2019年12月定例会 庄子春治議員の一般質問概要

 
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 2019年12月議会での庄子春治議員の一般質問の概要をお知らせいたします。

1、 来年度の予算編成方針について
  消費税増税後の景気動向と「経済対策」の効果
  重点プロジェクトの取り組み
2、防災対策について
  防災計画、ハザードマップみなお市の必要性
  河川の安全対策
  市民への周知 自主防災隊支援
3、ごみ処理広域化について
  前潟自治会からの「誘致撤回」の文書
  太田地区での反対の声・・・「住民合意」の判断基準
  八幡平市長の「本音」を聞いて
1、 来年度の予算編成方針について

(1)経済見通しに関して、消費税増税の、盛岡市経済への影響、「プレミアム商品券」等の「経済対策」の効果について質問。 

≪市長答弁≫ 岩手経済研究所の令和元年10月の「いわて景気ウォッチャー調査」では、県内景気の判断指数は33.0で、前回7月調査の41.0に比べて8ポイント低下するとともに、景況感の分かれ目とされる50.0を下回っており、消費税率の引き上げによる消費低迷や悪天候の影響などにより景気の動きが弱くなっている。市内の小売業では、増税前の駆け込み需要の反動による落ち込みが見られ、製造業では原材料費の上昇による収益悪化、観光関連のサービス業では売り上げの減少が散見される。
 経済対策では、①プレミアム商品券の販売実績 12月2日現在で対象者数54,853人中、購入者の推定員数は13,671人。14億円の経済効果と考えていたが、市内に出回っている商品券の販売券額面は3億4,177万円で当初試算の24.4%(12月2日現在)となっている。②キャッシュレス決済によるポイント還元事業について12月2日時点で加盟店登録数は全国で855,362店、岩手県で7,230店、盛岡市では2,407店となっている。加盟店舗の割合は難しい。

 ※キャッシュレスポイント還元登録の「小売店」でみると、盛岡市では12月2日現在で989店。平成28年の経済センサスで、市内小売店事業所数は2,748。

(2)重点プロジェクトの取り組みについて
①子育て支援について、特に経済的負担軽減への取り組みをどうするか

≪こども未来部長答弁≫ 現在第2期子ども子育て支援事業計画の策定を進めている中で、今後は、教育・保育の質の充実が重要だとの提言を受けているほか、経済的負担の軽減、遊び場の充実についての要望もある。第一期の検証結果や、これらの提言を踏まえて充実を図りたい。

②食と農ものづくり応援プロジェクトの成果と今後の展望について、産直施設の充実、サンフレッシュ都南の「公設民営化」を含めた拡張計画への支援について質問。

≪農林部長答弁≫産直連合加盟店の年間の目標を100万人としたが、平成30年度は加盟11店舗の合計で約89万人となっている。「販売額5,000万円以上の店舗の割合」の目標を60%としたが、30年度は5店舗で45%だった。引き続きで、生産者と消費者の顔の見える関係を強化し来場者や売上高の増加を目ざしたい。
 サンフレッシュ都南の拡張計画については、市と事業者間で、立地場所や規模などの協議を進め、市街化調整区域の土地利用の在り方について都市整備部と検討を進めている。今般「公設民営」の相談も受けているところであり、今後、その整備手法も含めて検討してまいりたい。

(3)公共施設整備計画~学校施設の整備計画は前倒しして予算化を、と質問。

教育部長答弁≫学校施設の整備計画で、令和元年度の事業費積算において計画額に対し、事業費が過大となって先送りせざるを得なくなった。設計を見直し、事業費の圧縮を行っており、令和2年度の予算編成では、大規模改修の計画の前倒しなど、学区施設の老朽化対策に努力する。

 2、防災対策について

(1)震度7級の巨大地震が相次ぎ、昨年の西日本豪雨災害、今年度の台風15号・19号災害など市税災害が頻発しており、「災害の時代」との認識が必要ではないか、その立場からの防災計画の見直しが必要ではないか

≪市長答弁(概要)≫
全国各地で発生する自然災害は近年、広域化、激甚化しており、国・地方とも防災・減災の取り組みはより一層重要になっている。記録的な被害をもたらした災害の教訓から、「盛岡市地域防災計画」を再点検し、あらゆる自然災害から市民の生命と財産を守るための、さまざまな取り組みを推進してまいりたい。

(2)岩手県内で台風19号豪雨時に24時間降雨量437㎜を普代村で記録している災害からみて、市のハザードマップ(2日間雨量 明治橋上流部で313㎜ 同下流部で264㎜を想定した、浸水区域予想を基に作成されている)の見直しの必要はないか。内水ハザードマップについては、市域の一部地域にしか作成されていないが、全市的に取り組む必要があるのではないか。

≪総務部長答弁≫市のハザードマップは、明治橋上流域の約2,200㎢に2日間の総雨量が313㎜の降雨時における影響範囲を示したものだ。台風19号の接近時においては沿岸部で非常に多い降雨量を観測した。ハザードマップ作成時に基準とした河川流域にける降雨量について、最近の降雨発生状況やレーダー雨量を含む降雨データ等を踏まえた国・県による検証等を注視しながら、適時、見直しを行ってまいりたい。

≪上下水道部長答弁≫平成30年度に、都市機能の集積が高く災害リスクが高いこと、下水道が整備済みで雨水の排除を全て下水道施設が担う浸水解析が可能な地域として、盛岡駅周辺および合流式下水道区域を対象とした内水ハザードマップを作成し公表した。令和元年度は関係機関等から浸水実績の情報収集を行い、作成対象区域の優先順位やスケジュールなどの検討を進めている。これまでの浸水実績などから雫石川以南地区の事業計画区域を優先的に作成する方向で引き続き検討を進めていく。

(3)河川の安全対策について、北上川の堤防整備の現状と整備計画はどうか。ダムの治水能力を最大限発揮するための対策はどうか。洪水が予想される際の事前放流等による貯水容量の確保対策は取られているか。

≪建設部長答弁≫北上川の市内の堤防整備が必要な区間の整備率は、国管理区間において平成30年3月末時点で70%、県管理区間においては平成31年3月末時点で約6%となっている。国管理区間については平成30年6月に変更された「北上川水系河川整備計画」に基づいて整備が進められている。県管理区間においては平成27年に策定された「一級河川北上川水系盛岡北圏域河川整備計画」に基づき整備が進められている。

 ダムの治水能力を発揮する対策として四十四田ダムではダムの嵩上げ事業に着手していると聞いている。平成25年8月豪雨時の御所ダムと平成25年9月台風時の四十四田ダムで異常洪水時防災操作(緊急放流)が懸念されたが、二つのダムの連携操作により回避された。国、県のダムともに利水容量を放流する事前放流についてはダムの操作規則に規定されておらず、事前放流実施のルール化について利水ものと協議を進めると聞いている。
 台風19号時には、北上川ダム統合管理事務所が利水者と連携を図り、貯水位確保のための予備放流を実施したと聞いている。

(4)市の対策ともに、市民への周知、備えが大事ではないか、自主防災隊の結成状況と活動状況はどうか。住民の手による「地域防災マップ」の策定を進めてはどうか

≪総務部長答弁≫自主防災隊の結成率は令和元年12月1日現在で全世帯数に占める組織率は90.3%だ。複数回の訓練や研修など継続的に活動しているのは265組織中202組織、全体の76.2%となっている。土砂災害の危険性の高い地区を対象に実施した訓練において、9地区がマップを作成、地域独自の防災マップを作成した地区は8地区だ。市の防災マップに基づいた地域ごとの防災マップ作成に取り組んでいく。
4、ごみ処理広域化について

(1)かつてごみ処理施設の整備を誘致した3者のうち、前潟自治会長からその誘致を撤回する書面が市に提出されたということだが、市はどう受け止めているか。

≪環境部長答弁≫
令和元年10月28日付で前潟自治会長から提出された書面は、平成29年10月11日付で前潟自治会長を含む三者の連名により提出された「県央ブロックごみ処理施設の設置と地域振興に関する要望」について、前潟自治会内で協議されたものではなかったとして、前潟自治会長について取り下げを求める内容であり、三者のうち一者のみから取り下げの意思があったものだ。

(2)太田地区説明会で、反対の意見が多かったとの報道だがどう受け止めているか。この現状で候補地決定ができると考えているか

≪環境部長答弁≫太田地区の設営会では、広域化そのものに反対する意見、地域イメージへの悪影響、候補地選定の経緯や施設規模への疑問など多様な意見が寄せられており、広域化の必要性や、最新の知見と技術に基づき国内で最高レベルの安全対策を講じた施設を目指すことなどについての周知が十分でないものと受け止めている。
候補地の決定については住民説明会等を継続して実施することに伴う地域住民や関係者の理解の深まりの状況について、推進協議会に報告し総合的に判断していく。

(3)何をもって「住民合意」が図られたと判断するか

≪環境部長答弁≫ごみ焼却の熱エネルギーを活用した地域振興策やまちづくりなどについて、地域の皆さんとより具体的な内容について一緒に考えていくことができる状況が、理解が深まったことになると考えている。

 再質問で庄子議員は、住民の中にある 疑問の声は、余熱利用施設の活用のことではない。「広域化」そのものにあることを指摘した

(4)八幡平市長が9月市議会の一般質問の答弁で、広域化「広域化計画そのものを見直して再検討するという方向こそ今の時点で最も適切ではないか」という質問に対して、「私はもう5年も前から県にしゃべっている。聞く耳持たず、そういう県の対応で現在まで来ました。平成9年の通達(ダイオキシン対策のための広域化)これも実質的には形がい化している。これが実態だ。」「県の考えが変わればできることだ」と答えている。この本音を受け止めて、広域化計画の撤回を県に求めるべきではないか。

≪環境部長答弁≫平成23年1月に、盛岡市を事務局として広域8市町と6一部事務組合において「県央ブロックごみ・し尿処理広域化推進協議会」を設立し、協議を重ね、構成団体全ての合意の下で基本構想を策定し共同で取り組んでいるものだ。基本構想に基づき継続して取り組んでいく。