2019年10月定例会 神部伸也議員の一般質問

 
質問項目 (クリックするとジャンプします)
1、学校施設整備について
 計画先送り 北稜中学校の校舎
2、高齢者福祉について
 特養ホーム整備について
3、市立図書館大規模改修について
4、コミュニテイスクールについて
5、地域課題~みたけ地区の交通安全対策

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 質問  答弁
1、学校施設整備について

 はじめに、学校施設整備計画について質問します。先の6月議会において、私は一般質問で取り上げて、庄子春治議員も議案質疑で質問いたしました。

 まずは、実施計画の先送りの問題です。平成30年度の実施計画に掲載されていた16施設が、平成31年度・令和元年度の実施計画で令和4年度以降に先送りされました。具体的には、令和元年度に、校舎では、緑が丘小、松園小、月が丘小、厨川小、本宮小、中野小、下小路中の各校舎が基本構想の策定、下ノ橋中が修繕箇所の選定、屋内運動場では、厨川小、仙北小が基本構想策定、青山小、城東中、大宮中が実施設計、プールでは、松園小と大新小は平成30年度に基本構想策定が完了していますが、令和元年度は、実施設計が、月が丘小学校は基本構想策定、これが全て令和4年度以降に先送りとなりました。1年延長ならまだしも、2年半も先送りとはどういうことなのか、あまりにもひどすぎるのではないでしょうか。改めてその根拠をお示し下さい。

 過日9月14日土曜日の夕方、北陵中学校の1階から2階へ上る階段の踊り場の天井の薄壁、正式には「石膏プラスター」と呼ぶそうですが、剥離して落下するという出来事がありました。幸い土曜日ということで授業はなく、吹奏楽の部活動が近くの教室で行われている最中に落下して、物音に生徒が気が付いたとのことでしたが、これが、もし平日の時間帯で、生徒が歩いている最中だったら、あるいは、土曜日でも部活動が行われている中、生徒がたまたま歩いているところに落下してきたらと思うとゾッとします。原因は老朽化によるものと思われますが、児童生徒の安全を考えると、学校施設の改修は待ったなし、先送りできない問題となっていると思いますが、教育委員会はどのように認識していますか。令和4年度以降に先送りされた16施設は、なるべく前倒しをする必要があるのではないでしょうか。今後の学校施設整備について具体的にどのように考えているのか。6月議会で庄子議員が提起したように「特別枠で計画」を見直すべきと考えますが、いかがでしょうか。ご所見をお伺いいたします。

 合わせて、今回の北陵中学校の出来事を受けて、少なくとも同年代に建設された学校施設の安全点検を図るべきであり、今後も定期的に行うことも必要と考えますが、どのように対応されるでしょうか。お伺いします。
≪教育部長≫ 市公共施設保有最適化・長寿命化実施計画を先送りした理由についてでありますが、令和元年度に工事を予定していた仁王小学校と城西中学校の設計額が、資材単価及び労務単価の高騰、経年劣化による改修箇所の増加等により、計画工事費を大幅に上回る結果となったことから、やむなく、計画全体を見直さざるを得なくなったものであります。

 次に、学校施設の改修の先送りについての認識でありますが、児童生徒の安全を確保するため、学校施設につきましても、他の市有施設と同様に、先送りせずに、市公共し瀬保有最適化・長寿命化実施計画に基づいて、改修を進めるべきものと認識しております。
次に、令和4年度以降に先送りした学校施設の大規模改修の前倒しや、特別枠で計画することについての所見でありますが、4年度以降に先送りした学校施設につきましては、現在、工事費の縮減を図るため、工事内容の精査を行いながら、仕様の見直しを進め、2年度から4年度までの市公共施設保有最適化・長寿命化実施計画の策定に向けて、調整を図る方針であることから、特別枠での計画は考えていないところであります。

 次に、北陵中学校と同年代に建設された学校施設における、今後の対応についてでありますが、議員ご指摘のとおり、安全点検は、児童・生徒の安全の確保のため、非常に重要であると存じており、事案発生を受け、全ての市立小中学校、市立高校及び幼稚園に対して、校舎等の天井や壁面等の破損や、落下に係る一斉点検、及び注意喚起に関する通知を行ったところであります。
また、建築後、概ね40年を経過した学校施設のモルタルや、石膏プラスター等の天井材について、建築士の資格を有する職員による、緊急安全点検を進めているところであります。

 なお、校舎等の建物の定期点検につきましては、各学校による点検は、各学期ごと、建築士の資格を有する職員による点検は、3年に一度、実施しているところであります。
 2、高齢者福祉について

 施設整備について伺います。日本共産党が今年の春に行った市民アンケートでは、年金だけで入れる老人福祉施設の整備を求める声がたくさん寄せられました。70代女性からは「1か月5万円で入れるような老人ホーム増設を」、50代の男性からは「特養にすんなり入れるように。待機、待ち時間が長すぎ」、50代女性からは「高くて施設に入れない。家族の負担になっている」などなど切実な声が寄せられました。そこでお聞きしますが、現在、盛岡市内の老人福祉施設入所に必要な金額などはどのようになっていると把握しているでしょうか。実態をお知らせ下さい。

 3月議会で庄子議員が代表質問で取り上げましたが、数字だけではなく負担できる施設ということも含めて把握し、対策が必要ということについて、谷藤市長は「平成30年4月1日現在で緊急に対応する必要がある入所待機者のうち、特別養護老人ホームの待機者は138人」「このうち、多床室を備える従来型施設への入所を希望している待機者が64人、従来型またはユニット型施設を問わず入所を希望している待機者が39人」と回答されました。これらの方は、国民年金の平均5万5千円で入所できると理解してよろしいでしょうか。もし、そうでないなら、ニーズ調査なども行って、少ない年金でも入れるように検討すべきと考えますが、いかがでしょうか。市長は、「次期介護保険事業計画の策定におきましては、多床室の確保について検討する必要がある」と答えました。具体的に検討は始まっているでしょうか。これから入所希望者がますます増加する中で、いつまでも待機させるということがないように対応を図るべきと考えますが、いかがでしょうか。

 ≪谷藤市長≫、第8期介護保険事業計画の策定における、特別養護老人ホームの多床室確保の検討についてでありますが、国では、入居者の居住環境の改善を図る観点から、入居者一人一人の個性や生活リズムを尊重しつつ、在宅に近い居住空間を考慮した、ユニット型個室施設の整備を推進しているところであります。

 ユニット型個室にはプライバシーへの配慮が図られるメリットがあり、一方、多床室には利用者負担の軽減が図られるほか、建設費用が低減されるなどのメリットがあるものと存じております。
本市といたしましては、今後、次期計画の策定に当たり、在宅の介護サービス利用者を対象とした実態調査等を実施し、利用者のニーズを把握し、かつ、待機者の推移などを見極めながら、事業者の整備意向なども勘案し、特別養護老人ホームの整備の方向性を決定してまいりたいと存じます。

≪保健福祉部長≫市内の特別養護老人ホームの入所に必要な金額の実態についてでありますが、特別養護老人ホームの入所に当たり、最も施設サービス費が高い、要介護5の方の場合でお示しいたしますと、施設サービス費、居住費、食費の1か月当たりの費用は、本人の負担割合が1割の場合の基準費用額では、ユニット型個室については、月額13万6,276円、多床室については、月額9万8,363円となっております。

 この金額に、入所される施設によって異なります職員体制、サービス提供体制等による加算や日用品などの日常生活費を加えた金額が、御負担いただく金額となります。
次に、緊急に対応を要する入所待機者が、国民年金の平均月額の5万5千円で入所できるかについてでありますが、先ほど申し上げました基準費用額に対し、世帯の住民税課税状況や年金等の収入状況に対応した軽減措置があり、居住費と食費については、3段階の軽減制度が、施設サービス費については、自己負担の上限額が設けられております。

 この様な軽減制度等により、議員の質問にあります国民年金の平均月額5万5千円の方の場合は、第2段階に該当し、ユニット型個室については、月額5万2,510円、多床室については、月額3万8,560円に負担額が軽減され、月額5万5千円の範囲内におさまるものと存じております。
次に、少ない年金での入所の検討でありますが、先ほど説明いたしました、居住費と食費についての軽減や施設サービス費の自己負担上限額については、国の定めました全国一律の制度であり、それぞれの収入等の状況に応じた費用の御負担をいただくものとなっております。
 3、市立図書館の大規模改修について

 次に、市立図書館の大規模改修計画について質問します。去る7月11日、盛岡市図書館協議会は、谷藤市長宛てに市立図書館改修に対する意見書を提出しました。意見書を提出するに至った経緯としては次の通りです。市立図書館の老朽化問題については、数年来、ひょっとしたら十数年来になるかもしれませんが、図書館協議会の場でも話題となり議論がされてきました。

 私が1期目の時、約10年前となりますが、図書館協議会の委員をさせて頂き、その時も既に市立図書館の老朽化が話題となり、議論がされてきました。大きく動き出したのは、市立図書館の耐震結果が示されてからでしたが、図書館の在るべき姿を申し述べてきた協議会の意見は生かされず、市民の声も求められていませんでした。改修計画の説明でも、十分な資料と説明を得られず、議論する時間もない中で、委員全員が納得するまでには至りませんでした。そこで、同協議会会長は、大切な課題をそのまま経過させるわけにはいかない、委員の意見を市長にも知って頂き、実情を踏まえた上で大規模改修に対して、市長自らが目を光らせて頂きたい、そうした願いから意見書提出に至ったわけであります。

 会長の言葉を借りれば、図書館という場所は、市民のために平等に開かれた場所。個人の力では出会えない豊かな書物があり、その建物の中で多くの知的探求心が刺激され、精神面を豊かにし、人間性を育てる貴重な場所であり、憩いの場所でもあります。また、蔵書の宝庫のみならず、図書館を使用して、様々な文化を図れる画期的な活動をもたらす大切な場所でもあります。

 意見書は、最終的に一本化されたわけではありませんが、図書館を愛する方々の意見であり、市民から愛される図書館をという願いは一緒だと思います。ぜひ、谷藤市長におかれては、協議会委員の皆さんの思いを汲んで頂き、特に、図書館づくりに精通した専門家の導入や、設計図の話し合いの段階から、アンケートでお聞きをしたという一方通行ではなく、図書館に精通した市民の参加、準備委員会のようなものを立ち上げて、双方向で図書館改修を行って頂きたいと思いますが、ご所見をお伺いいたします。

 また、既に設計の業務委託を発注しているとお聞きしましたが、現状はどのようになっているかお知らせ下さい。合わせて、大規模改修完了までのスケジュールについても改めてお示し願います。

 県公立図書館等振興指針と比較して、開架スペース面積が3館合計でも達成率20%という問題に対して、今回の市立図書館大規模改修でどのように改善を図っていくお考えか。やはり、公共施設の最適化・長寿命化の方針が最優先で、全く考えていないのか。再検討の余地は全くないのでしょうか。お伺いします。

 盛岡市の図書館サービスに関するアンケート調査が実施されました。どのように取り組んだのか、アンケートの概要についてもお知らせ下さい。また、アンケート内容をどう大規模改修計画に生かすのか、改めて市の考えをお聞かせ願います。近隣の高校生や大学生の意見については、このアンケートに反映されているのでしょうか。たしか7月中をめどに近隣の高校生を対象に、直接話を伺う面談を実施する予定となっていましたが、取組状況と結果についてお知らせ下さい。
 ≪谷藤市長≫市民と双方向で市立図書館の改修を行うことについての所見でありますが、市立図書館の大規模改修に当たりましては、将来に渡り、中央館として多くの市民に愛され、魅力ある施設となるよう進めてまいりたいと存じます。
そのためには、広く市民の声を生かしていくことが重要でありますので、図書館利用者や図書館協議会、市民アンケートにおける意見などを基本設計に生かしながら、大規模改修を進めてまいりたいと存じます。次に、市立図書館の設計業務委託の現状と大規模改修完了までのスケジュールについてでありますが、基本設計業務委託については、令和元年10月3日付けで契約を締結したところであり、2年1月11日までを契約期間として、基本設計を進め、令和2年度に実施設計、3年度に工事を実施する予定であります。

≪教育部長≫ 開架スペースの面積の改善についてでありますが、大規模改修により、開架スペースを大幅に増やすことは困難でありますが、閉架書庫機能を学校の余裕教室など、他の公共施設の空きスペースを活用するなど、限られた面積の有効活用策を検討し、開架スペースの確保につながるよう、工夫してまいりたいと存じます。

 次に、図書館サービスに関するアンケートの概要についてでありますが、令和元年7月から8月にかけて、市内の公共施設40か所にアンケートボックスを設置し、盛岡市立の図書館がもっと魅力的になるためのサービスの充実に関する項目などについてアンケートを行い、466名から回答がありました。

 その主な内容は、蔵書に関しては、42.3%の方が「話題性のある本を増やす」、14.9%の方が「新聞・雑誌の種類を増やす」、設備に関しては、23.4%の方が「ソファ等に座ってゆったり静かに本が読めるようにする」、14.0%の方が「自由に会話や飲食ができる交流スペースを作る」、図書館以外で行うサービスの充実に関しては、34.1%の方が「図書館以外の施設などでも、予約した本の受取や返却ができるようにする」、18.6%の方が「公民館や地区活動センターの図書室の本の種類や数を増やす」という結果でありました。

 アンケートの要望のうち、施設・設備については、可能な範囲で基本設計に生かしていくよう、設計業者と協議・検討を行ってまいりますし、図書サービスについては、可能な限り実現に向けて取り組んでまいりたいと存じます。
次に、近隣の高校生や大学生の意見についてでありますが、実施したアンケートでは、近隣の高校生や大学生であるかどうかは確認できませんが、回答者466名のうち、19歳以下の回答が92名で、割合は、19.7%であります。
次に、高校生に直接面談した状況と結果についてでありますが、令和元年7月に、県立盛岡第一高等学校及び盛岡第三高等学校の生徒34名に直接面談して、「会話や飲食が可能な学習室の設置」「郷土の偉人や盛岡の風土に関する調べ学習に対応したコーナーの設置」「高校生も参加できるビブリオバトルや大人向けイベントの開催」などのご意見をいただいたところであります。

 4、コミュニティ・スクールについて

 次に、コミュニティ・スクールについて質問します。このことについては、平成29年12月議会で、浅沼勝人議員が質問しておりますが、改めてお聞きをいたします。
「コミュニティ・スクール」とは、「学校運営協議会制度を導入した学校」のことだそうです。文部科学省の説明では、「コミュニティ・スクールは、学校と地域住民等が力を合わせて学校の運営に取り組むことが可能となる『地域とともにある学校』への転換を図るための有効な仕組みづくりです。コミュニティ・スクールでは、学校運営に地域の声を積極的に生かし、地域と一体となって特色ある学校づくりを進めていくことができます」と書かれております。

 コミュニティ・スクールの主な3つの機能は、①校長が作成する学校運営の基本方針を承認する、②学校運営について、教育委員会または校長に意見を述べることができる、③教職員の任用に関して、教育委員会規則に定める事項について、教育委員会に意見を述べることができる―となっています。

 平成29年3月に、国会で「地方教育行政の組織及び運営に関する法律」の一部が改正され、学校運営協議会の設置が努力義務化になりました。

 平成30年4月1日現在で、46都道府県内で5,432校(幼稚園147園、小学校3,265校、中学校1,492校、義務教育学校39校、中等教育学校1校、高等学校382校、特別支援学校106校)で導入されています。前年の法改正による「努力義務化」ということもあり、前年度比で1,832校もの増加となり、全国の学校のうち14.7%の導入率となっています。学校設置者数で見れば、46都道府県内18道府県532市区町村(532のうち6は学校組合)で、全国の学校設置者のうち30.5%が導入しています。

 岩手県内では、平成30年4月1日現在で、学校設置者数で5、学校数で19(小学校12、中学校6、義務教育学校1)となっています。

 そこで、何点かお伺いしますが、岩手県内では、八幡平市や岩泉町などで既に実施されているとお聞きをしましたが、県内の取り組み状況についてお知らせ下さい。
現在、盛岡市では「教育振興運動方針」に基づいて取り組みを進めていますが、その中で、文科省の説明にある「『地域とともにある学校』への転換」は、私は既に達成されているものと、地域活動やPTA活動を通じて感じていますが、この「コミュニティ・スクール」の取り組みが導入されることによって、学校がどのように変わっていくものと認識していますか。また、学校運営協議会を設置することで、保護者や地域、学校の先生方の負担が増えるのではないか、PTA活動や教育振興運動の取り組みがどのようになるかなどの不安や疑問の声も全国の取り組みの中であるようですが、その点はいかがでしょうか。

 今後のスケジュールについて私がお聞きした話では、岩手県教育委員会は、令和4年度までに全てで設置するということで、令和2年~3年は移行期間となるようですが、それは、全自治体ということでしょうか、それとも全学校ということでしょうか。法改正では、「複数校で一つの協議会を設置することが可能」となっておりますので、全自治体のことではないかと思いますが、岩手県の方針及び盛岡市の方向性について、スケジュールも含めてお示し下さい。この間、何度か「コミュニティ・スクール」という言葉を耳にしましたが、私が最後にお聞したのは夏休みの期間中のことでしたが、県の方針内容や盛岡市教育委員会の取り組み方針など、学校現場まで下りていないのではないかと感じましたが、学校の方でも今後の在り方を検討していかなければならないということなので、しっかりと情報提供をすべきと考えますが、この点についてはいかがでしょうか。
 また、地域もこれまで以上に学校運営に深くかかわることになり、役割を担える人材探しに苦慮することになるのではないかと思いますが、地域への説明やアプローチはどのように行っていく考えか、お示し下さい。
 ≪教育長≫初めに、コミュニティ・スクールの県内の取組状況についてでありますが、平成31年4月現在、普代村、大槌町、金ヶ崎町、山田町の4町村が、全ての学校で、岩泉町、八幡平市の2市町は、一部の学校でコミュニティ・スクールを導入しております。
次に、コミュニティ・スクール導入による学校の変化についてでありますが、コミュニティ・スクールは、「地域とともにある学校づくり」をめざしており、この方向は、現在、盛岡市が取り組んでいる教育振興運動と重なるものでありますが、「学校運営協議会」を設置するという点が、大きく変わるものであります。
次に、学校運営協議会を設置することによる、保護者の負担等についてでありますが、文部科学省の資料によると、学校運営協議会の委員は、自治会やPTA、民生児童委員等の代表者、10人以上で構成されており、設置にあたっては、委員の確保が課題であると捉えております。また、会議の開催は、年8回が計画例として示されており、委員や事務局にかかる、保護者、地域、教職員の負担が生じるものと存じております
次に、岩手県の方針及び市の方向性とスケジュールについてでありますが、県としては、令和4年度のコミュニティ・スクール導入を目指しており、元年度は、各市町村教育委員会訪問や各種研修会等による説明、コミュニティ・スクールに関する資料の作成・学校への配布、2,3年度は、コミュニティ・スクールを導入することとした市町村教育委員会や学校への支援を行うこととしております。
市教育委員会としましては、国や県の動向を把握するとともに、現在の市教育振興運動との関連を十分に考慮しながら、コミュニティ・スクールの導入について検討してまいりたいと存じます。
次に、学校・地域への情報提供や説明についてでありますが、県教育委員会では、コミュニティ・スクールに関する資料を、全ての教員に配布するとともに、公立小・中学校長研修講座や、地域の方々を対象とする、教育振興運動推進研修会等を通して説明しているところであります。
市教育委員会としましては、保護者や学校関係者、地域住民等の代表で構成される、盛岡市教育振興推進委員会等において意見をいただきながら、コミュニティ・スクール導入についてまとめ、市立の各学校や学校区教育振興協議会、市PTA連合会などに、広く周知してまいりたいと存じます。
5、地域課題について
 
 次に、地域課題について質問いたします。
みたけ地区の旧日本たばこ跡地に「アクロスプラザ盛岡みたけ」がオープンしてから1年が経過しました。様々な商業施設が立地し、地域住民にとっては近場で買い物を済ますことができるという利便性の向上とともに、住宅やアパートも増えて、特に、子どもがいる若い世帯が増えて地域の賑わいを創出しています。

 一方で、当初から予想されていた交通量の増加による問題は、町内会をはじめとした地域の集まりや、学校の懇談会等でも必ず話題に上る問題となっています。地域にとっての問題は、歩行者の安全という問題です。近隣地域の高齢者は歩いて買い物に行きますが、横断歩道まで距離があるために無理して横断して車と接触する事故が発生しています。また、渋滞を回避するために、幹線道路から外れて、細い生活道路まで侵入しスピードを出して走行する車も時々見受けられ、懇談会の中でも子どもが怖い思いをしたという報告も出されています。
 店舗出店前の事前説明会では、市の職員も同席して2度ほど説明会が開催されました。そこで示された交通量調査は平成26年5月時点のもので、「いずれの交差点も交通処理が可能」ということが示されましたが、今年の4月に滝沢中央スマートインターチェンジも開通したことも加わって、地域環境も大きく変わり、予想以上の交通量になっているのというのが地域の実感です。

 開発したのは民間ですが、これまでの説明会に市も関わっていますので、今後の地域の渋滞対策や歩行者の安全対策等、市もしっかりと関わって一緒に考えて頂きたいと思います。まずは、地域の福祉推進会からも要望書が提出されておりますが、交通量の実態を把握した上で、行政と地域と、あるいは場合によっては開発業者も交えて、一体の共通認識のもとに対策など一緒に考えていく必要があると思いますが、市の考えをお聞かせ下さい。合わせて、今、様々な道路改良工事も行われていますが、現段階で計画されている事業をお示し下さい。

 また、横断歩道の設置など、具体的に計画されている歩行者の安全対策についてもお示し下さい。前段に申し上げました生活道路の交通規制など、歩行者の安全を守るためにどうしたらいいか地域でも考えておりますが苦慮しております。こういう場合に、これまで他地域ではどのような取り組みが行われてきたのかお示し願います。
≪建設部長≫ 地域の渋滞対策や歩行者の安全対策等についてでありますが、当地域における交通の状況につきましては、「アクロスプラザ盛岡みたけ」の出店によって、周辺道路の交通量が増加し、渋滞も発生しているものと認識しております。
今後につきましては、周辺道路の整備を実施しておりますので、その完成後に交通量調査を行い、地域に有効な対策について、本市や警察、開発者など関係者及び地域の方々と一緒に検討してまいりたいと存じます。
次に、みたけ地区における道路改良事業についてでありますが、「アクロスプラザ盛岡みたけ」の西側の市道みたけ4号線において、歩道の設置と車道の拡幅整備を平成27年度より実施しており、令和2年度の完成する見込みとなっております。
また、盛岡市と滝沢市を結ぶ市道谷地頭線において、歩道と車道の拡幅整備に係る設計を平成27年度より実施しており、現在、用地補償等を進めているところであります。
次に、生活道路の交通規制など歩行者の安全を守る他地域での取組についてでありますが、市では生活道路対策としてエリアを設定し、河南地区の市道八幡町中野一丁目線や鉈屋町茶畑二丁目線において、走行速度を抑制する交差点のカラー舗装や歩行者を優先した空間を確保するための路側帯の拡幅等を行っております。
また、西見前地区の市道高櫓線において、車道の拡幅による速度超過の対策として、国土交通省の協力を頂きながら可搬式ハンプを設置し、自動車の走行速度抑制効果を検証する実証実験を実施中であります。

≪市民部長≫横断歩道設置などの具体的な計画についてでありますが、岩手県警察本部によりますと、「アクロスプラザ盛岡みたけ」の東側の市道みたけ4号線と市道みたけ5号線との交差点において、令和2年度の横断歩道の設置に向けた検討を行っていると伺っております。
また、西側の市道稲荷町谷地頭線において、地域から横断歩道移設の要望がありましたので、所轄の盛岡西警察署と協議を進めているところであります。
次に、生活道路の交通規制など歩行者の安全を守るための他地域での取組についてでありますが、交通規制には一方通行や速度制限等がありますが、大きな商業施設の建設を契機とした例としては、通学路や住宅地域など生活道路が集中している区域を設定し、区域内を時速30キロメートルの速度制限とするとともに、専用の標識や路面標示などの安全対策を組み合わせて実施する「ゾーン30」があり、長橋・土淵地区で実施されております。
同地区は、振興団地として住宅地が形成されてきましたが、住宅地内の生活道路が青山方面や滝沢市方面から国道46号線や大型の商業施設への抜け道として利用され、生活道路を通過する車の通行量が増加したこと、また、地区内には土淵小学校や同中学校もあったことから、「ゾーン30」が実施されたものであります。