2013年6月議会最終日、日本共産党盛岡市議団の討論を神部伸也議員が行いました。 |
(神部伸也) 日本共産党市議団を代表して意見を述べます。
まず、追加提案された議案第83号「盛岡市職員給与支給条例等の一部を改正する条例について」反対の意見を述べます。
政府は、国家公務員給与を平均7.8%削減し、これに順じて地方交付税の削減という形で地方公務員給与の削減を押し付けてきました。7月から来年の3月までの9か月間で、地方歳出ベースで8,504億円にものぼるものです。盛岡市の地方交付税削減額は約6億円に上ります。市当局の提案が実施されれば、職員一人当たりで月額2万円から4万円、平均合計で21万円もの引き下げになります。
これまでも、行革によって職員給与は相次ぐ引き下げが行われてきました。一般会計の人件費比率も平成19年度の17.7%から平成23年度14.8%にまで下げられてきたのです。平成24年度の給与比較でも、民間給与は36万9,881円に対し、盛岡市職員給与は36万4,128円と決して「高い」という状況ではありません。長引く「デフレ不況」によって地域経済や市民生活は大変な状況となっております。そうした下で、職員給与の引き下げを行えば、職員の生活に深刻な打撃を与えるのみならず、民間給与にも影響を与えかねず、デフレ不況を打開するどころか、ますます地域経済を落ち込ませることにつながるのではないですか。
今回の国のやり方は、地方公務員給与は自治体独自に決めるという地方自治権への重大な侵害であり、断じて許されません。しかし、市長をはじめ当局は、「国の強制は普通のやり方ではない」「不本意だ」というものの、職員組合との交渉を途中で打ち切って追加議案提出をしたことは、さらに問題です。地方の批判を浴びて、国から補てん財源として「地域の元気づくり推進費」が当市に1億3,600万円が配分されております。この活用も検討すべきです。国の理不尽な自治権侵害が行われようとしている時に、これを正すことが2元代表制の議会の役割ではないでしょうか。委員会の採決を重く受け止め、本議案は否決すべきです。
他の議案については、以下の意見を付して賛成します。
議案第60号「平成25年度盛岡市一般会計補正予算(第2号)」については、私立保育所の保育士の処遇改善対策費として1億513万円が計上されましたが、単年度限りとせず、恒常的な対応を求めるものです。いま盛岡市でも待機児童問題が深刻な問題となっていますが、市独自にも私立保育園について、年度途中入所児童の受け入れを容易にするために、加配保育士への補助を行うなど、待機児童対策に万全を期すよう求めます。
また、今回の補正予算に計上されませんでしたが、国の平成24年度補正予算で措置された「地域の元気臨時交付金」については、早急に具体化を図るよう求めます。公立保育所においても、待機児童解消に取り組むべきです。交付金は、そのための施設の増改築にも使えるものです。この活用を図り、公立保育所の定員増を行うよう求めます。
また、交付金自体はハード事業として活用するというものですが、財源振替によって一般財源が大幅に浮くことになります。この浮いた財源を活用して、ソフト事業についても市民の切実な要望に応えるよう求めます。例えば、今年度は見送りされましたが、市民の期待が大きい「住宅リフォーム助成」の復活を求めます。また、今回の補正で、読書活動推進員の増員が図られましたが、2校に1校と言わず、各校に配置するよう求めます。町内会の応募が殺到している街灯のLED化については、予算の増額を求めます。
市発注工事の単価見直しによる追加補正は、資材単価の高騰とともに、国の設計労務単価引き上げによるものです。この設計労務単価は、労働者に支払われる賃金にかかわるものであり、適正に労働者に支払われるように指導・改善を求めます。そして、今こそ公契約条例を制定するよう求めます。また、市が直接行う公共工事にとどまらず、自治公民館整備補助や公立保育所の移管法人先が行う保育所整備についても、インフレスライド条項に準じた対応を図るなど特段の配慮を求めます。
議案第82号「平成25年度盛岡市一般会計補正予算(第3号)」について、風しんの予防接種費用に2分の1の補助を行うことは評価いたします。しかし、それでも接種費用は高額となっていますので、生活保護基準以下など、生活困窮者に対しては全額免除措置などを行うよう求めます。
最後に、平川食品問題に続いて、柔道整復施術療養費架空請求事件が発覚しました。5千万円近くの返還請求額が破産法の適用により徴収不能となりました。しかし、支払能力がないからとこれで終わりでは済まない問題です。平川食品問題を教訓に、刑事告訴も含め、あいまいな対応に終わらせず、責任の明確化と実態解明を行い、二度とこのようなことが起こらないよう、対応を求めます。
なお、平川食品問題については、 労働者の最後の一人まで再就職が図られるよう、事業者に対しては最後まで責任を持って対応するよう指導するともに、市としても関係機関と連携しながら支援をするよう求めます。 |
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