2014年6月定例会 庄子春治議員の一般質問

 
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政治姿勢~集団的自衛権行使容認についての見解

教育委員会制度改悪について

教育行政について
 学校耐震化
 就学援助
 学校給食給食
次期総合計画策定について
  人口見通しと財政見通し
  他計画との関係

税務行政について~児童手当差押広島高裁確定判決

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 質問  答弁
◎庄子春治 最初に市長の政治姿勢について伺います。
 憲法9条がこれほど乱暴に踏みにじられようとしたことはかつてありません。「安全保障の法的根拠の再構築に関する懇談会」(安保法制懇)が5月15日、海外での自衛隊の武力行使を可能にするよう憲法解釈の変更を求めた報告書を安倍首相に提出し、それを受けて安倍首相は、「集団的自衛権」の行使を禁じた憲法解釈の見直しに入ることを表明。行使容認の閣議決定を目指して与党間協議が進められています。そして、しゃにむに6月22日の今国会会期中に閣議決定に持ち込む構えです。
安倍首相が狙い、しゃにむに強行しようとしている「閣議決定による『集団的自衛権行使容認』」は何を意味するでしょうか。
それは、第一に、日本を再び戦争をする国にしようということです。安倍首相は、国民の命を守るための「限定的」なものであり、日本が戦争する国にはならない、などと言っていますが、そもそも「集団的自衛権」の持つ意味がそういう論理を否定しているのです。集団的自衛権とは、「国際法上、自国と密接な関係にある外国に対する武力攻撃を、自国が直接攻撃されていないにかかわらず、実力をもって阻止することが正当化される権利」であり、日本に対する武力攻撃がなくても、他国のために武力を行使するということです。「自衛」という名前がついていても、日本に対する武力攻撃を、実力をもって阻止する個別的自衛権とは、根本的に異なるものです。自衛隊と9条との関係、周辺事態からPKO活動への参加、そして、アフガン戦争、イラク戦争への派遣など自衛隊の活動範囲が広がり、その都度おおきな9条との関係での議論が展開されてきました。
しかし、これまで集団的自衛権行使を認めず、「9条は、我が国自身が外部から武力攻撃を受けた場合における必要最小限の実力の行使を除きまして、いわゆる侵略戦争に限らず国際関係において武力を用いることを広く禁ずるものである」という政府見解の下で、アフガン戦争、イラク戦争への自衛隊派遣の特別措置法にも、「対応措置の実施は、武力による威嚇又は武力の行使に当たるものであってはならない」「対応措置については、我が国領域及び現に戦闘行為が行われておらず、かつ、そこで実施される活動の期間を通じて戦闘行為が行われることがないと認められる」地域で実施する、という二つの歯止めが条文に盛り込まれていたのです。だから、自衛隊員はこれまで戦闘行動によって海外で一人も殺すこともなかったし殺されることもなかったのです。
一方「集団的自衛権」の行使を根拠に派遣されたNATO軍では、その任務は直接的な戦闘行動ではなかったというものの、21か国1000人以上の犠牲者が出ているのです。
集団的自衛権行使容認ということは、この歯止めを取り払い、NATO軍と同じような道に自衛隊員を導くということです。
自民党の石破幹事長は、4月5日のテレビ番組で「誰も傷つけず、だれも傷つくことなかった。でもそれが絶対にないか?って言ったら、そんな事は保障できません。だからその覚悟が、政治も覚悟しなきゃいけない」と語っています。まさに、そこに事の本質がある。国民の命を守るどころか、海外で自衛隊員の血を流させることにつながるのではありませんか。
この危険については、与党の幹部の中からも強い懸念が表明されているのです。野田聖子自民党総務会長は雑誌「世界」の6月号で「集団的自衛権行使ができるとなれば自衛隊は軍になる。軍隊は殺すこともあれば殺されることもある。・・国際情勢という大きな状況と、人を殺す、殺されるかもしれないというリアリズムを語るべきです」と訴え、「政治家が覚悟しなければならない」との石破茂幹事長発言に対しても「それこそが、私たちが憲法解釈で60年間越えられなかったところではないでしょうか」と指摘しています。
「60年間超えられなかった」ハードルを越えて海外で武力行使ができる国~戦争ができる国につながる、「集団的自衛権行使」について、市長は現時点でどのような見解をお持ちでしょうか。
3月議会での私の質問に対して市長は、「我が国は過去の悲惨な戦争の教訓を風化させず,二度と戦火を交えることなく世界の平和に貢献していかなければならないものと存じておりますので,引き続き,平和主義の原則を堅持していくことが重要」だと答えましたが、その平和主義が、安倍内閣の「集団的自衛権行使容認」によって壊されてしまうという認識はありますか。御所見を伺います。

盛岡市は、自衛隊員募集事務で自衛隊が行う自衛隊員募集に協力しています。自衛官募集のポスター掲示、自衛官募集回覧チラシの配布、そして市長は自衛隊入隊者激励会で入隊者に激励のあいさつをしています。元防衛庁教育訓練局長の小池清彦新潟県加茂市長はイラク特措法の際、「市町村長の一人として、毎年自衛隊入隊者激励会に出席し、防衛庁・自衛隊の先輩の一人として、『自衛隊はすばらしい職場です。どうかこの職場ですばらしい青春を過ごし、意義ある人生を送って下さい。』と祝福し、励まして参りました。もし、イラク特措法が成立して、私が激励した人達が、招かれざる客として、イラクに派遣されて、万一生命を落とすようなことになったら、私は今度は自衛隊入隊者激励会において、何と申し上げたらよいのでしょうか。私は言葉を知りません。」と「専守防衛」の自衛隊をイラクに派遣することに反対し、当時の小泉首相に意見書を出しましたが、小池市長の憂いはまさに集団的自衛権行使容認によって現実のものになるのです。
盛岡市からの自衛隊入隊者はこの10年間で448人が入隊しています。自民党の石破幹事長流に言えば 市長が入隊にあたって激励した自衛隊員の方々に「血を流させる」覚悟を持たなければならなくなる~それが集団的自衛権というものではないですか。市長はどのようにお考えですか。御所見を伺います。

安倍政権の問題は、このような憲法解釈の変更を「閣議決定」で行おうということです。このことについて、市長は3月議会で「(憲法の条文)の解釈の変更については,主権者である国民の幅広い意見も集約しながら,広く徹底した論議が必要であると存じております。」と答えていますが、果たして国民の幅広い意見が集約されているとお考えでしょうか。
各種世論調査では、「憲法9条を変えないほうがよい」「集団的自衛権行使反対」が多数です。集団的自衛権行使を閣議決定で容認しようという安倍政権のやり方に対しては批判の声が広がっています。
自民党の村上誠一郎衆議院議員は4月のテレビ番組(BS-TBS)で「行政府と立法府がやるべきは最高裁から違憲だと判断されないような法を作って運用することだけだ。自ら解釈変更すれば八百長以上のものだ」「集団的自衛権行使が必要なら正々堂々と改憲を主張して国民に説明して堂々と議論すべきだ」と語りました。
明文改憲を主張するもう一人の方を紹介しましょう。元防衛庁長官の玉沢徳一郎氏は、ジャーナリストの斎藤貴男しにインタビューに答えて「自民党の憲法草案に私は反対しません。・・それより問題なのは、憲法改正の以前に、現憲法の下で集団的自衛権を容認しようとしている状況ですよ。政権が替わったからと言って、成文憲法の解釈を権力者の意向で拡大したり変更したりでは法治国家ではない。それは独裁政治に繋がるもの」だと述べているのです。(「戦争できる国へ~安倍政権の正体・・斎藤貴男著 朝日新書」)
自民党の古賀誠幹事長、加藤紘一元幹事長などに加え、一般に「タカ派」とみられていた方まで、解釈の変更による集団的自衛権行使容認に異論を唱えているのです。
この現状について市長の御所見はいかがですか。事ここに至って一般的な、玉虫色的な立場は許されないと思います。安倍政権の「集団的自衛権行使容認」にはきっぱりと反対だと表明すべきではないですか。市長の御所見を伺います。


再質問
◎庄子春治 市長は、閣議決定による憲法解釈の変更について「慎重であるべきだと考えている」とお答えになりました。今のやり方は、市長が言うところの「慎重」さというとこれを超えているのではないか、という懸念が、広範な国民の間にも広がっていると思うのです。そういう意味で、市長のこの御答弁は「慎重であるべきだ」という言葉の裏には「現在のやり方は慎重さを欠いているよ」という意見なのかなと伺いましたが、もう一度市長のお考えを伺いたい。市長さんは、自衛隊入隊者の方々を激励されていますが、災害復旧等で活躍いただいていますから、そのことについては了としますけれども、これが、もしその若者たちが、今後の任務の中に海外派遣という中で命を失ったり血を流すようなことがあってはならないということです。市長は市民の命を守るという責任がありますから、そういうこととの関係で再度御所見を伺いたいと思います。

◎庄子春治 いろいろ、国際的な日本を取り巻く情勢・・ということを言いましたが、個別の自衛権で対応できることばかりです。集団的自衛権とは、それを超えることです。「慎重であるべき」だと市長がおっしゃった趣旨については理解させていただきます。
◎谷藤市長 庄子春治議員のご質問にお答え申し上げます。はじめに、集団的自衛権行使についての現時点での私の所見についてでありますが、これまで政府は、我が国が独立国である以上、国際法上の権利として集団的自衛権を保有することは当然であるとしながら、日本国憲法第9条で許容される実力行使の範囲を超えるものであり、許されないとの立場を採ってきたものと認識しております。
 現在、我が国の安全保障の在り方と関わって、集団的自衛権の議論が行われているところでありますが、私といたしましては、3月議会でも答弁した通り、引き続き憲法の平和主義の原則を堅持していくことが重要であると存じております。
 次に、憲法の平和主義が「集団的自衛権行使容認」によって壊されてしまうのではないかについてでありますが、今国会での集中審議や「安全保障法整備に関する与党協議会」において、自衛隊の任務や武器使用の拡大などの議論が交わされておりますが、日本を取り巻く安全保障環境が大きく変化している中で、これまでの平和主義の堅持を前提としながら、我が国の平和と国民の安全を守るための安全保障のあり方が議論されているものと認識しております。
 次に、自衛隊入隊者への激励についてでありますが、自衛隊は、わが国の平和と独立を守り、国民の安全を保つことを主たる任務とし、災害時の救援活動や国際平和協力活動などの重要な使命を担っておりますことから、災害などから市民の生命・財産を守る立場にある自治体の長として、入隊者を激励してきたところであり、今後も同様に考えております。
次に、安倍政権の憲法解釈の変更を閣議決定で行うことへの所見と「集団的自衛権行使容認」に対する反対を表明すべきではないかについてでありますが、集団的自衛権の問題につきましては、国政の重要な問題でありますことから、長年の政府の憲法解釈の変更を閣議決定で行うことには、慎重であるべきだと考えておりますし、主権者である国民の間で広く議論がなされ、国会において十分な議論を尽くすなど、国民の多くに理解される中で判断されるべきものと存じております。














































































































◎谷藤市長 先ほども申し上げましたけれども、長年定着してきた憲法解釈に関しては閣議決定については慎重に扱うべきだと思います。必要であれば、国民に信を問うて、憲法改正なり、きちっと対応すべきが本筋ではないかと思っております。ただ、最近、日本国を巡る周辺の事態がかなり緊迫したさまざまな事案も生まれているということですので、何かあった時に即応できる体制というものはどうなのかということも含めて、平和主義に基づきつつも、国民の生命財産を守るという立場もあるんだろうと思います。そうい中でお深められていく、という時間があってもいいのかなとも思いますが、いついかなる時、どういう事態が起こるかもわかりませんので、そういうことも加味しながら議論が進められていると思っております。
◎庄子春治 教育委員会制度改悪について市長並びに、教育長の見解を伺います。
5月20日に衆議院を通過し、参議院で議論されている教育委員会制度を改悪する地方教育行政法改正案は、①首長任命の新教育長を教育委員会トップにすえ、教育長に対する教育委員会の指揮権限を奪う ②教育施策の方針となる「大綱」を首長が策定し、教育委員会にその具体化をさせる―ことなどが盛り込んでいます。

 まず、この法案の出発点になったとして理由にあげられたのが大津市のいじめ自殺問題に対する対応への批判があったことがあります。教育委員長は、3月議会で「大津市で発生した事件を契機に,制度の見直しの議論が本格化したものと存じております」と答えていますが、果たして教育委員会にはいじめ問題を解決するための責任がないのでしょうか。現行法ではその責任の所在はどのようになっていますか。盛岡市の教育委員会ではどのような対応になっているのですか。伺います。
この問題については、日本弁護士連合会が「現行法でも、教育委員会、教育長、教育委員長の権限・責任は明確に定められている」と指摘し、制度改正への根拠がないことを指摘しています。

 大津事件は口実に過ぎない。本当の目的であり最大の問題は、国や首長から独立した行政組織である教育委員会から、その独立性をなくし、国と首長の支配下に置こうというものではないでしょうか。
首長が策定する自治体の教育「大綱」は、国の方針を参考にすることが義務付けられています。国会審議の中で下村文科相は、「教育内容にかかわる事項を記載することが妨げられるものではない」と明言しました。現実に起きている事例に即してみれば、竹富町の教科書採択については文科省からの圧力にも屈せず独自の採択を貫きましたが、そういう権限を奪い、安倍政権の侵略戦争美化と「愛国心教育」を推進のために教育が利用される。全国学力テストの学校ごとの結果公表を首長の判断で行うなど、一層の競争教育を進める・・そういうことになるのではないですか。

 ここにあるのは、教育を国策に従わせるという戦前の教育制度への回帰ではないでしょうか。御所見を伺います。また、盛岡市の実例との関係では市長が強力に進める「民間委託」の路線は、保育園の民営化については、多くの異論があった中でも強行して進めていますが、学校給食の問題では、かろうじて教育委員会の判断で一定の修正なども行われていますが、それも市長の判断で強行できるようになる、ということではないでしょうか。
教育委員会の独立性を奪い、政治の支配のもとにおくことになるこの法改悪案は廃酸にすべきではないでしょうか。谷藤市長並びに教育長の御所見を伺います。
◎谷藤市長 次に、改正された教育委員会制度に対する所見についてでありますが、改正の主な内容は、教育長と教育委員長を一本化した、新たな責任者を首長が任命することや、新たに、地方公共団体に総合教育会議を設置すること、となっておりますが、重要なことは、教育の政治的中立性、継続性・安定性が確保されることであると存じております。

◎千葉教育長 ご質問にお答えいたします。はじめに、現行法における、いじめ問題解決の責任の所在についてでありますが、地方教育行政の組織及び運営に関する法律には、教育委員会に学校を管理する法律には、教育委員会に学校を管理する職務権限が規定されておりますことから、いじめ問題に対する責任は教育委員会にあるものと存じております。
 次に、市教育委員会ではいじめ問題の解決にどう対応しているか、についてでありますが、市教育委員会では、各学校におけるいじめ、問題の解決にどう対応しているか、についてでありますが、市教育委員会では、各学校における、いじめ防止に対する取り組みが、適切に行われるよう指導するとともに、必要に応じて、直接学校に出向き、その状況を把握し、関係者の話を聞くなどしながら、学校と教育委員会は一体となって適切な手立てを講じ、解決を図ってきたところであります。
 次に、今回の教育委員会制度改革は、戦前の教育制度への回帰ではないか、についてでありますが、現在の教育委員会制度は、戦前の教育制度の反省を踏まえ、地方自治の趣旨に沿って定められたものであり、その時々の政権によって、教育の中身が左右されたり、利用されたりすることは、あってはならないものであると存じております。
 次に改正された教育委員会制度に対する所見についてでありますが、今回の改正の主な内容は、教育長と教育委員長を一本化した、新たな責任者を首長が任命することつきましや、新たに、地方公共団体に総合教育会議を設置すること、となっておりますが、教育委員会制度において重要なことは、教育委員会制度において重要なことは教育の政治的中立性、継続性・安定性を確保することであると存じております。
 また、教育の機会均等や教育水準の維持向上が図られ、教育が公正かつ適正に行われるような制度でなくてはならないものと存じます。
◎庄子春治 教育行政の課題について学校の耐震化について伺います。
平成25年度から27年度までの盛岡市小中学校耐震化計画について伺います。盛岡市の小中学校耐震化は、第1次、第2次耐震診断を経て、耐震基準に満たない校舎・体育館について順次補強・改築の工事が進められ、今年4月1日時点で、耐震化が必要な34棟が耐震化工事が完了し、残りが小学校21校、中学校9校の71棟となっています。問題は、この耐震化工事を平成27年度までに終えるという方針が本当に実行可能なのか、はなはだ心配です。
計画を見ますと、平成27年度で実に37棟の補強工事を行うということになっており、約18億470万円の概算工事費を見込んでいます。 これまでの31棟の耐震化を上回る数ですが、これまでの合計の事業費はいかほどだったのでしょうか、お示しください。
もちろん工事内容が違うので単純比較はできませんが、これまでの実績を上回る棟数の工事費を確保する見通しはどうかお示しください。5月議会臨時議会で学校整備事業では、当初予算比で50パーセント以上増額補正するということが起きました。資材・労務単価の増額などは、この概算工事費には見込まれているのでしょうか。伺います。
また、昨今の入札不調・不落が相次いでいる現状の影響についてはどのように見込み、対応されるおつもりか合わせて伺います。





 就学援助について伺います。まず、本市における就学援助の状況について、この5年間の推移をお示しください。今年4月から消費税の増税が強行され、物価は3パーセント以上アップしました。それに伴い就学援助費にはその分が加算されているのでしょうか。もし不十分であれば加算すべきだと思いますがいかがですか。たびたび議会でも求めてまいりましたが、就学援助費に加えられた「クラブ活動費」「生徒会費」「PTA会費」の3項目について当市は見送っています。県内市町村の状況について、33市町村及び13市の26年度の実態はご存知でしょうか。私の知るところによりますと、約3分の2の自治体が加えています。盛岡市のように見送っているのは県内でも少数派ではないですか。子どもの医療費助成の対象年齢引き上げもそうでしたが、盛岡市はなで後れを取るのでしょうか。ぜひ早急に改善していただきたいのですがいかがですか。伺います。






 学校給食については、基本方針に基づいて整備計画をこれからどのような段取りで具体化するのかお示しください。
 


再質問


◎庄子春治 教育長に伺います。就学援助の3項目ついて、その必要性は認識されて、「段階的に導入することも含めて予算化のために努力したい」という御答弁でありましたけれども、これは、「来年度から少しずつ入れる」という御答弁と理解してよろしいでしょうか。


◎庄子春治 教育長さん大変失礼いたしました。今年度からでも・・という教育長の思いを、ぜひ生かされるように、財政当局もご協力をお願いいたいと思います。

◎千葉教育長 これまでの耐震補強工事の事業費の合計についてでありますが、昨年度末までに34棟の耐震補強工事が完了しておりますが、そのうち耐震補強工事のみを行った15棟の工事費については、約9億円であります。残りの19棟については、大規模改修や太陽光発電設備設置工事、防水工事などと併せて工事を行っておりますので、耐震補強工事のみをお示しすることはできませんが、総工事費といたしましては耐震補強分を含めて16億円となっております。
 次に、これまでの事績を上回る棟数の工事費を確保する見通しについてでありますが、平成27年度に実施予定の耐震補強工事につきましては総合計画に位置付けられ、盛岡市立小中学校耐震化計画に基づく工事費、18億200万円については、計上されているところであります。
 次に、資材・労務単価の増額は、この概算工事費に見込んでいるのか、についてでありますが、総合計画に位置付けられる、平成27年度の工事費の算出にあたっては、平成25年度末で完了した、第2次耐震診断報告書の補強工事概算額をもとに算出しておりますことから、それ以降の、資材・労務単価の増額分を見込んでおりませんが、補強の工法や補強の箇所数を正確に把握するなど、設計内容を個別に精査し、必要とされる工事費の確保に努めてまいりたいと存じます。
 次に、入札不調。不落の影響をどのように見込み、対応するのかについてでありますが、今年度内に実施設計ができない場合は、平成27年度までの耐震化の完了が困難となりますことから、設計額の精査や、早期発注による工期の確保、業者選定範囲の拡大などの対策を講じて、入札が不調・不落とならないよう、努めてまいりたいと存じます。

 次に、本市における就学援助のこの5年間の推移についてでありますが、就学援助児童・生徒数は、平成21年度が2,106人、22年度が2,222人、23年度が2,286人、24年度が2,272人、25年度が2,163人であります。
また、支給額は平成21年度が147,380,874円、22年度が162,421,055円、23年度が166,658,840円、24年度が169,342,725円、25年度が157,000,261円であります。
次に4月からの消費税アップ分の就学援助費への加算についてでありますが、本誌の就学援助費は国が示す基準に基づいて支給しており、今年度の当該基準は、消費税の増額分を加算した額になっております。
次に、「クラブ活動費」「生徒会費」「PRA会費」の3項目に関する平成26年度の県内市町村の実態についてでありますが、今年度は一部支給を含め、県内33市町村のうち、11市10町4村の25自治体が実施していると伺っております。
 次に、追加3項目の改善についてでありますが、市教育委員会といたしましては、その重要性を十分認識しておりますので、段階的に導入する方法などを検討しながら、引き続き予算化に向けて努力してまいりたいと存じます。

次に学校給食の整備計画についてでありますが、現在、平成26年度から30年度までの第一次実施計画の策定を進めており、その内容は、都南学校給食センターの代替施設としての、共同調理場の建設を中心にしているものであります。今年度は計画を作成し、来年度は、新共同調理場の建設事業に着手してまいりたいと存じます。


◎千葉教育長 ご来年度といわず、今年度からでもと、強い思いでおりますが、来年度は何とかと、段階的な導入、様々な工夫をしながら、もちろん全庁的な合意も得なければなりませんので、そういうことも含めて総合的に対応してまいりたいと存じます。
◎庄子春治次に、新しい総合計画の策定について伺います。市は現計画は今年度で計画期間が終了することから、平成37年度を目標年次とする新しい計画策定に取り組んでいます。
市総合計画審議会で審議が進んでいますが、これまでの到達と、今後のスケジュールをお示しください。
 これからの10年を考えたとき、これまでの市政運営の継続とともに新しい状況に応じた変革が求められます。

 社会の潮流の変化をどう見るか。人口予測について、今年度の第一回総合計画審議会に示された資料では、22年国調人口の298,348人が、目標年次の37年で281,820人と予測しています。国立社会保障・人口問題研究所の推計、まちづくり研究所の推計に、震災後の社会的へ化を加味した市独自の推計により、両推計より若干減少幅が少なくなっています。が、その後の推計では5年ごとに、一万人ほど減少し、47年予測で26万458人と推計し、さらに5年後には25万人を割り込み、24万7898人としています。
 国の人口予測では、2050年に人口一億人を割り込み、2060年には8673万人という数字を出しています。現状の、合計特殊出生率1.4前後という状況から見ての推計だと思いますが、この問題は、社会の存続にかかわる問題です。人口減少は決して「自然現象」ではありません。現に、フランスなど、出生減少に歯止めをかけプラスに転じ、人口維持の基準といわれる出生率2.08に近いところまで回復した事例もあります。
人口減少にどう歯止めをかけるか、本気で本格的に取り組むべき課題ではないでしょうか。次期総合計画の大きな柱になるべきです。御所見を伺います。















 財政見通しについてです。この見通しは現在調整中ということです。今後の10年間は、その前半が、玉山合併後の地方交付税算定の特定が終わり段階的に削減される期間と重なります。その見通しはどうですか。いただいている資料によりますと、現在の新市建設計画における財政見通しとの比較では、単年度で地方交付税で36億円程度マイナスになるように見受けられますがいかがですか。この点では、経済情勢の好転による市税収入が増えれば、交付税が減るという仕組みから見れば、この削減は非常に大きなものになるのではないですか。これにどう対応するのかが大きな課題です。御所見を伺います。
 かつて第3次総合計画期間中につぎ込んだ公共事業とその借金から「財政再建」を図るということで市長が取り組んだ「行財政改革」で住民に我慢を押し付けてきましたが、今度は「合併建設計画」の宴の後に、厳しい住民サービス切り捨てが起きない対策が求められるのではないでしょうか。この件についてご見解と対策について伺います。
 
 先ほどの学校耐震化事業を始め、土地区画整理事業、下水道整備事業、道路や橋梁の計画など、すでに市民に示している諸計画について、総合計画でどう位置付けるかも課題です。都南中央第3地区や、道明地区の土地区画整理事業では、区画整理手法による整備も、区画整理事業によらない手法による整備も、平成34年度までに終えるという約束を市民との間で交わしています。これらがどう担保されるのか伺います。  
◎東堂市長公室長 総合計画策定のこれまでの到達と今後のスケジュールについてでありますが、平成25年度は、新しい総合計画の策定に当たり、主に市民アンケートや市民意見交換会、市民討議会などを実施し、まちづくりに関する市民意見の集約を行っております。
 また、盛岡市総合計画審議会においては、今年2月に「新しい盛岡市総合計画の基本構想」について諮問し、基本構想の構成案について審議いただいております。
 5月には、審議会に分科会を設置し「現総合計画の成果と課題」「盛岡市の人口の推移と推計」「市民意識」などを踏まえ、「総合計画の策定に当たり重視する視点」をしてまとめ、協議いただいているところであります。
 今後は、重視する視点を踏まえ、基本構想で掲げる「目指す将来像」や「基本目標」、「施策体系」等について、総合計画審議会において協議を重ねていただき、9月には「基本構想」についての中間答申をいただきたいと考えております。
 その後、基本構想(案)について市議会全員協議会において説明・協議を行い、パブリックコメントの実施、玉山地域協議会への諮問を行い、11月には総合計画審議会より「基本構想」の答申をいただきたいと考えております。
 これらの経過を踏まえ、12月市議会定例会において「新しい総合計画基本構想(案)」の提案を予定しているところであります。
 また、実施計画につきましても、来年2月には市議会全員協議会において説明・協議を行い、年度内に策定する予定としております。
 次に、人口減少問題は次期総合計画の大きな柱とすべきことについての所見でありますが、人口減少や人口構造の変化への対応は、本市にとって重要な課題であると認識しております。
 新しい総合計画の策定に当たりましては、人口減少対策にかかわりの深い「東北を牽引し拠点となるまちづくり」や「若者や女性が住みたくなるまちづくり」「都市の魅力を磨き選ばれるまちづくり」「都市の魅力を磨き選ばれるまちづくり」などを「重視する視点」と捉えており、さまざまな施策を総合的に講じる必要があるものと存じております。
 次に、学校耐震化事業など、既に市民に示している諸計画を総合計画においてどう担保するのか、についてでありますが、現在策定中の新しい総合計画においては、財政見通しを踏まえながら、緊急度や優先度を考慮し、実施計画に位置付けて推進を図ってまいりたいと存じております。

◎獅子内財政部長 地方交付税算定の特例期間終了後の財政見通しについてでありますが、地方交付税のうち、普通交付税は市町村の合併の特例に関する法治癒の規定に基づき、当市の場合、合併年度である平成17年度及びこれに続く10年度が経過した27年度までの5年間は段階的に移行することとなっており、25年度決算ベースで試算すると、28年度は約9千6百万円、29年度から32年度までが毎年約1億9千万円、33年度が9千600万円の減となり、特定期間終了後の33年度から36年度までの交付額は、単年度で約145億円になり、現在と比較し約9億6千万円が減少すると見込んでおります。
 次に、新市建設計画の財政見通しと直近の試算における交付税額の差についてでありますが、新市建設計画における財政見通しは、24年度に作成し、地方交付税ということで特別交付税を含んだものでございます。普通交付税で見ますと25年度の予算をベースとしたもので、32年度の交付額を約169億9千円と見込んでおりますし、直近の試算は、25年度の決算をベースとして、32年度の交付額を約146億円と見込んでおり、約23億9千万円の差となっているものでございます。 
 次に、交付税削減への対応についてでありますが、現在、国では全国市長会等の要望を受けて、26年度から5年程度の期間で、支所に要する経費の算定など合併した地方自治体への地方交付税を手厚くする新たな算定方法を段階的に導入することとしており、今後とも国の動向を注視するとともに、安定した持続可能な財政運営のため、財源の確保に全力で取り組んでまいりたいと存じます。
◎庄子春治  税務行政について伺います。昨年11月27日、広島高裁は、鳥取市の自営業者の方に預金口座に振り込まれた児童手当金を、鳥取県が県税の滞納処分として差し押さえた件について、「実質的に児童手当を受ける権利自体お差し押さえたのと変わりがないから、児童手当法15条の趣旨に反するものとして違法である」という判決を下しました。
これまで、児童手当などの際抑え禁止債権であっても、口座に振り込まれれば「預金債権」だという論理で差し押さえをしてきました。今回の判決は、その論理を覆すものでありその判決は確定しました。
盛岡市はこの判決をどう受け止めていますか。他の自治体の事例を我が身に置き換えて点検してほしいのです。児童手当などの際抑え禁止債権の差し押さえの事例はありませんか。
その他の差し押さえ禁止債権についてはどうですか。給与、年金などについては、国税徴収法施行令で一月10万円、生計を一にする親族一人につき4・5万円加算の分を差し押さえ禁止にしています。これを超えて差し押さえしている実態はどうですか。何件ですか。
市は、この差し押さえについては、本人から承諾書を得て実施しているということですが、名目だけの「承諾」になってませんか。任意性はどのように担保されていますか。伺います。
 鳥取県は、この判決を受けて、県民に謝罪するとともに県の滞納整理マニュアルを見直し、●月3・5回以上の入出金を繰り返す口座は生活口座として認定する。3・5回未満の場合は、年金や児童手当の特定口座として差し押さえ対象外とする。●預金差押え時に3か月分の取引歴を確認する。●差し押さえた預金が禁止財産を含む場合は、その金額は控除して差し押さえる ●申し出があり、禁止債権と確認できた場合は解除・取り消す、としました。
 市には、滞納整理のマニュアルはあるのでしょうか。指摘されてから、申し出があってから・・ではなく、鳥取県の事例にならって、自ら是正するための対策をとり、禁止債権の差し押さえというものが起きないような対策をとるべきではないでしょうか。伺います。
以上

再質問

◎庄子春治 禁止債権の差押についtですが、給与・年金等の禁止財産分について52件行っているという答弁でした。最初の質問でも申し上げましたが「承諾書をいただいている」ということでしたが、その承諾書に任意性がどう担保されているのか、はなはだ心配があります。本当に、任意で承諾書が書かれているのか。禁止債権についてはやめるべきだと、そのうえで納税相談のうえで任意にきちんとお支払いいただくという対応に進むべきだと、それが広島高裁の確定判決を生かす道ではないかと思いますけれども、その点、最後にお願いいたします。


◎庄子春治 任意性については、十分な検討を加えて、任意性を壊すことのないように対応していただきたい。     
◎獅子内財政部長 児童手当に係る広島高等裁判所の判決をどう受け止めているかについてですが、従来は、最高裁判所の判決を引用し、差押禁止債権が振り込まれた預金債権は、原則として差押禁止債権としての属性を有しないものと解されておりましたが、今回の判決では、預金残高がほとんどなく、振り込まれて預金となった差押禁止債権の差押は狙い撃ちであり、差押は違法と認定されたものであります。当市では、これまで、国税徴収法に定める差押禁止財産の制定趣旨を十分理解し、適正な差し押さえを行ってきたところであり、今後も、このたびの判決を重く受け止め、関連法令等を遵守し、適切な事務執行を行ってまいりたいと存じております。
 次に、当市における生活扶助の給付、児童手当等をはじめとした差押禁止債権についてですが、預金口座への振込金額を含め、差押をおこなっていないものであります。
 次に、国税徴収法の基準を超えた給与等の差押の実態とその際の承諾書についてですが、差押禁止額を超えた差し押さえ件数は、平成26年5月末で52件あり、納税相談の中で、本人からの要望や生活状況等を判断したうえで、承諾書を提出していただき、可能な範囲で給与等の差押を行っているものであります。
 次に、滞納整理マニュアルの有無及び差押禁止債権の差押が発生しない対策についてですが、当市には、差押の処理方針、財産調査、滞納管理システムの操作方法等の事務処理マニュアルはございますが、具体的処理例として現在記載している給与・年金の差押に加え、今回の差押禁止債権に係る資料を追加し、職員への周知を図って参りたいと存じます。
 いずれにしましても、滞納整理につきましては、可能な限り早めの納税相談に心がけるとともに、財産調査を行い、個々の状況を把握し、適正な事務処理に努めて参りたいと存じております。









◎獅子内財政部長 禁止債権の承諾書の件でございますけれども、本人からの要望ということで、このままですと自分自身でも自主的な納税ができない、という申し出がありまして、自分の給与から天引きしていただきたい、という申し出もございますし、また納税相談をやる中で、任意性を担保しながら、承諾書をとるときには適切な判断をしてまいりたいという風に思っております。