2013年3月定例会 会派の討論

 
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●追加議案(平成24年度3月補正予算)に対する討論  (3月14日) ●当初提案議案(25年度当初予算、条例案等)に対する討論  (3月27日)
◆27番(神部伸也君) 日本共産党盛岡市議団を代表して、意見を述べます。
 まず、議案第53号平成24年度盛岡市下水道事業会計補正予算(第3号)について意見を述べます。全員協議会でも説明がありましたが、下水道使用料の賦課ミスによって1,800万円余の貴重な収入が失われてしまいました。厳しい下水道会計に穴をあける結果となるものであります。今後このようなことが起こらないよう、事務処理の改善の努力を求め、本議案には反対をいたします。
 その他の追加議案につきましては、次の意見を付して賛成いたします。今回の一般会計補正予算は、国の経済対策による大型補正予算に基づくものです。3本の矢のアベノミクスのうち、機動的財政政策に基づく大型公共事業中心で、景気対策としては限定的であり、財政危機の拡大というツケをもたらすものであります。
 同時に、盛岡市の具体化については、真に市民要望実現に資する活用策が求められています。この活用については、例えば学校の雨漏り対策、赤さび解消などの学校の屋根の改修計画の前倒しを行うなど、一部優先順位などで工夫が必要ではなかったかと思われるものもありますが、計上された内容についてはそれぞれ必要なものと判断をいたします。
 今回歳入予算に計上された市有地処分の価格については、浅岸の市有地については近隣の保留地処分価格の4割程度であり、盛南の産業用地については前回の売却価格の56%と大幅に下落している状況にあります。今後の土地の売却については、価格動向を見きわめて行うよう求めます。
 平成24年度緊急雇用創出事業は、今回の補正で2億5,482万8,000円余の減額となりました。雇用者数966名の計画に対して145名の減という内容であります。全体的には19事業で雇用者数をふやしましたが、このことについては評価いたしますが、BPO企業等人材育成事業では173名の減となっております。人が集められなかったとの理由でありますが、もう少し早い段階で判断して予算を他事業に振り向けることはできなかったのでしょうか。有効求人倍率が1.0と雇用情勢は回復している状況とのことではありますが、今後においてはせっかくの予算枠でありますから、最大限に活用するよう努力を求めます。
 西部公民館に太陽光パネルを設置する計画でしたが、入札が2回とも不調に終わり、平成26年度に事業を先送りするとのことでありました。震災関連で入札が厳しい状況ということもありますが、市役所内の職員で設計して事業を進めることができなかったのでしょうか。この間、市は、職員配置適正化の名のもとに人減らしを行ってきました。こうした構造計算できる技術者など必要な専門職員の確保が必要ではないでしょうか。人減らしの人事政策の再検討を求めるとともに、西部公民館への太陽光パネル設置事業は、平成26年度とはいわず、もっと早い段階で実施するよう求めます。
 このことも含めて、24年度中に入札が不調となった件数が多数に上っております。震災復興関連事業等の影響とも言われていますが、盛岡市の今後の事業にも大きな影響を与えることから、対策については十分検討するよう求めます。
 競技大会等開催事業について、当市は全国大会に出場する学校に対する補助事業を行っておりますけれども、その対象は限定的であります。また、種目も硬式野球、サッカー、ラグビーの3種目になっておりますけれども、他の種目まで拡大するよう求めます。
 以上で終わります
◆28番(庄子春治君) 日本共産党盛岡市議会議員団を代表して意見を述べます。
 最初に、議題となっております市長提案の43件の議案のうち、議案第1号、6号、7号、16号、17号、18号、31号及び35号の8件に反対し、他の35議案には賛成をいたします。
 東日本大震災から3年目に入りました。震災復興支援は、これからさらに本格的対策が求められています。被災地と被災者の方々にとって、住まいの見通しや仕事の確保など、生活再建への本格的な取り組みが続きます。
 また、日本経済と国民の暮らしにとっての課題は、この東日本大震災からの復興とあわせ、いわゆるデフレからの脱却です。その鍵は、国民の暮らしであります。労働者の賃金が減らされ続け、社会保障制度の相次ぐ改悪によって国民の可処分所得が減少し、GDPがマイナスを続けるという異常からの脱却が求められているのです。
 昨年12月の総選挙で誕生した安倍政権のアベノミクスは、国民の暮らしの実態から見れば非常に危険なものです。いわゆる三本の矢は、既に破綻済みの政策です。株価上昇で株主は大もうけするが、一方急速な円安で石油製品や穀物などの値上がり、庶民は悲鳴を上げる。公共投資のばらまきも効果は一瞬、借金返済の重圧は一生と、国と地方財政を一層悪化させることにつながるのです。
 それだけではなく、アベノミクスの隠されたもう二つの矢、それは消費税増税と社会保障改悪です。これが国民の暮らしと経済を壊してしまうことにもなりかねないものです。25年度では、その第1弾として生活保護費の削減が打ち出されています。
 こうしたもとで、盛岡市の平成25年度の予算には、国保会計で低所得者に対する医療費助成事業が予算化されたことや、公衆街路灯のLED化への補助率を改善したこと、引き続きの復興支援対策など、評価できるものもあります。盛岡市が市内に避難してこられた被災者への支援の継続強化、被災地への職員派遣を続けるなど、引き続き被災県の県都としての役割をこれまでにも増して発揮されるよう求めるものであります。
 しかし、容認できない問題は、第一に引き続き民営化を推進し、職員定数削減を進め、非正規化を進めていることです。自治体職員の削減は、いざというときのマンパワー不足として市民生活にも支障になります。非正規雇用の拡大で、いわゆるワーキングプアを市が拡大する結果になっています。私たちは、保育所の全園民営化の方針には反対です。見直しを求めます。
 今後、さらに下水道施設のポンプ場の管理業務、公民館などの民間委託化を進めようとしていますが、取りやめるよう求めるものであります。
 旧市内小学校給食のセンター化、民営化の方針は、安心、安全な給食の提供や地産地消、つくる人の顔が見られる学校給食などの食育の推進よりも経費削減を優先させるやり方です。教育委員会が行ったパブリックコメントでも寄せられた意見がこれまでの例にない多さであるとともに、そのほとんどがセンター化に反対しています。また、都南給食センターでは、調理後2時間の給食が守られていないことが明らかになりました。旧市内小学校給食のセンター化の方針を断念するとともに、都南給食センターの給食については、2時間以内の喫食ができるように改善するよう求めるものであります。
 第2に、アベノミクスの公共事業拡大路線については、その採択に当たって、真に市民要望に応えるものでなければなりません。防災対策や施設の長寿命化対策は、盛岡においても喫緊の課題となっています。長寿命化対策が25年度予算には一定盛り込まれたものの、予算は一般会計予算総額の0.5%程度と余りにも不十分であります。その結果、学校施設の屋根の赤さびや雨漏り対策、プールの改修など、全体像のめどが立てられずにいます。浅岸小学校において、体育館におけるビニールによる間仕切り教室での授業をことしの夏も来季の冬も続けるということは問題です。早急に対策をすべきです。
 第3に、新市建設計画の見直しにおいて、これまで否定的だった通年型屋内スケートリンクの建設計画を盛り込み、早速25年度予算から着手するとしています。28年度の国民体育大会に向けた施設整備の緊急性は理解できますが、それに便乗してこの事業を取り入れ、25年度の重点施策にスポーツ振興を位置づけた一方、子育て支援を重点から外しました。その結果、私立保育所の30人定員増の計画や、県内でも最もおくれた分野になりつつある子供の医療費助成対象年齢の拡大、就学援助の対象費目にクラブ活動費、生徒会費、PTA会費などを組み入れることを予算がないと見送ったのであります。通年型の屋内スケートリンクそのものには反対いたしませんけれども、それを優先させるため、市民にとって緊急かつ切実な課題が後回しとされるやり方は改めるべきであります。
 以上のことから、議案第1号平成25年度盛岡市一般会計予算、議案第16号盛岡市職員定数条例の一部を改正する条例について、議案第31号盛岡市保育所条例の一部を改正する条例について及び議案第35号盛岡市・玉山村新市建設計画の変更については反対いたします。
 なお、一般会計においては、平成24年度中の法人市民税の増収見込みの約11億円が歳入予算に見込まれていません。財源を隠したのかと疑われないよう、地方財政法第3条の規定を踏まえ、今後改善するよう求めます。
 福島原子力発電所事故に伴う放射能汚染対策については、引き続き監視体制を強化するとともに、風評被害も含めた被害の補償については、速やかな支給を求めること。
 PM2.5による健康、その他への被害について、これを軽視せず、市民の不安に応えるよう対策を一層強化するよう求めます。
 国際リニアコライダーの誘致については、その効果とともに、国及び地方への財政負担の見通しや、国の科学技術全体の振興との関係なども含めて、市民に情報を知らせ、市民の合意のもとに進めるよう求めます。
 盛岡地区における有効求人倍率が1を超えたとはいえ、復興需要によるところが大きく、市内の経済活性化と雇用対策では、なお一層の努力が求められます。
 当初予算で住宅リフォーム事業を見送ったことは残念です。ぜひ復活するよう求めます。
 緊急雇用事業では、24年度の未消化の枠が残されており、活用を図って雇用拡大をするよう求めます。その際、当初予算で減らされた読書活動推進員の配置をするよう求めます。
 新規就農者支援については、経済的理由により就農を断念することがないよう青年就農給付金や、いわて未来農業確立支援事業の対象とならない人については、市独自に支援制度をつくり、就農支援を図るよう求めます。
 住宅用太陽光発電システム設置については、平成20年度に対象が既存住宅まで広がり、申請件数も初年度の19件から243件まで急増しています。今後は、宮古市のように補助額を増額するなどして、さらなる太陽光発電システムの普及促進を図るよう求めます。
 今回辺地対策が玉山地区から旧市内にも拡大されました。このことは評価いたします。今後、玉山区で実施している要介護老人短期入所事業を市内全体に広げるなど、制度の違いは高いほうに合わせる原則で早急に対応するよう求めます。
 本日報告された職員逮捕事案に関する工事発注文書の状況調査結果の報告と適正化に関する報告については、5,991件の調査のうち第1次チェックでは5,920件が部内の調査にとどまっており、水増しの工事発注はなかったとの結果については疑問が全て払拭されたとは言えないと判断します。市民には、なお市政に対する厳しい目があることを自覚して再発防止に努めるよう求めます。
 議案第6号平成25年度盛岡市介護保険費特別会計予算については、24年度からの第5期事業計画の中で、保険料の大幅な値上げの反面、サービスの削減、施設整備の不足などの問題があると指摘しましたが、その施設不足はますます拡大しており、本予算には反対し、その改善を求めるものです。
 議案第7号平成25年度盛岡市後期高齢者医療費特別会計予算については、そもそも75歳という年齢を区切って差別する医療制度であり、廃止を求めてきた立場で反対をいたします。
 議案第17号盛岡市職員の給与支給条例等の一部を改正する条例で、職員手当に武力攻撃災害等派遣手当を加えることについては、根拠となる武力事態法そのものが国際紛争を解決する手段としての武力行使を放棄した憲法の規定に反し、しかも発動される武力攻撃の事態についてもそのおそれがある場合まで含めて拡大をし、国民の権利を制限して従わせるという基本的人権をじゅうりんするものであります。この法の発動を想定するこの条例には反対です。
 議案第18号盛岡市の職員の退職手当に関する条例等の一部を改正する条例については、退職金は賃金の後払い制度であり、公務員労働者の賃金引き下げは民間にも波及します。デフレ脱却にも逆行することから、これに反対をいたします。
 その他の議案については、次の意見を付して賛成いたします。
 議案第5号平成25年度国民健康保険費特別会計予算に計上された低所得者への医療費助成事業については、対象を生活保護基準の1.2倍程度まで拡大すること。周知を図り、医療機関等の協力も得て、この制度が生きる手だてをとるよう求めます。
 議案第14号平成25年度盛岡市病院事業会計予算については、休診していた医師の診療復帰と新たな医師確保による病院経営改善への取り組みを期待いたします。
 また、新たに保育所運営費を予算化し、病院保育所への補助を再開することを評価をいたします。今後も医師を含め、職員の働きやすい職場づくりを進め、病院経営改善に向かうよう求めます。
 議案第40号財産の譲与については、保育園の全園民営化方針は見直すべきという立場ですが、個々の対応については個別に判断することとし、本議案には賛成いたします。
 次に、請願について意見を述べます。請願第1号「生活保護基準の引き下げはしないこと」の意見書提出を求める請願については、生活保護費の削減は現状でもぎりぎりの生活を送っている被保護世帯の生活を壊すとともに、その基準引き下げが国保税の法定減免の基準や一部負担金の減免基準、就学援助の対象、その他40項目近くの他の施策に連動し、市民生活全体に影響を及ぼすものであります。よって、この請願を採択し、この基準を引き下げないよう国に求めるべきであります。
 請願第3号消費税増税に反対する請願については、2014年から予定されている消費税増税が庶民の暮らしを一層困難にし、中小企業が主要な被災地の復興にも足かせになるものです。また、消費税増税が消費を冷え込ませ、景気悪化を招き、さらに税収減につながり、景気対策にも財政対策にもマイナスになるものであります。よって、この請願は採択すべきものと考えます。
 以上で日本共産党盛岡市議団の討論を終わります。