質問 |
答弁 |
(神部伸也) 教育行政について
小中学校の耐震化
小中学校の耐震化について質問します。まず、基本的な考え方について確認したいと思います。文部科学省は、公立学校施設の耐震化の推進について、「平成27年末までのできるだけ早い時期に完了させる」という目標を打ち出していますが、この国の方針に変更がないかお伺いします。また、盛岡市立小中学校耐震化計画の基本方針では、「平成27年度までに耐震化率100%を目指します」としています。この「目指します」をどう解釈したらいいでしょうか。27年度を超える場合もありうるということでしょうか。市の考えをお聞かせ下さい。昨今の入札不調・不落の問題は大変大きな影響を与えるものとなっています。今年の6月議会で千葉教育長は、「今年度内に実施設計が完了できない場合は、平成27年度までの耐震化の完了が困難となりますことから、設計額の精査や早期発注による工期の確保、業者選定範囲の拡大などの対策を講じて、入札が不調・不落とならないよう努めてまいりたい」と答えました。年度の半分が終わろうとしていますが、設計の契約状況と見通しかについてお知らせ下さい。合わせて、耐震化工事の現在の状況、残りの計画についてもお知らせ下さい。
計画の趣旨の通り、学校施設は、児童生徒が一日の大半を過ごす学習や生活の場であり、いざという時の地域住民の避難場所であり、耐震化は待ったなしの課題です。国の補助も平成27年度までとなっているということもあり、耐震化計画の最終年度である平成27年度内に完了することが望ましいと思います。
平成27年度に実施予定の耐震補強工事は、総合計画に位置付けられ、盛岡市立小中学校耐震化計画に基づく工事費18億200万円も計上されているとのことですが、この算出は資材・設計労務単価の増額分を見込んでいないとの6月議会での回答でした。教育委員会としては、「必要とされる工事費の確保に努めてまいりたい」とのことです。
財政部は、耐震化工事が平成27年度に完了するよう工事費の増額分含め予算をしっかりと確保すべきと考えますが、いかがお考えでしょうか。お伺いいたします。
学校施設の修繕
次に、学校施設の改修について質問します。学校施設の改修・修繕については、「盛岡市立小中学校維持管理計画」において、屋根塗装・屋上シート防水改修等の「建築」、自家用電気工作物関係の「電気設備」、受水槽・高架水槽関係や暖房用ボイラー等の「機械設備」の学校別・年度別計画が詳細に定められ、法定点検等による修繕の計画も定められています。現在は、平成25年度~30年度の計画となっていますが、この間、学校から出されている要望、包括外部監査の指摘事項にどれだけ応える内容となっていますか。
特に、この間、屋根の雨漏り問題が、議会でも指摘されてきましたが、30年度までにどれだけ改修がされる計画ですか。お知らせ下さい。具体的に、平成26年度ではどのように計画を立て、そのうち実際に予算化されたのはどれくらいになるかお示し下さい。
過日行われた、みたけ地区のまちづくり懇談会において、「トイレが汚く、暗く、臭い」「未来を担う子どもたちに、いい学校環境を整えてほしい」と父母の方々から発言があり、会場は拍手が沸き起こりました。トイレの問題は、この間、多くの議員が指摘してきた問題です。
私は、翌日に母校の北陵中学校を訪問し、全てのトイレを案内していただきました。副校長さんは、気にされて、毎日、全てのトイレを回って、今日の臭いはどうかと、チェックをされているとのことでした。日によって臭う時とそうでない時があるそうで、私が案内いただいた時も、臭いが気になるトイレが半数以上あり、中には、廊下まで臭いがするような箇所もありました。更に、古い型のトイレのため、水道管の替え部品がなくなっており、用務員さんが、代替の管やネジを購入し、ビニールテープやパテなどで漏れないように修繕していました。便器の破損もパテで埋めるという状況でした。私の時代でも、決して新しいトイレではありませんでしたが、私の時代から、さらに四半世紀たっても同じトイレで、老朽化が激しくなっており、今の時代に、こういう環境でいいのかと感じました。もちろん洋式トイレの設置なども行われ、まったく手つかずということではありませんが、市の計画には位置付けられているのでしょうか。維持管理計画の中にも、「良好な教育環境の確保」が明記をされていますが、どのようにお考えでしょうか。お伺いします。
読書活動推進員の配置
次に、読書活動推進員の配置についてお尋ねいたします。盛岡市は、長年にわたり教育振興運動に取り組み、来年は50周年を迎えます。現在の第10次計画では、「家庭・地域社会・学校が一体となって、心豊かな『盛岡の子』を育もう」を運動の目標に取り組みが進められています。「みんなで読書に取り組もう」を共通取り組み目標に掲げ、実践活動の重点の一つ「学力向上(じっくり読書)」では、学校は「読書指導を充実する」こと、行政は「読書の環境や情報を提供する」ことが掲げられています。これまでの教育振興運動における小中学校の読書活動について、教育委員会としてはどのように受け止めて評価しているのか、お考えをお聞かせ願います。
盛岡市は、平成21年度から、国の緊急雇用創出事業を活用して読書活動推進員を配置し、学校における図書館機能の充実を図り、読書活動の推進に寄与してきました。司書教諭との連携のもとで、読書活動が充実されてきたとのお話も伺っております。ところが、平成25年度からは、勤務条件の一部見直しがされ、1人が2校を担当するとなりました。さらに今年度は、一般財源による配置となり、配置校も減少し、中学校の配置はゼロとなりました。
この間の実績(決算・予算、配置人数等)についてお示しいただくとともに、なぜ中学校から引き上げたのか、その理由をお聞かせ下さい。また、教育委員会は、これまでの読書活動推進員の配置についてどのように総括をしていますか。今後についてのお考えについても合わせてお聞かせ下さい。
教育は、読書活動が全てではありませんが、学力向上のみならず、心豊かに成長していく上でも非常に大事な取り組みだと思います。盛岡の将来を担う子どもたちの成長に、「お金がないから・・」でいいのでしょうか。財政当局のお考えをお伺いします。
学校図書館担当職員の配置については、別途交付税措置があるとのことですが、どれくらいの金額になるのかお示し下さい。
就学援助の「3費目」の追加
この間、共産党市議団として、就学援助の費目に「PTA会費」「クラブ活動費」「生徒会費」の3項目について、国から交付税措置がされていること、子どもの貧困化が言われて久しく、就学援助制度を受ける世帯が増えていることから、盛岡市でも支給対象に加えるよう繰り返し求めてきました。
先の6月議会では、庄子春治議員が早急に実施するよう求めたことに対して、千葉教育長は、「来年度は何とか、段階的な導入など・・対応してまいりたい」と答えました。来年度は、是非とも実施して頂きたいのですが、現在の対応状況についてお知らせ下さい。 |
(鷹嘴教育部長) 公立学校施設の耐震化に係る国の方針についてですが、県を通じて国に確認したところ、耐震化の目標と定めた時期についての国の方針は、変わっていないとのことであります。
次に、平成27年度末までの耐震化の完了を目指すとしたことや、27年度を超える場合もありうるのか、についてですが、小中学校耐震化事業は、総合計画に27年度までの事業として位置づけられておりますが、27年度の予算編成はこれからですので、目指すとしたものであります。
また、実施計画が本年度中に終了しない場合や、今後の耐震工事の入札不調、工法等により工期が十分に確保できない場合は、27年度中の耐震化が完了しないことが有りうるものであります。
次に、耐震設計の契約状況と見通しについてですが、今年度予定している15校26棟の耐震設計のうち、13校24棟が契約済みであり、残りの2校2棟についてですが、今年度予定している13校32棟の耐震化工事のうち、6校18棟が契約済みであり、残りの7校14棟については、9月に入札が行われる予定であります。また、27年度においては、20校39棟の耐震化工事を実施する計画であります。
(獅子内財政部長)小中学校の耐震化工事についてでありますが、小中学校の安全性の確保は喫緊の課題であり、公立学校施設の耐震化事業に係る国庫補助の嵩上げ措置が平成27年度までとなっていることから、厳しい財政状況ではありますが、可能な限り予算の確保に努めてまいりたいと存じます。
(鷹嘴教育部長) 次に、盛岡市立小中学校維持管理計画は、学校からの要望や包括外部監査の指摘事項にどれだけ応えているのか、についてですが、学校からの要望については、屋根塗装や受水槽改修などの多額の費用を要する修繕については、当該計画に位置付けておりますが、突発的に発生する軽微な修繕については、その都度、対応しているところであります。
また、包括外部監査の指摘事項については、上下水道設備の劣化や屋根の錆び、腐食など全298件が指摘されており、そのうち、維持管理計画を策定した25年度までに終了したもの62件、閉校し対応の必要がなくなったもの12件、現在使用していない箇所の鉄錆びなど優先度の低いもの15件、計89件を除く209件について、当該計画に取り込んでいるものであります。
次に、屋根の雨漏りに係る計画の内容についてですが、平成25年度から30年度までの維持管理計画では、屋根塗装や屋根防水改修として、22校68棟、事業費は約3億1,500万円としております。
なお、個々の雨漏り修繕については、維持管理計画に盛り込んでおりませんが、各学校から修繕依頼があったときには、その都度修繕を実施しているところであり、昨年度は小学校24件、中学校13件、今年度は、小学校6件、中学校3件の修繕を実施してきたところであります。
次に、屋根の雨漏りに係る平成26年度の計画と予算についてですが、26年度の計画では、屋根塗装及び屋根防水改修合わせて3校5棟で、事業費は、約4,100万円でしたが、予算では、3校3棟で3,069万5千円となっております。
次に、北陵中学校のトイレ改修についてですが、この改修は、維持管理計画には位置付けておりませんが、「盛岡市立小中学校施設等整備基本方針」では、平成36年度までに、校舎の大規模改修の際にトイレ改修を行うこととしておりますので、今後、総合計画に位置付けながら、実施してまいりたいと存じます。
なお、トイレの臭気の抜本的な改善には、排水管の交換など大規模な工事が必要となりますので、当面は、臭気の主要素となる尿石の除去などについて、学校と連携して対応してまいりたいと存じます。
次に、教育振興運動における、小中学校の読書活動の評価についてですが、教育振興運動の内容に、読書活動の充実が位置付けられたことにより、市内全ての実践区において、図書ボランティアによる読み聞かせや図書館の環境整備、親子での読書交流や図書館祭りなど、様々な取組が行われております。
このような取組により、子どもたちの読書意欲が高まり、読書時間が着実に増加しており、このことは、教育振興運動の成果であると、とらえているところであります。
次に、これまでの読書活動推進員の実績についてですが、読書活動推進事業は、平成21年10月から緊急雇用創出事業により開始されたものでありますが、26年度は緊急雇用創出事業の対象外となり、一般財源による事業実施となったものであります。
この間の実績は、平成21年度は決算額29,151,654円、配置人数40人、22年度は53,611,598円、4月から9月まで50人、10月から12月まで10人、1月から3月まで25人、23年度は78,660,493円、年間通して50人、24年度は94,325,786円、4月から6月まで50人、7月から3月まで60人、25年度は31,936,521円、4月から6月まで20人、7月から3月まで30人でありました。26年度は、一般財源になったことから、予算額7,606,000円、配置数8人となっております。
次に、なぜ読書活動推進員を中学校から引き上げたのか、についてですが、小学校低学年の段階から、読書の習慣化を一層図ることが重要であり、小学校からも、読書活動推進員の効果が大きいので、配置を継続してほしいとの要望が多く出されたことから、小学校に配置したものであります。
次に、教育委員会の読書活動推進員の配置についての総括と今後の考え方についてですが、学校からは、読書活動推進員を配置したことにより、児童生徒の図書館利用や、図書の貸出が増えたこと、図書館の蔵書の整理が進んだこと、さらに、学習上の効果として、授業に必要な図書選択が容易になったこと、などがあげられており、読書活動推進員の配置により、学校図書館の充実が図られ、本市の教育振興運動の目標として掲げられている、心豊かな盛岡の子どもを育むことに、大きく寄与していると存じております。
今後は、改正学校図書館法が平成27年4月から施行されますことから、その趣旨を踏まえ、読書活動推進員の配置数を増やすなど、学校図書館の充実に努めてまいりたいと存じます。
(獅子内財政部長)読書活動推進員の配置校の減少についてでありますが、小中学校への読書活動推進員の配置につきましては、平成21年度から国の緊急雇用創出事業を活用し実施してまいりましたが、25年度で補助事業が終了しましたことから、原則、読書活動推進事業は終了するところでございましたが、事業の重要性に鑑み、8人、16校分の予算を計上したところであり、今後もそのような考え方で予算化を図ってまいりたいと存じます。 次に、学校図書館担当職員の配置に係る交付税措置についででありますが、平成26年度の普通交付税で推計いたしますと、小学校費で約2,200万円、中学校費で約1,200万円の合計約3,400万円と試算され、この額が普通交付税を算定する際の基準財政需要額に算入されているものでございます
(鷹嘴教育部長)就学援助追加3費目の、現在の対応状況についてですが、準要保護児童生徒へのPTA会費とクラブ活動費、生徒会費の支給につきましては、市の単独事業となりますが、その重要性を十分認識しておりますので、段階的導入など他都市の支給状況等を参考にしながら、来年度の予算化に向けて努力してまいりたいと存じます。 |
(神部伸也) 生活保護行政について
生活保護の実態と福祉灯油の実施
初めに、直近の生活保護受給世帯・人員、増減の傾向についておしらせ下さい。
安倍政権は、昨年の8月に生活保護費の削減を強行し、受給世帯の9割以上で基準が引き下げられました。昨年12月には、期末一時扶助も大幅に削減されました。そして、今年の4月には、2回目の引き下げが行われました。生活扶助費を3年間で平均6.5%削減する計画で、最大10%減らされる子育て世帯もあります。
生活扶助費は、食費、光熱水費、衣服など暮らしの根幹を支える費用ですが、削減されたうえ、今年の4月からの消費税増税に加え、食料品など生活必需品は値上がりし、二重にも三重にも生活苦に追い打ちをかけています。生活保護制度は、憲法25条で保障された「健康で文化的な最低限度の生活」を営む権利でありますが、それすら脅かされているのです。こうした実態をどのように感じているのか、ご所見をお伺いします。また、生活保護基準の引き下げは、生活保護受給者だけの問題ではありません。就学援助や税金等の減免など、生活保護基準を利用要件としている制度では、基準引き下げにより利用対象外となる市民が生まれているのではないでしょうか。事業数と影響人数について分かればお示し願います。
さらに、厚生労働省の社会保障審議会生活保護基準部会では、住宅扶助費の削減の議論が進められているとのことです。現在の基準でも選択肢はかなり狭められ、例えば、稼働年齢の方がハローワークに近いところのアパートを希望しても、家賃が高くて見つからず、結局、比較的安い中心部郊外に住まなければならないとか、あるいは、条件に合うのは古いアパートしかないなど、家探しが容易ではない状態となっています。住宅扶助が改悪されると、より劣悪な住環境を選ばなければならなくなるのではないでしょうか。国は、7月以降に「生活保護受給世帯の住居実態に関する調査」(仮称)を行い、11月には「住宅扶助に関する調査結果のとりまとめ」を行う予定とお聞きしていますが、どのように把握しているでしょうか。「住まいの貧困」を広げないために、住宅扶助の切り下げは行わないよう国に求めて頂きたいと考えますが、いかがでしょうか。お伺いいたします。
あっという間に、冬がやってきます。依然として灯油価格は高止まりとなっており、前段申し上げた通り、市民生活が一層厳しい状況となっている下で、今年こそは、「福祉灯油」の実施を求めますが、どのように考えているでしょうか。お伺いします。
自立支援プログラム
次に、就労支援の自立支援プログラムについてお伺いします。
盛岡市では、平成17年度から生活保護の自立支援プログラムに取り組み、平成23年度からはメニューが拡大され、「福祉から就労支援事業プログラム」「稼働能力支援プログラム」「職場体験事業」の3段階に分けて実施されていると認識しています。改めて、その内容と対象者、就労割合、プログラムへの参加割合などお知らせ下さい。
近年、生活保護受給者の増加に伴って、国では早期就労させるため、雇用の質を問わず、とにかく何でもいいから仕事を見つけて生活保護から抜けろと言わんばかりの動きが強まっているとのことです。そういった厚労省通知が出されているとも聞いています。私が相談を受けるケースで、生活困窮に加え、精神疾患を持っているという方が少なからずおります。そういった方々に対して、就労を強要するのではなく、まずは、しっかりと病気を治療して、就労後も継続して頑張っていける支援こそ必要だと思いますが、盛岡市はどのように対応されているかお伺いします。
生活困窮者自立支援制度が、来年4月から施行されます。これまでの取り組みと制度実施に向けた準備状況などお知らせ下さい。生活困窮者自立支援法は、生活保護に至る前の生活困窮の方々を対象にした新法です。
しかし、生活保護者と「保護に至る前の段階の人」と言って、「生活保護を受けたい」と窓口に言っても、「自立支援がありますよ」と言われて、受給申請の窓口にいけないのではということが懸念されています。前段のべたように、稼働年齢であれば、中間的就労というかたちで、最賃にもみたないような仕事でもとりあえず仕事を見つけろと、完全に生活保護を外すツールとなっていると指摘されています。取扱いについてどのように考えているのか、お伺いします。
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(熊谷保健福祉部長)生活保護受給世帯と人員についてでありますが、平成26年7月の生活保護の受給状況は、3,758世帯で5,062人となっております。
増減の傾向につきましては、平成24年度、25年度の平均及び26年度の7月までの平均の数値で申し上げますと、24年度は3,740世帯で5,307人、25年度は3,752世帯で5,201人、26年度は3,762世帯で5,079人となっており、全体として、世帯数は横ばい、人員は減少傾向となっており、世帯類型別では、稼働年齢層を含むその他世帯が減少傾向にある一方、高齢者世帯は増加傾向となっております。
次に、生活保護基準引き下げ等による生活実態についてでありますが、基準の引き下げにつきましては、国の社会保障審議会生活保護基準部会における検証結果を踏まえ、実施されたものであり、段階的実施措置により影響を最小限に抑えたものであると存じております。
また、消費税増税につきましては、本年4月の基準改定において生活扶助額に平均2.9パーセントの額が上乗せとなっておりますことから、影響はないものと存じております。
次に、生活保護基準に準じて運用している制度等で基準の引き下げにより影響が出ている事業数や
影響人数についてでありますが、市において該当する事業は、13事業と存じております。
現在のところ、基準の引き下げによる影響を受けた事例はありませんが、今後とも影響が出ないよう対応してまいりたいと存じます。
次に、住宅扶助費に係る国の動きをどう把握しているかについてでありますが、住宅扶助については、国の『経済財政運営と改革の基本方針2014』において、「住宅扶助等の水準が当該地域の類似一般世帯との間で平衡を保つため、経済実態を踏まえてきめ細かく検証し、その結果に基づき必要な適正化措置を平成27年度に講じる。」と平成26年度6月24日に閣議決定されたところであります。
市には7月下旬に、「平成26年生活保護受給世帯の居住実態に関する調査」として照会があり、今月(9月)10日に回答したところであり、住宅扶助の取扱いについては、この調査等を基に、国において検証が行われ、必要な措置が講じられるものと伺っております。
次に、住宅扶助の切下げを行わないよう国に要望すべきではないかについてでありますが、現在、国において調査結果を取りまとめているところであり、その後に検証が行われることとなりますことから、国の動向を注視してまいりたいと存じます。
次に、「福祉灯油」の実施についてでありますが、ここ数年間の灯油価格は、高値水準で推移しておりますことは認識いたしておりますが、国及び県の支援がない中で、市が独自に実施することは難しいものと存じております。
市といたしましては、「灯油価格の安定」と、当面の「低所得の世帯に灯油購入費の一部助成に係る財源確保のための恒久的な措置を創設すること」について、国に対して、岩手県市長会や全国雪寒年対策協議会を通じ、要望したところであります。
なお、今後とも、灯油価格、国や県の動向には、十分注視してまいりたいと存じます。
(熊谷保健福祉部長)次に、生活保護受給者に対する就労支援プログラムの内容等についてでありますが、就労意欲の高い方に対しましては、ハローワーク及びその他の関係機関が連携して支援し、早期就労へと結びつける「福祉から就労支援プログラム」、稼働能力があり勤労意欲がある方に対しましては、就労支援員やケースワーカーが稼働能力を発揮できるよう支援する「稼働能力活用支援プログラム」、長期間就労をしていない方に対しましては、就労体験やボランティア体験の機会を提供する「職場体験等事業」の3つのプログラムを実施してきております。
参加割合については、平成26年5月1日現在、就労に至ってない支援対象者は319人で、全体の参加者は253人、79.3パーセントとなっており、内訳は「福祉から就労支援プログラム」への参加者は80人で全体の参加者の31.6パーセント、「稼働能力活用支援プログラム」への参加者は108人、42.7パーセント、「職場体験等事業」への参加者は65人、25.7パーセントとなっております。
就労割合については、26年度4月から6月までの全体の参加者253人中、就職した方は61人でプログラム参加者の24.1パーセントとなっており、内訳は「福祉から就労支援プログラム」により就労した方は33人で全体の就職者の54.1パーセント、「稼働能力活用支援プログラム」により就労した方は26人、42.6パーセント、「職場体験等事業」により就労した方は2人、3.3パーセントとなっております。
(谷藤市長)精神疾患等を抱えた生活保護受給者の就労支援についてでありますが、精神疾患等の病気を抱えた方につきましては、主治医から病状をお伺いし、就労が可能との診断を受けた方に対しましては、本人の意思を確認し、稼働能力に応じた就労支援を行っておりますが、治療に専念する必要のある方につきまししては、就労支援の対象外とし、治療に専念するよう指導しているところであります。
次に、来年4月から施行される生活困窮者自立支援制度についてでありますが、この制度は、現に経済的に困窮し、最低限度の生活を維持することができなくなるおそれのある方に対し、自立相談支援事業の実施、住居確保給付金の支給、その他の自立支援に関する措置を講ずることにより、自立の促進を図ることを目的としているものであります。
市では、これまで、緊急雇用創出事業を活用した「求職者個別支援事業」や「住宅支援給付事業」などを実施してきておりますが、これらの事業は、新制度の「自立支援相談事業」や「住居確保給付金」の支給事業などに概ね相当する事業でありますことから、新年度の事業実施に向けて円滑な移行が図られるものと存じております。
また、この制度は、多様で複合的な課題を抱える方が対象となるものであり、さまざまな支援メニューや新たなネットワークを構築する必要がありますことから、本年6月から市社会福祉協議会をはじめとする福祉関係機関等との意見交換会を随時実施するとともに、先進都市の事例を伺うなど準備に万全を期しているところであります。
次に、生活困窮者自立支援制度と生活保護制度との関係についてでありますが、生活保護制度は、最後のセーフティネットとして受給者の生活を支える機能を着実に果たすものであり、生活困窮者自立支援制度は、増大する生活困窮者に対し、生活保護受給に至る前の段階から、第二のセーフティネットとして自立の促進を支援するものであります。
市といたしましては、両制度を重層的なセーフティネットとして有効に機能させることにより、総合的な生活困窮者対策を講じてまいりたいと存じます。
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(神部伸也) 北厨川児童・老人福祉センターについて
北厨川児童・老人福祉センターの施設の波打った床面の改修はどうなっているでしょうか。現状と今後の計画についてお示しください。また、雨漏りの改修についてはどうでしょうか。特に、雨漏りによって鉄柱の腐食が激しくなっている箇所があり、階段の1階踊り場から2階天井にわたって大きなガラス窓がありますが、鉄柱もろとも倒れてこないか心配されています。私は、構造的な問題となっており、建て替えが必要ではないかと考えていますが、少なくとも、改修にあたっては、単に、雨漏りがしないようにするだけでなく、構造上の安全対策もしっかり行い、子どもたちに絶対に危険が及ばないように工事を行って頂きたいと考えますが、その点はいかがでしょうか。
北厨川児童・老人福祉センターの駐車場は、現在2台しかありません。市内の他施設の状況をお聞きすると、同様の施設やまったく駐車場のない施設もあるとお聞きします。そうした現状について市はどのように考えているのでしょうか。敷地内に確保するのは難しいというのが現状だと思いますが、地域住民の活動の拠点ともなる施設であり、高齢者も含めて活発に活動して頂くためにも駐車場は必要ではないでしょうか。また、子どもを迎える時間帯は大変込み合い、不便な状況となっています。幸い、北厨川のセンター向かいには、民間の月極駐車場があり、空いている状況のようです。市で借り上げて、駐車場の確保ができないものでしょうか。お伺いいたします。 |
(熊谷保健福祉部長)北厨川児童・老人福祉センターの床面と雨漏りの修繕についてでありますが、調理実習室の隆起した床面や、玄関・階段付近の鉄骨及び玄関屋根の錆取りや塗装、サッシ部分及び玄関屋根部分のシーリングの打ち替え、事務室の屋上防水シートの交換が必要と思われますことから、建物の構造上の安全性を考慮した上で、これらの箇所を修繕することとし、9月4日に修繕請負契約を締結したところであり、来年1月31日までには、修繕が完了する予定となっております。
次に、駐車場が十分でない児童センターや老人福祉センター等について、どのように考えているのか、についてでありますが、児童センター等における駐車場の必要性については、認識しているところであり、施設を整備する際は、一定数の駐車台数を確保するよう努めておりますが、建設用地の立地条件から、駐車場を確保できない、又は駐車台数が限られる場合もあります。
既存の施設につきましては、施設の維持管理に多額の費用を要していることや、児童センターや老人福祉センターが未設置となっている地区もあり、現在は、これらの地区の整備を優先している状況にありますことから、駐車場の借り上げにつきましては、難しいものと考えておりますので、御理解いただきたいと存じます。 |
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