2014年12月定例会 髙橋和夫議員の一般質問

 
質問項目 (クリックするとジャンプします)
岩手玉山環境組合の施設整備について
 バグフィルター
 機能検査
交通政策について
介護施設の水道料金軽減を
住宅リフォーム事業復活を
生活保護について

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 質問  答弁
岩手・玉山環境組合の施設整備について

(髙橋和夫) 放射性物質に汚染された農林業系副産物の処理について、10月10日の岩手・玉山環境組合議会に請願が出されました。

 請願は否決されましたが、請願の内容について精査することは周辺住民の安全の面から今後の対応として必要なことと考えます。

 第1は、施設整備の問題として現在の電気集塵器は、施設開設当時からのものであり、精度の問題から現在では施設を更新する際には設備されないものと認識しております。
 過日の試験運転で、汚染は基準以内ということですが、0ではありません。
 この際、バグフィルターに施設改修すべきと考えます。
この問題は、盛岡市と岩手町の両市町で協議することになると思いますが、盛岡市としてはどのような対処をされる考えか伺います。

 又、火葬場整備についても市の考え方を合わせて伺います。

 第2点は、廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行規則第5条による精密機能検査についてであります。
この法によれば、機能検査は毎年1回以上、精密機能検査は3年に1回以上実施することになっていますが実態はどのようになっていますか伺います。
(小原玉山総合事務所事務長)岩手・玉山清掃事業所焼却施設の電気集塵機からバグフィルターへの施設改修についてですが、現在の焼却施設は、ダイオキシンへの高度処理対応施設として平成13年度から2か年で整備したもので、維持管理基準であるばい煙濃度やダイオキシン類濃度の測定数値は環境基準をクリアしている状況であります。また、本年10月に実施しました放射性物質汚染牧草等の試験焼却結果においても排ガス中の放射能濃度測定結果は不検出となり、集塵施設としての機能は十分果たしていることから、現時点でのバグフィルターへの交換は計画しておりませんが、施設延命化の更新期の際には検討しなければならないと伺っております。
次に、焼却場の精密機能検査についてですが、岩手・玉山環境組合では、日々の運転データの検証を日常的に行うとともに、焼却炉本体及び関連施設の保守点検を年に2回行うなど精密機能検査要領で定められた細目と同等以上の検査を実施し、これを基に補修工事や設備機器の調整や更新を行うなど施設機能の保持に努めていると伺っております。
次に、新市建設計画で未着手となっております岩手・玉山斎場整備事業についてですが、現在新市建設計画の見直しに向けて組合及び構成団体と今後の方向性について検討しているところであります。

(中川環境部長)盛岡市クリーンセンターの精密機能検査についてですが、焼却施設の運転データの検証を日常的に行うとともに、日常点検及び定期点検では、精密機能検査要領で定められた細目と同等以上の検査を実施し、その結果に基づき業務改善や改修工事計画の策定を行っております。精密機能検査要領の細目に示されている検査、検討等は、施設稼働開始以来自ら毎年行っておりますが、平成20年度に、10年目の節目として精密機能検査の外部委託を実施した結果、廃棄物処理法等との適合状況につきまして、本施設は全ての項目で基準に適合しているとの評価をいただいております。
なお、機能検査につきましては、毎年行っている精密機能検査に包括されております。


交通政策について

(髙橋和夫)
私はこれまで何度か交通問題について質問してきました。
盛岡バスセンターから好摩駅までの路線は、渋民、日戸の旧渋民村、旧玉山村の中心部を走る路線ですが、来年平成27年9月で国の補助事業が終了し、一部の路線は運行が困難になってくるものと思われます。
先に質問した際に、交通政策基本法の制定に期待する回答がありました。確かに昨年2013年12月4日に交通政策基本法は公布・施行されました。
第16条(日常生活等に必要不可欠な交通手段の確保等)には「国は、国民が日常生活及び社会生活を営むに当って必要不可欠な通勤、通学、通院その他の人又は物の移動を円滑に行うことができるようにするため、離島に係る交通事情その他地域に於ける自然的経済的社会的諸条件に配慮しつつ、交通手段の確保その他必要な施策を講ずるものとする」とうたっています。
 この事から、国は財政的裏付けを明確にする必要があります。
国及び地方自治体は、国民・住民が自由に安心・安全に移動できる権利を保障する責務を負っています。
地方自治体にはそれぞれの状況ややらなければならない目標があります。
分野別に見ても医療・福祉・教育・観光・商工業等があります。
これらを総合的に調整する市の交通政策が必要になってくるのではないでしょうか。
他市では既に名称は違っていても「交通条例」成るものができてきています。福岡市では2010年3月に「公共交通空白地等及び移動制約者に係る生活交通の確保に関する条例」と言うものができております。
交通弱者は今後ますます増加します。市の早めの対策を求めます。

(谷藤市長)市長答弁
髙橋和夫議員のご質問にお答え申し上げます。
はじめに、総合的な交通政策と、交通弱者に対する取り組みにつきましては、これまでも、高齢者の交通手段の確保としての「まちなか・おでかけパス」事業や、日常交通の確保としての赤字路線バスに対する補助、医療の視点での患者輸送バス、教育の観点でのスクールバスの運行等に取り組むとともに、バス路線が廃止となった地域については、スクールバスの混乗を実施するなど、関係部局間の連携により、地域住民の移動手段の確保に努めてきており、このことは、「交通政策基本法」の基本理念の一つである「日常生活等に必要不可欠な交通手段の確保」に通じるものと存じております。
一方、国におきましては、地域における公共交通に対する主体的な取組及び創意・工夫を総合的、一体的かつ効率的に推進することを目的とする「地域公共交通の活性化及び再生に関する法律」の改正を行うとともに、具体的な取り組みとして地域公共交通再編事業を創設したところであります。
また、交通政策基本法に基づき、「豊かな国民生活に資する使いやすい交通の実現」等を基本方針とし、国として総合的かつ計画的に講ずべき施策を盛り込んだ「交通政策基本計画」について、年内の閣議決定を目指すとされております。
このため、市といたしましては、国の各種施策等の動向を引き続き注視するとともに、必要に応じて市総合交通計画の見直しを行いながら、各施策間の調整を図り、高齢化に伴う免許返納者等、交通弱者の増加に対する移動手段の確保に、より一層取り組んでまいりたいと存じます。
(髙橋和夫)水道料金減額の特例について
 
 介護施設等での入所者やデイサービス利用者の入浴に使用する水道料金の減額の問題です。
 盛岡市には工業用水が無く、工場等では市の飲料水を使用しています。
地元企業育成のため工場等に水道料金の減額が必要であり、併せて病院や介護施設などでは入浴に大量の水を使うことから、これらの施設や企業に対する水道料金の減額が、中小企業の発展やよりよい介護に不可欠と考えますが、上下水道局の考え方を伺います。
(平野上下水道事業管理者)中小企業の発展やよりよい介護のために、工場や病院、介護施設の水道料金の減額を考えられないかについてですが、水道事業は、水道を使用する皆様にご負担いただいております水道料金をもって充てる独立採算を基本としております。当市の水道料金は口径別料金体系をとっており、工業用や病院用あるいは介護施設の入浴用といった業種や用途を問わず、メーターの口径が同じで使用水量が同じであれば、水道サービスを利用する対価である水道料金は、同一とすることを原則としております。また、水道利用者間の負担の公平性の観点からも、工場や病院、介護施設といった特定の利用者に対して、水道料金を減額することは、大変難しいものと存じておりますので、ご理解賜りたいと存じます。
 小規模企業振興基本法を活かした対策について
   
(髙橋和夫)  6月20日の第186国会で「小規模企業振興基本法」と「小規模事業者の支援に関する法律の一部を改正する法律」が全会一致で成立しております。
特に小規模企業振興基本法は、1999年(平成11年)の中小企業基本法の改悪によって、大企業と中小企業の「格差是正」、「不利補正」を放棄し、小規模・零細業者を切り捨てた中小企業施策を大きく転換するものとなっています。
この小規模企業振興基本法は、従業員20人以下、商業・サービス業は5人以下の小規模企業が、地域経済と雇用確保に大きな役割を果たしていることに着目し、小規模企業を支援する施策を国・地方自治体・支援機関等が連携して実施することを定めた新法で、中小企業・小規模事業者を所管する経済産業省によれば、1963年(昭和38年)に中小企業基本法が制定されて以来の51年ぶり、戦後2本目の基本法だということです。

 この貴重な小規模企業振興基本法を盛岡市内小規模事業者と従業員にひいては盛岡市民に生かさない方はありません。盛岡市民のためにいかにこの法律を活用するかが問われていると思います。

 この小規模企業振興基本法には三つのポイントがあり、第1は、小規模企業の成長発展のみならず、技術やノウハウの向上、安定的な雇用の維持等を含む「事業の持続的発展」の重要性を位置付けている事。
第2に、小規模企業を単に個別に支援するにとどまらず、商業集積や産業集積果たす役割を評価し、「面」として支援する必要性を述べている事。
第3に、個人事業主や家族経営などの零細業者、従業員5人以下の「小企業者」に着目し、小規模企業者の9割を占める小企業者が地域経済の主役であると位置づけ、その振興が必要だとしていることです。

 この立場から、小規模企業振興基本法10条では「政府は小規模企業振興のための法制上、財政及び金融上の措置を講じなければならない」としています。
 第7条では、地方自治体がその区域の自然的経済的社会的諸条件に応じた施策を策定し、実施する責務規定を設けています。
 盛岡市が今すぐ取り組める事業の一つとして住宅リフォーム事業があります。
盛岡市では、嘗て個人住宅改良支援商品券発行事業(一般には住宅リフォーム事業と呼ばれている)を実施し、事業者や市民から大変喜ばれました。
いまでも住宅リフォーム制度の復活を望む声が多くあります。
 市は、我が党の同僚議員に住宅リフォームの再開に積極的でない回答がありました。しかし、市がこれまで実施してきた事業で、これだけ市民の受けが良かった事業は他に有りますか?
 これまでの個人住宅改良支援商品券発行事業(いわゆる住宅リフォーム事業)の年度別実績(件数・金額・波及効果)をお示しください。
 (村井商工観光部長)次に、個人住宅改良支援商品券発行事業の年度別実績についてですが、同事業は、平成23年度と24年度に、地域経済の低迷と民間建設需要が伸び悩んでいることなどから、住宅関連産業の需要を喚起するとともに、商品券の発行により地域循環型経済を促進し、地域経済の活性化を図ることを目的として、30万円以上の住宅改良を行った場合、一律10万円相当額の商品券の交付を行ったものでございます。
実績といたしましては、平成23年度は、1,980件、1億9千800万円、平成24年度は、1,497件、1億4千970万円分の商品券を交付しております。
また、本事業の波及効果につきましては、平成23年度において総額17億7千46万9千円、平成24年度は総額13億3千355万6千円の住宅改良工事が発生し直接的な経済効果が生じたところであり、市内建設関連企業に対するアンケート調査では、リフォーム工事の受注や売上の増加につながったとの回答があり、一定程度リフォーム関連産業や地域の消費需要を喚起したものと存じております。
次に、景気等に関する市民の声への対応についてですが、平成26年6月に施行された小規模企業振興基本法では、小規模企業の振興に関する施策を総合的かつ計画的に、国、地方公共団体、支援機関などが一体となって戦略的に実施することにより、小規模企業の持続的な発展と地域の自立的な経済構築を目的としております。また、10月に閣議決定された同法第13条に規定する基本計画では、「需要を見据えた経営の促進」など、4つの目標を設定し、地域経済の活性化に資する事業活動の推進など、10項目の重点施策に取り組むこととなっております。
市といたしましては、雇用対策事業や起業・創業支援事業、産業支援事業、商店街活性化支援事業など、現在においても市内事業所の支援に取り組んでいるところですが、今後、国から示される小規模企業支援メニューなどを活用しながら、意欲ある小規模企業の振興に努めてまいりたいと存じております。
いずれにいたしましても、当市は、小規模企業を含む中小企業が多いことから、盛岡商工会議所等の商工団体と連携し、雇用の確保や地域循環経済の実現に取り組んでまいりたいと存じております。
 生活保護について

(髙橋和夫)いま市内各地で街づくり懇談会などが開かれていますが、何処の会場でも出る話が「生活するためのお金が足りない」ということと、「景気が悪いので何とかしてほしい」と言うことと、そして「働く場所が欲しい」と言う声です。
 この市民の声に、市はどう答えているのですか。
また先日、生活保護の申請に立ち合いました。
「生活保護を受ける人は車を運転してはならない」と言うことでした。そして「働ける人は働け」と言うことでした。
 その意味はわかりますが、今は車の運転免許が無ければ仕事が見つからない時代です。車を運転してはならないと言って、いつ自立させることができるのでしょうか。矛盾していませんか。教えてください。  
 (熊谷保健福祉部長)生活保護受給者の自動車の運転と生活保護からの自立についてでありますが、国の通知である「生活保護法による保護の実施要領」では、原則として、生活用品としての自動車の保有及び使用は認められておりませんが、一定の条件の下、事業用として必要な場合や公共交通機関の利用が著しく困難な地域に居住している者が通勤用として使用する場合などにおいては、自動車の保有及び使用を認める取扱いとされており、その世帯の状況に応じて個々具体的に判断しているところであります。

 次に、生活保護受給者の自立に向けた指導についてでありますが、稼働可能な方については、就労支援プログラム事業や内丸分庁舎に併設設置しているハローワーク盛岡就労支援コーナーを活用した就労支援を行うとともに、ケースワーカーによる就労指導を通じて、生活保護からの自立を促しているところであります。
また、次代を担う中・高校生のいる生活保護受給世帯に対し、自立の道を歩めるよう、就学支援相談員による高等学校等就学支援プログラム事業を活用した就学相談・就学指導を実施し、貧困の連鎖の防止を図っているところであります。