2015年9月臨時会 議長選挙にあたっての所信

 
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 2015年9月10~11日、改選後の初議会となる9月臨時議会が開かれ、議長・副議長が選出され、各常任委員会の所属も決まりました。日本共産党盛岡市議団は、議長選には庄子春治市議団長を立て「議会改革」の提案を行いました。
 選挙の結果、議長には菊田隆氏(盛友会)副議長には豊村徹也氏(創盛会)が選出されました。

 5人の市議団の所属委員会も次の通り決まりました。
 ▼庄子春治(市議団長) 総務常任委員会 ▼鈴木礼子(幹事長) 産業環境常任委員会 ▼髙橋和夫議員建設常任委員会 ▼神部伸也議員 教育福祉常任委員会 ▼鈴木努議員 総務常任委員会・副委員長 

 ※庄子議員が表明した「議長選挙に当たっての所信」は下記のとおりです。
盛岡市議会議長選挙にあたっての所信について
 2015年9月10日 
  日本共産党盛岡市議会議員団 庄子 春治        

 盛岡市議会議長選挙にあたって私の所信を述べます。
 盛岡市議会は、一昨年の9月議会で,議会および議員の活動原則、市民と議会との関係、市長と議会との関係などの原則を定めた「議会基本条例」を制定し、議会改革に取り組んできました。
 今回の市議会議員選挙の投票率は、市長選挙が競争になったことにも助けられ前回よりも若干上回ったものの51%台にとどまりました。これをどう見るか、少なくとも議会としては、より市民に関心を持っていただき、市民の負託にこたえられる議会になるために一層の努力が必要だということではないでしょうか。
 私は、議会基本条例に定めれた議会改革の基本的な原則を踏まえ、さらにその後の2年間の議会運営の経過も踏まえてさらなる改革に向けて次の諸点を提案するものです。

 第一は、時代の変化に敏感となり市民の目線でそれを判断し、行動することです。 いま、日本は戦後政治の大きな曲がり角に立たされています。今国会で山場を迎えている安保法案は、海外での自衛隊の武力行使を可能にするものであり、歴代内閣法制局長官・元最高裁長官、圧倒的な憲法学者が「憲法違反」と指摘し、国民の多数の支持も得られていないものです。こうした声に耳を傾けようとせずこれを国会の多数の力で押しとおすことは、権力者は憲法に縛られるという「立憲主義」の原則を無視するものであり、「国民主権」の原則をも無視するものです。憲法99条には、公務員の「憲法順守義務」が謳われています。憲法解釈の変更で国の在り方を根本から変えてしまうこうした問題については、決して「国政の問題だ」と避けてはなりません。さらに、TPP参加問題や、東日本大震災復興財源への地元負担の押しつけなども、地域経済や被災地の復興にも直接かかわる重大な課題となっています。こうした課題について、市民意見を反映しながら議会としても議論を尽くし、行動することが求められています。

 第二は、議会改革の具体的な内容について、さらに前に進める具体的な四つの提案をしたいと思います。
 その一つは、議会の政策立案・議案提案機能の強化です。
 4年6か月を迎えた東日本大震災からの復興はこれからがまさに正念場を迎えており、被災県の県都としての役割は一層重要です、また、人口減少社会への対応、多発する災害への備え、地域経済の持続的な発展と雇用改善、子どもの命を守る課題、子どもと高齢者の貧困問題など、今、盛岡市政と市民生活が直面している課題は多岐にわたって切実なものがあります。
どう立ち向かうか、二元代表制の一翼としての議会として、これらの課題に真摯に取り組み、課題解決に向けての政策提案を行っていくことが求められています。これまでも、特別委員会を設置してテーマを定めて調査・提言をしてきましたが、さらに、その提言を「議案」にまで進化させることをめざす努力が必要ではないでしょうか。また、この点では前回も紹介しました大分市議会が実施している「政策研究会」の取り組みを参考に新たな仕組みづくりを検討することを提案します。

 二つ目に、市の執行機関に対する批判・監視機能の強化です。前回の所信表明でも提案しましたが、改めて、議案の審議にあたっては、議案となった政策の他の政策との比較や、その議案が影響する対象人数や財政的な影響などの効果、財源などの基礎的事務的な資料は当局から事前に提出することを求め、議会の審議では政策的な議論が行われるよう改善を図ります。また「文書による質問」について制度化するよう再度、提案します。
決算審査を充実させるため、現在の常任委員会での審査方式から「決算特別委員会」を設置しての審査とするよう提案します。

 三つ目に市民の声を聴く機会をさらに広げることです。この間、請願者・陳情者からの意見聴取が行われてきました。これを継続するとともに、さらに、「議会報告会」の開催については、「報告」とともに「市民から意見を聴く会」との位置づけをより強めることが必要だと提案します。
 各階層・各分野の方々との意見交換の場を設けることや、時々の重要なテーマを設定して関係者から意見を聞く機会を設けることです。
例えば、いま大きな市政課題になっている「三市五町のごみ処理広域化計画」などは最初のテーマになりうるのではないでしょうか。

 四つ目に、議会内での意見交換や議論を活発化させ、議案や請願等についてその議決に至る審議過程が市民に分かるようにすることが求められています。とりわけ、この間の請願審議では、市民からよせられた願いにたいして、議会が、どのような判断基準をもとにどのような結論を出したのかがよくわからないということがままあったのではないでしょうか。
 市民にとってわかりやすい議会となるためにもさらなる努力が求められていると思います。

 最後に、議会は住民から直接選ばれた議事機関として、同じく住民から直接選ばれた執行機関としての市長とともに、2元代表制の一翼です。一人を選ぶ首長に対して議会は市民の各地域・各階層から、様々な多様な意見を背景に選出された38人によって構成されています。議会の運営に当たっては市民意見の多様性が反映されるよう議論を尽くし、多士済々のメンバーの力が発揮できるよう議会構成の面でも配慮することが必要と考えます。
以上、議会改革についての私の提案を申し上げて所信表明といたします。