質問 |
答弁 |
◆38番(鈴木礼子君) 日本共産党市議団の鈴木礼子です。まず最初に、自然エネルギー利活用の促進についてお伺いいたします。
東日本大震災大津波と、引き続く東京電力福島原子力発電所の過酷事故を受けてから、間もなく2年目を迎えようとしております。これら大震災、原発事故は、自治体にとりましてもエネルギーは国の課題という認識から大きく変わらざるを得ない事態となりました。大規模集中型の電源は、効率性は高いが、想像以上に復元力や弾力性が弱いということがわかり、災害時対応を含め、小規模分散型の電源の重要性が明らかになり、再生可能エネルギーの活用が自治体の重要な課題となったことは周知のとおりです。
当市としても、エネルギー自立型の都市を目指すとして、市の率先導入、エネルギーの地産地消、地域循環型社会のモデル地域としてユートランド姫神とその周辺地域の整備、住宅用太陽光発電システム設置補助などに取り組んでいることは評価いたします。市の率先導入では、新年度から公共施設への太陽光発電システム設置事業がスタートしますが、内容についてお知らせください。
これらの事業が地域経済の振興につながるという点では、どのような配慮があるのか、また今年度公募予定の中央卸売市場への太陽光発電システム設置事業についても、あわせてお知らせください。
省エネ対策の一環として、町内会が管理する防犯灯のLED化促進のための補助率の引き上げが予算化されておりますが、具体的な内容についてもお示しください。
私は、23年10月定例議会で、当市が住宅用太陽光発電システム設置をこの10年間に1万3,000戸にする目標を掲げていることについて、爆発的な普及を進める上での最大のネックが初期投資の軽減化にあること、そしてこれらの事業が地域経済の振興につながる地域経済循環型の取り組みとなるよう指摘したところです。
千葉環境部長は、他都市の先進事例を参考にして設置しやすい仕組みづくりを検討したいとの回答でしたが、その後どのような検討がなされておりますか。
初期投資の軽減化という点では、全国的にも取り組みが広がっております。世田谷区では、今年度事業として太陽光パネルの設置を地域で一気に広げるための取り組みとして「せたがやソーラーさんさんプラン」をスタートさせ、区民に安価、安心、安全に太陽光発電を提供する事業を始めております。注目したいのは、行政が行う補助事業は予算の枠による制約があるために一気に広げることが難しいということもあり、行政中心ではなく、民間事業として成り立つスキームを考えたということです。
静岡県掛川市では、24年度から5年間に市内戸建て住宅の2割の5,800戸設置を目標に太陽光発電設置促進事業「かけがわモデル」をスタートさせ、市民への啓発と負担軽減による設置促進を目指したモデル事業をスタートさせております。
環境モデル都市の長野県飯田市で進めている「おひさま0円システム」の先進例などもありますが、これら先進地に学びながら、当市としても爆発的な普及への取り組みを本格化させる手だてを検討すべきではありませんか、いかがでしょうか。
市議会エネルギー対策特別委員会が環境エネルギー株式会社社長、岩岡重樹氏を講師に開催いたしました勉強会で、岩岡氏は当市にとっての最大の資源は森林であり、木質バイオマスによる利活用が重要であるとの示唆に富んだ内容でありました。市の約7割を占める森林は、林業生産のほか水資源や環境保全などの重要な役割を果たしており、全国的にも木質バイオマスの利活用が林業振興に直結する施策として注目されております。
さきの12月定例議会では、鈴木努議員の質問に対して、千葉環境部長は木質バイオマス資源の活用について民間企業、大学などとの話し合いを進めていくとの答弁でしたが、その後の動きについてお知らせください。
過日エネルギー対策特別委員会が紫波町の自然エネルギー利活用について視察研修を行いました。感心したことは、エネルギー対策でも地域経済循環を徹底させているということです。つまり自治体が仕事をつくり、雇用と所得を生み、所得が地域で消費され、地域を潤し、自治体財政も潤い、さらに仕事を生み出すという循環の輪を中心に置いているのです。
エネルギー自給率の向上を目指し、新たな産業を生むという立場から、町民参加型のおひさま発電事業や将来の基幹エネルギー源を木質バイオマスと位置づけ、ボイラーを重油から木質バイオマスに転換する事業などを展開しております。
ラ・フランスでの木質チップボイラー導入による自然エネルギーへの転換を初めとし、紫波中央駅前エネルギーステーション計画など、木質バイオマスの利活用で林業振興と雇用拡大を図る地域経済循環型の施策を展開しております。ラ・フランスの場合、重油価格を1リットル85円として、重油の年間費用の節約は約1,564万円ということです。帯広市では、重油消費量2,000キロリットルをチップに切りかえて、燃料代約8,000万円を節約し、地域内の経済波及効果では重油の粗利1,800万円から木質バイオマスでは約4億円になるとの試算であります。
市は、ユートランド姫神で実施いたしておりますが、仮に市の所有施設で重油から木質バイオマス、チップに切りかえた場合、燃料費は幾ら節約されるのか。CO2削減ではどうでしょうか、経済波及効果はどのくらい見込まれるものでしょうか、お知らせください。
木質バイオマス利活用は、何よりも林業振興と直結し、雇用の拡大が図られるなど地産地消型のエネルギー政策としては非常に効果の大きい施策だと思います。市としても地域経済循環型の施策の一環として、木質バイオマス利活用について真剣に検討してはどうでしょうか、御所見をお聞かせください。
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◎市長(谷藤裕明君) 鈴木礼子議員の御質問にお答え申し上げます。
初めに、公共施設への太陽光発電システム設置事業についてでございますが、再生可能エネルギーの促進に向けた率先的な取り組みといたしまして、平成24年度までに新庄浄水場や巻堀小学校など13の公共施設に合わせて187キロワットの太陽光発電システムを導入してまいりました。
平成25年度は、災害に強い自立分散型エネルギーシステムの導入促進を目的とする県補助金を活用し、市役所本庁舎を初め、5施設に合わせて65キロワットの太陽光発電システムと蓄電池を設置する予定であり、事業実施期間は平成27年度までには14の公共施設へ、合わせて160キロワットの太陽光発電システムを設置することとしております。このほか平成25年度は、2校の中学校の改築に合わせて30キロワットの太陽光発電システムを設置する予定であります。
次に、事業が地域経済振興となる配慮についてでございますが、市営建設工事の発注方針では、原則として市内に本社を有する業者に発注することとしておりますことから、太陽光発電システムの設置工事など、電気工事の発注は地域経済の活性化に一定の貢献をしているものと存じております。
次に、中央卸売市場への太陽光発電システムの設置事業についてですが、再生可能エネルギー利用の普及促進を図るとともに、固定価格買い取り制度の活用により市場の安定経営に資することを目的として、市が事業主体となり、広大な市場施設の屋根や緑地等に大規模太陽光発電施設を設置し、固定価格買い取り制度により売電するものであり、設備一式の設置及び20年間のリース、保守等を一括して行う事業者を公募したものであります。
当初7事業者からの参加申し込みがありましたが、その後5事業者が辞退し、最終的には2業者から計画提案があったものであり、今後提案内容を精査の上、契約業者を選定したいと存じます。なお、事業の提案に当たっては、地元業者の活用についても提案をいただくこととしております。
◎市民部長(細川恒君) 町内会が設置、管理する公衆街路灯のLED化促進のための補助率引き上げの内容についてですが、25年度はLED灯に交換する場合やLED灯を新設する場合に限り、補助率を現行の6割から7割に引き上げ、LED化の促進を図ることとしております。
なお、この補助率引き上げのため、25年度当初予算では地球温暖化対策実行計画推進基金の活用によりまして、前年度、24年度当初よりも300万円増の1,246万8,000円の予算を計上しているところでございます。
◎環境部長(千葉芳幸君) 太陽光発電を設置しやすい仕組みづくりの検討状況についてですが、住宅用太陽光発電システムの普及につきましては、他都市の状況などを調査しながら、平成23年度に新築家屋を対象とした太陽光発電システムの設置費に対する補助制度を創出し、平成24年度には補助対象を既存家屋にも拡大してまいりました。
これまでに今後の普及に向けた効果的な支援策などを検討するために、全国の中核市に対し補助制度の内容や太陽光発電以外の支援策などについて調査を行い、他都市の状況把握に努めているほか、市の太陽光発電補助を受けた方に発電量や補助制度に対する調査を行っております。平成25年度も引き続き補助制度を継続するなど、太陽光発電のさらなる普及拡大を図ってまいります。
さらに、民間事業者への太陽光発電の普及拡大につきましては、メガソーラー事業や小規模発電事業への地元企業の参入を促進させるため、課題を把握する必要があると存じておりますことから、金融機関や地元企業との意見交換の場などの設置について検討を行ってまいりたいと存じます。
次に、太陽光発電の爆発的な普及への取り組みについてですが、議員の御質問にありましたとおり、世田谷区で取り組まれている「せたがやソーラーさんさんプラン」や静岡県掛川市の「かけがわモデル」は、太陽光発電パネルなどシステムの仕様をパッケージ化し、標準的なものとすることや、設置工事業者を限定することなどで太陽光発電システム設置費を抑えるとともに、その費用を提携する金融機関から借り入れることにより、初期投資がなくても太陽光発電が設置できるものであると存じております。一方、屋根の形状によっては、パッケージ化された太陽光発電パネルを設置できないなど、課題もあるものと伺っております。
太陽光発電システム設置については、国の補助制度や震災後のエネルギー問題への意識の高まりのほか、固定価格買い取り制度の開始などが追い風となっているものと存じております。
また、平成25年1月末の市内の設置件数の累計は2,618件であり、平成24年度の設置件数は平成25年1月末で657件となっており、平成23年度の同時期に比べ200件以上の増加であると伺っております。
このような状況のもと、経済産業省から平成24年の実績により太陽光パネルなどの導入コストが1割程度下がったことが示されるなど、太陽光発電システムが設置しやすい状況になってきておりますものの、今後も国の動向を注視しながら太陽光発電システムの普及に積極的に取り組んでまいりたいと存じます。
次に、木質バイオマス資源の活用についてですが、木質バイオマス資源を活用した民間企業や大学との連携につきましては、これまでに市の沿岸被災地の復興支援事業として取り組んだエコハウス建設事業において、岩手大学と宮古市の合板製造会社が共同で開発した復興ボードを使用したほか、ユートランド姫神に地元業者が県工業技術センターや県林業技術センターと共同開発したチップボイラーを導入しております。
現在ユートランド姫神のチップボイラーを環境学習の素材として活用するため、製造業者と協議を進めるとともに、地元企業が行う木質バイオマスを含む再生可能エネルギー設備等の研究開発や実用化に向けた取り組みを支援するための制度について検討を行っているところであります。
また、独立行政法人森林総合研究所等が主催し、大学や民間企業もメンバーになっている木質バイオマス円卓会議に参画し、木質バイオマス資源の活用に向けた情報収集を行っており、今後も庁内関係課と連携を図りながら、木質バイオマスの利用促進に向け取り組んでまいりたいと存じます。
次に、市所有施設で重油から木質バイオマスに切りかえた場合、燃料やCO2は幾ら削減されるかについてですが、指定管理施設を除く市直営施設の平成23年度に使用したA重油は約949キロリットルであり、これに平成23年度のA重油の平均契約単価を乗じますと、約8,575万円と算出されるものであります。これを全て木質バイオマス燃料に切りかえますと、約4,190トンの木質チップが必要であり、その購入経費は約5,740万円と試算しておりますことから、設備導入経費を除いた節約可能な燃料費は約2,835万円となるものであります。また、削減できるCO2は、二酸化炭素換算で約2,570トンと試算しております。
次に、経済波及効果はどれくらい見込まれるかについてですが、木質バイオマス原料の収集運搬経費などを加味した経済効果は算定が難しいものと存じておりますことから、使用する木質チップを全て市内山林から調達し、販売するものとして試算いたしますと、間伐材などの経費といたしまして約1億3,000万円、チップ用材の販売額として約6,000万円と試算されますことから、合わせて2億円程度の経済波及効果が見込まれるものと存じております。
次に、木質バイオマス利活用を地域経済循環型の施策と位置づけたエネルギー対策の検討についてですが、市域の約7割を森林が占める本市といたしましては、木質バイオマスの利活用は森林の適切な維持管理や地球温暖化対策などの観点から取り組みを進める必要があると存じておりますことから、利活用の方策や地域資源の循環利用などについて先進事例を調査研究するとともに、庁内関係課や大学、企業などと連携を図りながら、積極的に取り組んでまいりたいと存じます。 |
次に、人・農地プランについて伺います。2月8日、旧盛岡地区移動農業委員会が開催され、私も農業委員として主催者側の立場で参加いたしました。上米内、庄ケ畑、緑が丘、黒石野地域から10名ほど参加されましたが、非常に厳しい意見が出されました。放射能による風評被害やTPP問題、政権が交代し戸別補償制度がどうなるのか、先行きが見えない。兼業農家だったが、退職と同時に専業農家になったものの、農業収入だけでは暮らしが成り立たず、年金をつぎ込んで農業を継続している。若い人にはとても農業を継いでとは言えない。小規模でも農業でやっていける対策をなどなど、将来への不安とくるくる変わる農政への不信などが出され、深刻な実態でありました。
多くの農家は、農業への展望が持てず、高齢化と後継者不足等により、中山間地域などの条件の悪いところから遊休農地や耕作放棄地が増加しているのが実態と思われますが、市の状況はいかがですか。
先ごろ示されました盛岡農業振興地域整備計画書では、市の農業経営は経営耕作面積1ヘクタール以下の農家が全体の48%を占める小規模農家が多く、農業従事者の高齢化や担い手不足による遊休農地や耕作放棄地が増加傾向にあること、当面効率的で生産性の高い農業を目指すとして、人・農地マスタープランをまとめ、農地の集積、経営規模拡大を図りながら中核的担い手となる農家1世帯当たり年間550万円の農業所得を目標にするという内容です。
550万円が妥当か否かはさておいても、食える農業として位置づけられた人・農地マスタープランの作成が各地域で進められておりますが、作成に当たっての意向調査の結果と進捗状況、内容についてお知らせください。
農地の集約では、単純に割り返すと農家戸数3,304戸が20ヘクタールに集約した場合は363戸の11%に、30ヘクタールでは242戸の7.3%にまで大幅に減少するということですから、現実的にはかなり困難な作業が予想されますが、いかがでしょうか。
上田、三ツ割地域は、市街地に隣接し、傾斜地が多く、リンゴ栽培が中心になっておりますが、担い手となり得る農業者も高齢化で傾斜地での農作業には難儀している実態です。特に市街地に隣接しているために、土地の保有志向も強いのではないでしょうか。
また、中山間地では、引き受け手がないなどの厳しい実態もあります。これら農地の集積は、どのように対応するのか、プランどおりの大規模化が図られるのかどうか、この点について御所見をお聞かせください。
引退する高齢農家の農地の作業を引き受ける集落営農や大規模経営については、地域農業を支える担い手として、その重要性は認めるものですが、食料自給率の向上や農業が持つ環境の保全という立場からすれば、兼業、高齢者世帯を含む多くの農家が定住し、営農を続けてこそ可能なのではないでしょうか。
現在農業に従事している方々が可能な限り維持できるように、続けたい人、やりたい人はみんな担い手としての位置づけは必要なのではありませんか。この点は、どのような対応になるのかお知らせください。
農業就業者が急速に減少する中、農家子弟や都市住民含めて新規就農者を飛躍的に増加させる思い切った対策が必要です。国は、今年度から青年就農給付金事業をスタートさせましたが、当初の予想を超えて希望者が出ていますが、当市の状況についてはどうでしょうか、お知らせください。
この制度は、人・農地プランと一体であることや、親元就農の場合に5年以内に経営移譲するなどの要件があります。これらを緩和して、一定期間の就農を前提として希望する青年全てを対象にすべきではないのか。60歳以上の定年退職者にも農業技術の研修や農地のあっせんなど、就農しやすくなるような支援制度が必要と思われますが、実態と対応についてお知らせください。
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◎農林部長(中川政則君) 当市における中山間地域の遊休農地や耕作放棄地の状況についてですが、毎年実施している耕作放棄地全体調査では、平成21年度末現在で約49ヘクタールございましたが、24年末までに新たに10.8ヘクタールがふえた一方、農用地からの除外と解消で32.8ヘクタールが減少し、24年12月末現在で約27ヘクタールとなっております。
このうち中山間地域については、耕作放棄地が21年度末現在で約39ヘクタール、24年末までに新たに6.6ヘクタールがふえた一方、農用地からの除外と解消で23.9ヘクタールが減少し、24年12月末現在で約22ヘクタールとなっております。
次に、人・農地プラン、いわゆる地域農業マスタープランの意向調査の結果についてですが、調査は昨年4月から5月にかけて5,921人を対象に実施し、回答者数は4,274人、回答率は約72%でございました。
調査では、農業経営の現状、将来の展望などについて伺ったところでございますが、農業経営者の年齢では60歳以上が全体の約60%、後継者の状況では、後継者がいないとする回答が全体の約31%、また5年後の農業経営の状況では、農業をやめたい、または規模を縮小したいとする回答が合わせて全体の約18%を占め、本市においても高齢化、後継者不足が進み、近い将来に不安を感じている人が多いことを示す結果となっております。
次に、当市のプラン作成の進捗状況についてですが、9地区で作成を予定しており、先月に太田地区で第1号となるプランを作成したところでございます。
さらに、今月中に玉山区の3地区、旧盛岡地区の1地区、年度内に5地区を作成することとなっております。
また、プランの内容については、地域の特色を生かした地域農業のあり方の方向を示したものとなっておりますほか、認定農業者や集落営農などの中心となる経営体や農地集積の対象農地を明らかにしたものとなっております。
次に、20ヘクタールから30ヘクタールでの農地集積は困難ではないかについてですが、御指摘の集積面積は国が目標にしているものでありますが、今回のプランでは地域の話し合いにより農業者の意向や実情を踏まえた内容としているところであります。
次に、中山間地域での農地集積の対応についてですが、中山間地域は平地に比べ生産条件が不利であり、経営農地も分散していることなどから、特に農地集積に関しては課題が多いものと存じているところであります。したがいまして、地域と話し合いを重ねながら、地域の意向と実情を十分に踏まえ、地域に合ったプランづくりを進めていくとともに、中山間地域等直接支払交付金制度も活用しながら、地域農業の持続を図ってまいりたいと存じております。
次に、農業を続けたい人への対応ですが、農業を続けたいとする兼業農家や高齢農家なども地域農業を持続していく上で大事であると認識しておりますことから、こうした農家の意向も尊重したプランづくりを進めてまいりたいと存じているところでございます。
次に、本市の青年就農給付金の受給状況についてですが、平成24年度は4経営体5名の給付となっております。なお、25年度は新たに5経営体6名の給付を予定しているものでございます。
また、現行制度では地域農業マスタープランへの位置づけが必要であることや、就農予定時の年齢要件を満たさないために支援を受けられない就農者も見られますほか、親元就農者に対する支援も課題の一つであると考えております。
このことから、議員御指摘のとおり、これらの要件緩和や親元就農に対する新たな支援制度の創設につきまして、今後も引き続きあらゆる機会を捉えて国等の関係機関に働きかけてまいりたいと存じます。
また、60歳以上の定年退職者に対する就農支援につきましては、岩手県立農業大学校が実施している農業入門コースや営農技術を習得する研修会がありますほか、岩手県農業公社による農地保有合理化事業を活用して、農地の借り入れや取得ができますことから、これら各種制度を十分活用できるよう、引き続き情報提供などの支援を行ってまいりたいと存じます。 |
次に、アセットマネジメントに関連して伺います。日本は既に人口減少期に入っており、国立社会保障・人口問題研究所の将来人口予測では、出生率に変化がなければ100年後には現在の3分の1の4,500人まで減少し、先進国では第1位の減少国になるとの予測であります。
当市においても年少人口が--ゼロ歳から14歳ですが、23年後の47年には55年のピーク時の36.3%に、生産年齢人口15歳から64歳までは平成7年のピーク時の65.1%に減少する見込みとのことです。一方老齢人口--65歳以上は、55年比で450.4%まで増加するという試算であります。
本格的な少子化対策を進めたとしても、人口減少は続くとの予想のもとで、少子化対策を進め、人口の減少率を緩やかにする対策は緊急を要する課題ではありますが、その上で人口や産業が減少することを前提としたまちづくりへの発想の転換が求められていると思いますが、御所見をお聞かせください。
さて、さきの市議会全協で示されました公共施設保有の最適化と長寿命化の基本方針案は、人口減少時代を予測した対策であると理解するものですが、重要なことは将来予測される人口減少を見据えたまちづくりを基本に据えること、人口が減少するからといって生活の質をも低下させるような方向であってはならないということです。
公共施設アセットマネジメントは、総量を縮小し、既存施設の有効利用を図り、従来の事後保全型の維持管理から予防保全型に転換し、長寿命化を図るとしております。今後20年間の長期スパンでの計画策定と3年ごとの実施計画を策定することとしております。総量縮小では、市が関与する施設か否かの検討、類似施設の整理、さらなる民営化の促進、稼働率の低い施設の廃止、そして既設施設は多目的化、複合化を進めるという内容であります。
基本方針案からは、財政面とハード面のみが強調、優先され、人口が減少する将来のまちづくりや市民ニーズに対応するといった視点が見えてきません。類似施設だから、稼働率が低いからとの理由で、一概に縮小、廃止できるのか、誰がどのように評価し、判断するのか、市民参画はどうなるのか。冒頭述べたように、市民ニーズに応え、市民生活がより向上する視点での対応についてどのように配慮されるのか、この点についてお伺いします。
また、施設の長寿命化という点では、維持補修費が低く抑えられ、先送りされてきたツケが市民の財産を危ういものにし、市民に不便をかけ、無駄に公費をつぎ込まなければならないという事態を生んできたのではありませんか。予防保全型に切りかえることは当然ですが、実施計画策定まで現状維持ということにはならないと思いますが、この点ではどのように検討されておりますか。
新年度は、長寿命化関連修繕費が約2億円予算化されておりますが、特に公共施設の36%を占める学校施設の修繕費用は深刻です。学校関係について、予算に占める割合と修繕内容についてお知らせください。
また、昨年6月に質問しましたが、学校施設の屋根の赤さびは41件、雨漏り16件などは早急な対応が必要ですが、新年度で解消されるのかどうかお伺いします。 |
◎市長(谷藤裕明君)人口や産業を減少することを前提としたまちづくりへの発想の転換についてでありますが、人口や税収が増加基調にあった行動経済成長期からバブル崩壊後の景気低迷を経て、人口が減少する環境のもとで、人々が将来にわたり安心して暮らせるまちづくりを進める必要があるものと認識しているところであります。
このことから、これまで多様な主体が参画する協働のまちづくりやアセットマネジメントの推進等を内容とする盛岡市自治体経営の指針及び実施計画を策定し、自治体経営の手法によるまちづくりを推進してまいりました。今後におきましては、現在策定中の第二次盛岡市自治体経営の指針及び実施計画に基づき、少子高齢、人口減少の時代にあっても、都市の活力を高め、持続可能なまちづくりを進めてまいりたいと存じております。
次に、計画策定に当たっての施設の評価及び市民参画についてでありますが、施設の評価については、内部決定会議において、現在実施している施設の実態調査報告に基づき1次評価を実施し、2次評価では、1次評価で廃止、見直しが必要と評価された施設を中心に地域の施設の設置状況などの地理的特性、利用実態やサービスの重要性などの詳細情報を確認した上で方向性を定めることとしております。その後公募した市民や有識者で構成する会議において、評価への意見をいただきながら決定してまいりたいと存じます。
次に、市民ニーズへの対応についてですが、公共施設保有の最適化と長寿命化のための基本方針(案)では、人口構造の変化などの社会環境の変化を的確に捉え、既存の施設を有効に活用し、市民ニーズの変化に対応したサービス提供をすることとし、また新規の施設の設置及び取得は原則行わないこととしておりますが、盛岡市・玉山村新市建設計画などの合理的な理由により新規整備が必要となる施設については、市が保有する総量の縮減を図りながら新たな整備需要に応えていくよう努めることとしたところであります。
◎教育長(千葉仁一君) 御質問にお答えいたします。
初めに、長寿命化関連修繕費の学校関係予算に占める割合についてでありますが、学校施設の予算額は約8,900万円で、全体の約45%となっております。修繕内容は、建物の屋根塗装や電気の高圧気中開閉器の交換、水道の配管更新などであります。
次に、学校施設の屋根の赤さびと雨漏りについてでありますが、赤さびについては平成24年度は2校の屋根塗装を行い、25年度は改築を含めて6校を行う予定であり、その他の33校については予算を確保の上、計画的に実施してまいりたいと存じます。
また、雨漏りについては、平成24年度は6校の屋根修繕を行い、25年度は4校を行う予定であり、その他の6校については予算を確保の上、計画的に実施してまいりたいと存じます。
◎財政部長(獅子内建二君) 施設長寿命化に係る維持修繕についてですが、今後施設保有の最適化と施設の長寿命化についての実施計画を策定することとしておりますが、施設の老朽化への対応が急がれることから、平成25年度当初予算において施設長寿命化関連事業として実施計画策定前ではありますが、公共施設等整備基金を活用し、約2億円を計上したところであります。今後におきましても、施設長寿命化関連事業として位置づけ、事業費を確保しながら対応してまいりたいと存じます。
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この項の最後に、浅岸小学校校舎について伺います。浅岸小学校校舎への予防保全型の対応ができていれば、こんなに対応が後手に回ることはなかったのではと残念に思っております。
私は、浅岸小学校の子供たちが体育館を仕切った部屋で授業が行われていることを知らずにおりました。新聞報道で知った次第で、早速学校を訪問しましたが、大変驚きました。体育館をベニヤで腰の高さまで間仕切りし、天井部分はビニールで囲っただけの部屋での授業です。隣の声が筒抜けで、入り口にはビニールをカーテン状にかけているだけで、寒気が直接入り込み、卓球台をドアがわりにして寒さをしのぐ状態でした。ストーブは、3学期から換気筒がついたヒーターが入ったということですが、子供たちが学ぶ環境としては余りにも貧しく、配慮に欠けた対応ではないでしょうか。
浅岸小学校は、現在児童数5人ですが、市学校適正配置計画の中で閉校案が示され、地域の方も苦渋の選択で了承し、126年の歴史に終止符を打ち、25年度をもって閉校の予定ということです。市教委の議会への報告は、さきの第2次耐震診断で、昭和42年建築のこの校舎はIw値0.7未満で危険で使えないとの結果と、小中適正配置基本計画の策定状況を見ながら、今後対応を検討するとのことでした。それがなぜ体育館を間仕切りにした部屋の対応になったのでしょうか。
市教委は、地元に対して山岸小学校の一角に浅岸小学校の看板を掲げて校舎にしてはどうかとの提案もされたとのことですが、子供たちが自分たちの学校で学びたい、父母や地域の方々も子供たちが学んでいる中で閉校を迎えたいとの強い希望で現校舎に残ることになり、24年6月から体育館での授業になったということです。
地元の方々を初め、子供たちが閉校までここで学びたいという切実な思いに真摯に応えてほしかったと思います。せめてプレハブ校舎による対応は考えられなかったのか。この先1年間現状で我慢せよと言える状態ではありません。改善策を急ぐべきですが、この間の経過と対策についてお知らせください。
この項の再質問
◆38番(鈴木礼子君) 浅岸小学校の件について質問したいと思います。
まず1点は、第2次診断の結果、倒壊する危険があるということの報告は受けましたが、その後の対応についてどうするかということは、一切私ら議会人として受けていないんですね、議会としても。なぜそれがなかったのか、御答弁なかったからお伺いします。
それから、教育長はあの場所を何回か訪問なさって、現場も見ておられると思いますが、あの場所を見て教育者としてどのようにお思いですか。
再質問②
◆38番(鈴木礼子君) 木造で第2次診断した結果については、こう対応するということは常に議会のほうには報告をしていたはずですよ。なぜ今回しなかったのかということは、単なる忘れていたとか気にしていなかったという程度の問題ではないだろうというふうに思うんです。もう一回お願いします。
それから、私は教育長にあの現場を見て教育者としてどう思いますかと伺ったんです。教員たちは必死の努力で頑張っていると思いますが、教育長としてあの現場が本当に教育の環境としてどうなのかということについてはどのようにお思いですか。
再質問③
◆38番(鈴木礼子君) 緊急避難が2年も子供たちに我慢せよということにはならないと思いますよ。プレハブということも提示したということですが、結果的には山岸小学校でどうかということでいろいろ議論したけれども、プレハブはお金がかかるからここしかないという選択しかなくて、地元の人、子供たちがそういう判断に至ったというわけですよね。
私はあの状況を見て、本当に盛岡の教育に対する、あるいは教育にかけるお金、本当に少ないし、出し惜しみをしているのか、そこまでけちらなきゃないのか、これが盛岡の世界に通用する子供たちの教育につながるのかということを、本当に市長がいつも言っていることなんですけれども、そのことが思い浮かびました。
プレハブには幾らお金かかりますか。あと1年間あの寒さで、本当に言葉は悪いですけれども、鶏小屋のような状態でしたよ。我慢せよというんですか。お金出しても惜しくないと思いますよ。
再質問(市長へ)
◆38番(鈴木礼子君) 市長にお伺いします。
この学校は、25年で閉校になるわけです。親も子供さんも閉校はここで迎えたいという、そういう思いがあってのあそこの場所での授業ということになっているわけですから、その思いを酌むならば、私はプレハブに多少お金がかかろうとも子供たちの教育環境をきちんとしてやるべきだと思いますが、市長、何とかできませんか。市長のお考えもお聞かせください。
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◎教育長(千葉仁一君) 浅岸小学校の体育館での授業の経過についてでありますが、昨年度実施した木造校舎の耐震診断の結果、Iw値が0.7未満となり、大規模な地震により倒壊する危険性が高いことが判明したことから、児童の安全を確保するため、応急対応として普通教室3教室を体育館に設置し、授業を行うことといたしました。
その後学校や保護者、地元を対象に計6回の説明会を開催し、児童の教育環境を確保するため、山岸小学校の空き教室を活用することなどを提案しながら協議を重ね、最終的に保護者や地元の大部分の方が現体育館での授業の継続を希望したことから、これを尊重したものであります。なお、体育館の寒さ対策としては、床に畳を敷くとともに、FFストーブの設置、開閉式の簡易ビニールで天井を覆うなどの対応を行っているところであります。
次に、プレハブ校舎による対応についてでありますが、説明会の中でもプレハブ建設の要望はありましたが、経費の面から困難である旨を説明し、御理解をいただいているところであります。
次に、現状の改善策についてでありますが、体育館を仕切った教室はこれまでの教室と異なり、さまざまな不便な面がありますことから、今後も学校や保護者の要望をお聞きしながら改善を図り、教育環境を整えてまいりたいと存じます。
再質問への答弁
◎教育長(千葉仁一君) 耐震診断結果の後を受けてどのようにするかということですが、特に議員の皆様方に説明をしないとか何かじゃなく、こちらのほうでこのように進めていきたいという内部検討で進めておりまして、意図的に説明をしなかったということではございません。そういう機会を設けて、もっと丁寧に御理解いただくように進めていくべきだったなと思っております。
それから、浅岸小学校に私も何度か行ってみましたし、それから体育館で--その前に体育館で行うということは、もう緊急避難的な形で体育館ということをこちらから話をして理解をいただいて行ったわけです。
それで、ずっと体育館という考えはございませんで、いずれ山岸小学校はあいている教室もあるということで、これも緊急避難的にはなりますけれども、体育館と違ってきちんとした教室がありますので、そこにスクールバス等で子供たちの登下校の安全をきちんと確保しながら山岸小で子供たちに学習してもらうという考えでおりましたが、先ほどお話ししましたように地元あるいは学校とのいろいろな協議の中で、ここで最後まで学びたいということで、それではということで体育館を何とかこれまで学んできた教室のようにということで、いろんな準備等したわけです。
それで、一番に考えましたのは、確かに不便な環境でありますけれども、子供たちの学習内容がそのために不十分だとか、あるいは劣るとかということはあってはならないということで、子供たちの日々の授業、あるいは学習進度、学習の中身についてはこれまで、きちんと行っておりますし、読書等も図書館はそのまま本を借りたりすることはできますので、活用しながら行っているということで、ここであれば何とか学習の中身は維持できるなというふうに判断したわけでございます。
再質問②への答弁
◎教育長(千葉仁一君) 耐震診断の結果につきましては、こういう結果でということで、木造についても御報告は、ちょっときちんと確認しないとあれですが、報告しておりますが、浅岸小学校の校舎についてそのままにするかどうかということについては、確かに報告が十分でなかったかなと今思っております。そのことについては、きちんとすべきだということで反省をしております。
それから、体育館での授業をどう思うかということですが、これは体育館はもともと教室というふうにつくったものではございませんので、先ほどもお話ししましたように、ここで勉強するというのは当然いいというわけではございませんが、緊急避難的にということと、やむを得ないということで、先ほど話しましたように地元の方と、子供たち等と協議しながら判断したわけでございます。
再質問③への答弁
◎教育長(千葉仁一君) プレハブの建設には、いろいろ教室は3教室ございますし、トイレ、廊下等つけますと6,600万円ほどかかるという試算でございます。
あと寒さとか、今議員が御指摘のように子供たちが夏の暑さ、冬の寒さ、私もすごく心配しておりますし、冬にも行って状況を見ましたが、ということで暖房設備等、暖かい環境で、もちろん風邪を引いたりしてはならないわけですから、そういう環境ということも十分見ておりますし、そういう中で確かに環境施設の面から見ると不便な状況ではございますが、繰り返しますと各教科等の授業を行う上では、これは支障なくできるなということと--支障なくといいますか、まずまず学習内容を維持してできるなということと判断したわけです。
これは、どうしても今のままでは通常の授業も受けられないと、5年は5年生の授業ができない、6年生は6年生の授業を受けられないとなれば、これはまたいろいろプレハブに建設費がかかろうとといいますか、何とかしなければということは当然また手だてを講じなければならないと思いますけれども、そのように判断しておりましたし、それからもしやっぱり山岸小学校のほうがいいというんであれば、そちらのほうということはもちろん考えておりますし、いずれ今後もあと1年ございますので、地元と子供たちといろいろと状況等を情報交換しながら対応してまいりたいと存じます。
再質問への市長答弁
◎市長(谷藤裕明君) 長い歴史の浅岸小学校、25年度をもって閉校するというところまでのことになったわけでありますが、先ほど説明がありましたとおりに緊急避難的といいますか、そういう形での現在対応しているということでございます。
そこの中で、今よりも教育レベルはダウンさせないように配慮しているということですが、教育を受ける環境というか、生活面含め、そういうところにおいてはなかなか厳しい状況だというお話でございますので、少しでも改善できるような方向で教育委員会でも対応していただきたいなと思っております。 |
最後に、いじめ、体罰問題についてお伺いします。大津中学校のいじめ自殺事件を契機に、各地でいじめ自殺が報じられるなど、子供のいじめ問題が重大な教育問題、社会問題となっております。子供を学校に通わせている保護者は、自分の子供がいじめられていないだろうかという不安感も強めております。
何よりもいじめは暴力であり、人権侵害であるという認識にしっかりと立ち、子供の命最優先にいじめのない学校をつくっていくことが重要であります。いじめ根絶への教育長の御所見をお聞かせください。
また、体罰問題も深刻です。大阪の高校部活で、教員の暴力により生徒が自殺するという痛ましい事件が起きました。この事件は氷山の一角で、いまだに教育の場で暴力、体罰が少なからずあることを示したのではないでしょうか。子供の心身を傷つけ、苦痛を与える教師による体罰や暴力は絶対に許されることではありません。学校教育法第11条では、体罰の禁止が明記されております。市教委として、教育の場での体罰一掃への取り組みについて、あわせてお知らせください。
さて、いじめが深刻化し、日常化しているその一つに教育のあり方もあるのではないでしょうか。受験競争が低年齢化し、塾通いもふえて時間的にゆとりがないという子供が4割もいます。ユネスコの調査では、孤独を感じるという子供の割合が日本では信じられないほど高くなっております。伸び伸びと育つはずの多くの子供たちがいら立ちをため込んでいるのではありませんか。
社会の変化では、貧困と格差が広がり、人間的な連帯が弱まり、家庭も余裕がなくなり、子供を追い立ててしまいがちな状況も広がっております。こうした問題を個々の家庭の問題にするのではなく、社会や教育のあり方の問題として捉え、生きる喜びを誰もが感じられるような社会や教育でなければと思いますが、深刻ないじめが起きる要因についてはどのような認識をお持ちでしょうか。
昨年8月に文科省が実施したいじめに関する実態調査と取り組み状況の緊急調査では、市の状況は小学校12件、中学校29件の計41件の報告です。いじめの内容は、冷やかし、からかい、悪口など31件、軽くぶつかる、たたくなど12件、仲間外れ、無視が8件、嫌なこと、恥ずかしいことなどをさせられる3件になっております。
また、市教委が毎年実施している実態調査でも同様の結果ですが、これらいじめの認知件数について教育長はどのように受けとめておられますか。あわせて、いじめの認知学校数はどのくらいになっているのかお知らせください。
県教委の調査結果の概要では、これらいじめを解消したというのが81.7%です。いじめの解決は、子供、生徒自身が主体となり、いじめの起きにくい人間関係をつくることが重要だと思いますが、解消に向けた取り組みについてお知らせください。
いじめを防止した、いじめをなくしたなどの貴重な経験は、全ての学校で生かしていくことが大事ではないでしょうか。
教員の多忙化の改善も緊急課題です。多忙化解消のためにも、全学年への少人数学級の実現が急がれます。また、上意下達の学校運営や教員評価など、いじめ問題について教員たちが自由濶達に解決することを妨げてはいないでしょうか。
以上、御所見をお伺いいたしまして私の質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手) |
◎教育長(千葉仁一君) いじめの根絶への所見についてでありますが、いじめは決して許されない行為であり、命にかかわるいじめは絶対にあってはならないと存じます。いじめからかけがえのない子供たちの命を守るために、いじめられている子供たちを守ること、いじめの兆候をいち早く把握し、迅速に対応し解決すること、いじめを生まない人間関係づくりを行うことなどを各学校に徹底し、いじめの根絶を図ってまいりたいと存じます。
次に、教育の場での体罰一掃の対策についてでありますが、学校での教師による体罰は子供の人権を無視する行為であり、児童生徒の心身を著しく傷つけることから、絶対に許されないものであります。
市教育委員会では、これまでも学校に対して機会あるごとに体罰の防止について指導し、その徹底を図ってきたところであります。
また、今回の大阪の事案を受けて、改めて各学校、各教職員に対し、体罰は絶対に許されないものであること、子供の指導の手段として体罰を絶対用いないこと等を徹底し、体罰の一掃に努めているところであります。
なお、現在文部科学省の通知による各小中高等学校を対象とした体罰に係る実態調査を実施しているところでありますので、今後その調査報告を受けて事実確認を行い、適切に対処してまいります。
次に、深刻ないじめが起きる要因についてでありますが、教師や保護者等がいじめを初期の段階で発見できずに対応がおくれてしまうことや、発見してもふざけやからかいと捉え、適切に対処しなかったことなどが深刻ないじめへとつながってしまう要因にもなると存じます。
次に、いじめの認知件数への所見についてでありますが、市教育委員会ではいじめの認知件数を各学校からの報告により把握しております。認知件数として調査を開始した平成18年度は152件でありましたが、平成23年度には初めて100件を下回る78件であり、今年度は1月末現在で88件となっております。
これまでの各学校の取り組みにより、深刻ないじめ事案はなく、そのほとんどが早期に解消されております。しかし、いじめは決して許されない行為であり、今後もいじめの根絶に向けて取り組みを強化してまいりたいと存じます。
次に、今年度いじめを認知した学校数についてでありますが、1月末現在で小学校19校、中学校17校、合計36校でありました。
次に、いじめの解消に向けた取り組みについてでありますが、市教育委員会では平成18年度から校長会、スクールカウンセラー、医師会、保護者の代表などで構成するいじめ問題対策委員会を設置し、いじめ問題に対応してきております。対策委員会では、学校、家庭、地域が連携し、いじめをつくらない、見逃さない、残さない取り組みを充実させること、各学校において月に1度心の日を設定し、校長から心温まる話を聞いたり、学級全員で遊んだりすることなどを提言しております。
また、各学校に対し、6月にいじめ問題への取り組み状況の調査、11月に児童生徒及び保護者を対象としたいじめのアンケート調査を実施し、市内小中学校のいじめの発生状況や対応の状況について分析した結果を示し、各学校の取り組みを改善するよう指導しております。
さらに、今年度はいじめ問題について校長や生徒指導担当教員を対象とした研修会や全教職員を対象とした講演会を開会し、いじめ問題の解消に取り組んでおります。
次に、教員の多忙化の改善に向けた取り組みについてでありますが、教員が子供と十分に向き合う時間の確保や子供の指導について話し合う時間の確保、教員の健康の保持という観点から、教員の多忙化の改善は重要な課題と捉えております。
各学校では、多忙化の改善のために会議や研究会の回数の削減や会議時間の短縮、終了時刻の厳守により効率化を図ること、学校全体の年間計画を見直して、行事の簡素化を図ったり、廃止したり、実施時期を検討したりすること、部活動を行わない日を設定して、確実に実施すること等の取り組みを行っております。
市教育委員会といたしましても、これらの多忙化解消に向けた各学校の効果的な取り組みを市内全体に広め、改善を図るとともに、学校が市教育委員会に提出する文書の削減を図るなど、事務処理の簡素化に取り組んでおります。
次に、上意下達の学校運営や教員評価がいじめ問題を教員たちが自由濶達に解決することを妨げているのではないかについてでありますが、各学校では教育目標の実現に向け、各教職員が自由に意見を出し合いながら教育活動を展開しておりますし、いじめ問題についても全ての教職員が主体的にかかわり、意見交換しながら取り組んでいるものと存じております。
また、教員評価につきましては、教員みずからが目標を設定し、それに対する自己評価をもとに校長が面談を行い、職務の推進について助言をしているものであり、そのことによって教員の自由な話し合いが妨げられることはないものと存じております。
以上、御質問にお答えしました。
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