2013年6月定例会 鈴木礼子議員の一般質問より
学校給食問題について
(大要)

 ●2013年6月19日に行った鈴木礼子議員の一般質問のうち、
小中学校給食基本方針(案)について、大要をお知らせします
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 質問 と答弁(大要) 
パブリックコメントでは「センター化反対」が圧倒的 

(鈴木礼子)昨年11月に発表した市立小中学校学校給食基本方針(案)へのパブリックコメントは113件の意見中、旧市内小学校給食のセンター化(調理場の集約化)に対して80件・7割の方が反対で賛成はわずか2件(2%)という結果だが、旧市内小学校給食のセンター化に反対の意思表示を示したものではないか。
 市教委は、パブリックコメントのほぼ全てに対してセンター化でも問題はないとの主旨のコメントだが、学校給食検討会の報告書では単独調理場のメリットについて①学校行事や児童・生徒・保護者の希望に応じた給食の実施が容易であること。②各学校に栄養教諭等が配置されており食指導が容易であること。③調理から喫食までの時間が短いため給食の温度管理等が容易であること。④食物アレルギー対応でも保護者との連携が図りやすいと述べている。市教委のコメントはこれらについても認めがたく白を黒と言い含めるようなものではないのか。
 市は、信頼される質の高い行政をめざし、政策形成過程の透明性と市民参画の一環としてパブリックコメントの積極的な活用をすすめているが、市教委の対応は「聞き置く程度のもの」とのそしりを免れないのではないのか。

(千葉教育長) パブリックコメントの意見の多くが調理場の集約化に反対という結果は、給食のおいしさや安全性、食育の推進等について保護者の不安や懸念が示されたもの。今後、意見を十分に考慮し、慎重に検討し安全安心な給食を安定的に供給するための学校給食基本方針を策定する。
 現在の単独調理場を維持していくためには、改修に必要な敷地の確保が困難であることから今回の基本方針の策定になったもの。
「教育としての給食」・・単独調理場ならではの素晴らしい実践

(鈴木礼子)浅岸小学校の栄養職員による学校給食の実践報告は、教育としての「学校給食」について認識をあらたにした。
 報告は、食育月間で調理員がキューリの飾り切りや包丁の使い方、名称を説明し、食べ終わった後に包丁研ぎを実演。研ぐ前と後の切れ味を経験させたことなど子どもたちの目の輝きが伝わる内容だった。
給食時間の前後10~15分間を利用して食育を指導していること。昨年の先人給食では啄木を取り上げ、今年は新渡戸稲造を取り上げ県公会堂に稲造が訪れたときのメニューを説明し、給食メニューはハヤシライス、豆を使ったサラダを提供したこと。だしのとり方、はしの持ち方、子どもたちに栄養バランスを考えさせる献立の作成等々の取り組みについて報告した。
 最後に、「学校では全て手作り、インスタント・冷凍は一切使っていない。たくさんの経験の中から何をどのように摂るべきか家庭と連携してやるのが学校給食の役割であり、毎日子どもたちの顔を見て作っている」と報告した。
まさに直営自校方式という条件と職員の努力と長い経験で培われたたまものであり、市長はこれらの実践についてどのような認識なのか。

(谷藤市長)浅岸小学校は児童数5名という小規模校ならではの特色ある取り組みをしていると認識している。

(鈴木礼子)自校方式からセンター化による地元商店や農家への影響についてどのような検討が行われたのか。地域経済振興への影響はどうか。

(千葉教育長)学校給食で使用する食材は、学校近辺の商店、農家、直売所から購入しており品目は4月時点で野菜、肉類など15品目で60者ある。地域経済振興への影響は把握困難である。
「コスト削減=センター化」とせず、「自校方式を守りながらどうコストを抑えるか」の検討を

(鈴木礼子)全国的に国からの地方交付税や国庫補助負担金などが削減される中で、いかに安く仕上げるかが行政の主要なテーマになりつつあり、丸ごと民間に委託する方向が拡がっていることも確かだ。しかし、全ての学校に栄養士を配置し、子どもたちが小さいうちから何が大切なのか見抜ける能力をつけることに対してお金をかけることに市民は反対しない。
 コスト削減がイコール「センター化」とひとくくりにせず、自校方式を守りながらどうコストが抑えられるのか、あらゆる手立てをつくして検討すべきではないか。

(千葉教育長)経費の試算を含め慎重に検討を重ね基本方針を取りまとめる。

市の「経費比較」は「センター化ありき」ではないか
施設整備、人件費とも精査して見直しをすべきだ


(鈴木礼子)教育長は、自校方式を継続した場合の最大のネックに調理室の規模が新衛生管理基準では現状の1・76倍化が必要であり面積的には困難と述べた。単独調理場の新基準によるドライシステム化で係る経費が44億3600万円とした試算根拠について示せ。

(千葉教育長)ドライ化未実施の調理場26校中、閉校予定校2校を除いた24校について、必要面積4801・3㎡とした。すでにドライ化した4調理場の面積から割り出した平均増加率が1.76倍で、建設費1㎡当り単価を52・5万円と試算した。4801・3(㎡)×1・76×52・5(万円)=44億3640万円となる。

(鈴木礼子) 1校あたりに割り返すと200㎡の規模になる。児童数は、各学校建築後の最大在籍児童数が30校で21、623人に対して平成24年度には11、153人と最大時の51%にまで減少している。児童数が減少しているのだから給食室を1・76倍化しても施設的には十分確保できるのではないのか。
 例えば、仁王小学校は最多児童数1025人から平成24年度は420人の40・9%に減少。山岸小学校は980人から562人の57・3%に。仙北小学校は1059人から764人の72・1%に。北厨川小学校は993人から394人の39・6%にまで減少している。
 平成15年度にドライ化した城北小学校は児童数771人で197㎡の調理室だが、新基準にしても340㎡ということになる。
 市内小学校で児童数700人以上の規模は2校しかなく、700~600人以上が4校、600人~500人以上が2校、500人~400人以上が3校、400人~300人以上規模が9校、300人以下は6校だ。24校全てが340㎡必要ということではない。十分面積は確保できるのではないか。
 「現在の給食室の1.76倍が必要で、その面積が確保できない」からセンター化だ、とはならないのではないか。広さについても最大面積を基準にして試算しているのではないか。児童が減っている実態に合わせた検討がひつようではないか。
 また、その整備費についてはどうか。全員協議会で教育長は、3000食のセンター3カ所についても検討すると述べたが、この場合の建設費はいくらになるのか。

(千葉教育長)1棟あたりの必要面積を1800㎡とし、建設設定額を他市町村実績を参考にし、㎡単価を82・5万円と設定した。1棟では14億8500万円で、3棟では44億5500万円と試算した。

(鈴木礼子)建築費は自校方式の場合24校で、1.76倍の面積で回収した場合でも44億3640万円との試算であり実態はさらに経費の節減が可能と思われる。センター3か所よりは自校方式の方がセンター化より安価になるのではないか。つまり工夫の仕方によっては自校方式のほうが建設費が安く上がるのではないかとみている。きっちりと精査してほしい。

 最大の問題は人件費だ。人件費も職員一人当たり年額650万円として試算しているが、全職員が650万円の人件費ということはありえない。職員配置でコストを削減した高崎市の例もある。最初からセンターしかないという方法ではなく、自校方式を守り教育としての学校給食をどう充実させるためにはどうするかという立場できちんと試算し、あらゆる手だてを尽くして検討すべきではないのか。

(千葉教育長)これまで様々な意見を頂いている。保護者の意見、パブリックコメントでいただいた意見、を含めて改めて検討したい。