生活保護改悪の影響
(鈴木努)社会保障についてお伺いします。昨年、消費税増税法案とともに提案・可決されたのが「社会保障制度改革推進法」でした。推進法は第一条で「安定した財源を確保しつつ受益と負担の均衡のとれた持続可能な社会保障制度の確立を図るための社会保障改革」を行うとし、第二条で「家族相互及び国民相互の助け合いの仕組みを通じてその実現を支援していく」としています。言い換えると「受益と負担」「自立・自助・共助」を国民に求め、憲法25条で規定された「健康で文化的な最低限度の生活」を確保する国の責任を投げ捨てる内容となっています。推進法にもとづき設置された「社会保障改革国民会議」の報告書にもとづき、安倍内閣は、社会保障改革プログラム法案骨子を閣議決定しました。この間の相次ぐ社会保障制度の改悪で国民の負担は高められたましが、さらに医療、年金、介護、子育ての各制度をより一層改悪する中身となっています。その第一のターゲットとされたのが生活保護です。
生活保護基準は、最低賃金や就学援助など低所得者対策の物差しであり、国民生活の土台となるものであり、基準が引き下がれば、政府は他の社会保障制度も容易に削減できることになります。生活保護基準の引き下げは、生活保護制度利用者だけの問題ではなく当市における他の事業にも影響を与えるものと思いますが、どのくらいの事業や市民に影響を与えたものか、お知らせ願います。また市としては、保護費削減によって他の事業への影響を抑えるための措置はとられているものなのかお知らせ願います。
(熊谷保健福祉部長)市が実施している事業のうち、「中国残留邦人等の円滑な帰国の促進および永住帰国後の自立の支援に関する法律」に基づく支援給付事業については、生活保護基準と同一の運用となっていることから、見直しの影響を受けているものであります。
この事業の対象は、11世帯、18人であり、生活保護と同様に、給付額の引き下げの影響を受けております。
本年5月、国から、生活保護基準の見直しに伴い、地方自治体で独自に実施している事業においても、できる限り影響が及ばないよう、適切に判断・対応いただきたい旨通知があったところであります。
市におきましては、その趣旨に基づき、生活保護が廃止となった世帯に対する「保育料の特例免除の新設」や経済的理由により就労困難と認められる学齢児童生徒を対象とした「就学援助の支給対象認定基準の据え置き」などを実施しており、該当する事業において、できる限り影響が出ないよう対応しているところであります。
また、個人住民税の非課税限度額を参照としている制度につきましては、25年度は影響がでないものでありますが、26年度以降、税制改正により影響を受けることも想定されますことから、国の動向を注視してまいりたいと存じます。
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福祉灯油について
(鈴木努)福祉灯油の実施についてお伺いします11月13日に開かれた県生協連の灯油委員会で今シーズンの灯油価格を、冬の同期では過去最高となる1リットル102円と決めました。11月24日から3月22日までの暫定価格で、前年同期の90円に比べると12円も高くなっています。福祉灯油が実施された平成19年、平成20年の価格を上回っている状況です。
このような中で、県は、冬季の灯油購入に対する経済的負担を軽減するため、被災地福祉灯油等特別助成事業を行う考えを示しました。県が独自に行う福祉灯油の事業は3年連続となっており、対象世帯は、高齢者世帯、障がい者世帯か1人親世帯で市町村税の非課税世帯または生活保護法による保護世帯のうち、市町村長が認める世帯となっており、当がいい経費に相当する額と、一世帯当たりの基準額5000円に世帯数を乗じて得た額とを比較し、いずれか少ない方の額の2分の1以内の金額を助成するとしています。
対象市町村は沿岸の12市町村にとどまっていますが、当市としても灯油の高止まりが続いている中で独自に生活困窮者や社会的弱者の方々について、緊急の支援策として福祉灯油の実施をしていくべきではないでしょうか。とりわけ、沿岸から内陸部へ住民票を移されている方々は県の助成事業の対象となっておらず、支援が必要と考えますが、いかがでしょうかお伺いします。
(熊谷保健福祉部長)ここ数年間の灯油価格は、高値傾向にありますが、国および県の支援がない中で、市が独自に実施することは難しいものと存じております。
今後の価格動向はなお不透明でありますが、価格の推移を注視して、必要があれば、岩手県市長会を通じて、国や県に補助事業の実施を要望してまいります。
(菊池総務部長)市内の生活困窮者や社会的弱者の方々に対する福祉灯油の実施など自然体としての取り組みを考慮しながら対応してまいりたいと存じます。
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障がい者施策について
障がい区分審査について
(鈴木努)障がい者施策についてお伺いします。今年の4月から障がい者自立支援法に代わる法律として、「障がい者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律」(障がい者総合支援法)が施行されておりますが、この法改正に関連し、いくつか質問します。
福祉サービスの支給について、自立支援法の下では、障がい者の意向や望む暮らしの支援の種類や量の保障が十分でなかったことから、サービス支給を制限するための障がい程度区分を廃止した新たなしくみが求められてきたところであります。
「基本合意」は、「どんなに重い障がいがあっても障がい者が安心して暮らせる福祉の支給量を保障し、個々の支援の必要性に即した決定がなされるように」と指摘しています。
そして「骨格提言」は、障がい程度区分は使わずに、本人(法定代理人)が策定したサービス利用計画とともに、市町村の支援ガイドラインと照らし合わせ、ニーズアセスメントを行い、支給決定することを提案しています。
総合支援法の当初の政府案では、障がい程度区分認定制度は、法施行から3年後に見直しを行う予定でしたが、3党合意が提出され、「障がいの多様な特性その他の心身の状態に応じて必要とされる標準的な支援の度合いを総合的に示す」障がい支援区分認定として名称を変え、14年度から実施することになっています。
これまでの程度区分決定は、調査する106項目のうち、介護保険の要介護認定と同様の79項目をコンピューターで判定し、それに精神面や日常生活の状況を把握する7項目を追加して一次の程度区分を判定しました。それを認定審査会にかけて、行動障がいなど20項目を反映させ、医師の意見書や特記事項を勘案して二次判定を行っていました。このため、二次判定で一次判定が覆ることが可能であり、一定、必要な支援の種類と量を確保することができたわけですが、支援区分では、106項目から80項目に減るものの、全てがコンピューター判定に委ねられることになります。このことにより支援区分認定が程度区分認定より後退する恐れがあるわけですが、「基本合意」や「骨格提言」に基づく判定方法にしていくための市の取り組みについてお考えをお聞かせください。
(谷藤市長)現行の「障がい程度区分」の審査及び判定におきましては、コンピューターによる一時判定及び判定におきましてはコンピュータによる一時判定を行い、その結果や医師意見書等をもとに、医師のほか、障がい者施策等の実情に詳しい委員15名からなる「盛岡市障がい者介護給付等支給審査会」により二次判定を実施しております。
来年度から行う「障がい支援区分」の審査及び判定におきましても、障がい特性をより反映した認定調査に基づき、コンピュータによる一次判定を行い、その結果や医師意見書等を用いて審査会において二次判定を行うこととなりますことから、より適確な認定がなされるものと存じております。
なお、国ではコンピュータ判定式の変更や、調査項目の追加と統合を行うなど評価方法の見直しを行うにあたり、今年度モデル事業を実施したところでありますが、市もこのモデル事業に参加し、改善点等につきまして国に報告を行ったところであります。
(保健福祉部長答弁) 盛岡市の障がい福祉サービス利用者は、本年11月1日おいては、新たにサービスを必要とする方々を対象とし、11月末日現在において、161人について計画を作成しております。
来年度は、すべてのサービス利用者につきまして、計画を作成することとしており、一時期に集中しないよう時期を調整しながら実施してまいりたいと存じます。
相談支援・重度障がい者施設について
(鈴木努) 相談支援についてお伺いします。相談支援は、幅広い相談に応じ、市町村または、委託法人による相談支援事業があります。障がい福祉サービスなどの利用計画の作成をする計画相談支援・障がい児相談支援については、「支給決定の見直し」として、12年4月以降、障がい福祉サービス利用者全員が支給決定前に「サービス等利用計画案」の提出を求められ、これを勘案して支給決定が行われるようになりました。総合支援法でもそのまま受け継がれ、14年度までの施行猶予が設けられています。この利用計画を巡り全国では混乱が起こっており、自治体間格差が生まれています。当市における状況についてお示しください。また相談支援の充実について市ではどのように取り組んでいくのか。合わせて重度障がい者の施設の拡充についても必要と考えますが、見通しについてお知らせください。
(熊谷保健福祉部長)サービス等利用計画案を作成する相談支援事業者が不足していることから、今年度は、5月に障害福祉サービス事業者などを対象とする事業者指定に係る説明会を開催したほか、新たに指定を受けた相談して維持業者向けの情報交換会を開いて、計画作成に係る諸課題の検討を行っております。
重度障がい者の施設の拡充については、今年度実施しております、障がい者等の実態調査の結果などを踏まえて、平成26年度に策定する盛岡市障がい福祉計画の中に位置づけ、国の社会福祉施設等施設整備費を活用しながら、計画的に施設整備を図ってまいります。
障がい者の雇用支援について
(鈴木努) 6月に成立した障がい者雇用促進法の一部改正には、雇用における生涯を理由とした差別的取り扱いを禁止し、障がい者が働くにあたっての支障を改善するための措置を定め、精神障がい者を法定雇用率の算定義務に加えることが盛り込まれました。
現在も精神障がい者雇用は雇用率の算定には含まれることから、ハローワークの職業紹介数は04年から比較すると11年度は5.2倍となっており、身体障害・知的障害と合わせた三障がいのうちでもっとも伸びています。
精神障がい者の雇用義務化は、施行は5年後でさらに5年間が猶予期間実質的に10年先まで義務化が猶予された形です。18年から23年までの5年の間は、身体・知的障がい者を対象とした率と精神障がい者を含めた率との間で政令で定める率が法定雇用率となります。企業に配慮した措置となっておりあまりにも現実と法のギャップが大きいといわざるを得ません。精神障がい者の遅れた現状の打開は急務となっています。
また、事業主が求人・採用や賃金の決定、待遇などで、障がい者であることを理由に不当な差別を受けてはならないという規定について、その対象に断続的、周期的に障がいが出て職業生活上相当制限がある難病患者などが含まれます。差別の具体例として、厚生労働省は、障がいのあることを理由として採用を拒否すること、賃金を引き下げること、研修や現場実習を受けさせないことなどをあげています。合理的配慮については、募集や採用の配慮として点訳・音訳をすること、施設の整備などの配慮として車いす利用者に机や作業台の高さを調整することや、通勤ラッシュを避けるため勤務時間を変更することなどが示されていますが、このような規定について、事業主への周知や努力を促すことが非常に大事になると思いますが、どのように市では働きかけをしているのか、お伺いいします。
(村井商工観光部長)障がい者雇用は、国の所管事務として、盛岡公共職業安定所の職員が企業訪問を行い、障がい者を雇用する際の支援制度の説明や障がい者に対する職場の環境づくりのアドバイスなどの指導に当たっているところであります。
ご質問の「合理的配慮の提供義務」につきましては、雇用の分野における障がいを理由とする差別的な取り扱いの禁止とあわせまして、平成28年4月から施行されますが、今後、労働政策審議会等の意見などを聞き具体的な指針を策定することとなっておりますことから、国の動向を注視してまいりますとともに、岩手労働局、盛岡公共職業安定所および盛岡地域雇用開発協会と連携を図りながら、企業の方々との様々な会議におきまして、法改正の周知も含めまして障がい者の労働環境の向上等についての情報を提供してまいりたいと存じております。
法定雇用率
(鈴木努)今回の法改正に先立ち、今年の4月から障がい者の法定雇用率は、民間企業では1.8%から2.0%に、国、地方公共団体では2.1%から2.3%に、都道府県教育2.2%に引き上げられました。法定雇用率は、民間企業では制度発足後1度も達成されておらず、雇用率を達成した企業は46.8%で達成企業割合は34年前から増えていない状況にあります。国・地方公共団体がかろうじて達成している状況にありますが、民間企業の法定雇用率の達成に向けて市ではどのように取り組まれているのでしょうか。合わせて、市内の民間企業の状況と当市の状況についてもお示しください。
(菊池総務部長)平成25年6月1日の公表時点におきましては、法人必要人員であります52人に対しまして61人となっており、必要人員を満たしているところでございます。
(村井商工観光部長)盛岡公共安定所によりますと、安定所館内において、2%以上の障がい者を雇用しなければならないこととされている、従業員50人以上の一般の民間企業の数は、平成25年では、370企業あり、その障がい者の雇用率は1.74%となっております。また、法定雇用率を達成している企業の割合は370企業のうち42.2%となっているところであり、安定所では、企業訪問などにより改善に向けた取り組みを行っているほか、常用労働者200人を超える法定雇用率未達成企業から不足する人数に応じて納付金を徴収し、それを財源に法定雇用率を上回ってる企業に対して、障がい者雇用調整金、報奨金、各種の助成金を支給する「障がい雇用納付金制度」により、法定雇用率の向上を目標としているとお伺いしており、市といたしましては、機会を捉え市内企業に制度の周知に努めて参りたいと存じます。
(獅子内財政部長)市の競争入札参加資格審査の際に、障がい者の雇用状況を評価事項に加えることや、総合評価落札方式による入札において、評価項目に障がい者の雇用実績を加えて評点を付与することで、障がい者を雇用している企業を優遇することにより雇用率向上を図っております。
就労支援施設の工賃アップ対策
(鈴木努)企業や官庁で働いていない障がい者の多くが就労支援施設で福祉的就労を行っています。施設の工賃は厚生労働省の実態調査によると全国平均で月額1万3千円ほどとなっています。約一万人の障がい施設・事業所利用者からの回答で、年収百万円56.1%にのぼり、98.6%が年収200万円未満のワーキングプアとなっています。生活保護受給率は障がいのない人の6倍以上で、6割弱が親と同居しています。就労支援施設も工賃を引き上げるために収益性の高い商品づくりに取り組むなどの努力を行っていますが、限界がありますが、市としては工賃の引き上げについてどのように取り組んでいるのかおうかがいします。また今現在公共施設等で、作業所の商品販売を行っておりますが、販売促進のために市が支援を行いながら空き店舗などを利用し作業所の商品販売していくような取り組みができないものでしょうか、お伺いします。
ディーセントワークという言葉がありますが、ILOは、すべての人にこの「ディーセントワーク」を保障することを呼び掛けています。このディーセントワークは、「はたらきがいのある人間らしい仕事」と訳され、厚生労働省は、ディーセントワークの理念と目標について、①働く機会があり、持続可能な生計に足りる収入が得られること、②労働三権などの働く上での権利が確保され、職場で発言が行いやすくそれが認められること、③家庭生活と職業生活が両立でき、安全な職場環境や雇用保険、医療、年金制度などのセーフティーネットが確保され、自己の鍛錬もできること、④公正な扱い、男女平等な扱いを受けることと定義していますが、福祉的就労につく障がい者にも労働者の権利を認め、最低賃金までは公的に賃金を補てんするなど対策が必要と考えますが、市長の御所見をお伺いします。
(谷藤市長)就労を希望されている障がいのある方に対する就労支援につきましては、雇用契約を結び労働者として就労する形態と雇用契約に基づかない就労訓練があります。
雇用契約を締結していない福祉的就労者に労働者の権利を認めることにつきましては、平成19年5月の厚生労働省労働基準局長通知において、事業場への出欠、作業時間、作業量などの自由があり、事業者からの指揮監督を受けない就労であることから、基本的には労働基準法9条の「労働者」に該当しないものであるとされておりますが、多くの障がいのある方が福祉的就労についておりますことから工賃の引き上げに向けた施策に、引き続き取り組んでまいりたいと存じます。
(熊谷保健福祉部長) 平成21年度から緊急雇用創出事業などを活用し、「もりおか福祉ブランド推進事業」として盛岡市社会福祉事業団に委託し、商品の営業や代理受注、共同販売会実施ほか、商品開発援助のための研修会の企業向け内覧会の開催、企業訪問、施設と企業のコーディネートを行うなど、販路拡大や商品開発の支援を行っているところであります。
また、同事業を活用し、現在6福祉事業所に対し、指導員を配置して、作業の実務指導と生産性向上の指導を行い、障がい者就労支援施設の工賃増額に向けた支援を行ってきているところであります。
空き店舗を利用した商品販売の取り組みができないか、につきましては販売機会拡充に向けた一つの方策と存じますことから障がい者の工賃アップの一環として、先進地の状況などを把握しながら研究してまいりたいと存じます。
障がい者の選挙権行使への対応
(鈴木努)この項の最後に国会では今年の5月17日に公職選挙法の等の一部改正案が全会一致で成立しました。改正案は成年被後見人が選挙権、被選挙権を失うとした規定を削除し、「代理投票」をする補助者については、選挙管理委員会や市町村職員など「投票所に事務に従事する者」からあてるとしました。
障がい者の参政権の保障は、障がい者の差別禁止、合理的配慮、また高齢者をふくめたすべての人に基本的人権を保障するという問題です。今回の法の付帯決議として「郵便投票の対象拡大や、点字投票の導入など有権者の政治参加を容易にするための必要な措置を講じること」が挙がっていますが、これまで投票所のバリアフリー化や障がい者にも選挙情報が届くようにするなど改善が求められてきましたが、法改正により市ではどのように対応が改善されたのか、お伺いします。
(谷藤市長)市ではこれまで高齢者や障がい者を含む有権者の投票環境の向上のため、各投票所の実態に合わせて出入り口のスロープの設置や車いすを配備するなどして、バリアフリーに努めているところです。
また、障害者への選挙情報の提供として、選挙に関する各種のお知らせを市の広報やホームページに掲載しているほか、目の不自由な方には、投票所の入場券に点字シールや音声ガイド用のQRコードを貼って送付し、投票機会の拡大を図っております。
今回の公職選挙法の改正に伴う成年後見人の選挙権回復など、選挙制度の周知に努めるとともに、投票所のバリアフリーの状況について点検を実施したところであり、今後とも高齢者や障がい者を含めたすべての有権者の投票機会の確保に努めてまいりたいと存じます。
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インフルエンザワクチンについて
(鈴木努)インフルエンザワクチンの接種についてお伺いします。予防接種法では、伝染の恐れがある疾病の発生と蔓延の予防等を目的として予防接種を掲げており、個人の発病やその重症化を防止し、併せて蔓延予防を目的として、インフルエンザワクチンの接種が行われています。
盛岡市が行うインフルエンザの予防接種の対象は、65歳以上の者及び60歳以上65歳未満の方を対象とし、任意接種の補助事業として、平成15年度から3歳から5歳までの幼児を対象とし、1回1000円の補助を2回まで行っており、その後22年度から対象範囲を0歳から6歳までに対象を拡大しています。
幼児インフルエンザの近年の実績を見ますと、平成22年度が接種対象者17453人で接種率が49.59%、23年度が17528人で接種率が47.17%、24年度が17591人で接種率が49%となっており、接種率が50%弱で横ばいとなっています。
インフルエンザの流行によって予定していた行事等が中止になるケースや授業の欠席によりおよそ1週間ほどの遅れをとるのは大変なことでありますし、ましてや中学3年生などは受験を控えている大事な時期でもあります。近隣の矢巾町や紫波町では中学生までインフルエンザワクチン接種の補助を行っており、その補助額も2000円と盛岡市の補助額を上回っています。当市においても子育てをする家庭の負担を軽減し、接種率の向上と小・中学校まで対象を拡大し、インフルエンザの予防に力を入れていく必要があると思いますが、いかがでしょうかお伺いします。
(谷藤市長)市の予防接種事業は、定期接種の増加に伴いまして、平成24年度の決算額は約8億円となり、21年度と比較しまして約2倍となっています。
また、来年度におきましても、国において定期接種の種類の増加が検討されているところです。
市といたしましては、これらの状況も踏まえ、限られた予算の中で、他団体の状況も考慮しながら予防接種の優先順位を決定してまいりたいと存じており、補助金の増額と補助対象者の拡大につきましても、その中で考えてまいりたいと存じます。
なお、岩手県市長会を通じて、県に対し、乳幼児等インフルエンザ予防接種に係る財政支援について提言しており、今後も提言を続けてまいりたいと存じます。
また、接種率の向上につきましては、市の広報やホームページで周知を図っているとともに、ご協力いただいている医療機関にポスターの掲示をお願いしているほか、「感染症集団発生予防研修会」などの機会をとらえて、インフルエンザ予防の啓発を行っており、今後においても、これらによる周知を図り、接種率の向上に努めてまいりたいと存じます。
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乳幼児医療費助成制度について
(鈴木努)医療費助成についてお伺いします。乳幼児の医療費助成について、医療費助成の拡大は、少子化対策として非常に有効なものであり、県内や全国の市町村においても対象年齢の拡大を行っているところが増加してきています。県内の状況を見ましてもこれまで対象年齢を拡大したところが25年の7月時点で22の市町村となっており、さらに今年は大船渡市、花巻市、釜石市、金ヶ崎町、野田村の5つの市町村が小学校卒業、あるいは高校卒業まで対象を拡大したところであります。就学前までの助成が13市では盛岡を含め2市だけとなっており、県内の他市町村に倣って早期に医療費の助成対象を拡大していただきたいのですが、いかがでしょうか。合わせてこの間医療費負担の現物給付化について求めてきたわけでありますが、どのように検討がなされているのでしょうか。
県外から盛岡に引っ越された方からは、医療費の窓口負担の未だ償還払いとなっていることに驚かれる方が多いわけでありますが、この点についても早期の改善を求めますが、いかがでしょうか、お伺いします。
(細川市民部長)県内や全国の市町村においても対象年齢の拡大を行っているところが増加しておりますことから、市といたしましても厳しい財政状況の中で、対象年齢の拡大に要する財源が確保できるかどうか検討を行っているところでございます。
なお、本年10月22日に岩手県市長会の「県予算編成ならびに施策に関する提言活動」におきまして、岩手県知事に対し、乳幼児等に対する医療費助成の拡充について提言を行ったところ、県からは、「東日本大震災津波の影響により、新たな経費の確保は大変厳しい状況にあるが、引き続き市町村と協議のうえ制度のあり方について検討する」との回答をいただいております。
さらに国にたいしましても、全国市長会や中核市市長会を通じ、子どもの医療費無料化制度の創設を要望しているところであり、実現にむけて引き続き要望を行ってまいりたいと存じます。
現物給付について、どのように検討されているのかについてですが、現物給付を行うことにより国民健康保険療養費等国庫負担金が減額されること、現物給付を行うためには、県医師会等関係団体や国保連と連携した現行のシステム改修に多額の経費を要するなどがありますことから、市独自で現物給付を行うことは困難であると考えております。
また、県では、現物給付を行うとすれば、すべての市町村が同時に、全ての医療費補助事業を実施する方針と伺っておりますことから、これまで県に対しまして、現物給付に向けた議論を行うよう働きかけを行ってまいりましたが、本年6月に県が県内市町村を対象に行った医療費助成の支払い方法に関する調査では、大多数の市町村が国民健康保険療養費等国庫負担金が減額されることなどを理由に、実施は困難又は実施する考えがないとの回答であったと伺っておりますことから、医療費助成の支払い方法を償還払いから現物給付に変更することは難しいものと考えております。
国に対しまして、引き続き、全国市長会を通じまして現物給付に伴う国庫負担金減額措置の撤廃を要望してまいりたいと存じます。
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