1、子ども・子育て支援新制度について
(鈴木礼子)「こども・子育て新支援制度」は、今後、ニーズ調査、市事業計画の策定、保育の必要性の認定作業、地域型保育事業の認可基準、地域こども・子育て支援事業の基準、学童保育の基準、保育料の保護者負担額を決めて条例を定めるが、これらの作業を進める体制強化をはかるべきだがどうか。
(熊谷保健副部長)業務量増大に対応するため、新制度推進のために組織と職員体制について調整を図っている。
(鈴木礼子)市長は「新支援制度」について「質の高い幼児期の学校教育・保育の総合的な提供と保育の量的拡大など教育・保育の質的改善をめざし、待機児童の解消など社会全体で子ども・子育てを支援する新しい支え合いの仕組みを構築する」と言ったが、質の高い幼児期の学校教育・保育の総合的な提供とされる幼保連携型認定こども園とはどのような施設なのか。
幼保連携型認定こども園は、待機児童のほとんどを占める3才未満児の受け入れはあくまでも任意であり、果たして待機児童解消につながるのかどうか。
市が条例で基準を決め認可する定員6人から19人までの小規模保育事業は、国の提案では、面積は参酌基準、職員配置は保育士の資格が半分でよい、など現行最低水準を大幅に切り下げる内容だ。市長がいう保育の質的改善となりえるのかどうか。
(谷藤市長)市の喫緊の課題は、待機児童の解消であり量の充足と質の向上が重要で、「こども・子育て支援事業計画」に位置付けて必要な支援を実施する。小規模保育事業は現行の認可基準を基本に「子ども・子育て会議」の意見を聞きながら進める。そのほか保育士の処遇改善、質の高い幼児期の学校教育・保育の確保に努める。
(鈴木礼子)市こども・子育て支援事業計画策定では①すべての子どもの権利を保障する制度とする立場からも十分な論議と準備を行うこと。②児童福祉法24条1項の市町村の保育実施責任をふまえ、3才未満児の待機児童解消となる認可保育所の整備計画を明記すること。そして何よりも認可保育所を中心に進めること。③公立保育所は子育て支援センターとして核となる施設でもあり、保育水準の確保という観点からも公立の果たす役割はますます重要になっている。全園民間委託化は中止して維持・拡充を図るよう支援事業計画に位置づけるべきだが。
(熊谷保健副部長)公立保育所の全園民営化方針の見直しは予定していない。
(鈴木礼子)小規模保育事業は、待機児童解消加速化プランの目玉施策として前倒し、先取りで進めているが、「要綱」では、保育所の分園をA型、認可外施設からの移行をB型、保育ママ制度をC型とし、①保育士の配置基準は、A・B型は現行保育所の基準を適用し、さらに1人を追加配置。資格要件は、A型が全員有資格者、B型は半数が有資格者、C型は全員資格者である必要はない(ただし、研修を受ける)としている。
面積基準は、A・B型では2才児が1人当たり1・98㎡と現行基準より少なく、そのほかに園庭、調理室、屋外階段(避難階段)は必置外となっている。
市条例制定にあたっては子どもの保育に格差を持ち込んではならないとの立場から、現行水準の堅持を求めるが、どうか。
(熊谷保健副部長)熊谷保健部長:現行の認可基準を基本に「子ども・子育て会議」の意見を聞き制定する。
(鈴木礼子)現行認可保育所の保育単価は、「要綱」によると保育単価の基本分がもっとも高いA型でもゼロ歳児157、100円で、現行の20名定員の保育単価と比べて低く押さえられているが、現行保育料の軽減が図られるのかどうか。
(熊谷保健副部長)保育料の軽減策については維持・継続に努める。
(鈴木礼子)市内39の児童館・児童センターは市社会福祉事業団、市社会福祉協議会がそれぞれ指定管理しているが、留守家庭児童数と留守家庭児童数が100人を超える施設数、施設規模、指導員の配置など現状と課題について伺う。
(熊谷保健副部長)利用登録児童数4337人、留守家庭児童登録数2806人、100人を超える施設数は39施設中11施設。1人当たりの面積は「放課後児童クラブガイドライン」で望ましいとする1・65㎡を確保している施設は18施設。職員の配置は国の設置基準「児童構成員を2人以上置く」との基準に沿って対応している。更に児童クラブ室を設置している施設には1名加配するほか、必要に応じて臨時職員を配置している。
児童館・児童センターは共働き家庭の放課後の居場所として大きな役割を果たしており、検討が進められている放課後児童クラブの職員配置基準の検討に合わせ、今後のあり方について検討する。施設の老朽化や規模を上回る児童の登録が課題であり、今後、放課後の子ども達の安心・安全な居場所づくりのあり方について検討する。 |
2、男女共同参画について
(鈴木礼子) 東日本大震災大津波からこの4日で千日目を迎えたが、いまなお県内では12、107戸・27、202人の方が応急仮設住宅での生活を余儀なくされている。被災地への支援継続は喫緊の課題でもあるが、女性センターが緊急雇用創出事業として取り組んでいる「芽でるカ―」事業など支援事業の継続と今後の方向性についてはどうか。
(細川市民部長)23年度は、野田村、宮古市、大槌町で実施、平成24年度は大船渡市。25年度は陸前高田市で実施し、被災者からの商品購入だけではなく傾聴ボランティア的な役割も果たし、きめ細やかな対応に感謝の声が寄せられている。今後も復興状況に合わせ支援の継続に努める。
(鈴木礼子)東北初の「配偶者暴力相談支援センター」での相談活動や自立に向けたとりくみは全国的にも高い評価を得ているが、市は、年々増加する相談に対応した安定的な体制構築が課題だとしている。どのような検討をしているのか。財政的にも指定管理料に位置付けるなどしっかりとした体制を求めるがどうか。
(細川市民部長)段階では指定管理料の見直しは困難だ。
(鈴木礼子)「市男女共同参画計画~新なはんプラン」の10年間の成果及び効果についての総括は。
(細川市民部長)細川市民部長:審議会等への女性の登用率が10月1日現在で32・4%で目標値の35%に近づき市政運営への女性の参画が進んでいる。女性センターが配偶者暴力相談支援センターの指定を受けて以来、あらゆる暴力の根絶に向けた取り組みが進み男女共同参画の拠点施設として確実に浸透している。
(鈴木礼子)「世界女性の憲法」といわれる女性差別撤廃条約が国連で採択されてから34年経ったが、日本は男女平等を表すジェンダーギャップ指数が135か国中105位で発達した資本主義国の中では最も遅れた国となった。婚姻年齢の男女差、女性の再婚禁止期間、夫婦の氏の制度、今国会で改正された婚外子差別等など国際機関から是正を求められているこれらの解決が遅々として進んでいないのが実態だ。
近年は女性の貧困化が大きな社会問題になっている。民間の平均給与額が男性504万円に対して女性は268万円で、女性は男性の53%という男女の賃金格差は開き続け、女性の非正規雇用は57・5%(24年総務省「就業構造基本調査」)と約6割にも上っている。
民間給与所得者のうち働く女性全体の43・2%が200万円以下の賃金(男性は10・1%)で働いているという驚くべき実態だ。(H24年9月国税庁「民間給与実態統計調査」)とりわけ母子世帯の多くが生活困窮を極めている。
政府は、成長戦略の中核に「女性の活用」を位置づけたが、「雇用改革」の中身は派遣労働と雇用の自由化、「限定社員」の導入など、雇用・労働分野の一層の規制緩和で更なる格差を拡大する方向だ。これでは低賃金で不安定な非正規労働にますます女性を追いやることになるのではないか。
ジェンダーギャップ指数が資本主義国中最下位となっている実態や女性の貧困化について市長の認識と当市の実態について伺う。
(谷藤市長)ジェンダーギャップ指数は残念ながら順位が下がっている。主な原因は政治・経済分野への女性の参画が少ないことで、さらなる施策が必要だ。
(鈴木礼子)「市男女共同参画計画」の次期計画策定にあたっては、雇用における男女平等へのとりくみ、男女間の賃金格差の解消、女性の貧困化解消などこれら課題解決につながる計画にするべきでは。
(谷藤市長)「市男女共同参画計画」への雇用における男女平等、女性の貧困化解消では、厚労省ガイドラインでは男女の平均勤続年数や管理職比率の差異を上げている。非正規雇用の割合が高い現状では、女性が貧困に陥りやすい背景のひとつとなっている。
次期計画では広く市民の意見を聞いて取り組む。
(鈴木礼子)市職員に占める臨時・非常勤職員に占める女性の比率と全女性職員に占める比率と実態についてはどうか。非常勤職員は、身分不安定な中でも正規職員とほとんど変わらない仕事をしており、女性であるが故の差別的な処遇がまかりとおっているのではないのか。男女共同参画を推進する市として、現状打開は避けて通れない重要課題だが対策についてはどうか。
(菊池総務部長)臨時・非常勤職員に占める女性の比率は75%。全女性職員の39%になっている。保健師16人、看護師4人、保育士17人、消費生活相談員8人、婦人相談員、家庭相談員4人、介護支援専門員9人のほか手話通訳者、生活支援専門員、社会教育指導員など、資格を有する職・知識経験を生かす業務などに配置されている。従来から採用や職務内容、処遇は、男女平等を徹底してきた。
(鈴木礼子)今年から労働契約法が改正されて、有期雇用は5年たったら常用雇用とする法改正が行われたが、かねてから専門職は経験・キャリアがものをいう職種でせっかく積み上げたものが1年更新最長5年で終わりになるのでは本人はもとより市民サービスにとっても大きな損失になる。
市が男女差別撤廃の範となるよう専門職の正規職員化に道を開くべきではないのか。
(菊池総務部長)正規職員の採用は、特に非常勤職員のみを対象にした採用試験は考えていない。
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3、公共施設の維持・補修について
(鈴木礼子)鈴木:活動センター、公民館(地区公民館も含めて)の補修カ所とこれら施設の維持・補修費の年間予算はいくらか。
学校施設の雨漏り・赤錆の改修は、施設長寿命化関連修繕費の活用で改修されたことは多とするが未実施の改修の進捗状況はどうか。旧市内の学校給食室の設備・備品の更新と今後の計画についてはどうか。
補修・改修にあたっては、当市に配分された地域の元気臨時交付金13億円に対し事業の前倒しで生み出された一般財源約10億円等を活用し早急に対応すべだがどうか。
(千葉教育長)今年度当初時の雨漏り6校は修繕済。また、あらたに修繕依頼のあった
小学校14校、中学校10校も修繕済。赤錆は今年9月に策定した市立小中学校維持管理計画に基づき修繕を進めていく。
調理施設の消毒保管庫17台のうち、古いもの含め8第更新。残りも年に2台前後の更新を行う。冷凍冷蔵庫は設置後30年以上経過のものが2台あるが、予算の確保に努め順次更新していく。
(獅子内財政部長)交付金の執行残やその充当により生みだされた財源を地域経済活性化事業や公共設備の維持補修等に有効活用する。
(鈴木礼子)山岸地区活動センターで開催された議会報告会では、老人福祉センター集会室が和室対応で高齢者にとっては利用しづらく、イス対応への改善を求める意見や活動センターでDVD利用やパソコン使用ができる設備を求める意見が出された。市民が身近に利用するコミュニティ施設の改善・改修が大幅に遅れたことへの疑問や不満が出されたものと思うがこれらへの所見は。
(細川市民部長)13館ある地区活動センターは、指定管理者から61件の修繕要望があり、当初補正で13件829万9千円で対応。10館の公民館(文化会館と併設以外)は21件の要望のうち16件4045万円。
老朽化や破損による修繕、利用者のニーズにマッチした改善は多額の費用を要し要望に対応するのは非常に困難だ。公共施設保有の最適化と超寿命化のための基本方針の趣旨に沿って計画的に進める。 |