2013年3月定例会 庄子春治市議団長の代表質問

 
質問項目 (クリックするとジャンプします)
安倍政権への見解
        TPP  オスプレイ
アベノミクス、景気・経済対策
  公務員賃金  公契約 住宅リフォーム
自治体経営
  都市ブランド  民間委託
小学校給食センター化
東日本大震災復興支援
原発被害対策
くらし・福祉
  低所得者への医療費助成事業
  子どもの医療費助成  介護保険
土地区画整理事業
小中一貫教育
少人数学級学校耐震化いじめ対策
  

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 質問  答弁
 ◆28番(庄子春治君) 日本共産党盛岡市議会議員団を代表して、市長及び教育委員長挨拶について質問いたします。

安倍政権への見解

 昨年暮れの総選挙での自民党の圧勝という結果は、決してその政策が支持されたのではなく、民主党政権への厳しい批判の結果であり、つまり敵失によるものであり、また4割の得票で実に8割もの議席を占める小選挙区というゆがんだ選挙制度がもたらしたものであります。自民党の比例代表の得票率では、全有権者の15.99%という結果であり、マスコミでも必ずしも民意を反映したものではないと指摘されているのであります。市長の御見解を伺います。
 有権者は、決して安倍政権にフリーハンドを与えたのではないのです。国民の声に、地方の声にこれまで以上に耳を傾けて政治を行うことが求められています。そういう意味で、住民に身近な地方政治に携わる者は、住民の声を踏まえて国に対してはっきりと物を言うという姿勢が大事だと思います。市長はどうお考えでしょうか。



 TPPについて
 その立場から、幾つかの政策的課題について伺います。安倍首相は、日本時間の23日に行った米国オバマ大統領との会談を踏まえて、TPP--環太平洋連携協定交渉参加に踏み出す意向を示しました。TPPについて、安倍首相は、聖域なき関税撤廃が前提でないことが明確になったとしていますが、これはごまかしです。日米共同声明では、全ての物品が交渉の対象とされるとし、既にTPP交渉参加国で合意されているTPPの輪郭--アウトラインの達成を確認するとしているのであります。そのアウトラインとは、関税と非関税障壁の撤廃が原則であることを明記しているのであります。聖域なき関税撤廃が前提でないことが明確になったなどというのは、まさに国民を欺くものであります。
 このようなごまかしで国民への公約を投げ捨て、農業や医療、食の安全を初め、広範な分野で地域経済と国民生活に深刻な打撃となるTPPを推進することは絶対に許されるものではありません。被災地の復興の足かせとなり、地方経済にも大打撃を与えるTPP参加は絶対に進んではならない、この声をもっと大きくしていくことが求められていると思いますが、市長の見解はいかがでしょうか。

オスプレイ
 沖縄県内41市町村の全ての首長と議会の議長、県議会議員など144人が1月28日に安倍晋三首相ら主要閣僚に会い、オスプレイ配備に反対する沖縄県民大会実行委員会、沖縄県議会、沖縄県市町村関係4団体、市町村、市町村議会の連名による建白書を提出し、1、オスプレイの配備を直ちに撤回すること、2、普天間基地の閉鎖・撤去、県内移設を断念することを要求いたしました。
 建白書では、沖縄の本土復帰以来、米軍人等による刑法犯罪件数が6,000件にも及んでいること、反対を押し切って配備されたオスプレイが配備後2カ月間で300件を超える安全確保違反が行われていることなどを指摘し、「この復帰40年の沖縄で、米軍はいまだ占領地であるかのごとく傍若無人に振る舞っている。国民主権国家日本のあり方が問われている」と告発しているのであります。
 昨年7月に盛岡市が友好都市締結した沖縄県うるま市も含めた沖縄全体がオスプレイ配備に怒り、撤回を求めているのであります。うるま市議会は、平成23年6月議会でオスプレイ配備に反対する決議、意見書を全会一致で上げています。
 また、私が調べたところによれば、市が誕生した平成17年4月以降、昨年の10月臨時議会までの間にうるま市議会が議決した決議、意見書は、合わせて177件、そのうち米軍関係の犯罪やルール無視の訓練などへの抗議、基地撤去などに関する議決が実に129件、72.88%にも及んでいるのです。意見書の62%、決議の91%です。米軍関係の抗議決議は60件で、年間8件近くにも及ぶほど頻回に決議を行っているのです。うるま市民の悲痛な叫びであります。それだけ大きな問題となっているのであります。
 真の友好関係を結ぶというのであるならば、盛岡市もその思いを共有して対応することが必要ではないでしょうか。市長、いかがですか。この建白書を支持する声明あるいは談話などを発表するなど、何らかのメッセージを発してはいかがでしょうか、御所見を伺います。
 沖縄に配備されるオスプレイは、今後、日本国内7つの飛行ルートで低空も含めた飛行訓練が行われ、そのうちグリーンルートは我が岩手県上空にもかかっているのであります。県民の安全を考えても、オスプレイ配備撤回を求めるべきではないでしょうか、御所見を伺います。
 議会の同僚の議員の皆さんにも呼びかけたいのです。友好都市のうるま市議会に連帯するとともに、県民、市民の安全を守るためにも、オスプレイ配備撤回の声を上げようではありませんか。
 ◎市長(谷藤裕明君) 庄子春治議員の御質問にお答え申し上げます。
 初めに、昨年暮れの総選挙結果に関する私の所見についてでございますが、小選挙区比例代表並立制は、わずかな得票数の差が大きな獲得議席数につながるという特徴があり、今回の選挙においては自由民主党が得票率に比較して多くの議席を獲得したところであります。
 このことから、必ずしも民意を反映したものではないとの声があるなど、さまざまな議論の余地はあるところでございますが、私といたしましては現行の選挙制度のもとに民意を反映したものであると存じております。
 次に、地方政治に携わる者は住民の声を踏まえて国に地方の実情を伝える姿勢が大事ではないかについてでありますが、地方自治体は常に住民の生活実態を見て、直接住民の声を聞きながら行政を担っており、住民に身近な立場でありますことから、首長が地方の実情や意見を国政に届けることは、地方自治体の一つの重要な役割でもあり、国政に民意を反映させる上で意義あるものと考えております。
 これまでも機会を捉えて国政に地方の実情を伝えてまいりましたが、今後におきましても国と地方の協議の場や全国市長会などを通じて国政に地方の声を届けてまいりたいと存じております。

 次に、TPP交渉参加についてでありますが、安倍首相とアメリカ・オバマ大統領との首脳会談で、TPP交渉参加に際し、一方的に全ての関税を撤廃することをあらかじめ約束することを求められるものではないということが確認されたところであります。近く交渉参加を正式発表すると伝えられておりますが、TPP交渉参加につきましては、広範な分野で市民生活に直接的に影響を及ぼすことが懸念されております。
 特にも被災地の復興や農林水産業など、産業基盤の弱い地方経済への影響が懸念されているところであり、私といたしましては国の交渉参加の動きを注視するとともに、地方への影響を踏まえた慎重な対応を国に求めていく必要があると存じております。


 次に、建白書について何らかのメッセージを発してはどうかについてでございますが、オスプレイの配備、普天間基地への移設等は、国家安全保障上の問題でもありますので、さまざまな視点から、またより多くの国民の意見を踏まえながら国政の場で議論されるものと存じております。
 しかしながら、友好都市のうるま市を初めとして、沖縄の皆様の思いは私も感じており、早期に沖縄の皆様の負担が軽減されることを心から願うとともに、全国市長会を通じてオスプレイの配備、飛行訓練等について関係自治体の意向を十分に尊重するほか、これ以上沖縄県に基地負担等を押しつけることがないよう関係機関に要請しているところでございます。
 次に、オスプレイ配備撤回を求めるべきではないかについてでございますが、オスプレイの配備は国において安全を確認し、その上で実施されたものと認識しておりますが、いまだ安全性についての説明が十分になされたとは言えず、住民の懸念が払拭されていないことから、今後とも機会を捉えて関係自治体の意向を尊重するよう関係機関に要請してまいりたいと存じます。
景気対策について
アベノミクス

 次に、経済政策について伺います。アベノミクスに期待が持てるでしょうか。打ち出されている3本の矢と言われる金融緩和も公共事業も成長戦略も過去の自民党政権時代に既に実験済みで、失敗に終わったものの焼き直しではないですか。そもそもなぜ今日の日本のデフレ不況が続いているのか。その原因は、労働者の賃金が減らされ続け、国民の所得が落ち込んだ結果、消費支出が低下し、経済が悪化するという悪循環となっているところにあるのです。その仕組みを変えなければ、金融緩和でふえたお金の量は投資や投機に回って、実体経済を伴わないバブルを招くことにつながり、それはいつか来た道であります。
 公共事業しかりです。景気効果は短期的で限定的です。それ以上に財政悪化の深刻化を招きます。そして、成長戦略で大企業を応援しても、内部留保はふえても労働者の賃金は下がりっ放し、この悪循環を断ち切るためには、減らし続けてきた労働者の賃金をふやし、国民の懐を暖めることこそが求められているのではないでしょうか。市長は、日本のデフレ不況の原因と対策についてどのように判断しておられますか、改めて伺います。

公務員の賃下げ
 労働者の賃金を引き上げる対策が強く求められているとは思いませんか、伺います。
 政治に求められていることは、賃上げ目標を持つこと、政府による賃下げ促進策を中止することではないでしょうか。
公務員の賃金を減らし続けることは、やめるべきではないですか。国が国家公務員の賃金を7.8%引き下げることを人事院制度を無視して強行し、地方も削減をと、地方交付税を削減することによって強制しようとしています。とても許されるものではないと思いますが、いかがでしょうか。公務員の賃金引き下げは、それだけで1兆2,000億円ものマイナスの経済効果となり、さらに民間賃金引き下げに連動します。この中止をすべきではないでしょうか、伺います。

公契約
 その点で、安上がりの行政を目指すアウトソーシングの見直しが必要だと思います。また、自治体政策として、賃金水準を確保する政策が必要です。昨年12月議会で私は、相模原市の公契約条例を紹介いたしました。公契約条例は、公共工事や業務委託契約において労働者の賃金の下限を定め、低価格競争、賃下げという悪循環に歯どめをかけ、労働者の適正な労働条件の確保、労働環境の整備によって市民生活の向上を図るという目的を持った自治体政策の条例であります。公共工事や業務委託における労働者の適正な賃金確保について、自治体として努力することの必要性について市長はどのようにお考えでしょうか。
 公共工事に従事する労働者の賃金の実態について、市はどの程度把握しているのでしょう。その実態を調査し、その上でどう対応するのか、ぜひ検討していただきたいのですが、いかがでしょうか
 委託契約ではどうでしょう。盛岡市が業務委託をしているある事業における賃金は、時給660円と680円の人がほとんどです。岩手県の最低賃金は、昨年改定され653円ですから、辛うじてそれを上回っているということであります。これでは、フルに働いても月13万円から14万円程度で、家族構成いかんでは生活保護水準を下回るのではないですか。どのようにこれを改善するのか検討すべきです。公契約条例について改めて検討するよう求めますが、いかがでしょうか。






住宅リフォーム
 景気対策で、もう一つ伺います。23年度、24年度実施した住宅リフォーム助成制度事業を今回見送ったことは、とても残念であります。この2年間で、この事業が市の投資額の9倍近くの投資効果を生み、広範な業種に波及効果があったことは明らかであります。25年度予算案で法人市民税の増収が少し見込めるということではありますが、それで景気がよくなったと打ち切るのは早計ではないですか。市は26年度、27年度と市税収入は減少すると見込んでいるではないですか。市民からも好評で、まだまだ需要があります。1億円出しても9億円分の仕事になるのです。もったいない事業ではありませんか。効果が証明されたなら、もっともっと元気なまちにするためにも、もうしばらく継続すべきではないですか。ぜひ復活していただきたいのですが、どうですか、御所見を伺います。
 ◎市長(谷藤裕明君) 次に、日本のデフレ不況の原因と対策についてでありますが、内閣府の報告によりますと、デフレの原因は需要が供給能力を下回る需給ギャップの存在、企業や消費者の成長期待の低下、デフレ予想の固定化などがあるものと分析しております。
 現在政府におきましては、その対策として財政出動、金融緩和、成長戦略の3本柱で構成された経済、財政政策を進めているところであり、一刻も早いデフレからの脱却を期待するところであります。
 次に、労働者の賃金引き上げについてでありますが、1月23日に開催された政府の産業競争力会議において、甘利経済再生担当大臣が新たに成長戦略の一つとして、個人の可能性が最大限発揮され、雇用と所得が拡大する国を目指すと提言しております。
 また、安倍首相は、今月12日に行われた経済3団体との会談の際は、デフレ脱却に向けて労働者の賃金の引き上げを要請しているところであり、労働者の賃金引き上げはデフレからの脱却の一定の効果があるものと認識しております。




 次に、公務員の賃金引き下げについてでありますが、国家公務員給与につきましては、申し上げる立場にありませんが、地方公務員給与は基本的に地方自治体において自主的に定めるものとされており、また地方交付税の減額についても、十分な地方との協議が必要と認識しているところでございます。
 また、地方公務員給与が引き下げられた場合には、民間の賃金にも影響があり、景気へのマイナス作用も懸念されるところでありますが、地域の防災・減災事業、地域の元気づくり事業など、地方への配分も調整されておりますことから、引き続き国等の動向を注視し、適切に対応してまいりたいと存じます。




 次に、公共工事や委託業務における労働者の適正な賃金確保について自治体として努力することの必要性についてでありますが、賃金などの労働条件に関しましては、労働基準法や最低賃金法などの労働関係法令が遵守される中で適正に確保されるべきものと考えております。
 市の実施する工事や委託業務におきましても、従事する労働者の賃金水準等が適正に確保されるよう、最低制限価格制度の導入、受注者への文書要請など、適正な労働条件が図られるよう努めているところであり、今後も必要に応じて契約制度の見直しを行いながら適切に対応していく必要があるものと存じております。
 次に、公共工事に従事する労働者の賃金実態についてでありますが、設計労務単価には国が調査した賃金の実勢価格が反映されるものと存じております。市の実施する工事における賃金実態の把握につきましては、受注者の事務的な負担や個人情報の問題もありますことから、今後どのような方法であれば可能なのか、検討してまいりたいと存じます。
 次に、委託契約における賃金の確保についてでありますが、これまでも清掃、警備の業務委託契約に際して、最低賃金を下回る支給事例の有無などに関する調査票の提出を求めることや、工事と同様に賃金確保についての文書要請など、最低賃金を下回らないような取り組みを行っておりますが、基本的には最低賃金の設定など、労働、賃金政策にかかわる全国的な問題であり、公契約に関する法は国が制定すべきものと存じております。
 全国市長会におきましては、公契約法に関する基本的方針等の策定について、引き続き国に要請しているところでありますが、当市におきましても条例制定市の運用状況や他の自治体における状況などについて、引き続き研究していく必要があるものと考えております。

 次に、個人住宅改良支援商品券発行事業の継続、復活についてでありますが、当該事業はリーマンショック以降、地域経済の低迷や建設関連産業の需要が落ち込んでいたことから、住宅関連産業の需要を喚起するとともに、プレミアムつき商品券の発行により地域循環型経済を促進し、地域経済の活性化を図ることを目的として実施したものであります。
 平成25年度におきましては、県内経済が復旧、復興関連需要に支えられ、緩やかな回復を続けているとの日本銀行盛岡事務所の金融経済概況や、建設関連産業の景況を踏まえるとともに、リフォームした際には国による住宅リフォームの減税制度が活用できることなどから、総合的に判断し、実施しないこととしたものであり、今後とも地域経済の状況を注視しながら適切に対応してまいりたいと存じます。
第2次自治体経営指針

都市ブランド、景観
 3月に策定するとしている第二次自治体経営の指針及び実施計画について伺います。新たに都市ブランドの確立をうたっています。どのようなものを考えているのでしょう。一口に都市間競争の激化と言いますが、その指標は人によって、またその時代によって変遷いたします。市長は、何を基準に盛岡の都市ブランドを確立しようとしているのでしょうか。
 盛岡の魅力について、人っこいい、風っこいい、水っこいいという言葉を聞いたことがあります。歴史、風土に根差した文化を市民とともに守り、発展させていくことこそ必要ではないでしょうか。よもや盛岡城跡に作り物のやぐらを建造して魅力アップなどとお考えではないと思いますが、いかがでしょうか。
 11月22日に行った初めての盛岡市議会議会報告会で、2人の参加者の方から、かつての盛岡らしい景観が失われつつあるのではないかという意見が出されました。岩手山の眺望を遮らないよう、今からでも建物の高さ規制を行うことはできないかという御意見と、盛岡のシンボルでもある2つの公園、岩手公園--盛岡城跡公園と岩山公園を結ぶ線を遮らないような景観確保をという意見でした。貴重な尊重すべき意見ではないかと私は受けとめましたが、市長はいかがでしょうか、御所見を伺います。


アセットマネジメント
 アセットマネジメントがうたわれています。中日本高速道路株式会社のトンネル事故が物語るように、公共施設の安全管理とそのための維持補修は、住民の命を守るためにも重要な課題であります。
 市も新年度から長寿命化対策という予算をつけ、学校の屋根などの修復が予算化されていますが、何分この分野への予算配分は余りにも少な過ぎるのではないですか。25年度の維持補修費の予算全体の比率は0.4%です。普通建設事業に組み入れられている長寿命化事業費を加えても、わずか0.5%です。県内の他市等と比べても、これは余りにも少な過ぎるのではないか。比較できる24年度当初予算で、花巻市は1.9%、一関市は2.4%、北上市は1.3%などとなっています。同じ年度の盛岡市のそれは0.3%でありますから、その4分の1から8分の1の水準なのです。だから、あちこちに赤くさびた屋根が幾つも残されているという結果になっているのではないですか。余りにもけちり過ぎたという反省が必要です。その上に立って、この分野については枠をきちんと確保する必要があるのではないでしょうか。今後の対応について伺います。

民間委託について
 民営化可能業務の今後の取り組みが示されていますが、マネジメント、経営資源の効率的活用という名のもとに、民間にできるものは民間にと民営化をさらに推進しようとしています。しかし、さきに述べたように安上がりの行政運営の結果、大切なものを失い、長期的に見れば盛岡市にとって大きな損失になりかねないという懸念に思いをいたすべきであります。
 とりわけ住民の安全に直接かかわる仕事について、効率を優先してはならないと思います。民間委託可能業務の今後の工程表を見ると、今年度から民間に委託する下水道ポンプ施設などの監視業務に続き、今度はポンプ場の維持管理まで民間に委託しようとしているのではないでしょうか。いざというときに市民の安全に責任が持てなくなるのではないですか。こういう分野の委託はすべきではないと思いますが、いかがですか。
 
次に、都市ブランド確立についてでありますが、都市ブランドの確立とは、単に観光地や特産品などの財やサービスを対象とした個別ブランドではなく、本市の歴史や自然、風土、人情、街並み、芸術文化、特産品などから醸し出される盛岡の魅力や価値観、イメージを盛岡らしさとして確立しようとするものであります。
 具体的な取り組みとしては、現在盛岡ブランド推進計画の成果を検証した上で、新しいブランド推進計画を策定してまいりたいと存じております。
 次に、盛岡城跡へのやぐらの建造についてでございますが、本年度に策定を予定している史跡盛岡城跡整備基本計画において、本丸二階やぐらの復元や三重やぐらの復元検討を盛り込むこととしておりますが、復元に足る資料が不足しておりますことから、現時点で確認されている写真の解析や絵図類の分析を行うとともに、さらなる資料調査や発掘調査の実施などに取り組むこととしております。
 次に、岩手山の眺望と盛岡城跡公園、岩山公園を結ぶ線を遮らないような景観の確保についてでありますが、岩手山につきましては市の景観計画において眺望景観保全地域として、建築物の高さ制限を設け、盛岡城跡公園と開運橋からのそれぞれの眺望を確保しているところであります。
 また、盛岡城跡公園と岩山公園を結ぶ線につきましては、景観計画には位置づけていないところでありますが、今後市民の皆様からの御意見をいただきながら、検討すべき事項であると認識しております。

 次に、長寿命化事業費の確保についてでありますが、公共施設保有の最適化と長寿命化のための基本方針案では、今後施設保有の最適化と施設の長寿命化についての実施計画を策定することとしておりますが、施設の老朽化への対応が急がれることから、平成25年度当初予算において施設長寿命化関連事業として、実施計画策定前ではありますが、公共施設等整備基金を活用し、約2億円を計上したところであります。今後におきましても、事業費を確保し、施設の長寿命化を進めてまいりたいと存じております。













 次に、下水道ポンプ場の民間委託についてでありますが、現在民間委託により業務の効率化やコスト削減が可能な監視業務について、下水道事業の経営健全化の観点から取り組んでいるところであります。
 御指摘の維持管理業務の民間委託につきましては、台風や豪雨などの緊急時に備えながら、市民の安全と安心に十分に留意した検討を加えていく必要があると考えております。
小学校給食のセンター化・民間委託
 この分野で最も重大な問題の一つが市内小学校学校給食を自校方式からセンター方式にし、民間委託をしようという市の方針であります。関係者からの意見聴取では、自校方式を守ってほしいという意見が圧倒的であったにもかかわらず、その意見は一応聞くだけ、センター化と委託化を強行しようという根拠はただ一つ、経費節減だけであります。しかし、その経費節減のコスト比較については、本当に自校方式を守りながら最大限の努力を払った結果かといえばそうではなく、自校方式の経費を最大に見積もって比較をしているのではないですか。
 センター方式から自校方式に切りかえた群馬県高崎市の資料を拝見いたしますと、隣の前橋市のそれと比較しても決して大きな差ではないという、努力が可能だという指摘もあるのであります。
 それ以上に大事なことは、経費削減のために学校給食の持つ大切な役割を後退させることであります。それは、おいしくて安全な給食です。センターであれば、どうしても調理から2時間以内の喫食という基準を守ることは困難になるのではないでしょうか。都南給食センターから配食している学校では、明らかに2時間を大きく超えているところもあるのではないですか。実態をどう把握していますか。
 時間とともに、おいしさは大きく損なわれます。それとともに、細菌の繁殖もあって安全性も後退します。そして、何よりも学校給食に求められている食育の機能を果たす上で、地産地消の推進、つくる人の顔が見える自校方式が優位であることは明らかです。食の乱れが生活習慣の乱れとなり、健康へのリスクも拡大します。食習慣が確立する学童期に提供する学校給食こそ、子供たちによりよいものを提供するということが求められているのではないでしょうか。短期的な経費削減を錦の御旗にしてのセンター化、委託化をしゃにむに進めるというやり方は改めるべきです。市長及び教育委員長の御所見を伺います。

(この項に関する再質問)
◆28番(庄子春治君) 再質問は控えようかとは思っておりましたが、見解の相違、答弁に納得ができないということではなくて、事実関係について正確な答弁をしていただかなければ、このまま終わるわけにいかないということで立ちました。
 それは、都南給食センターから配送された学校において、おおむね2時間以内の喫食となっておりますと委員長は答弁されましたけれども、それは調理後2時間以内じゃなくて、都南給食センターから車が出てからおおむね2時間以内ではないですか。私の調査したところによると、そういうものです。それは、調理してから2時間じゃなくて、センター出てから2時間以内なんですよ。中には、センターを出てから2時間で喫食をしていない学校も現実にあるわけです。これが事実なんです。ですから、おおむね2時間以内に喫食しているというようなくくりで、ごまかしの答弁はだめですよ。事実に基づいて率直に明らかにして、どう改善するのかと、こういう姿勢でなければ、私はちゃんと調べて質問しているんですから、こういうごまかしの答弁はだめです。いかがですか。


◆28番(庄子春治君) そういう答弁をされると、次の質問が出るわけですよ。私は、事実関係どうなんだと聞いたんですよ。ごまかしちゃだめだと言っているんですよ。明らかにさっきの答弁はごまかしの答弁ですよ。こういうアンフェアなやりとりは、本会議ではやってほしくない。おおむねという言葉でごまかしちゃだめですよ。事実あるんだから、あることはあると認めて、その上で改善策を示さなければならない、こういう立場にぜひ立っていただきたいと思うんですけれども、委員長どうですか。
◎市長(谷藤裕明君) 次に、小学校給食の民間委託に係る私の所見についてでありますが、単独調理場の多くが老朽化し、改修が必要であることから、給食の実施内容、改修に要する時間及び経費などを総合的に検討した上で、盛岡市立小中学校学校給食基本方針案が策定されたものであり、適切であるものと存じております。
 

◎教育委員長(星野勝利君) 御質問にお答えします。
 初めに、都南学校給食センターにおける調理後2時間以内の喫食についてでありますが、都南学校給食センターから配送された学校においては、おおむね2時間以内の喫食となっておりますが、今後も配送体制の見直しや作業の時間短縮により、調理後2時間以内の喫食ができるよう努めてまいります。
 また、学校給食衛生管理基準に沿った衛生管理を行いながら、安全、安心な給食の提供に努めてまいります。
 次に、センター化、委託化を進めるやり方を改めるべきについてでありますが、今回の盛岡市立小中学校学校給食基本方針案は、安全、安心な給食を安定的に供給することを目的とし、施設、設備の老朽化、衛生管理に関する安全対策、アレルギー対応、食育の充実、市の財政状況、児童生徒数の減少等、現在の学校給食が抱える課題を総合的に検討し、作成したものでありますので、御理解を賜りたいと存じます。












◎教育長(千葉仁一君事務局としてお答えいたします。
 今議員御指摘のとおり、おおむねという答弁はという御指摘でございましたが、確かに個々の学校を見ますと、センターから出発してから、あるいは食品といいますか、献立によりましては調理後から実際に学校にそれが届けられて、その学校の子供たちが喫食するまでには2時間以上かかっているものも、それもございます。そして、2時間を例えば30分ぐらい超えているとかという、そのときそのときの状況等によって日々変わってきますが、そういう状況は確かにございます。
 それで、先ほども委員長のほうから答弁いたしましたけれども、配食車の配送の改善、あるいは調理でもっと時間を短縮できるんじゃないかというような改善を図ろうと今いろいろやっております。
 そういうもろもろの課題もございますので、今のままの都南の調理場の施設ではなかなか対応が困難ということで、何とか新しいものということを含めての基本方針案を示させていただいたものでございます。




◎教育委員長(星野勝利君 確かにおおむね2時間以内の喫食となっておりますと私答弁いたしました。今の意見がありましたので、今今の意見がありましたので、今の御意見を重く受けとめたいと思っております。
東日本大震災復興支援
 次に、東日本大震災復興支援について伺います。大震災からもうすぐ満2年です。亡くなった方にとっては3回忌であります。心から御冥福をお祈りいたします。
 かわいキャンプを閉鎖し、もりおか復興支援センターに加え、新たにもりおか復興推進ハート村運営事業をスタートさせるという計画であります。まず、2年経過した現状と市の復興支援への課題について、どのように把握しておられるか伺います。

 盛岡に避難して生活しておられる方々の現在の課題はどうでしょうか。避難している方々は、現在何世帯、何人になりますか。盛岡で住宅を確保するために、被災者住宅再建支援事業の申請は何人になっておるでしょうか。そのうち交付決定は何世帯になっていますか。収入の状況、健康面など、どのような変化が見られるのでしょうか、伺います。
 少し前に報道された東北地方のある都市で、50歳代の男性が孤独死で見つかったというニュースに心が痛みました。もりおか復興支援センターでは、引き続き訪問による見守りと支援を継続しており、その努力には敬意を表するものであります。そして、引き続き絶対にそのようなことが生まれないように取り組んでいただきたいのであります。

 私は、最近宮古市で津波とその後の火災で全てを失い、盛岡の息子さんの家に来ている方のお話を伺いました。75歳だった御主人は、心労が重なって持病が悪化し、盛岡に避難して4カ月になる2011年10月に亡くなったということでありました。しかし、果たしてこの方が災害関連死で弔慰金が受け取れるかどうかわからないということでありました。私は、早速宮古市に問い合わせをしたところであります。そして、この方は、火事で自宅が全焼したのに、津波が原因の火事だからという理由で火災保険の保険金がおりないということで悩んでおりました。同じ条件でほかの損害保険会社は保険金を出しているのに、このままでは亡くなった夫が浮かばれないと涙しているのであります。
 こういう悩みのほか、住宅再建に当たってネックになっている二重ローン解消のための個人版私的整理ガイドラインに基づく債務整理も、それを活用するためには大きなハードルがあり、なかなか進まないということも寄せられています。このような悩みなどについて、ぜひ盛岡で相談機能を強化していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
 避難生活の中で生活に困窮している方の現状はどうでしょう。石油製品、灯油は18リットル1,800円台と、私が12月議会で指摘したときよりも、さらに大幅に値上がりしています。福祉灯油の支援をぜひ行っていただきたいのですが、いかがでしょうか。

 国が全額免除措置を打ち切った医療費、介護保険サービスの利用料について、岩手県は4月以降も免除措置を継続することで、予算を2月県議会に提案しています。市の当初予算には計上されていないと思いますが、どのように対応するのか伺います。国に対しては、免除措置の復活を強く要望すべきであります。

 25年度の被災自治体への職員派遣については、どこのどういう部署に何人の計画でしょうか。昨年夏の盛岡市の職員に続き、今度は他県からの大槌町への派遣職員がみずから命を絶つという痛ましい出来事であります。派遣する職員に対する一層のサポート体制をとっていただきたい、どのように対応されるのか伺います。
 ◎市長(谷藤裕明君) 次に、2年を経過した本市の復興支援の現状と課題の把握についてでありますが、これまで未曽有の大災害に見舞われた県土の復興を牽引すべく、東日本大震災に係る盛岡市復興推進の取組方針に基づき、各般の事業を全力で推進してまいりました。もりおか復興支援センターや盛岡市かわいキャンプの運営、職員派遣、災害廃棄物の受け入れなど、一日も早い復興に向けて取り組んでおります。

 今後被災された方々お一人お一人の事情や被災地における復興段階に応じた支援のあり方はますます多様化することが想定され、本市における復興支援も個別具体的な支援ニーズの把握に努めるとともに、柔軟で効果的な支援の実施が必要となってくるものと認識しております。

 次に、市内に避難されている方々の人数や現在の課題、収入の状況、健康面などの変化についてでありますが、2月25日現在、本市には753世帯、1,544人の方々が避難されております。もりおか復興支援センターの戸別訪問などでは、これからの定住先を決めるに当たっての迷い、みなし仮設の入居期限後の生活やふるさとである沿岸市町村の復興の進捗状況などについて相談や心配事が寄せられ、健康、経済面では既に自立再建し、震災以前と同様の生活に戻りつつある方もいらっしゃいますが、多くの方はさまざまな問題を抱え、これからの生活に不安があること、主たる生計維持者が健康面に不安があるため就業できず、不安定な生活を強いられていることなどの声が寄せられております。これらの切実な声を受けて、よりきめ細やかな情報の提供と丁寧な相談対応に努め、被災された方々の意向に沿った生活再建が図られるよう取り組んでまいります。
 次に、被災者住宅再建支援事業の申請件数などについてでございますが、2月25日現在161件の申請を受け付けており、うち159件に対し交付が決定しております。
 次に、生活再建に向けての相談機能の強化についてですが、市では県と連携して住宅再建、生活設計の相談会の開催などに取り組んでおり、個別の案件ごとにきめ細やかな対応ができるよう、各種相談窓口との連携強化に努めてまいりたいと存じます。
 次に、市内での避難生活で生活に困窮されている方の現状についてでございますが、市で実施している生活困窮被災者のための支援物資の配送事業による食料支援の登録世帯は、平成25年2月現在で129世帯となっており、今後も事業受託者と十分に連携を図りながら支援に取り組んでまいります。
 次に、市内に避難されている方々への灯油の支援についてでありますが、市内の低所得者に対する福祉灯油の実施など、市全体としての取り組みを考慮しながら対応してまいりたいと存じます。


 次に、東日本大震災の被災者に対する医療、介護保険サービス利用者負担、障がい福祉サービス利用料の免除措置の継続についてでありますが、岩手県では市町村が免除措置を継続する場合、平成25年12月まで財政支援を継続する方針を示し、県議会2月定例会に関連予算を提案しております。
 このことから、市といたしましては、県の支援制度の詳細を確認しながら、4月以降も免除措置を継続する方向で検討を進めているところでございます。
 なお、後期高齢者医療の一部負担金の免除措置につきましては、岩手県後期高齢者医療広域連合が4月以降も免除措置を継続する方向で調整を進めてきております。
 また、国に対しましては、昨年11月に東北市長会を通じ、医療費の一部負担金や介護保険サービスの利用者負担の免除措置に対する全額財政支援を国の責任において実施するよう要望しております。
 今後とも、被災市町村や県と連携しながら、障がい福祉サービスの利用料の免除措置に対する財政支援とあわせ、関係団体を通じて国に要望してまいりたいと存じます。

 次に、平成25年度の職員派遣の計画についてでありますが、宮古市には健康づくり事業、道路新設改良事業及び防災集団移転等に係る発掘調査に計3人、大船渡市には防災集団移転等に係る発掘調査に1人、陸前高田市には年金相談等業務、弔慰金等支給事務に計2人、釜石市には復興まちづくり関係業務に1人、大槌町には町民税の賦課等、緊急雇用創出事業等及び議会事務に計3人、山田町には弔慰金等支給事務、学校施設の設計・施工管理に計2人、田野畑村には村道工事及び被災地土地利用のかさ上げ工事等の施工管理、集落排水施設復旧等に計2人、野田村には高台移転等事業等に1人と沿岸8市町村に計15人の職員を派遣する予定としております。
 派遣職員に対するサポートについてでありますが、派遣職員は担当業務とのミスマッチが起きないよう最大限配慮するため、同じ業務を担当する部署からの人選を基本とし、あわせて組織としてのサポート体制も確保するとともに、所属長等による派遣先市町村への定期的な訪問や派遣先業務等の確認の徹底を行っているところであります。
 また、派遣職員全員に対し、産業カウンセラーの資格を持った、市こころの健康相談員によるカウンセリングを行い、精神面でのサポートも実施しております。
 今後におきましても、派遣先市町村と連携しながら、派遣元としてのサポート体制の充実に努めてまいります。
福島原発事故と対応

 福島原発事故による大気中への放射性物質の放出は、今なお続いています。東電は、昨年2月以降福島原発の1から3号機から大気中へ放出される放射性物質の推定量を毎時1,000万ベクレルで推移していると発表しているのであります。まだ事故は収束していないのです。引き続き放射能監視体制を弱めることなく続けていただきたいのですが、どのように対応なさるのか伺います。
 昨年度から今年度にかけて放射性物質による汚染の被害は、牧草汚染による畜産、酪農への被害に続き、山菜、シイタケ、川魚と、盛岡でも被害が発生しています。これまでの被害額について、市ではどのように把握していますか。それに対する補償はどこまで進んでいるのでしょうか、伺います。
 原発事故は、他の事故とは比較にならない異質なものであります。健康への影響は長期にわたり、今後何十年と避難地から戻れず、地域社会が崩壊する、その現実を私たちは目にしています。その根本には、原発の運転でもたらされる核のごみを無害にする方法がなく、その処分方法が確立していないというところにあるのです。まして、次々に見つかる原発直近の活断層です。もはや再稼働の条件はありません。原発ゼロに向かうべきです。市長の御所見を伺います。


 
 ◎市長(谷藤裕明君) 次に、東京電力福島第一原発事故に起因する放射能の監視体制についてでありますが、市ではこれまで14カ所の定点のほか、全ての教育施設、公共施設等の空間放射線量を測定してまいりましたほか、農畜産物や農地土壌、市場での流通食材、学校給食及び市民が持ち込む食品などの放射性物質の測定を行ってまいりました。
 平成25年度におきましても、引き続き空間放射線量の測定及び食品の生産、流通、消費それぞれの段階での検査を行うほか、廃棄物処理施設や浄水場、下水処理施設において必要な測定を継続するなど、放射性物質による影響を監視してまいります。
 また、市民への放射線測定器の貸し出しや地域での放射能に関する説明会を継続するとともに、広報やホームページを通じて放射能関連情報をわかりやすくお知らせし、市民の皆様の安全、安心の確保に努めてまいります。
 次に、放射性物質による汚染の被害額及び補償についてでありますが、牧草汚染による畜産、酪農の被害額は、JAグループ東京電力原発事故農畜産物損害賠償対策岩手県協議会によりますと、当市に係る請求総額は約1億2,600万円、うち支払い総額は約8,000万円と伺っております。
 山菜は、市内の産地直売所を対象に調査を実施いたしましたところ、約230万円売り上げが減少し、補償につきましてはそれぞれ請求中であると伺っております。
 シイタケは、生産者からの聞き取りや生産者台帳をもとに算定いたしますと、風評被害と合わせまして約2,500万円の被害となり、うち農協や森林組合等の系統出荷団体に約4割程度の支払いがあったと伺っております。
 なお、川魚のうちウグイの出荷規制がありましたが、自家消費が中心でありますことから、被害額等の把握はしていないところでございます。
 いずれにいたしましても、被害農家に対する迅速かつ適正な賠償を行うよう、市長会等を通じまして引き続き要請してまいりたいと存じます。
 次に、原発ゼロに向かうべきについて、私の所見でありますが、政権交代後、安倍総理は平成24年9月14日に当時の政府が決定した2030年代原発稼働ゼロについて見直す意向を示しております。
 原発に依存しない社会を望む国民意見のある一方で、早急に原発依存度をゼロにするにはさまざまな課題があり、さらに広く国民的な議論を深める必要があるものと考えており、先進環境共生都市を目指す本市といたしましては、太陽光発電システムの導入促進などの再生可能エネルギーの普及拡大及び公衆街路灯のLED化に対する補助の拡充などの省エネの推進に積極的に取り組んでまいりたいと存じます。 
自然災害対策
  市長は、25年度の重点課題に自然災害対策の推進を挙げられました。市民一人一人が災害に適切に対応するよう、防災マップの見直しを行うということですが、どのように見直すのでしょうか。
 新潟県三条市では、過去の大雨による河川の氾濫被害の教訓をもとに、地域ごとに洪水による河川氾濫のシミュレーションを行い、地域ごとに、いつどのような行動をとるべきかを図示した逃げ時マップを作成し、全戸に配布し、それが功を奏して、昨年の大雨洪水では、雨量は多かったのに被害は大幅に減少したということであります。
 三本柳南町内会においては、国土交通省岩手河川国道事務所の援助で、北上川の堤防の能力を超える洪水による堤防の破堤を想定し、どのように地域住民が行動すべきかを3回のワークショップでまとめました。防災マップの見直しをするのであれば、ぜひこのような事例を参考にして、具体的で実践に役立つものにしていただきたいのです。どのように取り組まれるか伺います。
 自主防災隊の結成とその育成、指導については、ぜひ地域の実情に合った形で柔軟に援助していただきたい。昨年の総合防災訓練の教訓を生かして、自主防災隊の実践的な訓練が継続して行われるよう取り組んでいただきたいのですが、いかがでしょうか、伺います。
 ◎市長(谷藤裕明君)次に、防災マップの見直しについてでありますが、既存の防災マップは平成16年に作成したものであり、市全域を網羅していないことから、玉山区も含めて作成するとともに、これまで含まれていない浸水想定区域や土砂災害警戒区域等を記載して防災情報を充実させることとしております。
 また、自主防災組織の活動にも役立てていただくよう、コミュニティー単位で作成することとしております。
 次に、自主防災隊の実践的な訓練の継続についてですが、住民参加型の訓練は、地域の防災力の向上を図る上で重要であると存じておりますことから、自助、共助を醸成しながら自主防災組織の育成強化をさらに進め、地域の実情に合った実践的な訓練が継続されるよう、自主防災推進員と消防職員が連携して取り組んでまいりたいと損じます。
くらし・福祉
国保医療費減免制度 

 安心できる市民生活に関して伺います。平成25年度の盛岡市国民健康保険費特別会計予算に、所得が少ない方に対する医療費の自己負担分を補助する医療費助成事業費が計上されました。私は、一歩前進と評価をいたします。この実施に当たって、対象者や助成額、助成期間などをどのようにお考えでしょうか。
 運用に当たっては、この制度の目的や趣旨からいっても、せめて金沢市が行っている生活保護基準の1.2倍程度以下の方まで対象にしていただきたいのですが、いかがでしょうか、伺います。

 子供の医療費助成事業については、昨年12月議会での市長答弁を私は耳を澄ませて聞いておりました。県内でも多くの自治体が対象年齢を拡大している実態を踏まえて検討するとおっしゃいましたから、少しはあるのかなと期待していましたが、見送られたことは残念であります。市長が答弁されたように、県内でも多くの自治体が対象年齢を拡大している実態を踏まえて、ぜひ早急に対象年齢を拡大していただきたいのですが、いかがでしょうか、伺います。

 介護保険の保険料が昨年10月の年金支給から大幅に引き上げられました。私は、昨年のこの議会で、介護保険料の引き上げは年金収入の実質減額を生み、介護保険サービスの利用料負担が重く、利用にも抑制がかかるのではと懸念を述べ、介護認定を受けながら介護保険のサービスを一切利用していない方の実態を調査し、対策を求めました。調査結果とその支援策について伺います。
 ◎市長(谷藤裕明君)次に、低所得者に対する医療費助成事業についてでありますが、この事業は、医療費の自己負担を支払うことが困難な低所得者が、病状などがより悪化したり入院したりすることを防ぐことを目的として実施するものでございます。
 対象者につきましては、世帯の収入が生活保護基準以下で医療費の支払いが困難な国民健康保険の被保険者とし、助成額や期間につきましては、外来診療の場合は申請のあった月の医療費の自己負担分を、入院を伴う場合はその翌月までの自己負担分を償還払いにより全額助成する方向で考えております。
 生活保護基準以下の世帯を対象に実施することといたしましたのは、まずは生活保護基準よりも少ない収入でありながら、生活保護を受けておられない方が自己負担を気にせずに医療を受けられる機会を提供しようとするものでございますので、御理解を賜りたいと存じます。
 なお、御提案のありました対象の拡大につきましては、事業を実施していく中で必要に応じて検討してまいりたいと存じます。

 次に、乳幼児の医療費助成に係る対象年齢の拡大についてでありますが、少子化対策として有効な手段の一つであると認識しており、対象年齢の拡大について検討してまいりましたが、仮に小学校3年生まで拡大した場合の影響額は1億3,000万円ほどと見込まれ、継続的に多額の経費を要しますことから、平成25年度からの対象年齢の拡大は困難であると判断したところでございます。
 しかしながら、東北の県庁所在都市、全国の中核市のほとんどが何らかの形で対象年齢の拡大を行っており、県内の市町村においても対象年齢の拡大を行っているところが増加してきている状況を踏まえまして、引き続き検討してまいりたいと存じます。
 なお、これまでも岩手県市長会の県予算編成並びに施策に関する提言活動において、岩手県知事に対し、乳幼児及び児童に対する医療費助成の拡大等について提言を行っておりますが、今後もあらゆる機会を通じまして、強く要望してまいりたいと存じます。
 さらに、国に対しましても、全国市長会や中核市市長会を通じまして、子供の医療費無料化制度の創設を要望しているところであり、実現に向けて引き続き要望を行ってまいりたいと存じます。

 次に、介護保険サービスの未利用者の実態調査とその支援策についてでありますが、平成24年8月末時点における被保険者で、要支援、要介護認定を受けている方1万2,550人のうち、24年1月1日から6月30日までの6カ月間に一度も介護保険サービスを利用したことがなく、かつ入院もしない方が908人となっており、その方々を対象に24年10月から緊急雇用創出事業を活用して設置した在宅介護者等相談支援センターの保健師等が家庭訪問による実態調査を実施しているところであり、25年中に調査と結果の分析を行い、26年度にその支援策について検討することとしているところでございます。
 なお、25年1月末現在の実態調査の途中経過では、実態調査の件数が160件で、サービスを利用しない理由として家族で何とかできるので、サービスを利用していないという方が81件、要介護者本人がサービスを拒否している方が39件、次いで経済的理由が7件となっております。
 区画整理事業の見直しについて伺います。都南中央第三地区と道明地区について、その見直し案を示しての意見交換会が開催されています。12月に開催された都南中央第三地区では、下水道整備などの生活環境が放置されたままになっていることへの怒りの声など、さまざまな意見が出されました。市では、この結果をどのように総括し、今後に生かそうとしているのか伺います。
 私は、この見直し作業を行うに当たっては、まさにパブリックインボルブメントの手法を取り入れるべきではないかと提案いたします。大枠で区画整理区域を縮小し、現道を生かしながら下水道などの整備をといっても、市の図面を見るとこうあらねばという思いがあります。住民の中には、それとは全く違う発想での提案を持っている方もいらっしゃいます。ですから、住民と一緒にまちづくりの見直しを行うという手法がとれないものかと思います。地域ごとにワークショップを開催し、住民の提案、市の提案をフラットに話し合って合意を見つけていくならば、あとは早いのではないかと思います。いかがでしょうか。
 並行して、下水道事業は直ちに取りかかれる準備をしていただきたい。いかがでしょうか。
 
  ◎市長(谷藤裕明君)次に、土地区画整理事業の見直しについてでありますが、昨年12月に都南中央第三地区、本年2月に道明地区において見直しの方向性を検討するための意見交換会を開催いたしました。
 地元の皆様からは、検討案について、上下水道、道路等の整備について、農地の取り扱いについて、税金等について、今後の見通し、進め方についてなどさまざまな御意見、御要望を頂戴したところでございます。
 これらの御意見、要望を踏まえまして、今後さらに個別相談会、意見交換会等を開催し、両地区の見直しの方向性を見出してまいりたいと存じます。
 次に、見直し作業の手法についてですが、現在地元の皆様にお示ししている検討案につきましては、1つは土地区画整理事業による整備区域を最小限とする案、もう一つは土地区画整理事業による整備を基本とする案であり、両案を比較検討しながら各地区の見直しの方向性について意見交換を重ねているところでございます。
 今後は、各地区の方向性が決まり次第、それぞれ具体的な事業見直し案を作成し、改めて地区の皆様との話し合いを行っていくことといたします。
 あわせて、土地区画整理事業によらない区域の上下水道整備は、並行して事業計画の見直しを行い、早期に実施できるよう取り組んでまいりたいと存じます.
 次に、小中一貫教育について、教育委員長は各中学校の実態に応じて全ての学校で実践すると述べられました。小中一貫教育については、教育関係者の間でも賛否両論があります。推進の理由として挙げられているのは、義務教育9年間を見越して一貫した教育により学力の向上が図られる、中1ギャップの解消が図られるなどです。
 さらには、子供たちの発達段階を6・3ではなく、4・3・2と区分して捉え、9年間の教育課程の編成についても、それに合わせて小学校5年生から教科担任制を導入することが有効だなどという論であります。
 一方この論は、十分に検証はされていない、あるいは小学校6年間の課程を完結させることで得られる子供の成長過程を無視するものだという批判であります。小学校5年生、6年生の時期に小学校最上級生としてリーダーの役割を果たすことが子供の自治能力を育てる大事な過程であり、小中一貫でその役割が薄れるのではないかという懸念、批判、あわせて中1ギャップと言われる課題、問題についても、小学校と中学校で学校環境が変わることへの不安、それを乗り越えることが逆に子供の発達を促す重要な要素であるという論もあります。
 さらに、小中一貫教育によって高校への受験競争が小学校段階までおりてきて、一層の競争教育が進むという懸念、批判であります。現に全国の小中一貫校を導入した地域で、子供たちの負担がふえて不登校率がふえているという例も実際に出ているということであります。こうした議論について、委員長は教育の専門家としてどのような御見解でしょうか。
 土淵小中を施設一体型の一貫校にするという方針は、地域住民から市の学校適正配置計画の中で、学区を変えず、現在の場所で小学校、中学校を統廃合しないで存続させてほしいという市教委への要望に対して、市教委側から持ち出したことが発端でありました。
 住民との話し合いの最初には、そのことによるメリット、デメリットをそれなりに両論を示しながらも、その次からはメリット論一色で推進をしてきた様子が会議録からは読み取れます。市教委がバラ色の一貫校論を展開して推進してきた根拠は何だったのでしょう。市教委のどのような研究の成果が反映されているのでしょう。現場教師の皆さんや保護者、地域住民のどのような声や意見が反映された結果だったのでしょうか、伺います。
 施設併用型ではあるが、6・3制の堅持、卒業式も実施するというのであるならば、これまでの施設併用型連携校という選択がなかったのか。そのほうがよりすっきりし、けじめもつくのではないかと思うのですが、どうでしょう。学校の校歌もそれぞれ存続でき、小学校、中学校の固有の文化も守りながら、連携の効果を一層発揮できるのではないかとも考えられるわけであります。教育委員長の御所見を伺います。
 よもやこの土淵の一貫校をモデルにして、将来の盛岡市内の学校統廃合の際のてこにしようという狙いがあるという見方は考え過ぎでしょうか、伺います。

 少人数学級の拡大について伺います。県教委は、現在小学校1、2年生と中学校1年生で実施している少人数学級編制を平成25年度で小学校3年生まで、26年度で4年生まで拡大する方針を打ち出し、導入に当たっては各学校の状況に応じて少人数学級または少人数指導による学級編制の選択ができるようにするとの方針を打ち出しました。歓迎するものであります。盛岡市としては、どのように対応するおつもりかお聞かせいただきたい。
 学校の耐震化については、平成27年度までに完了するという方針ですが、25年度から3カ年の具体的なその実施計画はどうなるのでしょう、お示しいただきたい。

 最後に、いじめをなくすための市の取り組みについて伺います。いじめ自殺が各地で起き、多くの人が心を痛めています。深刻化するいじめをどうとめるかは、日本社会の切実な問題です。その上で、目の前のいじめからかけがえのない子供たちの命、心身を守り抜くための基本原則の確立が求められています。それは、絶対に後回しにしないこと、些細なことに見えても全教職員、保護者のものにすること、子供の自主活動の強化など、子供の中でいじめをとめる人間関係をつくること、被害者の安全を確保し、加害者にはいじめをやめるまでしっかり対応すること、被害者、遺族の知る権利を尊重すること、いじめ防止のための条件整備などが必要ではないでしょうか。
 その際、教育行政には、いじめ半減などの数値目標は、いじめ隠しの土壌となっていることは、これをやめることも必要であります。同時に、いじめの要因となっている子供たちに過度のストレスを与えている教育、社会のあり方を変えることも必要ではないでしょうか。教育委員長の御所見と盛岡の実態と対策についてお聞かせください。
 以上で私の質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手)
 ◎教育委員長(星野勝利君次に、小中一貫教育についての見解でありますが、盛岡市で進めている小中一貫教育は、6・3制を堅持しながら、各中学校区の状況に応じてこれまで行ってきた小中連携の取り組みを可能な範囲で強化していこうとするものであります。
 小学校における一部教科担任制の導入につきましては、これまでも小中一貫教育にかかわらず、教師の専門性を生かして行っており、今後も実施可能な小学校において行うものであり、学力向上や中学校の学習環境へのスムーズな接続等の効果があるものと存じております。
 また、小学校5、6年生での自治能力の育成についてでありますが、盛岡市で行う小中一貫教育は、現行制度で行うものであり、小学校5、6年生はこれまで同様、小学校のリーダーとして活動することができるものと存じております。
 小中一貫教育により、競争教育が進むことについてでありますが、盛岡市においては今後もこれまで同様学区制をとるものであり、当てはまらないものであります。
 次に、土淵小中学校の小中一貫校についてでありますが、その目的は小学校と中学校の敷地、校舎を一体的に活用し、義務教育9年間の連続性、発展性に留意した学校運営を行うことにより、教育内容、指導方法等の改善を図り、子供たちの確かな学力や豊かな人間性、健やかな体を育むことであります。
 導入に当たっては、先進地域の視察や実践例の収集を行い、メリットとして不登校児童生徒の減少、学習意欲や学力の向上、豊かな社会性や人間性の育成等、デメリットとして教員の多忙化等を挙げ、検討を続けてまいりました。その結果、施設併用型連携校より小中一貫校の教育効果が大きいことについて、教員、保護者及び地域住民の御理解をいただいたことから、施設一体型の小中一貫校とすることにしたものであり、現在開校に向けて準備を進めているところであります。
 なお、施設一体型の小中一貫校の導入は、土淵小中学校に限るものであり、市内の小中学校の統廃合の方途とするものではございません。


 次に、少人数学級編制に係る盛岡市の対応についてでありますが、岩手県教育委員会から平成25年度は小学校3年生に、平成26年度は小学校4年生に順次少人数学級を導入することが示されております。
 また、平成25年度の導入に当たっては、各学校の状況に応じて少人数学級または少人数指導による学級編制の選択ができるものとされております。
 市教育委員会といたしましては、該当する11校に対し、少人数学級または少人数指導を選択させ、その学校の判断を尊重しながら学級編制を行ってまいります。

 次に、学校耐震化の具体的な実施計画についてでありますが、盛岡市立小中学校耐震化計画では、平成25年度は小学校4校12棟、中学校3校10棟、26年度は小学校11校20棟、中学校5校14棟、27年度は小学校13校20棟、中学校5校11棟の耐震補強工事を実施する計画でありました。しかしながら、耐震補強設計業務委託の入札不調により、平成25年度は小学校1校2棟、中学校3校10棟の補強工事の実施となる予定であります。なお、26年度から前倒した工事が1校1棟ありますので、これを含めますと25年度に補強工事を実施する小学校は2校3棟となります。
 平成25年度に実施できない小学校3校10棟につきましては、26年度に実施するよう盛岡市立小中学校耐震化計画を見直し、27年度までに耐震化が完了するよう努めてまいりたいと存じます。

 次に、いじめ問題に対する所見についてでありますが、いじめは決して許されない行為であり、命にかかわるいじめは絶対にあってはならないと存じます。
 かけがえのない子供たちの命をいじめから守るには、いじめられている子供たちを守るという姿勢を示すこと、いじめを生まない人間関係づくりを指導すること、いじめの兆候をいち早く把握し、迅速に対応し解決することが必要であると存じます。
 次に、盛岡市のいじめの実態と対策についてでありますが、今年度教育委員会に報告されたいじめの認知件数は、1月末現在で小学校34件、中学校54件の合計88件であり、市立高校ではありませんでした。
 いじめの内容としては、言葉による冷やかしやからかいが最も多く、続いて軽くぶつかられる、遊ぶふりをしてたたかれる、蹴られるが多くなっております。現在認知されたいじめの行為は、解消されております。
 本年度独自に市教育委員会として行った対策としては、6月にいじめ問題への取り組み状況について調査を行い、各学校の取り組みを振り返る機会とし、改善を図っております。
 また、11月には、児童生徒及び保護者を対象としたアンケート調査を実施し、その分析結果をもとにいじめ問題対策委員会で協議し、各学校にいじめ問題への対応について示しております。
 さらに、教員研修として校長や生徒指導担当教員対象の研修会、スクールカウンセラーでもある岩手大学准教授による講演会を開催したところであります。

 以上、御質問にお答えしました。