責任で運営してきたものです。いわば経営的に不安定な中で保護者のボランティア精神と指導員の犠牲的精神で受け継がれてきた施設といっても過言ではありません。
学校余裕教室を活用している施設もありますが、大方は狭隘・老朽化がすすみ、築100年を経過する施設で耐震強度に不安を抱えながら70人以上の児童の受け入れをしている「こずかた保育クラブ」、民間住宅を借用している「山岸学童クラブ」は、すでに60名を超えて入所しており、今年度の新1年生の入所は抽選で行わざるを得なかったことへの無念を訴えていました。父母会運営の各クラブの実態はどのように把握されていますか。合わせて待機児童についてはどうですか。
本来、市が責任をもって対応しなければならないこれらの施設に対して、法人と同様の扱いにすること自体に無理があります。
このたび、予算化された第2上田学童保育クラブは、父母会運営による新築という点では市としても第1号の試みであり、後に続く施設にとっても大いに期待を寄せています。
父母会運営の施設整備については、基本的には公設民営で対応すべきものです。そのためにも学校余裕教室などの社会的資源の活用などが急がれているのではありませんか。どのような配慮を行うのか基本的なスタンスが問われていますが、基本方針を含めて対応についてお示しください。
② 施設・設備について
過日、滝沢市の巣子学童保育クラブ2か所を訪問してきました。
滝沢市は、全て公設民営による施設整備を行っています。一昨年新築なった施設(70名定員)は、天井を高くし窓を大きく取り、どの位置からも光が入るよう工夫されている木造の施設です。トイレも男女別々にそれぞれ複数カ所、調理場は安全確保のためホールから仕切られ、指導員の目の届く位置に配置されています。また、生活と遊びの場のホールの他に静養室、事務室、物置を設けています。
工事費は、諸経費を含めて4272万円余、国庫補助金を活用し市単独事業として対応したということですが、うらやましい限りの設備内容でした。
施設整備に当たっては、子どもたちが気持ちよく生活ができ、学校から楽しみにして帰って来られる場所という父母会の意見がほぼ取り入れられた内容になったとのことです。
最低でも、耐震化、男女別のトイレや静養室の設置、調理室の安全が確保できる施設でなければと思いますが、上田第2学童保育クラブではどのような協議が行われていますか。施設・整備における市の基本的な考え方をお示しください。
③ 次に指導員の処遇改善について
国は、今年度から学童保育指導員の待遇改善と職員の確保策として、放課後児童支援員等処遇改善事業をあらたに実施することになり、市としても10月補正予算が計上されましたが、これにより指導員の待遇改善と人材確保がどのように前進するのか具体的にお知らせください。
④ 児童センターの改善・拡充について
平成28年度~37年度までの10年間に重点的に取り組むとして、市公共施設保有最適化・長寿命化中期計画が示されました。
学校施設の活用策の一環として、児童館・児童センターとの複合化を行い、放課後児童対策を促進させるとのことです。児童数減少の中で学校施設の活用は大いに歓迎するものですが、一方ではすでに児童センターの利用児童数が100人を超す施設もあり、一刻も早い解決策が求められています。
中期計画が、果たして利用児童数が急増している仁王児童センター・仙北児童センター・津志田児童センターなどの早期解決が図られるのかどうか。同時に学童保育クラブへの活用には触れられていません。これらへの対応はどうなるのでしょうか。
特に、9クラブある児童センター児童クラブは、登録児童数41名以上が6クラブ、活動スペース1・65㎡未満が6クラブあり、北松園児童センター・津志田児童センター・乙部児童センター・仙北児童センター・本宮児童センター・湯沢児童センター・上飯岡児童センターとなっています。(H26年度)一刻も待てない実態なのではありませんか。
「中期計画」では、北松園児童センターはH33~35年度に修繕、仙北児童センターはH38年度以降の大規模改修、本宮児童センターはH38年度修繕、湯沢児童センターと乙部児童センターはH38年度以降に羽場小、都南小への複合化の検討まち、津志田児童センターはH38年度以降大規模改修計画、上飯岡児童センターは廃止で飯岡地区公館への受け入れとなっています。喫緊の課題となっている施設の改善が、10年も先の対応ということのようですが、その間、どのような対策が取られるのか。
切れ目のない子育て支援といいますが、矛盾するのではありませんか。一日も早い改善・解決策が求められています。
どのような対応を考えていますか、お示しください。
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≪谷藤市長≫
次に、少子化対策の取組についてでありますが、少子化が進むことで、地域社会の担い手の減少、経済や市場の規模の縮小、経済成長率の低下など、個人・地域・企業・国に至るまで、多大な影響を及ぼすものと存じております。
市といたしましては、「共につくる「子どもと子育てにやさしいまち盛岡」」を基本方針として、「盛岡市まち・ひと・しごと創生総合戦略」を策定し「切れ目ない結婚・出産・妊娠・子育て支援」、「若者・女性がやりがいと魅力を感じられるしごとの創生」、「中核都市としての魅力・求心力の向上」の3つの基本目標を掲げ、この5年間に集中的に取り組むこととしており、長期的展望に立って、少子化対策を推進してまいりたいと存じます。
次に、父母会運営の放課後児童クラブにどのような配慮を行うのかについてでありますが、放課後児童クラブは、共働き家庭の児童が放課後等を安全・安心に過ごすことができる居場所であり、市内には、民間団体が運営するクラブが32クラブで、うち21クラブは父母会が運営しており父母会の皆様には子供達が心身ともに健やかに育ち、安全・安心に過ごせるよう環境整備にご尽力いただいているものと存じております。
また、クラブの運営費につきましては、国の基準に基づき、児童数や開設日数に応じた運営費となっており、父母会や社会福祉法人等の運営主体の違いにかかわらず、同じ算定基準となっております。
施設整備の補助につきましても、運営主体の違いによらず、同様の制度とするべきものと存じており、国庫補助の対象となっていない父母会の施設整備に、市が単独で補助する場合につきましても、国の補助基準に合わせようとするものであります。
今後におきましても、父母会の皆様をはじめ、関係団体と力を合わせて、子どもの居場所づくりを推進してまいりたいと存じます。
《熊谷保健福祉部長》
これまでの子育て支援策をどのように総括しているかについてでありますが、平成17年度から26年度までの盛岡市総合計画の、「みんなで支える子育て支援の展開」の施策において、「保育環境の充実」、「育児不安の軽減」、「母子保健・予防の推進」の3つの基本事業子育て掲げてまいりました。その指標項目である「子育て支援サービス利用者数」では、平成22年に6万7千296人が、25年には7万179人に上昇しておりますし、市民アンケート調査において「子育てがつらいと感じている」と回答した子どものいる親の割合は、22年に26.6パーセントが、25年には19.2パーセントと減少し、同じく市民アンケート調査において「盛岡市の子育て支援策・支援活動が充実していると感じる」と答えた市民の割合は、22年は15.9パーセントが、25年には17.0パーセントに上昇しております。
このような結果から、成果は見えてきているものの、一方において、待機児童の解消や育児不安の解消の面で、更なる取組が必要であると認識しているところであり、今後におきましては、幼稚園の認定こども園への移行の働き掛けや「(仮称)子育て世代包括支援センター」の開設などに取り組むこととしており、他市の先進事例を参考にしながら、子育て支援策を推進してまいりたいと存じます。
次に、上田学童保育クラブの施設整備予算についてでありますが、上田学童保育クラブは、「盛岡市放課後児童健全育成事業の整備及び運営に関する基準を定める条例」で規定されている児童1人あたりの面積基準を満たしていないことから、これを解消するとともに、受け入れ児童数を増やすことを目的として施設整備をしようとするものであり、市の補助の算定にあたりましては、国の基準である「放課後児童クラブ整備費交付要綱」に基づき、施設整備費の3分の2を補助しようとするものであります。
次に、父母会運営の放課後児童クラブの実態をどのように把握しているかについてでありますが、毎年5月1日を基準日とする国の調査がありますことから、各クラブの登録児童数や待機児童数、運営主体等の情報を把握のうえ報告しております。
なお、平成26年度においては、この調査とは別に、「盛岡市子ども・子育て支援事業計画」の策定にあたり、各クラブを訪問し、運営の状況や課題、市への要望等をお聞きし、実情を把握したところであります。
また、待機児童数につきましては、26年度の調査結果では40人となっており、27年度については、現在調査中でありますが、児童数が急増している地域などにおいては、関係団体に放課後児童クラブの設立を働き掛けるなどしており、待機児童が生じないように、児童の放課後の居場所づくりに努めてまいりたいと存じます。
次に、上田学童保育クラブの施設・整備における市の基本的な考え方についてでありますが、良質な保育環境の確保を第一に、条例で規定されている「児童1人あたりおおむね1.65平方メートル以上」の基準を満たすことや、トイレ・調理室の配置、付属備品などについて、現在、上田学童保育クラブと調整を進めているところであります。
次に、指導員の処遇改善についてでありますが、補助の制度は2通りとなっており、「家庭や学校との連絡及び情報交換等」を主として担当する非常勤職員を配置した場合は1クラブに対し、最大153万9千円を、また「家庭や学校との連絡及び情報交換等と併せて、地域との連携・協力等」を主として担当する常勤職員を配置した場合は1クラブに対し、最大283万1千円を補助するものであります。
市では、予算化に向け、各クラブを訪問し、補助制度の内容について具体的に説明のうえ、それぞれのクラブの意向を確認したところであり、その結果、非常勤職員を配置した場合の補助制度を選択したクラブが22クラブ、常勤職員を配置した場合の補助制度を選択したクラブが6クラブとなっております。
今後におきましても、この制度の活用を促進することにより、放課後児童クラブの指導員の処遇が改善されるとともに、指導員の確保等につながるものと存じております。
次に、利用児童数が急増している児童センターへの対応についてでありますが、児童館・児童センターは、放課後の児童の居場所として、大きな役割を担っており、市内には39館2分室あります。
登録児童数が100人を超える施設は21施設あり、そのうち200人を超える登録となっております仁王児童センター、見前児童センター、津志田児童センターの3施設につきましては、特に混み合った施設であると認識しております。
現在、児童館・児童センターは、利用児童数の定員は設けておりませんが、施設の規模を上回る数の児童が利用している施設におきましては、早急な対策が必要であり、児童センターの図書室等他の部屋の使用も検討するなど、できるだけ児童の活動場所を確保するよう検討しているところであります。
また、「盛岡市子ども・子育て支援事業計画」において、児童館・児童センターは、現在の利用状況や児童数の推移などを踏まえて検討を行い、小学校施設の活用を含めて、計画的な整備を図ることとしておりますし、併せて、放課後児童クラブにつきましても、小学校の余裕教室の積極的な活用を図るとしたところでありますので、これらの方針により、放課後の子どもたちの安全・安心な居場所づくりを推進してまいりたいと存じます。
いずれにいたしましても、児童数が急増している児童館・児童センターにおきましては、早急な対策が必要と考えますことから、建物内に限らず、敷地内の利用可能な場所の有無などを確認し、対応してまいりたいと存じます。
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≪鈴木礼子≫ 交通安全対策について
① 山賀橋の架け替えに伴い、山岸1丁目山賀家食堂前の交差点にあった横断歩道がなくなり大変困っているとの要望を受けました。
この方は交差点付近に住まわれており、目が不自由なため日常的には盲導犬で移動されています。山賀橋方面に抜けるために狭い市道を遠回りして交差点を横切ることになり大変危険を伴うものです。合わせて、信号機は目の不自由な方でも安心して通れる音の出る障がい者対応の信号機に変えてほしいとの切実な声です。早期の改善を求めますが、いかがですか。
② 三ツ割地区の北山トンネル入り口付近の国道に接続する三ツ割4丁方面からの市道は、交差点前に植込みがあるために道路幅が狭く見通しが悪く危険な状態です。
通勤・退通時には自転車通学の高校生も多く安全確保のため市道の拡幅が必要になっていますが、対応についてお知らせください。
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≪古山建設部長≫ 山岸一丁目山賀家食堂前の横断歩道についてでありますが、市道山岸一丁目山賀橋線の整備の際に、本町通り一丁目名乗沢2号線との交差点協議の中で警察から、横断歩道の設置にあたって、山賀家食堂前には歩行者が安全に信号待ちできるスペースを確保できないこと、一方山岸小学校側にはそのスペースを確保できないことから、山岸小学校側に設置したものとうかがっております。
従来の場所への横断歩道設置につきましては、警察から、今後の道路整備等により、信号待ちスペースなど、安全に横断できる環境に改善された際に、音の出る障がい者対応の信号機と併せ検討したいとうかがっておりますが、市としては、早期の道路整備等は難しい状況にありますことから、現在の横断歩道への音の出る信号機の設置については、改めて警察に対して相談してまいりたいと存じております。
次に、北山トンネル付近の国道455号に接続する市道三ツ割74号線についてでありますが、この交差点は、平成9年の国道455号の整備にともなって改良し、その事業で植栽したものでございますが、利用状況の変化や、植栽の成長により見通しが悪い状況もありますことから、植栽帯の縮小による拡幅や剪定により、見通しの確保を検討してまいります。
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