2013年6月定例会 髙橋和夫議員の一般質問より
職員給与削減問題について
(大要)

●2013年6月17日に行った髙橋和夫議員の一般質問のうち、職員給与削減問題について、大要をお知らせします
   
 
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 質問 と答弁(大要) 
(髙橋和夫議員)県の職員給与削減の記事で驚いた。期間は7月から、額は総額70億円ということだ。これは地方経済に大きな影響を与えることは必至だ。国は復興財源のためとして2012年から2年間国家公務員の給与を平均7.8%カットし、地方にも同程度の賃金引き下げを要請するとして2013年地方交付税を岩手県では83億円カットされたということだ。盛岡市でも同様に約6億円カットされると聞く。全国知事会、県議会議長会、市長会、市議会議長会、町村長会、町村議会議長会の地方6団体が4月22日総務大臣あてに地方公務員給与についての要請をした。しかし十分な協議もされず地方独自の財源である地方交付税を一方的に削減することは輸すされないことであり国の地方自治の侵害であり地方自治否定の独裁政治だ。地方自治体は結束して国に抗議し、屈することなく職員の生活と権利を守るべきと考えるがどうか、地方自治体の責任者として市長の見解を伺う。

(谷藤市長)市において総人件費の削減の努力をおこなっているさなかに自主的に決定されるべき地方公務員給与に対し、国に準じた減額措置への要請を行われたことは極めて遺憾だと言わざるを得ない。しかしながら復興財源の確保として、地方公務員の給与の減額を前提として地方交付税の減額により市の行政運営の影響が懸念されることから職員による一定の負担について苦渋の決断をせざるを得ない。今後とも国に対して引き続き地方公務員給与の在り方について地方と十分かな協議を行うよう、全国市長会等を通じて要請する。
(髙橋和夫)今度問題は、①人事院勧告制度を無視するものであり憲法違反ではないか ②地方交付税は地方固有の財源であり国が一方的に削減していいのか ③震災復興のための財源だというが、これまで3兆6千億の復興予算が流用されている。職員給与削減で穴埋めをするというのは問題だ ④公務員給与の削減は民間給与の削減にも影響を与えデフレ不況打開にも逆行し、地域系経済をさらに落ち込ませることになる。地域経済をまもり、職員の生活を守るためには給与の削減をしないということが必要だ。⑤県内では、大槌町、山田町、奥州市、北上市、花巻市などでも削減しないという状況だ。中核市42市でも削減するのが11市と、4分の3が実施しないと聞いている。その中で盛岡市が率先して削減していいのかという疑問を持つ。
 財源の問題でも、地方交付税の減額は確かにあるが、昨年度の法人市民税の増収分、あるいは元気臨時交付金13億円もある。これらを活用すれば何とかなるのではないか。

(菊池総務部長)今回の国からきている要請というものは、従来の人事院勧告制度や交付税削減などいかがかと思われる手法で行われていることから全国市長会等で強い決議を挙げている。その中で、盛岡市に入ってくる6億円という地方交付税が入ってこないということにおいて何らかの形で補てんしないと市の行政運営に市民サービスに影響が出てくる。職員の給与削減分として減らされた分については職員の給与で補うべきだということから本議会に追加提案という形でお願いしようとしている。全国42の中核市のうち実施を決めたのが先週の情報で16市であり、未定というところが多い。東北では、仙台は独自にカットしているということで今回は削減しない、秋田市では定数うぃ99人削減して給与削減を図っている ことから国の要請には応じない、などそれぞれの市の事情に応じて様々な対応になっている。盛岡市としては6億円という財源を踏まえ、24年4月1日のラスパイレス指数が108.1ということも総合的に勘案しながら今回追加提案をしようとしているところだ。
(髙橋和夫)いま仙台、秋田の状況が出されたが、青森市では議会の常任委員会で否決されたと聞く。そうなると削減をするのは盛岡市だけになってしまうのではないか。

(菊池総務部長) 青森では委員会で否決されたと聞く。今後本会議ということだがそこまでの情報はつかんでいない。
(髙橋和夫) 6月7日に我が会派で市長に申し入れをした。その際には、いくらか配慮があるのかと受け止めていたが、先日の新聞では、県の削減よりも大きい。25年度で退職する場合の退職金や年金などに影響するのではないか。
(菊池総務部長) 現在追加提案しようとしている内容についてはあくまでも毎月支給の給料の7.32%のカットをお願いしようとするもので、本俸カットの跳ね返りでの影響は生じないように条例改正の作業をしている。
 (髙橋和夫)安倍首相のアベノミクスをはじめたら、半年でユニクロの社長一族は1兆円の資産を増やしたという。日割りでは55億円、次官級では2億3千万円だ。こういうべらぼうに儲かっている反面、ここで職員の給与をカットすることによって職員も地域経済もかなり影響する。県職員も含めてかなりの減額となる。
 地方交付税は地方固有の財源だ。国に口出しをさせないということが大事だ。国は責任を持って財源を確保し、職員の給与から国の行政の金を生み出すのはもってのほかであり今までにない異常なやり方だ。人の懐に手を突っ込むようなこういうやり方は地方自治の根幹にかかわる事であり、断じてダメだということで国に対して抗議することが必要だ。
国では、議会への提案内容や、議決の状況、給与削減の実施状況を調査して公表をするという話があるがどうか。

(菊池総務部長)
 そのような情報は入っていない.
 (髙橋和夫)地方自治への介入であり自治権の侵害ということになる。やらせないということで臨むべきだ。給与削減をしない自治体を富裕自治体と見なし、特別交付金削減のペナルティを狩るという話もあるが、どうか。

(菊池総務部長) その点も初めて聞いた。そのような情報はつかんでいない
 (髙橋和夫) 一度あることは二度、二度あることは三度ある。この制度を継続させるという話もある。何年続くかわからない。そうなれば労働者の生活も何もあったものではない。これは絶対やらせるべきではない。国が入っているデフレ脱却の方向とは全く逆なことだ。外国に行ってほら吹いている時ではない。市長の見解を伺う。

(谷藤市長)
本来的ではない形で国から東日本大震災復興の財源確保のためという名のもとであるが、地方公務員の給与減額をすることを前提に地う方向風情を削減してきているということで、しかしながらその削減された財源の扱い方について大変苦慮している。市民生活に影響を及ぼすところから職員の給与に振り向けるという部分に対して市民がどのように受け止めていくのかということもあり苦慮している。苦渋の決断として職員にもこの現状を踏まえて理解してほしいということで組合とも交渉を10数回重ねてきた。現実を踏まえながら、一つの方向を出していかざるを得ない。国に対してはこんなことは2度としてはならないということを全国市長会を通じながら訴えた参りたい。国家公務員は2012年4月から2年間ということでスタートした。地方公務員に対してももっと早い段階からいろいろな動きがあったが、全国市長会として「とんでもない話だ」ということで協議ををしながら最終的に7月からということに押してきた。苦渋の決断をせざるを得ない状況だということで理解してほしい。
(髙橋和夫) 市長の苦しい立場はわかる。だが、探せば財源はある。そういう努力はしてほしい。さらに組合との交渉では信頼関係が大事だ。見切り発車ということはさけるべきだ。継続として、労使合意で結論が出てからでも遅くない。このことを最後に要望する。