2013年12月定例会 会派の討論

 
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 2013年12月議会最終日、日本共産党盛岡市議団の討論を神部伸也議員が行いました。
(神部伸也) 日本共産党盛岡市議団を代表して意見を述べます。
 今議会は、臨時国会の終盤、特定秘密保護法が与党による強行採決に強行採決を重ねるという異常な政治情勢の中で始まりました。
 何が秘密かさえ秘密で国民の知る権利を蹂躙し、報道の自由を奪い、軍事情報を国民から隠して戦争できる国に突き進む、そのため、重罰を科して国民を権力の監視下のもとにおく、まさに憲法の国民主権、基本的人権、平和主義という根幹を壊してしまう違憲立法、それが秘密保護法であることは明らかであり、強行成立した後も広範な国民各層から「廃止」の声が広がっています。国権の最高機関としての国会と、2元代表制としての地方議会、その違いはあっても行政のチェック機能を果たすうえで情報公開はその前提です。行政機関の長の決定で際限なく「秘密」指定することが可能とあっては、「議会制度」の根幹を揺るがすものです。議会に携わる者として、この法律は絶対に施行させず廃止にするために全力を挙げるものです。

 さて、今議会に提案されたすべての議案に対しては、次の意見を付して賛成いたします。
 まず、議案第119号一般会計補正予算についてです。9月追加補正、10月臨時議会に続き、8月9日の豪雨及び9月16日の台風18号による災害復旧関連の予算8億7831万9千円が計上され、3回の合計で26億7027万円となりました。改めて甚大な被害であったことが確認したところです。被災された方々に対してお見舞いを申し上げるとともに、一日も早い復旧・復興に市が全力を挙げていただくよう要請するものです。今回の補正で、私どもが提案しておりました、農家のハウスや農機具再建へ支援する被災農業者経営体育成支援事業への市の助成を実施することは評価するものです。同時に、農地農業施設災害復旧予算が国庫補助事業予算が3回の補正合計で6億6千500万円となりましたが、国の激甚災害指定による補助の上乗せがあったにしても農家の自己負担が大きくなることから、さらなる支援策を講じるよう求めます。市単独事業についても、補助率の上乗せをするなど、今日の農業経営を取り巻く厳しい情勢の下で、この災害を契機として耕作をあきらめる農家が出ないよう対応していただきたい。災害への備えについては、松川の洪水対策をはじめとしたハード面、県・国の河川管理者をはじめとした関係機関との連携の強化、洪水ハザードマップの充実をはじめとしたソフト両面での対策を一層強化するよう求めます。
来年度の公共施設の長寿命化対策の財源を確保することを目的に、公共施設等整備基金に2億円積み立てられました。多くの施設が修繕を待っている現状からすれば、来年度の予算化にあたってはこの財源にとどまらず、積極的な対応を求めます。

 せっかく、予算がついても入札不調によって事業が進まない現状は深刻です。背景には、資材の高騰に対して設計価格が追い付かず、受注しても採算が危ういこと、東日本大震災復興事業に加え、豪雨・台風災害復旧事業、消費税増税前の駆け込み需要などによって、人手不足・技術者不足が深刻で、特に現場代理人を配置することが難しいということが指摘されています。こうしたもとで、緊急特例的な対策が必要ではないでしょうか。柔軟な工期の設定ができないか、工事金額や件数などに一定の枠を設けるなどして現場代理人に複数現場の掛け持ちを認めることができないか、検討していただきたい。ぜひ少しでもこの現状を打開するよう求めます。

 アベノミクスの「景気対策」のもとガソリン・灯油などの物価の上昇の一方、庶民の暮らしは、収入は増えず年金は減らされる、ますます深刻です。東日本大震災で被災した方は、3回目の厳しい冬を迎えます。被災者及び低所得者に対して、福祉灯油を実施するよう求めます。

 議案124号、部等の設置条例の一部を改正する条例で、平成28年度の2順目国体開催のため国体推進局を設置するに当たっては、市全体の職員体制を見なおし、職員の過重負担とならないよう求めます。この間相次いで市職員が現職中に亡くなるという痛ましい事案が発生いたしました。職員の健康と安全を守るために市当局としても、一層の努力をしていただきたい。とりわけ、学校用務員さんの事故に関しては、その背景に、市の職員削減計画があったのではないかということです。民間委託された清掃部門から移動して、用務員歴3年の決してベテランとは言えないなか、しかも複数配置学校においてはその一人を、週30時間の非正規のかた、という中で起きているのです。このような働かせ方を続けてよいのか、しっかりと検証していただきたい。市の職員削減計画の見直しを求めるものです。

 議案133号 盛岡市立学校に関する条例の一部を改正する条例については、浅岸小学校、外山小学校及び藪川中学校の廃止に伴う条例ですが、閉校後の学校施設活用については地域住民の要望を最大限取り入れるとともに、解体の方向である浅岸小学校校舎については、早期に解体ができるよう、予算の確保と計画の具体化を求めます。

 議案134号から256号までの各施設の指定管理者の指定に関する議案については、本議会直前に起きた青山墓園および新庄墓園の指定管理者の指定取り消し処分から、しっかりと教訓を引きだしていただきたい。個々の設置条例で定めるだけでなく、指定管理者の対象要件について一定の制限を設けるなどの通則条例の必要性及び、情報公開の対象とすることを検討すべきです。新庄墓園については、20、21墓域において、墓地内に暗渠が敷設されていないため、遺骨を納めるカロートに雨水が溜まる状況となっています。なぜこのような工事が行われたのかについて検証し、早急な対策を求めます。

 また、指定管理制度については、①管理者が撤退するというリスク、②長期雇用が難しい などのリとなっていますスクにどう対応するかが課題だと指摘されております。もともと、指定管理制度が「民間にできることは民間に」との掛け声で進められる中で、雇用問題は大きな課題でした。非正規雇用が圧倒的で、雇用の安定性に加え賃金水準も低く指定管理で働く人の多くが「官制ワーキングプア」の状況におかれることの問題が指摘されているのです。2010年「指定管理者制度の運用について」という通知が指摘している「労働法令の順守、及び雇用労働条件の適切な配慮」とは、「最低賃金さえクリアしておれば構わない」ということではないのではないでしょうか。そのことも含めて市の「指定管理料の上限」の設定について見直しを求めます。

 児童館・児童センターの児童厚生員の採用は福祉推進会の推薦で行われており、雇用条件は月収11万円程で1年更新5年間の期限付き非正規職員です。本来、経験を活かし継続性が求められる専門職でありながら期限付き雇用ということから、年々人材確保が厳しくなっています。また、登録児童に対する児童厚生員の配置についても、子供たちの安全安心のためにも増員などの見直しが必要です。児童厚生員の配置基準、採用方法と雇用条件の抜本的な改善を求めるものです。

 議案259号 あっせんの申し立てについてについては、市が請求している合計で1億385万4417円は、そもそも原発事故がなければ発生しない費用でした。東京電力がそれに対して、500万円、4・8%しか応じないというのは不誠実であり、この請求額の支払いが受けられるよう万全を期していただきたい。合わせて、原木しいたけの生産者の方など、風評被害がまだあります。その克服のためにこれまで以上に市としても取り組むよう要請します。

 最後に、請願について述べます。継続審査の申し出以外の請願のうち、TPP関連が2件、消費税関連が2件についてはいずれも採択すべきものです。TPPは主要5品目は対象から外すというのが公約です。しかし、この交渉内容が秘密にされたうえ、5品目の中からも関税撤廃の対象にするということは、安倍政権・与党の公約違反です。TPP交渉から撤退すべきです。
 4月からの消費税増税は、新聞への増税を回避するだけでなく増税そのものを中止すべきです・市民生活を壊します。消費税増税と合わせて打ち出された法人税減税は、「社会保障財源」という理由ももはや成り立ちません。景気対策として5兆円以上もばらまくということ自体、消費税増税が景気を後退させることを認めたものです。ならば、消費税増税を止めることこそ最大の景気対策です。これらの請願は採択するべきです。
以 上