質問 |
答弁 |
政治姿勢について・・秘密保護法は廃止を!
(庄子春治) 最初に民主政治とは何か、について市長に伺います。
最近、新聞紙上などで何度か「由らしむべし知らしむべからず」という言葉にふれました。「子曰わく、民はこれに由らしむべし。これを知らしむべからず」論語の言葉だということです。「人々を頼らせることは容易だろう。しかし、理解してもらうのはむずかしい」いう本来の意味が、長年、権力の都合のいいように、「愚かな民は、頼らせるべきで、わざわざ知らせるべきではない、混乱を招くだけだ。」と解釈され、権力による情報統制の根拠にされてきたのです。広辞苑を引くと、本来の意味に続いて「俗に、人民はただ従わせればよく、理由や意図を説明する必要はない。」と説明しています。
政府与党が強硬に強硬を重ね、12月6日に参議院で強行採決して無理やり成立させた「特定秘密保護法」はまさに、その言葉通りのものであり、およそ民主政治の原則に背くものです。
この法案には、法曹界、報道・マスコミ関係者からはもちろん、学者・研究者、宗教界、文化芸術団体、主婦連などの市民団体など、広範な団体・個人が反対の声をあげました。
日本ペンクラブは、その理由を5点にまとめて指摘しました。①秘密指定の範囲が過度に広範であり、その情報の漏えいや取材活動まで処罰されることになれば、国民は政策選択における必須の重要な情報を得る機会を失うこととなりかねない ②市民の知る権利、取材・報道の自由が侵害し、「特別秘密」を漏えいする行為に加え、取材活動も処罰の対象とされ、罰則は10年の懲役と非常に重く、取材・報道の自由を侵害するものであること。③行政情報の情報公開は民主主義の大前提であり、世界的な潮流であるにもかかわらず、それに逆行すること ④情報を管理する人に対する「適性評価制度」が、公務員やその取引関係にある民間人本人だけにとどまらず、家族や友人などにも及ぶものであり、プライバシー侵害である ⑤このような法律を新たに作る理由(立法事実)がない・・という指摘です。
この指摘・懸念は審議の過程を通じてより一層明確になりました。厳罰は秘密を漏らす公務員だけでなく、国民も対象となることが明らかになりました。秘密に指定期間は、原則30年としていたものが、修正によって60年に延長することが可能となり、さらに、政府の判断でそれすら例外を作って永久的に国民から隠すことが可能とされたのです。
日本ペンクラブは、「この法律案の意図する将来社会の不健全な体質」に懸念を表明しました。その懸念については、自民党の元幹事長の野中広務元官房長官がテレビ番組で、戦前の国家総動員法なども例にあげながら「どうして今、この法律(秘密保護法)がいるのか、私はそれがわからない。戦争の足音が聞こえてくる」「この法律は恐ろしい方向へ進んでいく危険な感じがして仕方がない」「善良な人たちが罰せられることにいきかねない」と批判しています。
この野中氏の懸念は、自民党の石破幹事長の発言で裏付けられました。連日、国会前で続く秘密保護法案反対のデモ活動を「テロ行為と本質において変わらない」とした自民党・石破茂幹事長の発言は、「テロ防止」を名目に国民を監視する秘密保護法の弾圧立法としての本質を示すものです。この法案はには「政治上その他の主義主張に基づき、国家若しくは他人にこれを強要」することもテロだと書いています。まさに「善良な市民」をも監視・弾圧の対象になりかねない重大な危険があるのです。
俳優の菅原文太さんは、新聞紙上で「戦争を経験した世代として黙っていられない」とこの法案への反対の声を上げています。
この法律は、日本版NSCの設置法案とともに出されました。日本版NSC~国家安全保障会議は首相が主導する外交・安全保障の「司令塔」で、アメリカのNSCなどと秘密情報を共有する「戦争司令部」にほかなりません。秘密保護法で国民の目と耳と口をふさぎ、NSCを使って戦争への道を進む・・ここに最大の危険があります。
広範な団体・個人が「反対」の声を上げてきましたが、「国民の知る権利を奪い、戦前のような国にしてはならない!」が共通の声ではないでしょうか。
内容が内容なら、その進め方にも「民主政治」が感じられません。そもそも、この法案提出以前に行った「パブリックコメント」は、その期間がたった2週間と短いうえに、9万件寄せられた意見のうち、8割が反対だったものです。本来ならば出せる法案ではなかったのです。
衆議院では、福島で開かれた「地方公聴会」で意見を述べたすべての人が「反対」の表明だったにも関わらず、その翌日に、与党の力づくで採決を強行したのです。
参議院でも同様でした。こうしたやり方にも、民主主義とは相いれないものを感じます。市長の御所見を伺います。
「よらしむべし。知らしむべからず」との論語には別の解釈もあるようです。本来の意は、「為政者は、民に一々政治を説明しなくともよいように、日頃から信頼を寄せてくれるような人格者になりなさい」ということだという解釈です。論語が「仁」や「徳」を説いたものだとするなら、こちらのほうが正しい意味かと思いますが、国民の声に耳をふさぎ、報道にもあるように、6日には、深夜まで、真剣な議論が行われ、国会の周りでは、1万5千人もの国民の抗議の行動が行われているその時、女性秘書官の就任祝いなど、宴席をはしごしていたということですから、安倍首相の姿勢には「仁」も「徳」も見いだせないものです。
同時に、今日の世界の到達点は、情報公開によってこそ信頼を得ることができるのであり、権力の横暴を抑えるために憲法があるという「立憲主義」が今日の民主政治の到達点ではないでしょうか。
秘密保護法は、内容においても、その進め方においてもまさに民主政治の根幹を揺るがすものではないでしょうか。主権在民、基本的人権、平和主義という憲法の基本原則をことごとく覆す違憲立法であることは明らかではないでしょうか。市長の御所見を伺います。
この法律は、戦前の国防保安法に酷似するものです。しかし、国防保安法は大日本帝国憲法の下で許されても、秘密保護法は憲法に反する違憲立法なのです。いくら数の暴力で「成立」させても違憲立法は存在を許されません。この法律は、実施に移させず、廃止すべきものです。市民の皆さんとともにこの法律の廃止に向けて進むことを表明します。 |
(谷藤市長)庄子春治議員のご質問にお答え申し上げます。
はじめに,この臨時国会における特定秘密保護法案についての私の所見についてですが,各界・各層から「拙速である」,「時間をかけて議論を尽くすべき」などのさまざまな意見が出されていることが報道されており,政府は,このような国民の意見に耳を傾け,国民に懸念があれば説明を尽くすことが必要であるものと存じております。
また,今日,情報公開は,行政の基礎をなす重要な施策であり,行政の透明性を確保し,その説明責任を果たすために欠くことのできないものであると存じておりますし,一方で,国益を損ねないように厳しく扱わなければならない情報もあるものと存じております。このような中で,国民の知る権利との兼ね合い,特定秘密の対象となる情報の範囲,特定秘密に指定する方法,特定秘密の指定解除のあり方などの点が,広く各界・各層での議論になっているところでございます。
私としては,特定秘密の正当性,指定の継続の適正性などの点をチェックし,不適正なものの是正を図る機関の設置が検討されているとのことであり,その運用がより国民に分かりやすい形で行われること,加えて,なお国民の間で広く行われる議論が尊重されて対応されることを期待しているところでございます。
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来年度予算編成方針 ① 財政見通し
次に来年度予算編成の方針について伺います。
まず、最初に財源規模についてどのように見込んでいるのか伺います。市税についてはどうでしょうか。法人市民税、個人市民税ごとにどのように見込んでいるか、そしてその根拠をお示しください。
地方交付税については、どうでしょうか。今議会の補正予算では、15億円もの交付税減額補正が計上されています。来年度の見通しはどうか。9月議会でも指摘しましたが、来年度から「特別加算」を廃止するとの方向が打ち出されています。そうなれば、さらに厳しい状況に追い込まれることになります。このことについては、国に対して廃止しないように強く求めるべきではないでしょうか。見通しと合わせて伺います。
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(財政部長答弁)来年度予算編成における財源規模についてでありますが,現時点では,平成25年度予算編成とほぼ同規模の約 700億円の一般財源を確保したところであります。
そのうち,市税の現年分の法人市民税につきましては,主要 200社の申告納付状況や,企業が公表しております業績見込等を基に推計しておりますが,25年度当初予算と比較して,4億3千万円程度増加し,49億4千万円になるものと考えております。
次に,現年分の個人市民税については,岩手県の労働力調査や毎月勤労統計調査等を基に推計しているところでありますが,26年度につきましては,25年度当初予算と比較して,個人所得と納税義務者数の増加により約4億円の増加が見込まれるほか,23年度の税制改正により東日本大震災からの復興に伴う財源として,26年度から10年間に限り,均等割が現行の
3,000円から 3,500円に増額される分として約7千万円の増,給与収入 1,500万円以上に係る給与所得控除に 245万円の上限が設けられたことにより約2千
500万円の増が見込まれ,合計で5億円程度増加し, 150億4千万円と見込んでおります。
次に,地方交付税の見通しにつきましては,現在のところ総務省の地方財政収支の仮試算である前年対比マイナス 1.8%を適用し,前年対比18億円減の約
151億円を見込んでいるものでございます。26年度の予算編成につきましては,国から12月末に示される予定である「地方財政対策」の的確な把握に努めるとともに,基準財政需要額及び基準財政収入額の着実な把握に努めることといたします。
また,「別枠加算」の廃止につきましては,総務省の概算要求において,交付税全体で9千 500億円, 5.8%の減額が想定され,本市にとっても大きな影響があるものと考えております。
このことから,全国市長会や中核市市長会を通じて,地方の財政需要を的確に反映させた,安定的な行財政運営のために必要な地方交付税の総額確保を国に要望しておりますし,今後も強く要望してまいりたいと存じます。
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予算編成方針② 所費税増税の影響
政府は、来年4月からの消費税増税を閣議決定しました。税率を現行の5%から8%に引き上げるだけでも8兆円の増税、年金削減など社会保障の負担増・給付減を合わせれば10兆円もの、文字通り史上空前の国民負担増になります。これが強行されれば、市民生活は計り知れない深刻な打撃を受け、経済も財政も共倒れの破たんに追いやられることは明らかです。市長は、この増税が市民生活や市政に対して及ぼす影響いついてどのような御所見をお持ちでしょうか。 来年度予算編成にあたって、この消費税増税の影響をどのように見積もっているのか、各会計ごとにどうなのか伺います。
特にも、病院会計においては、消費税は「損税」となることが大問題です。具体的な影響は、どうなると見込まれますか。24年度決算をもとに試算した場合どのようになるか、その対策もあわせてお示しください。
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(市長答弁)消費税増税が市民生活や市政に及ぼす影響に対する私の所見についてでありますが,消費税の増税により市民の負担が増加し,市民生活に影響が生じることや,デフレ脱却の兆しが見えはじめた中において,増税後の消費の落ち込みや,景気の下振れなどの影響を懸念しております。
政府におきましては,消費税増税に対する対応策として,5兆5,000億円の経済対策を講じることとしておりますことから,その効果を期待しております。
また,市政にとりましては,増税分の負担増はありますものの,増税に伴う増収分は,安定的に確保できる貴重な財源となるものと存じておりますことから,ますます増加が予想される社会保障関係施策などにつなげてまいりたいと存じております。
次に,来年度予算編成にあたっての消費税増税の影響額についてでありますが,平成24年度決算ベースで試算いたしますと,一般会計では,3%の増税後は約19億3千万円となり,約7億2千万円の負担増となることが見込まれ,また,国民健康保険費特別会計など10特別会計では,3%の増税後は約4千 700万円となり,約1千
800万円の負担増となることが見込まれます。
上下水道事業会計におきましても,3%の増税により収入,支出のそれぞれが増加する結果,納税額は,水道事業会計で,約1億1千 700万円,下水道事業会計で,約4千
700万円の増加になるものと見込まれております。
また,病院事業会計では,診療報酬が従来どおり非課税であることから,控除対象外消費税,いわゆる損税としての負担増が見込まれます。
平成26年度予算編成にあたっては,消費税増税に伴う歳出への影響とともに,歳入では地方消費税交付金や地方交付税への影響も想定されますことから,引き続き国の動向を注視しながら,的確に予算編成を行ってまいりたいと存じます。
(市立病院事務局長答弁)消費税増税の病院事業会計における具体的な影響とその対策についてでございますが,平成24年度決算における損税が,63,598,417円でありましたので,消費税率が8%になった場合の損税は,概ね1億 200万円になるものと見込んでおります。この差額約 3,800万円が新たな経費増となりますことから,単年度の収支均衡の実現に努力している当院といたしましては,大きな影響を受けるものと存じております。
その対策といたしましては,委託料の見直しを検討するなどにより,さらなる経費の抑制を図って参りたいと存じます。また,厚生労働省では,平成26年度の診療報酬改定において,医療機関等の消費税引上げ分の負担を軽減すべきとの方針を示しておりますことから,今後,その状況も注視して参りたいと存じております。 |
予算編成方針③・・枠配分方針
さて、来年度予算編成にあたっての「施策別枠配分」ではどのようになっているのか。重点配分施策、主要施策はどのように位置づけられていますか。今年度と比べて何がどう変わっているのか、変わっているとすればその主な要因をお知らせください。
その中のいくつかの分野について伺います。
農業分野の位置づけ
産業振興の分野で、「観光物産の振興は、この間一環として「重点」「主要」に位置付けられてきました。そのことはよしとしても、農業分野が、25年度で「主要施策」に位置付けられたと思ったら、また、「一般施策」に落とされたのはなぜですか。市議会が行った議会報告会では飯岡地区の参加者から「地域農業は『危機』だ。市が危機管理というのであれば、農業分野もそれに位置付けてほしい」という声が寄せられました。国の農政の「猫の目」のような転換もあります。TPP参加で食糧自給率を引き下げの方向をひた走ろうとしています。農業を「自由競争」の中で淘汰しようとしています。まさに「危機」です。国の農政へものを言うとともに、この地域でどうするのか・・市として農家に希望の持てるビジョンを出してほしい、との訴えだったと思っています。そういう時に、ようやく「主要事業」に数えられたと思ったら、すぐ落としたのはどういうことなのか、というのが率直な感想です。この件について、なぜ落としたのか、その理由と市長の御所見を伺います。
障がい者の位置づけ
また、「ともに歩む障がい者福祉の実現」がBからCに落ちた要因はなんですか。伺います。
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(市長答弁) 来年度予算編成にあたっての重点配分施策,主要施策の位置づけについてでありますが,来年度重点的に取り組むべき施策の選定にあたっては総合計画に掲げる41の施策について,優先度評価を行うとともに,評価結果を踏まえ,施策の成果実績や,配分予算の状況,総合計画に掲げる基本目標の実現に向けての関連性などについて,総合的な検討を行い,重点配分施策として「自然災害対策の推進」など4施策,主要施策として「高齢社会に適応した高齢者福祉の充実」など8施策としたものであります。
また,今年度からの変更点とその要因についてでありますが,経営資源をより有効に配分するため,主要施策を10施策から8施策としたこと,待機児童対策など,子育て支援の更なる取組の必要性・緊急性が他の施策と比較して高まったことなどにより「みんなで支える子育て支援の展開」を主要施策から重点配分施策としたこと,さらに,子育て支援の観点から子どもの医療費給付を充実させる必要性を考慮し「暮らしを支える制度の充実と自立支援」と,大雨被害を踏まえた消防体制の強化の必要性を考慮し「火災に強い消防体制の構築」を,一般施策から主要施策にしたことなどであります。
次に,農業分野を主要施策から一般施策に変更した理由についてでありますが,市の施策全体の優先度を考慮した結果,平成26年度予算編成においては一般施策としたところであります。農林業の担い手育成・確保,県内最大の消費地である地域特性を活かした農林業の展開など,活力ある農林業の振興に向けた取組は引き続き行う必要性があるものと認識しており,今後におきましても成果の維持・向上を図ってまいりたいと存じます。
(市長公室長答弁)来年度予算編成にあたり,「共に歩む障がい者福祉の実現」を主要施策から一般施策に変更した理由についてでありますが,今回新たに主要施策とした「暮らしを支える制度の充実と自立支援」など他の施策との優先度を考慮した結果,平成26年度予算編成においては一般施策としたところであります。障がい者が自立して生活を営むための居宅介護等の支援,障がい者の生活基盤の安定に向けた就労支援及び収入確保対策など,障がい者が地域の一員として安心して生活できるための取組は引き続き行う必要性があると認識しており,今後におきましても,成果の維持・向上を図ることとしております。
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学校耐震化、少人数学級、教員の過重労働
「将来を担う次世代の育成」に関して伺います。学校の耐震化は来年度でどこまで進む予定なのか。今年度末の到達予測と合わせてお願いします。「平成27年度までに完了する」という方針については、変わりないのか、その見通しも合わせてお願いします。
来年度における学級編成方針についてはどのようになっているのでしょうか。少人数学級の拡大はどのような見通しか伺います。
学校現場での教師の皆さんの過重労働が大きな問題になっています。盛岡市立小・中学校における先生方の時間外労働の実態についてどのようになっているのでしょうか。
岩手県の調査によれば、今年7月1か月間で、時間外労働が100時間~過労死ライン~を超えた方が、58人に及ぶということです。しかもある中学校では、平均して一人当たり100時間を超えているという実態もあるということですが、もしそうでれば、きわめて深刻な実態ではないでしょうか。事実でしょうか。市ではどのようにこれを把握していますか。その対策についてどのようにお考えか、教育長の御所見を伺います。
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(教育長答弁) はじめに,学校の耐震化についてでありますが,学校施設の耐震化につきましては,盛岡市立小中学校耐震化計画に基づいて取り組んでいるところであり,耐震化率は,平成25年4月1日現在75.9%であります。
今年度末には81.7%になる計画でありましたが,入札不調により3棟の補強工事が来年度に繰り越しになることから80.8%に,26年度末には,現在の計画どおり88.8%になる見込みであります。今後も,入札不調等が生じることが懸念されますが,平成27年度末に耐震化が完了するよう努めてまいりたいと存じます。
来年度における学級編制方針についてでありますが,現在,市教育委員会では県教育委員会の方針に基づき,小学校1年生から3年生,及び中学校1年生において,1学級35人の少人数学級を実施しておりますが,県教育委員会では,来年度は小学校4年生においても,35人学級を実施する方向で検討していると伺っております。
次に,小・中学校の教職員の時間外労働の実態について,でありますが,市教育委員会では,毎年7月と12月に時間外勤務の実態調査を行っており,今年7月の調査結果によりますと,小学校教職員の時間外勤務の平均は月間38時間,中学校の平均は月間55時間となっております。その中で,最も多い中学校の平均時間が月間101時間となっており,一人当たり100時間を超えている中学校があったのは事実であります。
次に,時間外勤務を削減するための対策について,でありますが,市教育委員会では,事務手続きの簡素化や,提出文書等の簡略化を行っております。
また,学校に対しては,校長会議等を通して,教職員への声がけや健康観察,定時退校日や部活動休止日の設定を行うなどの指導をしております。
さらに,教育委員会安全衛生委員会を開催し,時間外勤務を削減するための対応策を協議するとともに,各校の訪問指導等も行っているところであります。
今後とも,教職員の時間外勤務を削減するよう,努めてまいりたいと存じます。 |
指定管理者制度について
次に、公の施設の指定管理制度について伺います。11月25日の市議会全員協議会の場で、市は盛岡市の市営墓地である、新庄墓園と青山墓園の指定管理者、(株)北東北開発について、11月30日付で指定を取り消すことを明らかにしました。
指定取り消しの理由について詳しくお知らせください。何が明らかになって、それがどのような規定に反していたのか。
指定管理の業者が、墓石のセールスをして実際に売っている、という疑惑は、2007年3月議会予算委員会で私が指摘して以来、何度か関係者等から市に情報が寄せられていました。
その都度、市は指定管理者に対して確認したところ「そのようなことはやっていない」との回答で、市は、2009年4月に指定管理の更新(5か年)をしていました。
今回、事実確認に至ったのは、11月15日付「岩手日報」の記事がきっかけでした。
なぜ、それまで市が明らかできなかったのか、が問題です。市議会全員協議会では、「確認するために必要な書類の提出を求めようとしたが顧問弁護士から止められた」ということでしたが、全然納得ができません。ここには2つの問題があると思います。
一つは、をもともと公の施設ですから、その管理において公共性・公平性が保たれなければならないものです。そのことが疑われているときに、市がなぜ及び腰になるのか、ということです。市は踏みこんだ調査が可能だったにもかかわらずそれを怠ったのではありませんか。いかがですか。
もう一つはなぜ、顧問弁護士の先生が待ったをかけたのか。そこには、指定管理制度そのものの問題点と、この制度を取り入れる際の市の「法整備~条例等の整備」に弱点があったのではないでしょうか。
私が最初に取り上げたのは2007年3月定例市議会予算委員会でした。「指定管理者が、特定の石材店と密接な関係を持っており、実際に使用者のところに石のセールスに行っている。指定管理者として不適切ではないか・・・」という質問をしたのでした。
当時の答弁は「指定管理者に当たって、業態、業種についての制約は、会社としての制約はない。・・・・例えばお墓を売られている方が指定管理者になりますと言っても、それ自体は公募はできるという制度になっている」「お墓の積極的なセールスは当然だめだというものは仕様書の中では定めている」というものでした。
墓石販売を生業の一つにしている業者(あるいは関連のある業者)が、墓園の指定管理をして「セールスをするな」というほうが間違いではないか。あらかじめ、このようなトラブルを起こさない仕掛けが必要ではないでしょうか。
公の施設の「指定管理制度」というのは、そこに新たな市場が生うまれ、利権が生まれるのです。自治法改正の総務省の担当者が執筆した「指定管理制度のすべて」の中で「運用いかんではデメリットも生じ得る」「反社会的な法人等が誤って指定されると・・施設の公共性そのものが損なわれることになる。」そのためには、第3者による公正透明な選定手続きと厳格な審査が、長にも議会にも求められる」と指摘しているのです。
今回の事例は、必ずしも「反社会的」な法人・団体でなくとも、問題起こりうるということを示したのです。
指定管理者について自治法では「法人その他の団体」としか定めず、指定管理者の指定手続きや管理の基準、業務の範囲その他の必要な事項は条例で定めるべきものとされています。盛岡市では、その条例はそれぞれの施設の設置条例の改正で定めていますが、通則的な条例を制定し、指定制限に関する条項を定めその中で、今回のような事例をもとにして、資格基準の段階であらかじめ排除することが可能ではないかと思うわけです。事実「兼職禁止」の観点から、議員や首長等の関係団体の指定管理を禁じた条例を制定している自治体もありますがどうでしょうか。
また、指定管理者の業務の透明性を確保することが必要です。指定管理者の業務は、情報公開条例の対象になっているのでしょうか。もしそうでなければ対象にすることが必要ではないでしょうか。
指定管理業務に関する第3者機関の評価についてはどのようになっていますか。今回のような事態が見過ごされたとするならば、そこにどんな問題があったのか、その改善策はあるのか、伺います。
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(保健福祉部長答弁)新庄墓園・青山墓園の指定管理者の指定取消事由についてですが,平成21年に指定管理者が自ら墓石の販売若しくは特定の墓石業者の紹介を目的として,他の墓石業者のストーンアドバイザーを名乗る名刺を作成し,墓地使用者本人の自発的意思を受けることなく墓地使用者に接触し,墓石の販売に関与していたことを,墓地使用者からの申し出及び他社の領収書により確認したところであります。
このことは,盛岡市新庄墓園・青山墓園の管理運営に関する基本協定で禁止している「公平性を損ねる行為」及び「指定管理業務以外での勧誘その他の接触」に該当し,協定に違反しているものであります。また,度重なる市の聴き取りに対し,特定の墓石業者の紹介や販売は行っていないとの虚偽の報告を行ってきたところであります。
これらの行為は,地方自治法第 244条の2第11項で規定する指定の取消事由である「指定管理者による管理を継続することが適当でないと認めるとき」に該当すると判断し,指定の取消しを行ったものであります。
次に,市は踏み込んだ調査を怠ってきたのではないかについてですが,平成19年以降数回にわたり,指定管理者が墓石を販売しているとの情報をいただいたところであり,市はその都度,指定管理者に確認しましたが,指摘されたことは行っていないとの回答であり,また,いただいた情報が具体的でなかったことから,市としてはそれ以上の調査ができなかったものであります。
今回につきましては,情報が具体的であったことから,墓地使用者に任意で事情をお伺いし,また,指定管理者に対しても,聴き取りを行ったところであり,その結果,特定の墓石業者を紹介したことが確認されたところであります。
また,指定管理者と密接なつながりがあるとされる墓石業者が設置したのではないかとの情報のあった墓石について,市は任意で,墓石施工者から聴き取りを行いましたが,いずれも自ら施工したとのことから,指定管理者と密接なつながりがあるとされる墓石業者が設置したものではないと,その時点では判断したところであります。
いずれ,市としては,この間,任意を含め必要と認められる調査は実施してきたものと存じておりますが,結果として指定取消に相当する協定違反を把握できなかったことは,私どもの調査が及ばなかったところであり,大変遺憾に存じております。
(市長公室長答弁)次に,通則的な条例を制定し指定制限に関する条項を定めることについてでありますが,公の施設の設置条例につきましては,平成18年度に指定管理者制度を導入するに当たり,既存施設の設置条例を改正し,「指定管理者の指定の手続,指定管理者が行う管理の基準及び業務の範囲その他必要事項」を盛り込むこととしてきたところであります。また,併せて,通則的な条例に代えて「公の施設の指定管理者制度導入に関する基本的な考え方」を策定し,公募を原則とする選定についての方針や,募集方法,審査方法,応募資格等の方針を定め,運用してまいりました。
これまでも,この「基本的な考え方」において暴力団関係者の排除や,公募対象団体を原則市内とすることなど,必要な見直しを図っており,資格基準の段階での排除等につきましても,必要に応じて今後この中で見直しを検討してまいりたいと存じます。
次に,指定管理者の業務は情報公開条例の対象になっているかについてでありますが,盛岡市情報公開条例では,公開対象となる行政文書は,「実施機関の職員が職務上作成し,又は取得した文書,図画及び電磁的記録等」とされており,指定管理者は実施機関に当たらないことから,情報公開条例の対象とはなっておりません。しかしながら,指定管理者から市に提出された業務報告書等の文書は,行政文書とされた時点で情報公開の対象となるほか,基本協定書において,「管理業務に関して保有する情報の公開に関し必要な措置を講じなければならない。」と規定しておりますことから,現在におきましても情報公開条例の趣旨に沿った運用が図られているものと存じております。
次に,指定管理業務に関する第三者機関の評価についてでありますが,市では,公正かつ客観的視点から,指定管理者制度導入施設における管理運営等に係る第三者評価を平成19年度から業務委託により実施しております。
これまで,第三者評価につきましては,「公の施設としての管理水準の向上と提供する市民サービスの向上を図ること」に主眼を置いて,指定管理者から提出された書類や指定管理者へのヒアリングにより第三者評価を実施しておりますことから,今回のようなケースについては発見できなかったものと存じます。
今回のようなケースにつきましては,第三者評価での対応は難しいものと存じておりますことから,今後におきましては,市が毎年行うモニタリングの実施等により,禁止事項の順守も含む業務履行状況を把握する体制づくりに努める必要があるものと存じております。
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街づくりについて ①高層マンションと住環境
街づくりについて伺います。
まず、地域住民の住環境をどう守るのかについてです。津志田地区に20階建てのマンション建設計画が進められています。高さ地上69.25mの計画です。近隣の住民の方々は突然のノッポマンション建設計画に困惑し、自分たちの住環境の悪化を懸念しています。
市の「中高層建築物等の住環境の保全に関する条例」第11条に基づく説明会が9月17日と11月22日に開催されています。次回は年明けになるようです。条例第12条ではその説明会を行ったときは速やかに市長に報告しなければならない、としていますが、その報告はされていますでしょうか。また、条例第7条5項では、市長は、建築主に対して、住環境への配慮事項について報告を求めることができると規定されていますが、求めたのでしょうか。報告があったとすればそれぞれどのような内容だったでしょうか。
11月22日の説明会では前回の質問項目等に応える形で行われました。いくつかありましたが、日照の問題は実に具体的な影響だと感じてきました。
回答内容は「1時間ぐらい日照がなくなる。それは了承してもらいたい」との回答でした。また、すぐ北に隣接する児童公園が午前中日陰になることについては「今回の計画にかかわらず南側に建築すれば必ず影響が出る」ということでした。また、日照の問題では、道路の凍結が1日中日陰になってアイスバーンになって危険だ。その対策をどうするのか、という意見もありました。それに対しては「市道のことでは、管理者でないので・・・」ということでした。
懸念を指摘した方は「了承してほしいということだが、できません」と明言したのです。
そこで伺います。条例には、建築主と住民側との「紛争」については「自主解決の原則」がうたわれています。説明会を重ねながら、円満な解決が図られることが一番ではありますが、往々にして住民側が我慢をすることになってしまうことが多々あります。そこで、条例は「紛争」の「あっせん」という規定があります。あっせんの条件はどういうときですか。住民側が一人でも対象になるでしょうか。伺います。
1日中日陰になるところについては、その原因を作る事業者と市道管理者の協議によって、その対策をとるべきだと思いますが、お考えをお聞かせください。
かつて、津志田地区にパチンコ店が相次いで出店し、「パチンコ銀座」とさえ言われた時期もありました。今回のマンション建設が引き金になって、ノッポマンションがこの地区に林立することにならないか。懸念されます。もしそうあれば、良好な住環境が著しく悪化してしまうことにもなりかねません。何らかの対策が取られないでしょうか。伺います。 |
(都市整備部長答弁)
津志田地区のマンション建設計画の説明会についてですが,9月12日に現地に計画の概要を掲げた標識が設置され,市としましては近隣住民等への説明会の開催やその報告を求めるなどを指導してまいりましたところ,9月17日と11月22日に行われた説明会につきましては,それぞれ報告を受けております。
次に,住環境への配慮についてですが,マンションを南側に配置し北側には駐車場を配置することや,外壁の色彩や植栽などによる圧迫感の軽減,また,建物の北側開口部を小さくすることやバルコニーを東側及び南側に配置することなどによる北側の既存住宅地へのプライバシーへの配慮などの住環境への配慮事項等の報告がありました。
次に,「あっせん」の条件についてですが,当事者双方から紛争の調整の申出があったとき「あっせん」を行うこととなっておりますが,当事者の一方からの「他方が話しあいに応じない」等の申出があった場合においては,あっせんを行うこととなっており,住民側が一人の場合でも対象となっております。
次に,今後のマンション建設におきましてもこれまでと同様に,「盛岡市中高層建築物等の建築等に係る住環境の保全に関する条例」に基づき,良好な近隣関係の形成と,快適な住環境の保全を図ってまいりたいと存じます。
(建設部長答弁)
マンション建設に伴う道路の凍結対策の協議につきましては,現状では,建築前に協議を行う体制となっていないことから,ご指摘の事業者に対しまして,マンションの管理組合等における,こまめな除雪や,凍結防止剤の散布の協力をお願いしてまいりたいと存じます。
また,マンション建築に伴う協議の仕組づくりについては,今後,関係部と相談してまいりたいと存じます。
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安心して暮らせるまちづくりの上で、今年の8月9日の豪雨被害を踏まえて、雨水排水対策の見直しが必要だと指摘しました。上下水道局が、10月から、見前地区の11町内会との懇談を重ね、実態をつかむ取り組みをしてきました、その姿勢には敬意を表します。豪雨被害の際、現場に駆けつけているのは、町内会役員だけではありません。消防団の皆さんも現場をよく知っています。「消防団の方からは、そういうことであれば我々の意見も聞いてほしい」というご意見も頂きました。実態把握を進めるために消防団の方からもお話を聞いてみてはいかがでしょうか。また、その調査結果をどのように今後に生かすおつもりか、伺います。
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(上下水道部長答弁)次に,8月9日豪雨被害の実態把握についてですが,御提言のありました,消防団の方々からお話をお聞きすることは,今後の浸水対策を進めていく上で,大変有意義なことと存じておりますことから,開催時期を調整し実施してまいります。
次に,町内会からの聞き取り調査結果を踏まえた対応についてですが,消防団との意見交換の結果も踏まえ,町内会における土嚢の保管場所確保や事前の準備,被災時における町内会・消防団・市との連携による協働作業の体制づくり,農業用水利用者との水門操作の調整など,各関係者と話し合いながら検討を行ってまいりたいと考えております。
また,整備計画のある幹線に流入してくる上流域の水路施設などの検証を行うこととしており,平成19年度の浸水被害後に地元へ示した計画で,着手されていない施設も含め,必要性が生じた場合には,計画の見直しを検討してまいりたいと考えております。
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