2013年6月定例会 鈴木努議員の一般質問

 
質問項目 (クリックするとジャンプします)
障がい者施策について
生活環境保全・いわゆる「ゴミ屋敷」対策
DV・高齢者虐待への対策
エネルギー対策
  原発について
  木質バイオマス  街灯のLED化

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 質問  答弁
 (鈴木努) 初めに、障がい者施策についてお伺いします。「障がい者自立支援法は憲法違反だ」と訴えた自立支援法違憲訴訟団が、障がい者自立支援法の廃止と新たな総合福祉法を約束した基本合意を国と結び、和解して3年が経過しました。4月から施行された総合支援法は、障がい者自立支援法若干手直ししたものの、障害を自己責任とし、家族収入を含めて応益負担を課す仕組みはそのままとなっています。
 総合支援法は、障がい者の尊厳を傷つけた自立支援法の根幹部分は温存され、障がい当事者がまとめあげた障がい者総合福祉法の「骨格提言」が示した、障がい者が権利の主体となる新しい法律をつくるという思いとはかけ離れているように感じますが、市長はこの法についてどのよう認識をお持ちでしょうかお伺いします。

 以下、新たに始まった総合支援法と施策の拡充について何点か質問させていただきます。





 総合支援法では、市町村の行う必須事業に手話奉仕員の養成研修を都道府県の必須事業に手話通訳者、要約筆記者等の養成研修を追加しました。新年度予算では、コミュニケーション支援を行う人材の育成、成年後見業務を適正に担うことが出来る人材の育成活用を行っていくこととなっていますが、当市ではどのように進めていくのでしょうか、お伺いします。







 自立支援法による、障がい程度区分認定は、総合支援法では、「障がい支援区分」と改め、「障がいの多様な特性その他の心身の状態に応じて必要とされる標準的な度合いを示すもの」としました。要介護認定と同様の判定式は使用せず、知的障がい者、精神障がい者、発達障がいの特性にも配慮できるよう調査項目追加されたとのことであります。
 当事者の声を十分に反映させることが必要と思いますが、どのように取り組まれるのかお伺いします。

 厚労省は、精神疾患医療体制を見直す提言をまとめました。入院患者はできるだけ早期に退院させ、地域移行のとりくみに重点を置く方向となっています。
 提言は、「重度かつ慢性」の患者を除き、原則1年未満で退院させる方向で精神科病床の機能分化進める内容となっていますが、当市における影響についてお知らせください。また精神障がい者地域で安心して暮らせるための医療・福祉の拡充や相談支援活動、住まい、働く場の確保を含め関連施設の拡充が必要ですが、当市ではどのようにお考えでしょうか、お伺いします。
 
 また当市おける施設の拡充についてでありますが、重度心身障がい者の子どものいる方のお話ですと、幼児の場合は子どもを預けるための保育施設やデイサービス施設拡充が図られてきたとのことでありますが、高等学校を卒業した後の行き場がないとのことでショートステイなどの予約がなかなか取れない状況にあるとのことでありますが、当市ではこのような実態についてどのように把握されているのでしょうか。短期入所施設の拡充についてどのようにお考えでしょうか、お伺いします。
(谷藤裕明市長)  障がい者総合支援法に関する私の認識についてでありますが、障がい者総合支援法は、「障がい者の日常生活又は社会生活を営むための支援は、全ての国民が障害の有無にかかわらず、等しく基本的人権を享有する個人として尊重されるものであるとの理念にのっとり、地域社会における共生の実現のため、社会参加の機会確保や、社会的障害の除去に資するよう、総合的かつ計画的に行わなければならない」ことを基本理念に掲げております。
 また、制度の谷間を埋めるべく、新たに障がい者の範囲に難病患者などを加えたことや、障がい支援区分認定が、知的障がい者等の特性に応じて適切に行われることになったこと、精神障がい者の地域移行支援の対象拡大や、手話奉仕員の養成などの地域生活支援事業のメニューが追加されたことなどにより、今後、法に基づき障がい者の福祉の一層の向上が図られるいくものと存じております。
 なお、法律施行にあたって、国会において付帯決議がなされておりますことから、国において適切に対応されることを期待しております。


(熊谷保健福祉部長) 手話奉仕員の養成については、岩手県が開催していた手話奉仕員養成講座が手話通訳者養成研修に変わったため、障がい者団体から市に手話奉仕員養成講座を開催してほしいという要望が出されたことをきっかけに、平成13年度から講座を開催し、これまで309人が修了し、今年度は、23名の方が受講中であります。
 また、成年後見業務を行う人材の育成については、権利擁護に携わっている盛岡市社会福祉協議会や成年後見センター等の外部の機関と連携しながら、先進地の情報を調査し、検討してまいりたいと存じます。


 厚生労働省では、障がい者総合支援法で規定する「障害支援区分」の平成26年4月施行に向け、新たな調査項目やコンピューター判定式などの見直しを検討しております。今年度は、審査判定の仕組みのモデル事業の実施を予定しており、当市も当該事業に参加し、障がい者の特性に応じた調査項目となるよう意見を述べてまいりたいと考えております。



 精神障がい者の地域移行については、盛岡広域圏障がい者自立支援協議会の退院支援分科会において、保健所、市町村、県、医療機関、障がい者相談支援事業所等が、地域全体における支援体制の課題や個別のケースに対応したサービス内容等について検討を行っております。提言通りの実施となれば、相談を受ける相談支援専門員等の数や住まいの確保などソフト、ハードの両面において課題が発生することも考えられます。

 相談支援活動、住まい、働く場など関連施設の整備については、課題として捉えており、市といたしましては、平成25年5月に盛岡市自立支援協議会を設置し、関係者で課題を整理し、情報を共有しながら、民間の施設整備に向けた検討をすることとしております。
 市内の短期入所施設の定員は31人で、平成24年度は延べ1328人の方が利用し、利用率は11.7%となっております。しかし、利用希望日が週末に集中し、希望しても利用できない状況もあるとお聞きしておりますが、全体的な利用率が低い状況にありますことから、施設整備は進みにくいものと分析しております。このようなことから盛岡市自立支援協議会において、問題点を整理し、利用者や利用希望等の情報を共有しながら施設利用の調整や整備について協議していきたいと考えております。
 次に、生活環境の保全に関わる取り組みについてお伺いします。マスコミでたびたび報道される「ごみ屋敷問題」ついては、住人の奇異な行動のみに着目して、報道されるものが多いものでありますが、その根底には孤立化や生活困窮、認知症や、精神的な障害を持っていたりするなど自ら解決方法を見いだせず生活環境の悪化につながっているケースがあります。このようなケースの場合、命令や勧告、代執行などの強制力ではなく地道な取り組みをしていく必要があるものと考えます。

 対象者の多くは、心を閉ざしている場合が多く、心を開いていくことが支援のとっかかりとして最も重要とされています。接触していくポイントとして、地域で本人とのかかわりを持てる人を介すること、本人との共通点や特徴を探りながら本人の考えに近づくこと、絶対的に支援する気持ちであること示し、時には時期を待ち、見守ったりしながら、支援のタイミングを作っていくことが必要とされています。

 このような「ごみ屋敷」対する取り組みとして大阪府の豊中市では、「ごみ屋敷リセットプロジェクト」を立ち上げ、支援を行っています。このプロジェクトでは、「孤立」というものがゴミ屋敷を生み出す原因と考え、ゴミをためた人に社会とのつながりを取り戻してもらうことを重要視しています。あくまでごみの片づけは手段にすぎないとのことであります。
 信頼関係を築くために一度にごみを片付けるのではなく、長期的に様子を見て何度も家に足を運んでいるそうであります。さらに、片付けには市民ボランティアにも参加してもらい、代わる代わる声をかけるよう心がけ、社会とのつながりを地道な支援で築くような取り組みが行われています。
 
 ごみ処理については、本人がSOSを出す場合と本人が拒否をする場合がありますが、本人と信頼関係のある機関(キーパーソン)とともにごみの分別、運搬、焼却についての役割分担を行うなどの一定のルールを作り対応されています。
 また、東京都の足立区では、「足立区生活環境の保全に関する条例」を制定し、区へ「ごみ屋敷」などへの苦情が寄せられた場合に、調査、指導・勧告を行う一方で医師や弁護士、学識経験者、区民団体等の役員で構成する「生活環境保全審議会」を設置し、支援が必要な場合にはごみの撤去費用や医療機関との連携、生活再建のための助成も行うことができるようになったとのことであります。
 当市においては、現在「ごみ屋敷問題」における対応がそれぞれの部署での個々対応となっているものと認識していますが、市では、どのようにこの「ごみ屋敷」について把握しているのでしょうか。また、市全体で一定のルール作りを行いながらこの問題に対応していく必要があると思いますが、いかがでしょうかお伺いします。
(谷藤市長) 現在、「ごみ屋敷」問題に関しての市民からの通報や情報提供にあたっては、市の関係部署が相互に連携して、適宜情報の把握に努め、現地調査や対象となる方への家庭訪問を実施し、生活面やごみの処理に関する助言、指導等を行うとともに、地域の皆様の協力をいただきながら、それぞれの事案の解決に努めてまいったところであります。
 今後は、新たな「ごみ屋敷問題」が生じないよう、市内部でのさらに効果的な連携方法を模索するとともに、町内会・自治会、民生委員等や市民の皆様から寄せられている通報や情報を有効に生かしながら、対象となる方に適切な助言、指導を行うなど、地域と一体となり、サポートしていくことにより、生活環境の適切な維持や保全を図ってまいりたいと存じます。

(中川環境部長) 家の中や宅地内にごみが放置され、周辺の住環境に影響を及ぼしているいわゆる「ごみ屋敷」につきましては、衛生上、火災予防上の観点からも自主的に改善指定いただかなければならないものの、近年は、一人で思うようにごみを片付けられない高齢者等の方がおられますことから、適切な助言や指導を行うとともに、地域と一体となったサポートが求められているものと認識しております。
 現在、ごみ屋敷に係る問題については、町内会・自治会、民生委員、きれいなまち推進員や市民の皆様からの通報と保健福祉部、広聴広報課など関係部署からの情報を集約し、連携を図りながら、現地調査や家庭訪問を実施することで、ごみの処理に関する助言、指導など対象者に応じた対策を検討し、事案の解決に努めているところであります。
 など、過去5年間では、地域町内会の協力をいただきながら、本人の了解を得たうえでごみを処理した事案が2件あり、本年度は現地調査と家庭訪問の実施により、ごみの処理について助言と指導を行っている事案が2件となっております。
 次に、虐待による措置入所の対応についてお伺いします。内閣府男女共同参画局が発表した男女間における暴力に関する調査報告書では、配偶者からの被害について、なぐったり、けったり、物を投げたり、突き飛ばしたりするなどの身体的暴行、人格を否定するような暴言や精神的な嫌がらせを受けた、あるいは自分もしくは自分の家族に危害が加えられるのではないかと恐怖を感じるような心理的攻撃、また性的強要のいずれかについて配偶者から被害を受けたことが「あった」と回答した人が全体の26.2%と約4人に1人は配偶者から何らかの被害を受けており、約10人に一人が何度も被害を受けているとの報告があります。

 「配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護に関する法律」(DV防止法)においては、被害者を女性には限定していませんが、男女の経済格差等、個人の問題として片付けられないような構造的な問題に原因で、被害の実態の多くは女性となっています。

 このような中で、当市においては、DV被害者の相談件数の増加や被害者の一日も早い回復と自立に向けた支援を実施するために「盛岡市配偶者暴力防止対策推進計画」が策定され、これまで以上に市の担う役割が大きくなっているものと認識しております。
推進計画は、平成21年から25年までの5カ年計画となっておりますが、今計画期間におけるDVによる相談件数はどのくらいの状況になっているのか、またその対応についてお知らせください。
 
 被害者の自立支援のための課題として、自立のためのステップハウスの確保についてあげられておりますが、当市では、どのように取り組まれているのでしょうかお知らせ下さい。合わせて、自立支援の取り組みとして、緊急宿泊事業がありますが、この取組については引き続き行っていくべき事業だと思いますが、来年度以降の見通しについてお知らせを願います。




























 
 平成23年度高齢者虐待の防止、高齢者の擁護者に対する支援等に関する法律に基づく対応状況等に関する調査結果を見ますと、高齢者の世話をしている家族、親族、同居人等の養護者による虐待件数が平成18年度の12569件から23年度で16599件と増加傾向となっています。当市の状況についてお知らせください。
 
 養護者からの虐待によって緊急保護が必要な場合に行政措置によって施設に入所する場合がありますが、担当している相談員の方からは「対応してもらえる施設がすぐに見つからない時間がかかる場合がある」との声があります。すぐに対応できるように施設以外に一時的にホテルや旅館を措置入所の場として借りるようなことはできないものでしょうか、お伺いします。 また施設によっては、この措置入所についての認識に温度差があるように感じられますが、市では各施設に対してどのように働きかけを行ってきたのでしょうか、お知らせ願います。
(熊谷保健福祉部長) 当市における高齢者虐待の件数は、平成18年度が29件で、24年度が43件となっており、全国と同様に増加傾向となっています。
 市といたしましても、警察や地域包括支援センター等の関係機関と連携し、早期発見、早期支援に取り組んでおります。














(細川市民部長)
平成21年度が770件、22年度が799件、23年度964件、24年度が733件となっております。








 自立のためのステップハウスの確保については、心の回復を図りながら、必要に応じて、弁護士による法律相談、家庭裁判所などへの行政手続きのための動向支援のほか、緊急を要するものは、警察や県の一時保護所や県外の民間シェルター等につないでおります。
 また、夜間等の事情により相談・支援体制の整わない場合には、市独自の制度として、一時的に宿泊場所などを提供する事業を実施しております。
一時保護所を退所後に支援を必要とするDV被害者が母子の場合には、配偶者暴力相談支援センターにおいて、保健福祉部や県の婦人相談所と連携を図りながら、市あるいは他市町村の保健福祉部局が所管する母子生活支援施設などを紹介しております。
 DV被害者のほとんどは、県外のシェルターへの避難を希望することが多く、現在のところ、ステップハウスが不足している状況にはありませんが、県外のシェルター等を紹介した後の情報の把握が十分にできないことなどが課題として挙げられます。

 緊急宿泊事業の来年度以降の見通しについては、緊急宿泊事業は、緊急に安全確保を要し、近在に身を寄せる親族などがなく、かつ十分な所持金を持たないDV被害者及び同伴家族を対象に、宿泊場所や最小限の生活用品を提供しているもので、活用実績は、平成22年度が3組延べ8人、23年度が3組延べ4人、24年度が2組延べ10人となっております。
 DV被害者の安全確保や心の回復のためには、速やかできめ細かな支援や今後の生活設計に向けての意思決定ができる安全な場所が必要不可欠であり、その環境を確保することが配偶者暴力支援センターに求められる重要な役割でもございます。
 したがいまして、宿泊場所などの提供事業につきましては、今後におきましても、財源確保に努めながら事業を継続してまいりたいと存じます

(熊谷保健福祉部長)当市における高齢者虐待の件数は、平成18年度が29件で、24年度が43件となっており、全国と同様に増加傾向となっています。
 市といたしましても、警察や地域包括支援センター等の関係機関と連携し、早期発見、早期支援に取り組んでおります。一時的にホテルや旅館を措置入所の場として借りることはできないか、についてですが、養護者からの虐待によって保護が必要な場合については、老人福祉法の規定により、「やむを得ない理由」に基づく措置として、老人短期入所施設等や老人ホームへの入所を行うこととなっております。
 緊急の保護が必要な場合については、老人短期入所施設等に措置入所を行うことととしております。
 市内では、老人短期入所施設等が平成24年度で6施設108床、新たに新設されるなど、量的な整備が進んだことから、おおむね、速やかな措置入所が可能となってきており、ホテルや旅館の借用は予定していないところであります。
 法に基づく措置入所に関しては各施設とも制度を熟知しているものと存じておりますが、施設によっては、職員体制や設備、入所状況などの諸事情により、速やかな受け入れが難しい場合があるものと考えております。
 今後におきましては、各事業所を対象とした行政説明会などの機会を捉えて、措置入所への理解と協力について働きかけてまいりたいと存じます。
 次に、エネルギー施策についてお伺いします。東京電力福島第一原発は事故発生から2年がたった今も、溶融炉から溶け出す放射能と増え続ける汚染水との戦いの真っ最中であります。

 政府の廃炉対策推進会議は、福島原発は「安定状態を継続している」として、溶融燃料の取り出しなどを前倒しする「中長期ロードマップ」改訂版を6月中に策定する予定としています。しかしながら、3月にはトラックに搭載した仮設配電盤にネズミが侵入しショートし、一日以上も使用済み燃料プールの冷却ができなくなってしまいました。また4月には、放射能汚染水が複数の貯水槽から漏れていることが明らかとなったところであります。福島原発事故がいまなお収束していない不安定な状況にあることを象徴する事故です。

 7月には原子力規制委員会が定める新安全基準が施行され、原発の再稼働に向けた安全審査が始まります。規制委員会が2月に公表した新安全基準骨子案は、シビアアクシデント対策を求めていますが、電源車や代替水源など福島原発事故で実際に行った対症療法的対策をならべたものとなっています。地震対策では、考慮すべき活断層を列島の地殻変動が現在と同じとなった40万年前以降に活動したものまで拡大すると報じられましたが、拡大されませんでした。しかも断層が地表に出ていなければ活断層の真上に原子炉建屋があっても構わないという内容です。
 
 そもそも福島原発事故のような地域社会を破壊する災害を想定しなければならない「安全基準」では、住民の安全を守ることにならないのではないでしょうか。
事故の収束なしに福島の復興はありえないことでありますが、事故の収束の見通しがないもとで再稼働は論外だと思いますがいかがでしょうか、市長の御所見をお伺いします。

 木質バイオマス資源の活用についてお伺いします。地域資源の1つである林地残材等が、全国で年間約2000万㎥発生するとともに、森林資源が年々増加する中で、木質バイオマスを活用した産業化の取り組みにより、森林整備や山村地域の活性化を図ることが必要とのことから、国の新規事業として今年度「木質バイオマス産業化促進事業」が予算化されております。この事業の政策目標として木質バイオマス利用量を平成23年度71.7万㎥から平成27年度300万㎥へと引き上げることを掲げております。主な事業内容として、未利用木質バイオマスを利用した発電、熱供給熱電併給推進のために必要な調査を行うとともに全国各地の木質バイオマス関連施設の円滑な導入に向けた全国的な相談・サポート体制の確立を支援。未利用間伐材などを原料とする熱効率が高い新たな固形燃料や発電効率の高い新たな木質バイオマス発電システム等の開発・改良、実証プラントの整備に対する支援や木質バイオマス利活用施設等の整備に係る資金の借入に対する利子助成を行うとしております。当市においては、このような新規事業に対して何か検討はなされたのでしょうか、お伺いします。
 
 過日、産業環境常任委員会で、玉山区渋民の盛岡工業団地内にある小山田工業所を視察いたしました。ここで製造されているチップボイラー「エコモス」の特徴は、独自の燃焼構造により含水率の高いものでも対応でき、樹種や季節、保管状況の違いによる含水率のバラつきの問題も解消されているとのことでありました。
ユートランド姫神にこのチップボイラーが導入されておりますが、今後においてこのような優れた技術のある企業との協力をどのように進めていくのでしょうか、お伺いします。   

 市域の約7割を森林が占める当市としても森林の適切な管理や地球温暖化対策などの観点からも木質バイオマスの取り組みを大いに進めていくために、このような地元企業に対して、木質バイオマスを含む再生可能エネルギー設備等の研究開発や実用化を進めるための支援制度についての具体化を早期に行っていく必要があると思いますが、どのように検討されているのでしょうか、お伺いします。


 次に、街灯の設置(LED化)についてお伺いします。今年からLED灯の設置補助率が昨年の6割から7割へと引き上げられました。LED照明は、故障の発生率が低く防犯機能の維持や町内会の負担が軽減すること。電気料金の軽減や二酸化炭素排出量の軽減など多くのメリットがあるわけですが、これまで市が設置してきたLED灯の設置はどの程度進んできたのか。また今年度はどのくらいの申請があったのかお知らせ願います。合わせて市ではこのLEDの効果についてどのように考えているのかお伺いします。
 
 5月8日に行われた議会報告会では、「街灯のLED化についてもっと予算をふやしてほしい」との意見が出されましたが、LED化を進めていくために現在の予算措置は少ないように感じられます。街路灯のLED化を進めていくために毎年度の予算についても増額するなどの措置を講じるべきと思いますがいかがでしょうか、お伺いします。
合わせて、街路灯の設置補助の申し込みについて、現状では「早いもの勝ち」状態で、町内会役員の改選により街灯の申請等に慣れていない町内会では、申請をしようとしたらすでに今年度分の申請については終わっていたとのことで、申請方法や説明についても改善を求める声がありますが、市ではこの申請方法について今後どのように改善を図っていくのかお伺いします。


 
 (谷藤市長) 阿部首相は、平成25年5月の記者会見において、原発の再稼働については、「安全を最優先する。原発の安全性は、原子力規制委員会の専門家的な判断に委ね、委員会が新たな基準に適合すると認めた場合は、その専門的判断を尊重し、再稼働を進める」と発言しております。
 また、茂木経済産業大臣は、平成25年6月の記者会見において、原発の再稼働を含むエネルギー政策、原発政策については、「国民の様々な声を真摯に受け止め、政策に反映したい」と発言しております。
 今後における原発再稼働については、原発が立地されている地元の経済、産業界から、再稼働を要望する声がある一方で、収束の目途が立たない原発周辺やその地域の属する広域圏の自治体などから多くの反対の声があり、意見が分かれているものと認識しております。
 いずれにしましても、国のエネルギー政策の動向や更なる幅広い国民的な議論の他、内外の経済動向なども見極めながら、今後とも総合的に判断するべきものであると存じております。
 市といたしましては、再生可能エネルギーの率先導入や普及促進、省エネの取り組みを積極的に推進することによりエネルギー自立型の都市を目指してまいりたいと存じます。













(中川農林部長) 国の「木質バイオマス産業化促進事業」は、民間団体などの対象とした、木質バイオマスの利用促進のための支援体制構築や、新たな木質バイオマスの加工・利用システムの技術開発等の支援事業となっております。
 県から伺ったところ、この事業の具体的な展開は、これからであり、全国的な相談・サポート体制の確立への支援や木質バイオマス利活用施設等の整備に係る資金の借り入れに対する利子助成などの詳細については、まだ示されておりませんが、木質バイオマスの利用拡大を目的とした新たな技術開発及びその実証を行う事業者に対して、補助金を交付する、木質バイオマス利用・加工システム開発事業については、今月中旬から、公募を開始するよていとのことでございます。
 市といたしましては、本事業が民間団体などを対象としていることから、直接的な検討は行っていないところですが、今後の国の取り組みについての情報収集などを行いながら、木質バイオマスの利用促進に努めてまいりたいと存じます。

 平成24年4月から、チップボイラー「エコモス」を導入したユートランド姫神におきましては、導入前の23年度に比べ、導入後の24年度において、燃料費が約290万円、約17%削減されたところであり、今後、開発した企業とともに、更にその有効性を確認しながら、利用拡大に努めてまいりたいと存じます。

 




 これまでも、林業・木材産業の振興と環境対策を図るため、国の事業を導入しながら、含水率の高い木質チップを効率よく燃焼させる蒸気ボイラーの開発に、県、岩手大学、地元企業が共同で取り組むなど、官民連携で再生可能エネルギー設備の研究開発を進めてきたところでございます。このことから、市としては、単独での支援制度は考えておりませんが、国の支援制度の活用や、国・県の研究開発等との連携を図りながら、木質バイオマスの利用普及に努めてまいりたいと存じます。

(細川市民部長) LED灯の設置について、24年度当初では街灯総数1万8564灯のうち、LEDが1923灯で、普及率は10.4%となっております。
 25年度当初のおきましては、街灯総数が確定しておりませんが、LEDは2242灯で、普及率は12%程度となる見込みでございます。

 今年度はどれくらいの補助申請があったのか、についてですが、当初予算額を前年度比で300万円増の1246万8千円としたものの、5月21日までに68町内会から、370灯の申請があり、昨年度よりもひと月早く受付を終了しなければならない状況となっております。
 なお受付終了後の6月11日の段階で、さらに33町内会から、177灯、517万7600円の要望をいただいているところでございます。
 LED化の効果については、電気量が削減され、二酸化炭素排出量が削減されるほか、町内会においては、従来の蛍光灯に比べ、交換の手間が省けるものと認識しております。
 経費的には、昨年度試算したものですが、100ワットの街灯を40ワットのLEDに交換したと仮定した場合、電力消費量では60%の減、燃料調整費を除いた電気料金は、約51%の減となり、1灯当たり年間で2760円の経費節約が見込まれます。

 予算の増額については、地球温暖化対策実行計画推進基金の活用などにより制度の拡充に努めてまいったところでございますが、引き続き、できる限り財源の確保に努めながらLED化を推進してまいりたいと存じます。
 申請方法の改善については、今後も申請件数の増加が予想されますことから、自治公民館整備事業補助と同様に、前年度に仮申請をいただくなどの方法により需要額の把握に努め、計画的な事業執行を図ってまいりたいと存じます。